耳鳴り治療のための磁気/電気刺激法
たまたま見つけた記事によると、うつ病治療にrTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)が薬事承認 されたとのこと。
うつ病を磁気刺激で治す 「rTMS療法」薬事承認  副作用少なく、3割強に効果[NIKKEI STYLE]

rTMSについては、ずっと以前に調べていた耳鳴治療法の一つとして、論文を調べていたことがあった。その頃にはもう耳鳴り自体に関心が無くなっていたので、論文をまとめることもなく忘れていた。
そういえば慶応大学医学部耳鼻咽喉科が10年くらい前にrTMSの治験を実施していたのを思い出した。UMIN臨床試験登録システムで検索すると、一般募集中と終了した治験が各1件載っている。
耳鳴に対する経頭蓋磁気刺激による治療効果調査(一般公開日:2008/10/01)
耳鳴に対する経頭蓋磁気刺激による治療効果調査(一般公開日:2012/07/06)

治験に関連する(らしき)論文(2011年と2012年)が公開されている。その後は新しい臨床報告が出ていない模様。
綜説 経頭蓋磁気刺激による耳鳴治療
(小川 郁,慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室、他。耳展 54:5;258~266,2011)
-耳鳴に対する rTMSのパイロットスタディとして、慢性耳鳴患者に対しrTMSを施行。
-対象:慢性耳鳴患者14 例(男性9例,女性5例)。平均年齢が58.1 歳(23~79歳),平均罹病期間9.2±8.0 年。患側右3例,左8例,両側3例。
-運動閾値の110%の強度で左側頭葉Heschl 回を1Hz,20分間(1,200 回)刺激。
-治療効果判定:NewmanのTinnitus Handicap Inventory(THI)の日本語訳,耳鳴の大きさ,耳鳴の持続時間,耳鳴の苦痛度の visual analogue scale(VAS)。
-耳鳴の大きさ,および苦痛度は刺激直後に低下し,特に苦痛度への効果は刺激後 1 週間まで持続したが,THI の変化は 29.4 から 27.0 とわずかな変化にとどまった。
-rTMS が耳鳴に対して一過性であっても何らかの効果を有することが確認できたが,その効果の個人差は大きい。

慢性耳鳴に対する反復性経頭蓋磁気刺激の治療効果評価
(渡部 高久,慶応義塾大医学部耳鼻咽喉科,他。第57回 日本聴覚医学会総会・学術講演会,2012 年 55 巻 5 号 p. 617-618)
-対象:1年以上の病悩期間を有する成人の慢性耳鳴患者。TRT 施行後、6ヶ月以上経過後も THI が30 点以上の苦痛が残存した9症例。年齢 38―80 歳(平均 58.9±11 歳)、性別男性6名・女性3名、病悩期間370―3934 日(平均 1890±1371 日)、患側両側耳鳴5名、片側右1名・左3名、無難聴1名・軽度難聴 4 名・中等度難聴 2 名、高度難聴 2 名。
-刺激強度は右短母指外転筋の運動閾値の 110%、1Hz、1200 回を 1 回の刺激として 10 回施行。
-rTMS 施行前、1 回目、5 回目、10 回目後、施行後 1 週間、1、3、6 ヶ月において評価した。
-以前に試験したrTMSの単回刺激では、耳鳴の大きさや苦痛度の軽減がしたが、効果は治療後1日しか持続しなかった。
-今回は低頻度 rTMS10 回連続刺激により、長期的 THI、STAI(状態)が改善した。
-単回刺激では、刺激直後から翌日にかけて VAS(大きさ)、VAS(苦痛度)が改善したが、10 回連続刺激では改善されなかった。
-10 回刺激では改善の時期が単回刺激よりも遅いが、6 ヶ月後にも効果を示した。
-単回刺激で認めなかった不安の指標(STAI)に対し、10 回刺激で反応を示した。時期はやはり1ヶ月後からと遅い反応であった。
-有意な改善を示した THIに関して、治療前 THI、SDS(うつ傾向の指標)、STAI(特性)、STAI(特性)の重症度による有意な差は認めなかった。


