オピッツ ~ 日本の現代ピアノ作品集

オピッツのHaenssler Classicからリリースされた最新アルバムは、珍しくも日本の現代音楽ピアノ作品集。
特に好きというわけでもないオピッツのアルバムなので、新譜情報で知ってはいても、すっかり忘れていた。
和泉範之さんの<合唱音楽 聴いたり 弾いたり 振ったり blog>で紹介されていて、かなり面白そうに思えたので、NMLで全曲聴いてみるとその期待通り。
現代音楽は当たりとハズレの差が特に大きいけれど、このオピッツの録音は、最近聴いた現代音楽のアルバムの中でも、聴いてよかったと思える一枚。

諸井三郎:ピアノ・ソナタ第2番、武満徹:雨の樹素描、池辺晋一郎:大地は蒼い一個のオレンジのような、藤家溪子:水辺の組曲 オピッツ [Import CD]諸井三郎:ピアノ・ソナタ第2番、武満徹:雨の樹素描、池辺晋一郎:大地は蒼い一個のオレンジのような、藤家溪子:水辺の組曲 オピッツ
(2011/08/31)
ゲルハルト・オピッツ

試聴する(米amazon)
CDは8月下旬発売予定。MP3ダウンロード(日本amazon)はすでに開始済み。

収録曲のなかで、武満徹の《雨の樹素描》以外は、一般にはあまり知られていない曲ばかり。
 藤家渓子/水辺の組曲 Op. 70
 武満徹/雨の樹素描
 池辺晋一郎/大地は蒼い一個のオレンジのような
 諸井三郎/ピアノ・ソナタ第2番

一般的に聴きやすいのは、 藤家渓子の《水辺の組曲》。
印象派風の美しい曲で、旋律もわかりやすい方だし、不協和音も和声的には美しく、全編に詩的なイメージ漂う曲集。
ドビュッシーが好きなら、この曲も気に入りそうな気はする。

このアルバムで最も注目すべき曲が、諸井三郎の《ピアノ・ソナタ第2番》(1940年)
前評判に違わず素晴らしい曲で、矢代秋雄の《ピアノ協奏曲》を聴いた時もそうだったけれど、日本人でもこれだけの現代曲を書いていたのかという、驚きというか感慨のようなものを感じてしまう。
無調の曲でもなく、不協和音の歪みもないので、聴きやすい曲ではあるけれど、今の時代にはあまり受けない曲想かもしれない。

諸井三郎/ピアノ・ソナタ第2番
1940年に作曲された《ピアノ・ソナタ第2番》は、細部までびっちり書き込まれた緻密で堅牢な構成。
第1楽章の冒頭から物々しい曲想で、オドロオドロしいリスト風(?)といった印象。和声的にもリスト作品に似たようなものを感じるので、個人的には馴染みのある世界。
時々出てくる幻想的な旋律と和声は、ピアノの冷たい響きと相まって、好きな作曲家シサスクの宇宙的な世界を連想する。

第2楽章のスケルツォは、緊迫感がさらに増して、シンプルな主題が次から次へと展開していき、息つく間も無く一気呵成に進んでいくのが、とてもスリリング。
転調しながら鍵盤上を駆け上がっていっては、急速に下行したりと、目まぐるしく動き回り、騒然とした雰囲気が全編に漂っている。
1900年代前半~前衛隆盛時代の現代音楽というと、こういう曲想や音の動きをする曲がかなり多かった(と思う)。
最近は、こういう曲はほとんど見かけなくなってしまった。

苦手な緩徐楽章の第3楽章は、テンポが落ちて、内省的で叙情的な曲想に変わる。
それでも、第1楽章、第2楽章を通じて漂っている物々しく暗鬱な雰囲気はここでも消えずに残っている。


池辺晋一郎の《大地は蒼い一個のオレンジのような...》(1989年)
1989年にとある音楽コンクールのために作曲。タイトルは詩人エリュアールの「愛すなわち詩」という詩集の一節からとられている。
こういう具象的な言葉をはめ込んだ詩的なタイトルは、ちょっとシュールな感じが好きなので、記憶に残りやすい。
この曲は<カメラータ・コンテンポラリー・クラシックス>の『池辺晋一郎 室内楽作品集』に収録されているし、時々演奏会でも演奏されることはあるらしい。

