エクストラヴァージンオリーブオイル
エクストラヴァージン(EXV)オリーブオイルは、独特の苦味・辛味・青さ・フルーティさのバランスが銘柄によってかなり違うので、好みがかなり分かれるため、価格が高ければ”美味しい”とはいえない。
でも、価格が(異常に)安いEXVオリーブオイルは、風味が薄くて、油っぽい味がして、そのまま飲んで美味しくはない。
ピュアオリーブオイルも、化学抽出したオリーブオイルに少々EXVオイルを混ぜたものなので、私は加熱用であってもEXVのオリーブオイルを使っている。
オリーブオイルは、開封後は酸化するため1ヶ月~2ヶ月くらいで風味が薄まるそうなので、すぐに使い切れないなら250ml瓶をこまめに買い替えた方が良い。それに、250mlだといろいろなEXVオイルを次々に使えるのも良いところ。

EXVオリーブオイルは数種類使っているけれど、他にも手頃な価格で美味しいオイルがないか、ガイドブックなどで探してみた。
いろいろなオイルを試したいのだけど、銘柄によって、好みに合うかどうかかなり別れる。
製品レビューを見ても、あまり当てにならないので、結局、1本買って自分で使ってみるしかない。
ハズレるとイヤなので、高価なオイルはなかなか買いにくい。

単一品種からつくられたEXVオリーブオイルは、ブレンドオイルよりも高価格で大量生産できず、個性的で特徴が明確。
ブレンドオイルは、原料となるオイルを様々なルートから買い集めてブレンドしているので、比較的低価格でクセが少なく普段使いしやすい。

「ラニエリ/エクストラヴァージンオリーブオイル」
常用しているオイル。クセがないけれど、青みやフルーティさはほとんどない。
それなりにコクがあるので、生でも加熱用でも、サラダ・パンにつけてもOK。
価格が安いので、普段使い用。250ml(約400~500円)、500ml(700円前後)、1000mlの3サイズあり。

ラニエリ エクストラヴァージン・オリーブオイル 1000ml ラニエリ エクストラヴァージン・オリーブオイル 1000ml

オーバーシーズ




「カルボネール/エクストラヴァージンオリーブオイル スペシャルセレクション」
とてもスパイシーで、サラダにかければペッパーいらず。パンにつけるなら、ラニエリの方がまろやかで美味しい。250mlで400円前後。
カルボネール製品は、(すぐに使い切ることを前提にしているのか、コスト削減のためか?)なぜか透明の瓶なので、開封前・開封後ともアルミホイルで瓶全体をしっかり巻いて、光に当たらないようにしている。

カルボネール エクストラバージンオリーブオイル スペシャルセレクション 500ml (458g)<br />カルボネール エクストラバージンオリーブオイル スペシャルセレクション 500ml (458g)


Carbonell(カルボネール)




「カルボネール/オーガニック・エクストラヴァージンオリーブオイル」
「スペシャルセレクション」とはかなり違ったオイルで、粘度が高くて、スパイシーさも苦みもなく、さっぱりした淡いフルーティなオイル。
ラニエリの方が多少コクがあるような気がするので、同じ価格帯(250mlで約400~500円)ならラニエリを選ぶかな。

カルボネール オーガニックEVオリーブオイル 458gカルボネール オーガニックEVオリーブオイル 458g

Carbonell(カルボネール)




「サンテラモ/エクストラヴァージンオリーブオイル ホワイトラベル」
価格が高めのわりに風味が強くもなく、あっさりと上品で、ほとんど印象に残っていない。
この価格(250mlで1300円前後)でこの風味なら、リピートする気にならない。
ホワイトラベルではなく、グリーンラベルなら、もっと風味とコクがありそう。

サンテラモ エクストラバージンオイル ホワイトラベル 250mlサンテラモ エクストラバージンオイル ホワイトラベル 250ml

サンテラモ





「ロザーティ/エクストラヴァージンオリーブオイル サビーナ DOP」
実売価格が250mlで2000円弱と高めだけど、さすがにラニエリやカルボネールとは明らかに違い、香り・味とも格段に良い。
とてもフルーティで軽やか、青っぽさとフルーティさが爽やか。価格に見合うだけの美味しさがある。
苦味と辛味・ペッパー風味が弱いので、そのまま飲んでも、サラダにかけても、パンにつけても、美味しい。

ロザーティ サビーナ産EXヴァージンオイルDOP 500mllロザーティ サビーナ産EXヴァージンオイルDOP 500ml

ROSATI(ロザーティ)