(参考情報)
脳神経刺激(tDCS, TMS, DBS)の現状と展望
(伊良皆 啓治,九州大学大学院システム生命科学府,計測と制御 第54巻第2号,2015年2月号)
-脳神経刺激の歴史、技術概要、特徴、効果など。

TMSにおける安全性と倫理的問題
(日本語要約バージョン:「磁気刺激法の安全性に関するガイドライン」 松本英之・宇川義一、臨床神経生理学会脳刺激の安全性に関する委員会,臨床神経生理学 39(1):34―45,2011)
-副作用【有害事象】:聴力低下、脳波への影響、けいれん、失神、局所痛・頭痛・不快感、認知・神経心理学的変化、急性の精神反応、など。
-「聴力低下」の原因・症状:rTMSのノイズ~は140 dB超(聴力システムの許容レベル以上(OSHA))、聴力閾値が一過性に上昇、パーマネントの聴力障害(H-coil 刺激で耳栓を行わなかった一人)
-18人の小児で耳栓使用無しでは聴力に影響なかった報告もある。

-過去に騒音などで聴力低下の既往がある人や聴覚障害を起こしうる薬剤(Aminoglycosides, Cisplatine) を服用している人は、耳鳴りの治療などで、ベネフィットがリスクを超える場合のみにTMSを考慮する。
-絶対禁忌: コイルでの刺激部位に近接する部位に,金属(人工内耳,ペースメーカー・DBS などの体内刺激装置,投薬ポンプなど)を有する患者。



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論文レビュー
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British Tinnitus Association(英国耳鳴協会)が耳鳴治療法に関する論文レビューを公開している。
対象論文は2015年第4四半期~レビュー実施時(2017年初めくらい)の間に公表された論文で、音響療法と電気刺激・磁気刺激法に関する論文について簡潔にまとめられている。
ATRR: Technological management of tinnitus: an update[The British Tinnitus Association]
(以下、電気/磁気刺激法のみ日本語訳作成、音響療法は省略。※は個人的な追記)

脳磁気刺激(Magnetic brain stimulation)
<反復経 頭蓋磁気刺激法>(Repetitive transcranial magnetic stimulation :rTMS)
耳鳴治療のためのrTMSというテーマに関して査読された科学的研究論文が最初に発表されてから14年経過した。それゆえ、依然としてこの症状に関する決定的な解決策が存在していないことは、おそらくは少しばかり驚きである。
Soleimani他lが行った耳鳴に対するrTMSの系統的レビューとメタ分析[16]は楽観的なトーンである。15件のランダム化比較試験の分析結果は、 たとえそれほど大きな効果ではなくとも、rTMSは耳鳴りに有益であると結論づけている。しかし、メタ分析された研究群は、かなりの異質性 (Heterogeneity)を示しており、このメタ分析の実施が正当化されるかどうか疑わしい。
※異質性:メタ分析に含まれる研究の効果の大きさが異なること。異質性が大きい場合は、試験毎でのバラツキが大きい。

rTMSは、2015年の最終四半期から現在までに、 1ダースの研究が公開されている魅力的な研究テーマであり続けている。それらの研究が提示している広範な種類の研究課題は、最適カ所と治療期間、最良の効果測定法、ニューロナビゲーション(※術前MRI三次元画像による脳外科手術支援システム)がその効果を促進するか、反復治療が効果的か、耳鳴特有の生物学的治療効果が確認されうるか、どういうタイプの人にfMSが有益なのかという予測因子が存在するか、などである。表1がその研究の概要一覧である。

    (表1 省略)