高音のクールな響きや、何かが密やかに蠢いているような幻想的な旋律が散りばめられているところが、個人的には、大地というよりは、宇宙的なイメージ。
たぶん、宇宙をテーマにした曲が多いシサスクやクラムの《マクロコスモス》を思い出させるようなところがあるから。
よく考えると、タイトルは、大地=蒼い一個のオレンジ="天体としての地球"という意味にも思えてきたので、そういう意味では宇宙の浮かぶ地球の姿が浮かんでくる。


コメント

心休まるピアノの音色

Yoshimiさん、今晩は。

東京は、曇空で気温が上がらず昨日に続き涼しい1日でした。
このよな日が暫く続いて欲しいものです。

さてゲルハルト・オピッツのピアノ・ソロ全曲amazonのMP3で試聴しました。
1曲あたり30秒弱で全17曲ですのですぐ聞き終わってしまいますので、3,4回ぐらいリピートしました。
とても静かな曲から、激しく始まり、突如ゆっくりのペースに変わる曲など多彩など。
残念ながら30秒弱でブッチと切れてしまうのは、残念ですが。。。
最近は、とにかくピアノの音色、特にグランドピアノの音色に魅せられているように思います。
作曲者や奏者についての知識はまるでありませんが、ピアノの音色はとても心が休まります。
もちろん、激しい、あるいは荒々しい曲もありますが。
とにかく、ブログで紹介されている曲で楽しませて頂いております。

追伸:今、僕の中では、やはりPaul Jacobsのピアノそろが一番のお気に入りです。

とてもユニークなCDです

アメーバの友さん、こんばんは。

こちらは午後から小雨がぱらぱら。涼しくて扇風機もいらないくらいです。

オピッツのこのCDは、選曲が極めてユニークで、とても珍しい録音です。
現代音楽が好きな私はとっても楽しめましたが、一般受けするような選曲ではありません。

アメリカのナクソスサイトだと、1日15分間だけ、無制限でどの曲でも全曲試聴できます。15分超えるとプッツン切れてしまいます。(やり方によっては再び聴けますが。ITに強ければすぐにわかると思います)

ピアノの音がお好きなら、ミケランジェリの音の美しさは有名です。
DG時代の彼の演奏はあまり好きではありませんが、色彩感の豊かさと響きのバリエーションはピカ一でしょう。特に有名なのはドビュッシー録音です。
http://www.youtube.com/watch?v=cT1iVF0Ei_E&feature=related

ジェイコブスは知的でありつつ、和声豊かで響きが綺麗、それにとても情感豊かなピアノを弾く人ですね。
和声感覚が優れている点は、エゴロフと似ていて、こういうタイプのピアニストはかなり好みなのだと自覚しました。
日本では両者ともほとんど知られていませんが、ジェイコブスについては米国で根強いファンがいるようです。
どちらかというと、あまりポピュラーすぎないピアニストの方が好きですし、「自分の引き出し」を開けてみると、人と全然中身が違う方が楽しいですね。

日本の現代曲はいいですね

金沢では、夜半過ぎから、雨脚が強くなっています。
この記事を拝見してから、仕事場ではナクソスで無限ループ状態。
日本の現代曲はいいなあ、と思いました。
適度な抽象化、仄かな情感を共有できる民族性の気づき...
またいろいろ紹介ください。ピアノ曲を聴く愉しみが尽きず、そこはかとなく涌いてくることに、本当に感謝申し上げます。

日本の現代音楽は面白いです

Ken様、こんにちは。

日本の現代曲がお気に召して良かったです。
外国の現代曲は聴いても、日本の現代曲は聴かない人は多いですね。
海外でも日本でも、作風は時代・作曲家によって多種多様なので、好みに合う音楽を見つけることは、それほど難しくはないように思うのですが。
でも、録音自体が少ないし、国内レーベルが多いので、CDは高いしで、とっつき悪くしていますね。
NMLは、NAXOSの日本人作曲家シリーズや、このオピッツのCDのように海外レーベルの録音もいろいろ聴けるのが、ありがたいです。
NAXOS盤以外にも、CHANDOSやBISにも、日本人の現代曲の録音がいろいろありますので、またお聴きになってみてください。

日本人作曲家なら武満徹が世界的にも有名でしょうが、私は昔いろいろ聴きましたが、どうも好きにはなれません。
ちなみに、個人的な好みでは、芥川也寸志、伊福部昭、吉松隆、矢代秋雄あたりが好きですし、比較的聴きやすい曲が多いと思います。
以下は個人的に好きな曲をいくつか上げました。ご参考まで。