ロザーティ博士のサビーナD.O.P.高品質オリーブオイル[モンテ物産/ミラノ駐在員からの現地最新情報]
ロザーティ社 エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル[サントリーウエルネスOnline]

「DOP」とは、Denominazione di Origine Protetta(保護指定原産地表示あるいは原産地名称保護)という認証。品質保証された生産量の少ない稀少なオイル。
オリーブオイルの豆知識/第5回 もっと知りたいオリーブオイル!「IGP」と「DOP」(BOSCO)


「オッギュ/エクストラヴァージンオリーブオイル」
実売価格が250mlで1000円前後。
青りんごのようなフルーティな味が美味しい。風味自体は弱くて後に残らないので、少し多めにつけている。
生の水ナスにつけて食べると、水気の多い水ナスの瑞々しさと青りんごの風味がマッチして、とても美味しい。

オッギュ エキストラバージンオリーブオイル 250mlオッギュ エキストラバージンオリーブオイル 250ml

オーバーシーズ



<BOSCO、味の素>
ほとんどのスーパーで販売している「BOSCO」は辛味が強すぎて、生でそのまま飲むと、辛味で喉がヒリヒリする。
「味の素」は、風味が弱い(というか、ほとんどない)くて、ドレッシング用か炒めものに使う方が良い気がする。
他ブランドの同価格帯オイルの方が私の好みにあっているので、それぞれ小瓶を買っただけでリピートせず。
50mlや70mlの小瓶は割高だけど、味見用に買うにはちょうど良いサイズだった。


<オリーブオイル・カタログ>
おいしくて、からだにいい オリーブオイルの選び方 使い方
オリーブオイルの採取・製造工程が良くわかる。
オリーブオイルの価格差の理由は、風味・味といった品質はもちろんのこと、採取方法(手摘み、機械)や搾り出し方法で、効率が大きく違う。これが品質に影響するし、作る手間と時間がかかれば販売価格も高くなる。
イタリア南部・シチリア島で取れるオリーブオイルは、ロザーティみたいな風味のものが多いらしい。
これから買うイタリアのオリーブオイルは、イタリアの南の地域でつくられた銘柄を選べば、外れることが少なそう。


おいしいオリーブオイル101―OLIVE OIL TASTING NOTEBOOK
出版年はちょっと古い。「世界的権威アン・ドラモア女史」が日本国内で販売されているオリーブオイル101本についての評価コメントをつけている。どんな風味と味なのかが大体わかるし、価格が載っているので目安になるのも◎。
女史の評価では、日本で販売されているEXVは、風味が弱くあっさりした製品が多いとのこと。
本書で紹介しているオリーブオイルのなかで、私が使ったことがあるのは、「カルボネール」、「サンテラモ・ホワイト」、「ロザーティ」。
amazonで人気のある「アルチェネロ(有機)」も、ペッパー味が強烈ということなので、パス。
よく見かける「ベルトーリ」は、ブレンドオイル。「風味は弱く、ほのかに口の中で油っぽい感覚」ので、買わない方が良さそう。

<著者による国別ベストオイル>
フランス:スペクトラム、ア・ロリヴィエ・アラパリジェンヌ、ジェイムス プラニオル、プジェ
イタリア:エム・ビーサンタテア・フルットーソ・インテンソ 、ラビオ・イデア、ラ・カッシーナ、イルレッチェートロザーティタジャスカバディア
スペイン:ムエロリーバ、カルボネール、オレアストゥルム、ウニオ

amazonや楽天でも購入できるオイルがいくつかある。
私が使ったことのあるのは、「カルボネール」、「ロザーティ」、「サンテラモ・ホワイト」。
購入したのは、「カルボネール」(スペシャルセレクションとオーガニック)、「ロザーティ・サビーナDSP」なので、本書で紹介している製品とは、銘柄が違う。
本書のコメントでは、「カルボネール」は「常に信頼のおけるスペイン産ブレンドオイル」。
カルボネールのオリーブオイルは、単一の畑で収穫したオリーブではなくて、異なる畑で収穫したオリーブから搾った油をブレンドしている。(価格が安いのはブレンドオイルだからだとわかった。)
「カルボネール」は、スペインのEXVオリーブオイルのなかでは評価が良く、近頃話題になっている”偽装オイル”ではない。
オイルの香り・風味は、「炒られたコーヒー豆の豊かで深みのある香り、豊かで深みのあるトロピカルフルーツの風味。ほとんどチョコレートに近い風味の豊かさがある。」
今使っている「スペシャルセレクション」の方は、このコメントとはちょっと違って、スパイシーでサラダにかけるとペッパーいらないくらい。
著者のコメントを読む限り、ノーマルタイプの方が好みに合っているはずなので、今度amazonで買ってみよう。
「カルボネール」の難点は、なぜか瓶が透明なこと。すぐに使い切ることを前提にしているのだろうか?
店頭に並んでいる間も酸化が進むし、250mlだと使い切るのに2ヵ月くらいかかるので、購入後はすぐにアルミホイルで瓶全体を包んで、扉のついている棚のなかに保管している。