これらの研究は、耳鳴用rTMSに関する幾分価値のある新しい情報を提示しているが、さらに興味深い最近の論文は臨床試験ではなく、論説者によるrTMS研究の改善方法の探求である。3件の論文 [31] [32] [33]が類似の論点を指摘している:大規模な他施設共同治験(Multicenter Trial)が考案されるまで、治療抵抗性うつ病(TRD:treatment-resistant depression)用のrTMSに関する医学的な根拠(エビデンス)が明らかではなかった。これらの治験は、特定の患者と特定の治療プロトコルに対して、rTMSがうつ病へ影響を及ぼしていることを証明している。論説者たちは耳鳴に対しても類似のアプローチを推奨している。

rTMSの問題は、刺激装置の騒音が大きく、測定強度140dB超の大きなクリック音を発生する。これが意味するのは、この治療法の効果のいくばくかは、電気刺激よりもむしろ音響刺激による可能性があるということである。さらに、大音量は聴覚システムを損傷したり、もしかすると耳鳴を悪化させたりするリスクもある。またこの騒音は、二重盲検とされた研究も効果のない盲検だったかもしれないということを意味する。興味深い論文としては、静穏化されたrTMS装置製作のために考えられうる方法を論じている。[
34]

<他療法と併用した脳磁気刺激>
単独治療としての治験に加えて、 複合治療の療法としてrTMS が実験されている。

rTMSとリラクゼーション
小規模な概念実証(POC)治験として、被験者42人が音楽録音を聴きながらTMS実施[35]。38被験者が治療コースを完了。改善方向の傾向が見られたが、統計的な有意性はない。

rTMSとレーザー
小規模な治験では、被験者32人がランムダムに3グループに振り分けられ、TMS単独、低レベルレーザー療法単独、2つの療法の複合、で試験実施 [36]。被験者2人以外は試験完了。複合治療では改善が見られ、単独療法では改善しなかった。しかし、各治験の被験者数が少なく、追跡期間が最大で4週間と短い。この治験は予備実験とみなされるのが一番良い。


経頭蓋電気的脳刺激(Transcranial electrical brain stimulation)
<経頭蓋直流刺激(Transcranial direct current stimulation:tDCS)>
人類が電気的エネルギーの利用法を習得してすぐに、幅広い疾病を改善する手法として研究してきた。耳鳴りも例外ではない。Hoare他は、耳鳴に関するこの治療法の詳細なレビューを行った[37]。先行研究は、脳のある領域に対する低レベルの経頭蓋直流刺激(tDCS)が耳鳴のパラメーター(要因、変数)を低減すると示唆している。被験者数22人と小規模ながらランダム化二重盲検プラセボ対照試験で[38]、Forogh他は耳鳴患者の側頭頭頂接合部に対する直流刺激試験を実施したが、active刺激(実刺激)とsham刺激(プラセボ刺激)の間に統計的な有意差なかった。この研究結果は類似試験結果[39]と一致しており、耳鳴患者42人の聴覚皮質と前頭前皮質に対するtDCSを行ったが効果がなかった。この2つの治験結果は先行研究のいくつかと異なっており、明らかにさらなる調査が必要である。

<高精度経頭蓋直流刺激(Highly Defined transcranial direct current stimulation:HD-tDCS)>
標準的なtDCSは大きなスポンジ電極を使用し、脳構造深部に伝播する電流で、広範囲の頭皮に電気刺激を伝える。この技術のバリエーションの一つは、さらに精密に伝播できるより小さなゲル状電極を使用し、脳の特定領域に刺激の効果を限定する。この手法は高精度経頭蓋直流刺激(Highly Defined Transcranial Direct Current Stimulation:HD-tDCS)と称され、最近その効果が研究されてきた [40]。これは最適な刺激変数を試行・決定するための小規模な予備研究で、2mAで20分間の刺激が最も効果的と結論している。側頭葉または背外側前頭前野を刺激し同等に有効だった。この療法に関してさらなる研究が待たれる。