芥川也寸志
http://ml.naxos.jp/album/8.555975
「交響三章」はピアノが入ったりして、爽やかな楽想の楽しい曲です。

吉松隆
http://ml.naxos.jp/composer/19428
CHANDOSからシリーズ化されてます。なかでも、初期の名曲は「朱鷺によせる哀歌」はとても美しい曲です。
人気があるのは、ピアノソロの「プレイアデス舞曲集」でしょう。(NAXOSにはありませんが)

伊福部昭/リトミカオスティナータ
http://www.youtube.com/watch?v=d6qDEGdXA4A
この曲の録音は数種類ありますが、これが世評でも個人的にもベストです。

矢代秋雄/ピアノ協奏曲
http://ml.naxos.jp/album/8.555351
私は岡田博美の演奏が好きですが、中村紘子の録音も有名のようです。

永井幸枝 - 日本のピアノ作品集
http://ml.naxos.jp/album/BIS-CD-766
高橋悠治の《光州》が、オリジナリティとメッセージ性の強さで一番印象的でした。

こんにちは

こんにちは。
アラシクのサイクリング好きサラリーマン(もうすぐ自由の身)です。クラシック音楽を聴いて40年。この一年は現代音楽に嵌ってCDを買いあさっています。最近ではルシエやラドゥレスクを聴きました。グレゴリオ聖歌からロマン派、近代の調性の音にちょっと飽きたので今は無調の世界の新鮮な響きに浸っています。絵画・建築で言うモダンアート的な感覚で無調に接すればこれほどおもしろい音響アートはありません。毎日新しい響きとの出会いを楽しみにしながら生活しています。
サイクリストたく

No title

こんにちは。
アラシクのサイクリング好きサラリーマン(もうすぐ自由の身)です。クラシック音楽を聴いて40年。この一年は現代音楽に嵌ってCDを買いあさっています。最近ではルシエやラドゥレスクを聴きました。ロマン派や近代音楽にちょっと飽きたので今は無調の世界の新鮮な響きが大変気に入っています。絵画・建築で言うモダンアート的な感覚で無調に接すればこれほどおもしろい音響アートはありません。毎日新しい響きに出会えるのが大きな喜びです。

現代音楽の面白さと効用

サイクリストたく様、はじめまして。
コメントありがとうございます。

足掛け40年というと、とても長いクラシック歴ですね。
私はまだそこまで到達してませんが、この調子でいけばいつかはそういう年齢になると思います。
現代音楽は15年くらい前に集中的にCDを買いましたが、その頃は試聴できるものが限られていて、買ったCDは好みに合わないものが多く、ほとんど処分してしまいました。特に実験音楽系は全然合わなかったですね。
最近は、たいていのCDが試聴ファイルで聴けますし、NMLの会員なので全曲聴けるCDも多いので、現代音楽もいろんな様式・作風の曲を聴くことで自分の好みがわかるようになり、ハズレることも減りました。

ルシエ、ラドゥレスクとも聴いたことがありませんので、機会があれば聴いてみようと思います。
私の場合は、最後に還るところは、ベートーヴェン、バッハ、ブラームスですし、無調の現代曲は聴いている曲全体の1割もないでしょう。
"無調の世界の新鮮な響き"自体は面白いのですが、それを聴くことによって、過去の音楽の魅力が一層増してくるのだと思います。

ありがとうございました

yoshimi様   
いつもありがとうございます.
イスタンブールから帰ってきて,さすがに過労でバテ気味でした.
体調が崩れると,自覚症状がなくても何かにつけて消極的で,
音楽もなかなか気持ちに届きませんでした.
昨日から急に雲が流れたようにすっきりしましたので,おすすめの曲を職場で聴きながら仕事をしております.

吉松隆 と永井幸枝を聴いていますが,とても良くて何枚かのCDは注文してしまいました.美しい曲がおおいので,確かに現代音楽と意識しなくてもいいですね.じっくり聞いてみたいと思います.
吉松隆にはドコドキされるようなときめきがあるので,仕事中にかける音楽じゃないですね.
本当にありがとうございました.