「ローザティ」(COLLE DEI FRATI)は「おいしい風味が口のなかに広がる。ペッパーの風味が強すぎるが、全体的に素晴らしいのひとこと」。
「ローザティ・サビーナDOP」は、青みとフルーティな風味でペッパー風味は弱かったので、やっぱりこれとは違う銘柄みたい。

「サンテラモ・ホワイト」は、「はっきりした風味が感じられなかった」とのコメントで、実際その通りだった。
「サンテラモ・グリーン」は、「強いペッパー風味が後味にある」ということなので、好みと合わない可能性大。

苦味とペッパー風味が強くなくて、青りんごとかフルーティなオイルが好きなので、著者のコメントからすると、イタリア南部・シチリア産のオリーブオイルを選ぶのがよさそう。


オリーブオイル・ガイドブック
高級そうな?オリーブオイルが多い。価格が載っていないのが不便。

オリーブオイル・ハンドブック (朝日新書)
ボスコ製品の紹介が多い。ボスコのEXVは辛みが強すぎるし、紹介されているラインナップの説明を読むと、それより辛い製品も多いらしいので、やっぱりボスコは私の好みには合わない。
私が美味しいと思う「ロザーティ・サビーナDSP」も紹介されている。
最後に、偽装オイル対策として、日本の大手メーカーブランドのオリーブオイルまたは輸入・販売しているオイルを勧めている。
その理由は、健康被害が発生したときの損害賠償ができるから。
損害賠償のことまで考えてオリーブオイルを買わずとも良さそうな気がするし、他にも安心(と思える)輸入オイルはいろいろあるから、あまり役に立つアドバイスとは思えない。
それに、オリーブオイルの産地・種類を偽装したくらいで健康被害に合うものだろうか??
中国のように加工食品に不良有毒油脂を使っていたら健康被害も発生するだろうけど、イタリア・スペイン・ギリシャでその種の偽装があるとは思えない。


<書籍>

エキストラバージンの嘘と真実  ~スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界エキストラバージンの嘘と真実 ~スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界
(2012/11/22)
トム・ミューラー




オリーブオイル~食品業界の光と影/ニセ物が横行するオリーブオイルビジネスの実態(その1)

オリーブオイルは、瓶詰めされた場所が生産地。
ギリシャ・スペインなどで採取されたオリーブオイルをイタリアに輸入してから、ブレンド・瓶詰めすれば原産国は「イタリア」となる。単に「イタリア産」と表示されるだけで価格が上がるため。
これは「偽装」ではなく、法的にそういう表示が認められているので、合法的。
問題となっている「偽装オリーブオイル」とは、、エキストラバージンと表記していながら、中身はエキストラバージンの基準に見たず、精製オリーブオイルをEXVに混ぜている。
オイル自体が美味しくて、”偽装オイル”ではないなら、スペイン産・ギリシャ産とか表示されているオイルを買っても全然かまわないと思う。

問題は、「輸出市場の5割超のシェアを有するスペイン産オリーブオイルのおよそ8割、つまり世界で流通するおよそ4割のオリーブオイルが品質偽装され「エキストラバージン」を騙っている」疑いがあること。
生産地がどの国のオイルであっても、生産者やオリーブの産地が明確に表示されていて、信頼できそうなオイルを選んで買うしかない。
でも、「DOPやIGP表示も店頭の製品の品質保証をするものではない」と言われてしまうと、そこまでオリーブオイルの品質に拘る気がしなくなってくる。

- スペインである消費者団体が市場に出回っているオリーブオイル製品を調査したところ、実に3分の1の製品がラベルに虚偽の品質表記をしていたことが判明した。つまり、エキストラバージンと表記していながら、中身はエキストラバージンの基準に満たないオイルが入っていたのだ。
- スペインで生産されるオリーブオイルのうち、「エキストラバージン」の等級に当たるオイルは全体の20%程度にすぎない。
- スペイン産の大量の精製オリーブオイルが「エキストラバージン」オリーブオイルに、不正にすり替えられている。
- お手元のオイルのラベルに「イタリア産」と書かれていて、比較的安価で大量販売されているものであるとするなら、その中身はスペイン産である可能性が高い。