<経頭蓋ランダムノイズ刺激(Transcranial random noise stimulation:tRNS)>
改良された経頭蓋電気的脳刺激法が最近臨床試験を開始した。この刺激法では所定の帯域幅内で電流がランダムに変化する。経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)として知られ、耳鳴用途として研究されている。
Kreuzer他は、紅斑と同側外耳の痛みを伴った耳鳴患者のケーススタディを報告した [41]。この‘赤耳症候群(Red Ear Syndrome)’は治療抵抗性があると証明されており、tRNSは耳鳴の要因を低減する可能性のある方法の一つだと提言されていた。臨床医たちが驚いたことに、 痛みは改善したが耳鳴に変化はなかった。
To他は、耳鳴患者40人にbifrontal(前額部を両側で刺激する)tDCS単独、またはbifrontaltDCSに続けて両側聴覚皮質へのtRNSも行い、多部位へ刺激することがより効果的だったと結論した [42]。

<直接的電気脳刺激(Direct electrical brain stimulation:DES)>
耳鳴り患者で侵襲的な脳外科手術を施されたいと考える人は少ないが、少数の人にとってはこれが治療法の選択肢として残っている。De Ridder他は患者2人に対して、外科的に前帯状皮質背側部へ電極を埋め込んだところ、一人はこの療法で効果があったが、もう一人には効果がなかったと報告した [43]。

<耳への電気刺激(Electrical ear stimulation)>
耳鳴りに対する電気的または磁気的刺激への関心の多くは、脳神経経路への刺激に向けられているが、耳への直接刺激を研究し続けている研究者たちもいる。
Mielczarek他は、被験者数12人の小規模な非対照予備試験で、耳鳴が片耳6人と両耳6人に対して電気刺激を与えた結果、被験者の一部で耳鳴視覚的評価スケール(Visual analogue scales:VAS)でいくらか改善や脳派変化も観察されたと報告している [44]。

<(耳へのレーザー治療(Laser to the ear)>
今回のレビュー対象期間中、耳鳴への単独レーザー治療に関する新論文はなかった。


《結論》
本レビュー中、大半の研究は小規模であり、予備実験かフィージビリティスタディ(実行可能性調査)とみなされる。対照群が不適切で方法論が貧弱なことも多い。大抵のケースで治療法が数十年間、いくつかの研究では数世紀にわたって実施されてきたものである。従って、研究の全体的なクオリティを見れば期待外れである。
もし耳鳴のこの分野が進展するとすれば、より良い方法論と大規模な多施設試験が早急に必要である。これは特に、耳鳴患者の一部(サブグループ)には臨床的に有効かもしれないrTMS に関して言える。

(日本語訳、以上)


このレポートを読んでいて気になったのは、表1記載の最後の論文結果について。”2回目の治療で特に改善が認められたのは、最初の治療で耳鳴が悪化したために2回目の治療を志願した被験者”と書かれている。
これは、耳鳴患者がrTMSを施術された場合、耳鳴りが悪化する可能性があるということ。(もともとrTMSには、聴力低下などの副作用はある)

レポートではほぼレビュー対象になっていない2017年以降に発表された論文を調べれば、磁気/電気刺激療法に何か進展が見つかるのかもしれない。
さっと検索したかぎりでは、J-STAGEには磁気・電気刺激に関する最近の国内臨床報告は見当たらない。
PubMedでは30件くらい論文がヒットする。(臨床報告以外も含まれていると思う)
ClinicalTrials.govでは、2013年以降に実施・募集予定の臨床試験は20件ほどある。レビューでは紹介されていなかった”Deep Brain Stimulation (DBS)”や”Peripheral Muscle Magnetic Stimulation(rPMS)”なども治験も登録されている。

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備考
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記事中に言及した論文等の正確な内容については、原文で確認してください。

Charlotte & Jonathan と Amira Willighagen
最近面白くてよく見ているYoutubeの動画は、公開オーディション番組”Got Talent” シリーズ。
ポール・ポッツやスーザン・ボイルを一躍有名にした”Britain's Got Talent”で拍手喝采だった出場者は、オペラ・デュオのCharlotte & Jonathan。ポップスやミュージカルはほとんど聴かない私には、スーザン・ボイルよりも強烈なインパクトだった。