現代音楽の多様性

ken様、こんばんは。

この暑い最中に南の国でのお仕事続きで、お疲れさまでした。
こちらはようやく涼しくなってきているので、これから雨が降るたびに過ごしやすくなってくれそうです。
気温が30℃を下ってくると、天然酵母パンが作りやすくなるので、パンライフが充実するので嬉しいです。

たくさん参考音源を上げましたので、聴くのも大変だったと思います。
特に現代音楽を聴くのは、気持ちのゆとりと集中力がいりますから、気が向いたときにお聴きくださいね。

吉松隆は、『プレイアデス舞曲集』や『交響曲第2番<地球にて>』くらいまでは好きでしたが、最近の作品は以前のような冴えが感じられなくなって、あまり聴かなくなりました。
そういえば、映画音楽とかも手がけているようですから、楽壇では相変わらず異端かもしれませんが、世間ではメジャーになりました。
彼の初期作品には、斬新さと、無調で難解な現代音楽的に対する反骨精神(?)的な意気ごみを感じるので、昔の曲の方が好きなものが多いです。

永井幸枝さんのCDは、オムニバスで聴きやすいと思います。
加古隆も入ってますね。この<グリーンスリーブス>はとても綺麗な編曲で好きな曲です。

現代音楽は、作風が調性音楽から無調音楽まで、バラエティ豊富ですから、ちょっと試しに聴いてみるだけでも、意外な発見をすることが多いように思います。そういう点で、NMLはとても良いツールですね。

こんなに美しいとは!

ムジカさん、こんばんは。

「日本の現代ピアノ作品集」の曲、何回も試聴しました。
どの曲も「わたしの世界」だと思いました。(変かしら?)
日本の現代ピアノ曲がこんなに美しいとは・・・

やはり、諸井三郎のピアノ・ソナタ第2番がいいですね。
池辺晋一郎が「愛すなわち詩」なんて、カッコ良すぎる・・・曲もきれい!

試聴だけでは物足りなくて、CDを買うことにしました。
CDを買うなんて久しぶりです。
しかも、嫌いだったはずのゲンダイオンガクのCDを (*_*)
届くのが楽しみで~す。

「愛すなわち詩」

ゆりさん、こんばんは。

このアルバム、お気に入られたようで何よりです。
「わたしの世界」...全然、変じゃないですよ。
現代音楽といっても、作風は右から左まで幅広いですし、人はみんな独自の精神世界を持っているので、何が一番ぴったりくるかはそれぞれ違いますから。

《水辺の組曲》は、印象派風のとても綺麗な音楽です。ドビュッシーが好きな方には向いていると思います。
嫌いな曲ではないのですが、私はドビュッシーや、このタイプの現代音楽は聴き慣れてしまっているので、それほど印象が強くなかったのです。
曲自体は聴きやすいですし、不協和音といっても美しい和声ですから、現代音楽をあまり聴いていない方にもお勧めできる曲です。

諸井三郎の《ピアノ・ソナタ第2番》は少し前衛的なので、とても骨のある曲で、聴き応え充分。
日本の戦前~1960年代くらいの前衛的現代音楽風な感じがします。
私にとって、"現代音楽はこうでなくっちゃ!"と思わせてくれる曲です。

池辺晋一郎の《大地は蒼い一個のオレンジのような...》は、思いがけなく素敵な曲でした。
「愛すなわち詩」は、ほんとになんてロマンティックなタイトルの詩集なんでしょう!
この詩集は有名らしいのでご存知かもしれないですが、検索してみると、エリュアールの恋人ガラ(後に結婚して妻となります)のことを書いた詩だそうですね。
ガラ夫人は、夫と一緒にダリを訪問した時、ダリと"fall in love"してしまったらしく、後にエリュアールと離婚して、ダリと再婚してしまいます。
この詩集には、

>もうこれ以上
>おまえを見ないために目を閉じた
>ぼくは目を閉じた
>すると涙が出た
>もうおまえを見ないのだと思って

という一節が入っていて、これはエリュアールの元を去ってしまったガラを思って書いた詩のようです。(原典で確認したわけではないのですが)
こういうエピソードを聴くと、詩集まで読みたくなりますね。

PS.今度こそ、ちゃんとCDが届くと良いですね。
タワーレコードのウェブサイトだと、このCDは販売価格1690円。1500円以上購入で送料無料でした。HMVやamazonよりもお得かもしれません。
ただし、タワーレコードは、たしかキャンセルが出来なかったので、使い勝手は悪いです。

しまった!

おはようございます。 
 
ムジカさんに相談してから注文したら、安く買えたのにね!
HMVで買いました。会員でなかったから登録してから買いましたが確か送料がかかっていました。
まっ、いいです。ゆりさんはお金持ちだから・・・???

HMVとタワーレコード

ゆりさん、おはようございます。

HMVは、保有ポイントが少なくてもすぐに使えるので、その分を考慮すると、タワーレコードとの価格差も小さくなりますね。
タワーレコードの場合は、一定額のポイントをためないと使えないし、キャンセルできないので、かなり不便です。
あまりCDを買わないのでしたら、このCDは価格とポイントが同じなので、どちらのサイトで買われても良いと思います。

私は毎月CDを数枚、多い時は10枚くらいは購入するので、国内外の複数サイトを比較して買う習慣がついてしまいました。
同じCDなのに、価格が倍くらい違うこともよくありますから、ちりも積もれば差額もバカになりません。最近は、この超円高のおかげで、海外サイトで直接買うことが増えました。

人間の内なる声が!