第4回 偽装が多いオリーブオイル。どうやって見極めればいいのか?
- DOPやIGPといったEU独特の原産地保護呼称ですら品質の保証にはならない。これらの認証の目的があくまで栽培や生産工程にあり、店頭に並んだ状態で良質の「エキストラバージン」オリーブオイルの品質を保証するものではない。


第5回 ペットボトル、透明容器のオイルは早めに使いきる オリーブオイルの上手な選び方(その2)
- オリーブオイルが劣化する最大の要因は「酸化」。油にとって、空気中の酸素や太陽光は大敵であり、さらされている時間が長いほど劣化が進んでしまう。
- 日本の大手製油メーカーのブランド商品は、当然ながらそれら日本の製油メーカーの品質管理基準で管理されている。一般に、日本の製油メーカーの管理は海外の大手メーカーに比べると厳格であり、はるかに信頼に足るものであると言える。一方、専門の商社や代理店が輸入する商品は、生産規模の小さな農園やワイナリーのオーナーなどがワインとともに生産している商品もあり、個性あふれる素晴らしいオリーブオイルに出会うことも多い。ただしその半面、商品を発掘するバイヤーには優れたオリーブオイルの品質をきちんと見分けるための鑑識眼が求められるため、残念ながら事業者によって商品の品質には非常に大きなばらつきがある。
- ペットボトル入りのオリーブオイルは長期の保存には向かない。透明なガラス瓶も、「光」によってオイルの酸化が進む。両方とも早く使い切ること。
- 理想的なのは、色のついたガラス瓶やステンレスなどの光を通さない容器。
- 開封後は、短期間で使い切る。開封後は賞味期限の表示にかかわらず、できれば3カ月以内に使い切ることがベスト。

レーゼル ~ ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集(旧盤)
レーゼルがベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を再録音したということなので、旧東ドイツ時代の1988年~1991年にかけて録音した旧盤(Berlincalssics)を聴き直してみた。

どの曲も、レーゼルらしく余計な飾りをつけずに、やや地味ながらも堅実なベートーヴェン。
逸ることのない安定したテンポで、不自然な淀みや揺らぎもなく、細部まで明瞭で精巧。
音の粒立ちが良く、どんなパッセージの流れも滑らか。ケンプのレガートが絹のような質感だとすれば、レーゼルのレガートは、真珠のネックレスのようにコロコロした粒が綺麗に揃っているような感覚。
スケールは滑らかでドライブ感もあり、アルペジオを重ねた響きは濁りなく重層感が華やか。
音色は明るめで暖かみがあり、響きはクリアで伸びやか。
情緒過剰な繊細さや威圧的な力強さとか、聴き疲れるようなところがなく、過不足なく(とでもいうのか)無理のない自然な流れを感じさせる。
でも、そういうところが逆に物足りないと思ってしまう曲や楽章もある。

レーゼルのピアノ協奏曲BOX。
Piano ConcertosPiano Concertos
(2006/10/24)
Peter Rosel 他

試聴する(分売盤にリンク)
収録曲のなかで一番好きなのはプロコフィエフの第2番。シューマンも堂々とした演奏でかなり好き。

レーゼルのベートーヴェン全集のなかで好きな演奏は、第1番と第4番。「皇帝」もいいと思うけれど、もともと特に好きな曲ではないので。
第1番は、速いテンポで若者らしい自由闊達で活気に満ちたタッチで弾いている人が多い。
レーゼルは、そういう方向とは違って、テンポは速くはないし、タッチやフレージングも柔らかく滑らかなので、スピーディで勢いよく..というわけではない。
喩えていえば、白百合のように品良くしとやか。よくコントロールされたテンポと一音一音きっちりと弾きこんでくるタッチは、落ち着いた品の良さを感じさせ、ベートーヴェンらしい構造堅牢な安定感もあって、いつも元気な少年が走りまわっているような演奏ばかり聴いている、とても新鮮に聴こえる。(そういえば、アンダも品よく愛らしく弾いていた)

第1楽章のカデンツァは、ベートーヴェン自作の3種のうち、未完成(か紛失)のバージョンを珍しく弾いている。未完成部分は、レーゼルが数小節補完している。
このカデンツァは、普通弾かれるバージョンと比べて、ピアニスティックなところがやや薄め。
この楽章のレーゼルの演奏からいえば、この珍しいバージョンのカデンツァの方が、雰囲気も流れも似合っている気はする。