審査委員の音楽プロデューサー・サイモン・コーウェルが”Future star”だと評したJonathan antoineは、その後デュオのCDを2枚、さらにソロのCDも2枚リリース。
Charlotte & Jonathanドキュメンタリー(22:25~)では、ファイナルで2位受賞後、パリでテノール歌手 ローランド・ビリャソンのレッスンを受けている。
私はオペラはアリア以外は聴かないので歌手のレベルについてはよくわからないけど、レッスンをしたビャリソンがJonathanについて、17歳であの自信、あの発声、あの音域でもって歌えるというのは”absolutely astonishment”、Jonathanの歌を聴いてもニコニコして”quite amazing”と言っていた。

オーディションでは、辛口のサイモンに、Jonathanの足を引っ張っていると言われた16歳のCharlotteは、確かにあまり上手くは歌えていなかったけど、セミファイナルとファイナルでは見違えるような歌いぶり。(オーディションではマイクの音量設定も悪かった?) きっとオーディションを通過後に一生懸命練習したに違いない。
Opera duo Charlotte & Jonathan - Britain's Got Talent 2012 audition - UK version


CHARLOTTE & JONATHAN STAR ON BRITAIN'S GOT TALENT 2012 SEMI FINAL! CARUSO


CHARLOTTE の透き通るような美しいソプラノとJONATHANの張りと伸びのある声量豊かでパワフルなテノールが素晴らしい”The Prayer”。大ヒットしたCéline Dion&Andrea Bocelliよりもずっと好き。
Jonathan & Charlotte - The Prayer IN FULL (Britain's Got Talent Final 2012)



2013年の”Holland's Got Talent”では、9歳の少女Amira Willighagenがオペラを歌って大喝采。ファイナルで優勝。今までに数枚のCDをリリースしている。

Amira Willighagen - O Mio Babbino Caro - for English-speaking viewers


Amira Willighagen - Nessun Dorma (HD Quality) - WINNER Finals Holland's Got Talent 2013


とても美しい12歳(くらい)のアミラ嬢のドレス姿と歌声。
Amira Willighagen & Patrizio Buanne ~ O Sole Mio


Amira Willighagen ~ Live in Concert ~ Amazing Grace

シューマンの歌曲とピアノ編曲
ロマン派歌曲のなかで、一番好きな曲が多いのは、なぜかシューマン。次はたぶんリヒャルト・シュトラウス。
男声よりも女声が好きなので、持っているCDもアップショウ、ピオー、ノーマン、オッター、シュトゥッツマンなど女声が多い。
男声で一番好きなのはボストリッジ。テナーでもかなり高めで柔らかい声質なので、アルトを聴くよりも聴き心地が良い。
ボストリッジの歌曲集ではブリテンが面白いけど、シューマンは声質と若々しく繊細な情感が歌にぴったり似合っている気がする。

《詩人の恋》 ~ 美しい五月には
Dichterliebe Op. 48: Im wundersschönen Monat Mai



《詩人の恋》 ~ ぼくの心をひそめてみたい
Dichterliebe Op. 48: Ich will meine Seele tauchen



《ヴィルヘルム・マイスターの修業時代》 ~ ミニヨンの歌・ただ憧れを知る者だけが
アップショウのゲーテ歌曲集で一番好きな曲。初めて聴いた時は、ドラマティックでシュトラウスの歌曲かと間違えた。

Schumann- Mignon (Kennst Du Das Land?)