ムジカさん、こんにちは。

昨日、オピッツ演奏の「日本の現代ピアノ作品集」のCD無事届きました。
今、3回目を聴いています。今流れているのは、藤家の「水辺の組曲」です。
自然に対してあらゆる感性を研ぎ澄ませ、刻々と変化する夢の中で突如サプライズが・・・オピッツは「この音楽の中には謎のようなものが多くあり、解きがたい疑問が残る。」と語っていますが、それこそが日本人の民族性ゆえの感性ではないかと思います。

池辺の「大地は蒼い・・・・・」は美しい情景が拡がって来ます。静かさと躍動感とが交錯してシュールな詩人、ポール・エリュアールの「愛すなわち詩」を感じながら、美しいです。

武満の「雨の樹・素描」も雨上がりの滴したたる瑞々しさをピアノの旋律に乗せて夢のような綺麗な曲でした。

しかし圧巻は諸井三郎のピアノソナタ第2番です。
今、流れていますが骨太な刺激的な「我が道を行く」的な個性を感じます。
それでいて調和も崩してなく素晴らしい作曲家です。
特にあの繰り返す主題の情熱的な明快さは魅力的です。
もっと有名になっても良いと感じました。もう、世を去っているなんて・・・

最後にオピッツについてですが、どこかで見た顔と思っていましたが、NHKで1994年にベートーベン・ソナタ集の演奏とレッスンに出演されていたあの方でした。
特にレッスンが良かったです。ピアノが碌に弾けもしない私でも楽しみで試聴していましたから。日本通のピアニストですね。

以上、CDについている解説書を参考に書きました。
ムジカさんのお陰で素晴らしい曲に出会うことが出来ました。
ありがとう!!!

お気に召して何よりです

ゆりさん、こんにちは。

今度は無事にCDが届いてよかったですね~。
もう3回も聴かれたのですか。とても気に入っていただいたようで、何よりです。

「水辺の組曲」を聴きなおしてみましたが、これは素敵な曲ですね。
技巧的でもなく地味な感じがしたので、選曲した理由がよくわからなかったのですが、オピッツにとっては、日本の音楽独特の「謎」めいたものを感じたのですね。
現代音楽を聴くと、たいていの曲には、多かれ少なかれ不可思議な感覚を感じますが、この曲は西欧の現代曲とはどこか違います。
旋律や和声に昔から馴染んできたかのような感覚をおぼえますし、それにウェットな叙情を感じます。

「大地は蒼い・・・・・」はとても好きな曲です。私には宇宙のイメージがするのですが、視覚喚起力のある曲ですね。
この曲がお好きなら、シサスクの《銀河巡礼》もお気に入るかもしれません。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%82%AF-P%E6%9B%B2%E9%9B%86%E3%80%8A%E9%8A%80%E6%B2%B3%E5%B7%A1%E7%A4%BC%E3%80%8B-%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC-%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%AA/dp/B00005HIAT/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1315712132&sr=8-1

「雨の樹・素描」はずっと昔聴きました。
響きはとても綺麗だと思うのですが、音がまばらで散文的なところが、どうも私とは合わなかったようです。

「ピアノソナタ第2番」は、前衛的な厳めしさと緊張感があって、圧倒されるところがあります。
現代音楽といっても、最近は大人しくて美しい曲が多くなっていますから、こういう”骨太な刺激的な「我が道を行く」”ような曲の方が、ストレートな潔さがあって、とても新鮮に思えますね。
この作風に少し似ているというと、矢代秋雄の《ピアノ協奏曲》あたりでしょうか。これも名曲です。

そのとおり!オピッツは、NHKのピアノレッスンの講師でした。
私も時々見てました。この番組に出ていたので、オピッツは日本で有名になったと思います。
彼は大の親日家のようですね。そうでないと、日本の現代音楽、それも当の日本人にさえほとんど知られていないような曲を録音するわけがありませんから。
オピッツのベートーヴェンとブラームスの録音は聴いたことがありますが、あいにく好みとはちょっと違ってました。
でも、この現代音楽のアルバムは、選曲と演奏が素晴らしいです。
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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;アリステア・マクリーン、エドモンド・ハミルトン、太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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