第3番は、5曲のコンチェルトの中では最もロマン派に近くて、旋律からしてとてもロマンティック。
そのわりに、レーゼルは(予想どおり)ロマンティックな味付けは少なく、かなりあっさりした感じがする。
ルプーみたいにロマンティシズム濃厚なのは苦手だけれど、もう少しロマン派よりに情感濃い目の方が好きなので、私の好みとはちょっと違う。

第4番も優美で落ち着いたタッチで、喩えて言えば、第1番が貴族の令嬢だとすれば、こちらはハプスブルグ家の若かりし頃の女帝マリア・テレジア風?。
第1楽章は安定したテンポで、レーゼルの透明感のある明るく伸びやかな音と適度なメリハリのある歌いまわしには落ち着きと風格がある。
静かに沈潜するような第2楽章でも、レーゼルが弾くと悲壮感は薄めで、さらりと淡い哀感漂う。レーゼルの音色が明るく暖かいので、どことなく白い光がさしこんでいるような明るさがあるような。
第3楽章は、この楽章にしてはそれほど軽快なタッチや響きではなく、響きも厚めで重厚な感じ。

この全集で気になるのは音質。かなり以前に何度か聴いただけだったので、聴き直してみると音質が、私の好みから言えば、あまり良い音ではないのに気が付いた。
5曲ともベルリン教会で録音しているせいか、瑞々しさはあるのだけど、残響が多めで滲んだような響きがする。特に第4番はピアノの音(特に高音)が他の曲よりも少し遠くから聴こえてきて、音の輪郭や表情がはっきりしない。
教会録音したピアノの音というのは残響が多いし、音が空間に拡散していくように感じるので、もともとあまり好きではない。この全集を聴くことがあまりなかったのは、この音質がかなり影響していたのかも。
オケがベルリン交響楽団だったので、ベルリン教会で録音したのだろうけど、同じ聴くなら良い音で録れるルカ教会の録音で聴きたかった。

再録音は、スイスのVeveyにあるSalle del Castilloでのライブ録音。
レーゼルのホームページでスケジュールを確認すると、4月9日に第2・3・4番、10日に第1・5番を演奏している。
ルカ教会で録音したモーツァルトの音質がとても良かったので、せっかく録音するなら、モーツァルトプロジェクトのように、1曲づつ時間をかけて、ルカ教会でセッション録音して欲しかった気がしないでも...。
それでも、今時のライブ録音は音質も良いので、少なくとも既発盤よりはずっと良い音で聴けるはず。

こちらは旧盤の第5番。
Beethoven - Piano Concerto No. 5 in E-flat major, Op. 73 "Emperor" - I. Allegro



<関連情報>
[第89回N響オーチャード定期]ソリスト:ペーター・レーゼル(インタビュー)(2015年12月20日・羽田空港にて)

レコード芸術12月号/インタビュー記事>
12月発売予定の『ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集』については、ほんの少し触れているだけ。記事の半分くらいモーツァルトのピアノ協奏曲に関する話だった。
この記事の冒頭部分に、”2016年3月にソロの小品とバッハを録音した”と書かれていた。
レーゼルのホームページで3月の予定を確認すると、確かにドレスデンでバッハと小品集を録音している。

7.-11. Dresden Lukaskirche
CD-Produktion King Records mit zwei Solo-CD
Bach, Partiten 2 und 4, Italienisches Konzert u. a. Klavierstücke verschiedener Komponisten

(ソロCD制作:キングレコード2枚のソロCD
バッハのパルティータ第2番&第4番、イタリア協奏曲他、様々な作曲家のピアノ作品)

小品集は『ユーモレスク/ピアノ小品集』として今年6月に発売済み。
バッハ録音がリリースされるのは、早くても来年中。とても好きなパルティータ第2番が入っているので、なるべく早く発売して欲しい。
2017年にメモリアルイヤーを迎える作曲家
この時期になると、いつもチェックするのが、翌年メモリアルイヤーを迎える作曲家。
毎年、↓の2つのサイトで該当する作曲家を確認している。

クラシック作曲家生没記念年一覧

メモリアルの作曲家[クラシックの演奏会情報サイト「i-amabile(アマービレ)」]
暦年と、検索する暦年の間隔(10、50、100年単位)を設定して検索する。