《ミルテの花》 ~ 献呈
原曲よりもリストのピアノ編曲版ばかり聴いていたので、原曲の歌をいくつか聴いたらイメージが違っていた。原曲の方がテンポが速くて朗々とした歌声が力強く明るく輝いて、晴れやか。今まで聴いたシューマン歌曲のなかで一番好きな歌。
それにYoutubeの映像で歌っているAmy Broadbent(まだ大学生時代のリサイタル)の歌は、(ダウラムのような)起伏もテンポの揺れも大きくはないけれど、清楚で爽やか。

SCHUMANN Widmung - Amy Broadbent, soprano - 2014


Widmung op. 25 nº 1 (Schumann) - Diana Damrau



ピアノ編曲版「献呈」によるピアノ編曲版「献呈」(編曲:リスト)
ピアノ編曲版の演奏は、歌曲よりも落ち着いて柔らかいタッチで始まり、しっとりした情感が優しい。
リスト編曲版は終盤の盛り上がるところが和音とアルペジオが舞って華やか。

Evgeny Kissin - Schumann-Liszt - Widmung (Liebeslied)


Daniil Trifonov - Widmung



ピアノ編曲版「献呈」(編曲:クララ・シューマン)
クララ編曲版はリストよりもずっとシンプルな編曲。最後まで優しいタッチで親密感が強い。

R. Schumann, arr. C. Schumann: Widmung - Kamil Tokarski



ピアノ編曲版「献呈」(編曲:フィオレンティーノ)
フィオレンティーノ版はかなりスローなテンポでロマンティックな編曲と演奏。

Sergio Fiorentino plays Schumann "Widmung"



《ミルテの花》 ~ 蓮の花
この曲はピオーとボニーのどちらも歌も素敵。(ピオーの方が好きだけど)

Myrthen, Op. 25: VII. Die Lotosblume


Barbara Bonney; "Die Lotosblume"; Robert Schumann



ピアノ編曲版「蓮の花」(編曲:クララ・シューマン)
クララのピアノ編曲は「献呈」と同じくシンプル。

長谷川美沙 シューマン/睡蓮の花(ピアノ独奏版)(編曲者名不明。楽譜見ながら聴いた限りでは、クララ編曲版ではないかと)



ピアノ編曲版「蓮の花」(編曲:マインダース)
マインダースはシューマン歌曲の編曲が多く、《詩人の恋》は全曲ピアノ編曲している。「蓮の花」は再現部はアルペジオが装飾過多というかごちゃごちゃして主旋律が埋もれた感じがする。(フィオレンティーノの編曲も左手(伴奏)と内声部が込み入っているけど、主旋律がかき消されることはない)

Schumann/Meinders - Frederic Meinders - Die Lotusblume op.25 Nr7


2019年にメモリアルイヤーを迎える作曲家
来年2019年にメモリアルイヤーを迎える作曲家のなかでピアノ作品を聴いたことがあるのは、クララ・シューマン、ルーセル、(リストが編曲した)ベルリオーズくらい。

メモリアルの作曲家[クラシックの演奏会情報サイト「i-amabile(アマービレ)」]
このサイトが一番情報が多いと思う。暦年と、検索する暦年の間隔(10、50、100年単位)を設定して検索する。
50年単位での検索結果は以下の通り。

●アレッサンドロ・マルチェロ 生誕350年  1669年 ~ 1747年
●レオポルト・モーツァルト 生誕300年  1719年 ~ 1787年
●オッフェンバック 生誕200年  1819年 ~ 1880年
●スッペ 生誕200年  1819年 ~ 1895年
●スタニスワフ・モニューシュコ 生誕200年  1819年 ~ 1872年
●クララ・シューマン 生誕200年  1819年 ~ 1896年
●ポルディーニ 生誕150年  1869年 ~ 1957年
●ルーセル 生誕150年  1869年 ~ 1937年
●ヴァーツラフ・ネリベル 生誕100年  1919年 ~ 1996年
●イルジー・パウエル 生誕100年  1919年 ~ 2007年
●浜口 史郎 生誕50年  1969年 ~

●ドルシェツキー 没後200年  1745年 ~ 1819年
●ベルリオーズ 没後150年  1803年 ~ 1869年
●ダルゴムイシスキー 没後150年  1813年 ~ 1869年
●レオンカヴァッロ 没後100年  1857年 ~ 1919年
●アンヘル・ビジョルド 没後100年  1861年 ~ 1919年
●アウグスティン・ララ 没後50年  1900年 ~ 1969年
●リー・ハーライン 没後50年  1907年 ~ 1969年
●ギルバート・ヴィンター 没後50年  1909年 ~ 1969年
●アイノ・ヤーネフェルト 没後50年  1871年 ~ 1969年


クララ・シューマン 生誕200年(1819年 ~ 1896年)
作品数は少ないけど、クララ自身が作曲した曲と、シューマン作品の編曲がある

クララが作曲した《ローベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.20》。
宝石のように煌く音色と流麗で舞うようなアルペジオが美しい。ブラームスの《ローベルト・シューマンの主題による変奏曲》よりも哀感が薄く華やかさがあり、クララの想いが詰め込まれたような愛らしさと親密感が溢れている。

Clara Schumann: Variations on a Theme by Robert Schumann
Micaela Gelius(Piano)



クララが編曲したシューマン《献呈》。リストに比べてシンプルな編曲と、柔らかいタッチで弾くピアノ演奏が優しくてとても素敵。
R. Schumann, arr. C. Schumann: Widmung - Kamil Tokarski



クララに関する情報で詳しいのは↓のホームページ。伝記や映画も紹介している(私は見たことはないけど)。
A Plaza of Clara Schumann  クララ・シューマンのホームページ
Clara Schumann 最初に買うなら、このCD!
クララ&ローベルト・シューマンの映像作品(映画、TV番組)
クララ・シューマン 関連書籍

ベルリオーズ 没後150年(1803年 ~ 1869年)
ベルリオーズといえば《幻想交響曲》。リストが編曲したピアノ独奏版の録音は、ルシャーブル(私が持っているCD)、ムラロ、ペトロフ、ビレットなど多くはない。
《幻想交響曲》もピアノ編曲版も長くて最後まで聴き通したことがない。

Liszt-Berlioz Symphonie Fantastique S.470



ルーセル 生誕150年(1869年 ~ 1937年)
昔聴いたおぼえがあるのは、ピアノ協奏曲。(中身はすっかり忘れている)

オッフェンバック 生誕200年(1819年 ~ 1880年)
有名な《天国と地獄》の序曲第3部「「地獄のギャロップ(または”カンカン”)」(カール・ビンダーが編曲)には、ピアノ・ソロと連弾の編曲版があり、連弾の方が面白いと思う。

Offenbach: Can Can - Roberto Metro & Elvira Foti



<関連記事>
2つの《シューマンの主題による変奏曲》(ブラームスとクララ・シューマン)
フランスのピアノ協奏曲集より ~ ルーセルとフランセのピアノ協奏曲

米なす
冬になると、大好きな水なすが出回らなくなるし、普通のなすびも値段が高くなるので、米なすを買うことが多い。
1個100円くらいなのに大きくて重くて、普通のなすびよりもお得感あり。
米なすは加熱してトロっと柔らかくなっても、肉質がしっかり。トロトロ蕩けるような白ナスとは違って、歯応えが残る。
定番の料理は田楽らしいけど、味噌をのっけて焼くのが好きではなく、(こんにゃくでも大根でも)作ったことがない。
いつも厚い輪切りをオリーブオイルで焼いてステーキにして、ボリュームのあるお惣菜に。味は淡泊なので、ちょっとお醤油で味付けしている。

荷崩れしくい米なすは、煮込み料理にも向いているらしい。普通のなすは、煮込みすぎると溶けるから、干してから煮ていたけど、米なすなら干さずにそのまま使えそう。

ベイナス(米茄子/べいなす)<ナスの品種[旬の野菜百科]
西洋なすの米なすはヘタが緑色。

「中長ナス」と「米ナス」では調理法がちがう!? 品種の特徴にあわせた、一番おいしいレシピはこれ![dressing]

焼いても揚げてもトロッとおいしい!米なすレシピ15選焼いても揚げてもトロッとおいしい!米なすレシピ15選[macaroni]

めちゃうま「米ナス」レシピ【10選】[NAVER まとめ]

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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