2017年は知っている作曲家自体が少なく、名前を知っているのは、

●クラウディオ・モンテヴェルディ 生誕450年  (1567年 ~ 1643年)
●グラナドス 生誕150年  (1867年 ~ 1916年)
●テレマン 没後250年  (1681年 ~ 1767年)
●スコット・ジョプリン 没後100年  (1868年 ~ 1917年)
●コダーイ 没後50年  (1882年 ~ 1967年)
●エイミー・ビーチ 生誕150年  (1867年 ~ 1944年)

ピアノ作品に限れば、確実に聴いたことがあるのは、グラナドスくらい。
ラグタイムで有名なジョプリンは、たぶんどこかで曲を聴いたことはあるだろうけど、自分から進んで聴こうと思ったことはない。
ビーチは聴いたことはあるのだけど、曲は全然覚えていない。amazonの試聴ファイルで何曲か聴いてみたら、ブラームスを少し軽やかで優美にして、リストやショパンを融合したような、かなりロマンティックな作風。
結構好みに合いそうなので、NMLでもう少ししっかり聴いてみたくなってきた。

グラナドスの方は、CDはほとんど持っていないし、録音があったとしても、たまたまカップリング曲として収録されていただけ。
”スペインのショパン”と言われる作風が、ショパン苦手の私にはどうにも合わない。”スペインのドビュッシー”のアルベニスの曲は好きなんだけど。

グラナドスのピアノ作品で一番有名なのは、たぶん組曲「ゴイェスカス」(作曲年:1909~11年)。
全曲通して聴いたことはないので、ラローチャの音源で初めて聴いてみた。
もともと劇伴組曲とかスペイン舞曲風の曲があまり好きではない上に、煌びやかな旋律や和声が私の好みに合わないようなので、やっぱりグラナドスとは相性が悪い。

Goyescas (with El Pelele) - Enrique Granados - Alicia De Larrocha


第1部 1 .愛の言葉 / I No.1 "Los requiebros"
第1部 2. 窓辺の語らい / I No.2 "Coloquio en la reja"
第1部 3. ともしびのファンタンゴ / I No.3 "El fandango del candil"
第1部 4. 嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす / I No.4 "Quejas o la maja y el ruisenor"
第2部 5. 愛と死(バラード) / II No.5 "El amor y la muerte(Balada)"
第2部 6. エピローグ 「幽霊のセレナード」 / II No.6 "Epilogo 'La serenada del espectro'"
第2部 7. わら人形(ゴヤ風な情景) / II No.7 "El pelele - Escena goyesca"


[追記 2016.12.03]
過去のブログ記事をチェックすると、2年前にコダーイのピアノ作品集について書いていた。
そういえば、バルトークのピアノ作品をいろいろ聴いているときに、コダーイの作品もついでに聴いたような気がする。
でも、曲の方は全然覚えていないので、少しだけ聴いてみると、かなり渋~い作風で、バルトーク、ドビュッシー、ヤナーチェクを連想するようなところがあって、かなり相性は良さそう。

黄金芋
今秋は葉物が品不足で今でも高いけれど、じゃがいもとさつまいもは例年よりもちょっと安い。(でも、かぼちゃは高い)
さつまいもは大好きなので、紅あずま、鳴門金時、シルクスイート、安納芋、マロンゴールドとかいろいろ食べてみた。
特に好きなのは、産直ショップで購入した「黄金千貫」。ホクホクした食感で、栗みたいな味がして美味しい。

近くにある百貨店で、宮崎県産の「黄金芋」というラベルで売られていたお芋を見つけたので、店員さんに「黄金千貫」なのかどうか訊いてみた。
「黄金芋」というのは、白いお芋のことで、これは「黄金千貫」ではなく、普通の「黄金芋」。黄金芋と普通の赤いさつまいもの中間のようなお芋なのだそう。
ためしに1袋(6本入り)を買ってみて、早速蒸し焼きに。皮は薄めで、皮と同じく果肉も白っぽい黄色で、黄金千貫よりも甘さは少ないけど、これもホクホク栗っぽくて美味しい。

調べてみると「黄金芋」(または「白いも」)の種類は、「安納こがね」「黄金千貫」「沖縄・伊計島の黄金芋」「愛媛・新居大島の『七福芋』」「シロユタカ」「カイアポ芋・シモン芋」など。
「マロンゴールド」も皮は白い。果肉は黄色っぽくて、一度食べたことがあるけれど、果肉の食感がネットリして、期待したほど栗っぽい味ではなかった覚えがある。たまたまそういうお芋だったのかもしれないので、もう一度食べてみよう。


<参考情報>
[第76話 農] 黄金色のねっとりイモ[ブログ「沖縄・食・農・南」]
沖縄・伊計島の黄金芋。これは皮が赤く、果肉はオレンジがかった色。

安納こがね[安納芋・特産品の宇宙船種子島]
白い安納芋は食べたことがない。
これは安納芋(紅)の皮の白いものを選別して品種改良したお芋。外皮は白っぽい黄色、果肉はオレンジ色。普通の安納芋と同じように糖度が高く、水分が多いネットリ系。日持ちは長くなく傷みやすい。

黄金千貫[旬の食材百科]

白いも生産者 白石寍美さん[えひめ一周サイクリングの旅/里山里海グルメ発見伝]
大島でしか育たないサツマイモ[愛媛いいもの図鑑]
愛媛・新居大島の『七福芋』。収穫量は年に数十トンと僅か。
皮色が白く、肉色が黄色で、白いもは栗きんとんに匹敵するほど甘い。糖度15度のものもある(イチゴや梨の糖度は12度前後)。煮たり蒸したりすると飴のようにとろける。(←そんなに甘いのなら、一度食べてみたい)

サツマイモ <野菜コンシェルジュ> 野菜辞典 vol.19
主なサツマイモの品種と選び方が載っている。サツマイモの切り口から出ている黒い塊は「蜜。糖度が高い目印だそうなので、これからは蜜が出ているものを買うべし。

ディアベリの主題による変奏曲集
《ディアベリ変奏曲》は、有名なベートーヴェンの変奏曲の他に、公募により集まったオーストリアの作曲家による変奏曲が50曲もある。
それを収録した変奏曲集(全曲または抜粋)がいくつか出ていて、これが結構面白い。
全曲録音は、ヴィンチェンツィ(Brilliant Classics)、ブッフビンダー(Teldec)、バルサム(SWR)、アダム(CAMERATA)。(他にもあるかも)

抜粋盤は、33曲を抜粋録音したファウンテン(CRD)など数種類あり、フォルピアノで弾いたシュタイアー(Harmonia Mundi)の評判がいい。
シュタイアーは、ベートーヴェン以外の変奏曲を10曲だけ収録(ツェルニー、フンメル、カルクブレンナー、ケルツコフスキー、クロイツァー、リスト、モシェレス、ピクシス、フランツ・クサヴァー・モーツァルト、シューベルト)。
さらにシュタイアーが作曲した「序奏」がベートーヴェンのディアベリ変奏曲を弾く直前に入っている。
この10人の変奏曲を聴いていると、抜粋録音したのも納得できる曲ばかり。ツェルニーの「コーダ」も入れてくれればさらに良かったけど。

特に印象的なのは、リストとシューベルト。
作曲当時わずか11歳だったリストの変奏曲は、嵐の直前みたいな暗雲たれ込めた曲想でピアニスティック。才気の煌きと時代を先取りしたような新しさとを感じる。
シューベルトの変奏曲も、他の変奏曲とは違った独特の作風で、シューベルトの世界にはまりこんだような音楽。
ツェルニーとモシェレスは優美で可愛らしいワルツ、クロイツァは速いテンポで快活、F.X.モーツァルトは軽やかに舞う蝶のような細かいパッセージが面白い。
それに、いつもは聴くことのないフォルテピアノの柔らかく滲んだような響きがレトロで心地良い。
このシュタイアーのアルバムは、後半のベートーヴェンの《ディアベリ変奏曲》よりも、前半の作曲家10人の変奏曲集の方が私にはとても楽しく聴けたのだった。

Variations by various composers on Diabelli's waltz in C major. Andreas Staier, fortepiano

[Diabelli's original waltz, 10 variations by Czerny(0:54), Hummel(2:02), Kalkbrenner(3:13), Kerzkowsky(4:19), Conradin Kreutzer(5:26), Franz Liszt(6:29), Ignaz Moscheles(7:29), Johann Peter Pixis(8:28), Franz Xaver Wolfgang Mozart(9:59), and Franz Schubert(11:16)]

ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲 - アントン・ディアベッリのワルツ主題に基づく50の変奏より [1824年出版 ウィーン] (Beethoven : Diabelli Variations / Andreas Staier, fortepiano after Conrad Graf) [輸入盤]ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲 - アントン・ディアベッリのワルツ主題に基づく50の変奏より [1824年出版 ウィーン] (Beethoven : Diabelli Variations / Andreas Staier, fortepiano after Conrad Graf) [輸入盤]
(2012/5/14)
アンドレアス・シュタイアー

試聴する



全曲録音したブッフビンダーとバルサム。
1962年録音のバルサム盤は音質が古めかしく、ダインロード販売のみ。
ブッフビンダーの演奏をNMLで聴いていると、似たような曲想や旋律の曲もあるけれど、単純な主題が作曲家によってかなり変容するのがわかるので面白い。
全体の演奏時間も長いけれど、変奏曲は1曲数分と短い。似たような曲想の曲が結構あるので、どれが誰の作品がわからなくなる。
一通り聴いてから、好きな曲だけピックアップして聴くと飽きなくて良い。
ブッフビンダーのCDは2種類あり、いずれも廃盤。ダウンロードならアルバムごと800円とかなり安い。ダウンロードしてオリジナルの抜粋盤CDを作ろうかと思案中。

Diabelli's Waltz - The Complete VariationsDiabelli's Waltz - The Complete Variations
(1997/4/25)
Rudolf Buchbinder

試聴する


<作曲者>
変奏曲 1 : アスマイアー
変奏曲 2 : ボックレット
変奏曲 3 : ツァペク
変奏曲 4 : カール・ツェルニー
変奏曲 5 : ヨーゼフ・ツェルニー
変奏曲 6 : ディトリヒシュタイン
変奏曲 7 「序曲風に」 : ドレスクラー
変奏曲 8 「カプリッチョ」 : フェルスター
変奏曲 9 : フライシュッテトラー
変奏曲 10 : ゲンスバッハー
変奏曲 11 : ゲリネック
変奏曲 12 : ハルム
変奏曲 13 「フガート」 : ホフマン
変奏曲 14 : ホルツァルカ
変奏曲 15 : フグルマン
変奏曲 16 : フンメル
変奏曲 17 : ヒュッテンブレンナー
変奏曲 18 : カルクブレンナー
変奏曲 19 : カンネ
変奏曲 20 : ケルツコフスキー
変奏曲 21 : クロイツァー
変奏曲 22 : ランノイ
変奏曲 23 : ライデスドルフ
変奏曲 24 : リスト
変奏曲 25 : マイセダー
変奏曲 26 : モシェレス
変奏曲 27 : モーゼル
変奏曲 28 : F.X.モーツァルト
変奏曲 29 : パニー
変奏曲 30 : パイヤー
変奏曲 31 : ピクシス
変奏曲 32 : プラッキー
変奏曲 33 : リーガー
変奏曲 34 : リオッテ
変奏曲 35 : ローザー
変奏曲 36 : シェンク
変奏曲 37 : ショーバーレヒナー
変奏曲 38 : シューベルト
変奏曲 39 : ゼヒター
変奏曲 40 : ルドルフ大公
変奏曲 41 : シュタードラー
変奏曲 42 : ツァーライ
変奏曲 43 : トマーシェク
変奏曲 44 : ウムラオフ
変奏曲 45 : F.D.ウェーバー
変奏曲 46 : F.ウェーバー
変奏曲 47 : ウィンクラー
変奏曲 48 : ヴァイス
変奏曲 49 : ヴィタ
変奏曲 50 : ヴォジーシェク
コーダ : カール・ツェルニー

↓は抜粋演奏が多い変奏。カルクブレンナー、ケルツコフスキー、F.X.モーツァルトは名前も知らなかった。
シュタイアーの抜粋盤では、さらにクロイツァーとピクシスを加えている。

変奏曲 4 : カール・ツェルニー
変奏曲 16 : フンメル
変奏曲 18 : カルクブレンナー
変奏曲 20 : ケルツコフスキー
変奏曲 24 : リスト
変奏曲 26 : モシェレス
変奏曲 28 : F.X.モーツァルト
変奏曲 38 : シューベルト
コーダ : カール・ツェルニー


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プロフィール

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

愛聴するのはベートーヴェンとブラームス。最近はバッハにも凝っている。ロマン派ならリスト。​さらに現代(20​世紀)の音楽を探検中。特に好きなのはピアノ音楽(ソロ、コンチェルトに室内楽)。

好きなピアニスト:早世したカッチェン、アラウ。現役では、レーゼルとソコロフ、ハフ、パーチェ。

好きな曲:ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第30・31・32番,ピアノ協奏曲第3番&第4番、ブラームス/ピアノ協奏曲第1番&第2番、後期ピアノ作品集

好きなジャズピアニスト:バイラーク、メルドー、ジャレット、エヴァンス、若かりし頃の大西順子。
好きな画家;クリムトとオキーフ。
好きな写真家:アーウィット、カルティエ=ブレッソン、ケルテス。

 

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