気ままな生活

               ♪音楽と本に囲まれて暮らす日々の覚え書♪  

Category [ ♪ピアニスト(現代音楽以外) ] 記事一覧

マルテンポ ~ ロシアのピアノ・ソナタ集(バラキレフ,グラズノフ,コセンコ)

2023年9月末に発売されたPiano Classics10枚組BOXセット『Explorer Set: Slavic Edition』。購入した目的は分売盤が廃盤になっていたジョルジーニの『エネスク/ピアノ曲集』。それ以外で好きなのは、ヴィンチェンツォ・マルテンポの『リャプノフ:12の超絶技巧練習曲』と『バラキレフ、グラズノフ、コセンコ:ピアノ・ソナタ集』。どちらも分売盤だったら聴くことも買うこともなかったに違いない。エクスプローラー・セット スラ...

ヴィンチェンツォ・マルテンポ ~ リャプノフ/12の超絶技巧練習曲

9月末に発売されたPiano Classics10枚組BOXセット『Explorer Set: Slavic Edition』。購入した目的はジョルジーニの『エネスク/ピアノ曲集』。それにNMLで試聴したヴィンチェンツォ・マルテンポの『リャプノフ:12の超絶技巧練習曲』と『バラキレフ、グラズノフ、コセンコ:ピアノ・ソナタ集』も私の好きな曲集だった。エクスプローラー・セット スラヴ・エディション (2023年09月下旬)Various Artistsリャプノフの《12の超絶技...

スティーブン・オズボーン ~ リスト/詩的で宗教的な調べ

ジョルジーニの《詩的で宗教的な調べ》を聴いてこの曲が凄く好きになったので、今度はスティーブン・オズボーンのCDを購入。異聴盤はいくつか試聴したけど(ギィ、コルスティック、ムラロなど)、音質・テンポ・演奏全てで好みに合いそうだったのがオズボーン。彼のCDで持っているのは《アーメンの幻影》を聴くために買ったメシアンのピアノ作品集。(ずっと昔に聴いただけなのでまた聴きたくなってきた)Liszt: Harmonies Poetiqu...

田部京子『シベリウス/ピアノ作品集』

シベリウスのピアノ曲を聴いていると、寒く冷たく凍てつくような空気や水のイメージが湧き出てくるせいか、体中が引き締まるような感覚がする。フィンランド人のシベリウスのピアノ曲は、同じ北欧でもノルウェーの作曲家グリーグの《叙情小曲集》とは印象がかなり違う。シベリウスは、叙情美しくとも、湖のような透明感と冷んやりとした温度感があり、情緒や感傷過多になることがない。感情や情緒に働きかけるというよりも、思索的...

アン=マリー・マクダーモット ~ ハイドン/ピアノソナタ集(Vol.2)

アン=マリー・マクダーモットのハイドンは、ソラウンとは全然違うタッチで軽やかで愛らしい。マクダーモットのピアノ・ソナタ集はVol.1とVol.2がリリースされていて、第2巻は<ハイドン音盤倉庫>でも紹介されていた。【新着】アン=マリー・マクダーモットのピアノソナタ集第2巻(ハイドン)この記事を読んで興味をもったのでNMLで聴いてみたところ、記事に書かれている通り、Vol.1とVol.2ではタッチや急速楽章の弾き方(特にフ...

ジョナタン・フルネル ~ エリザベート王妃国際コンクール・ライブ

新譜情報で知ったピアニスト、ジョナタン・フルネルは2021年エリザベート王妃国際コンクールの優勝者。コンクール情報は全くチェックしていないので、誰か優勝したのか知るのは、日本人ならウェブニュースを読んで、日本人以外なら新譜情報を見て。ブラームス: ピアノ・ソナタ 第3番 ほか(2021年10月22日)ジョナタン・フルネル 新譜はブラームスの《ピアノ・ソナタ第3番》と《ヘンデルの主題による変奏曲》の2曲。ブラームス好...

ブゾーニ 『ピアノ作品集』

新譜情報で見つけた技巧派ドノホーの最新アルバムはブゾーニのピアノ作品集。レーベルはいつものhyperionではなく、chandos。ブゾーニ:ピアノ作品集(2021年7月30日)  ピーター・ドノホー試聴ファイル(chandos.net)<収録曲>トッカータ BV287悲歌集 BV249、BV252:転機のあとに、イタリア風、わが魂は汝に望みを託す(コラール前奏曲)、トゥーランドットの居間(間奏曲)、夜のワルツ、できごと(夜曲)、子守歌ソナチネ第6...

ツィメルマン/ラトル&LSO ~ ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集

久しぶりにリリースされたツィメルマンのコンチェルトは、ラトル指揮ロンドン交響楽団伴奏の『ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集』。LSOセントルークスでの無観客録音らしく、ライブ録音みたいな臨場感がある。数十年前、クラシックのCDを買い始めた頃、ツィメルマンのピアノが好きだったのでCDコレクターしていたけど、いつの間にか全然聴かなくなってしまい、今ではCDを1枚も持っていない。ベートーヴェン: ピアノ協奏曲全集(20...

アレクサンダー・クリッヒェルが弾くベートーヴェン、エネスコ、リスト

ピアノ小品集の中で特に好きなアルバムの1枚がアレクサンダー・クリッヒェル『春の夜 ~ ドイツ・ロマン派名曲集』。1年前に偶然見つけたCDだけど、今聴き直しても、選曲と優しいタッチで繊細な情感の演奏がタイトル通り”春”に聴くのにぴったり。春の夜〜ドイツ・ロマン派名曲集 (2015/6/24)アレクサンダー・クリッヒェル 試聴ファイル<関連記事>アレクサンダー・クリッヒェル『春の夜 ~ ドイツ・ロマン派名曲集』クリッヒェル...

【新譜情報】アンジェラ・ヒューイット『ラヴ・ソングズ』 

7月発売予定のアンジェラ・ヒューイットの新譜は『ラヴ・ソングズ~ピアノ・トランスクリプション集』。ヒューイットは特に好きなピアニストではないので普段は全然聴かないけど、この新譜は好きな曲が多くて試聴してみた。「献呈」と「オルフェオの嘆きと精霊の踊り」はルバートのかけ方(テンポの揺れ具合)が私の感覚とは合わなくて、少し忙しなくて落ち着きがないように聴こえる。選曲自体は好きだし、もう少し試聴してみて全...

<ピアノ編曲版>バッハ/前奏曲とフーガBWV532 & BWV543,《汝にこそ、わが喜びあり》

年末年始にかけて聴きたくなるのは、バッハのピアノ編曲もの。輝きと広がりのある堂々としたブゾーニ編曲《前奏曲とフーガ BWV 532》は新しい年の幕開けに相応しい。私が一番好きなのは、レーゼルのスタジオ録音とフィオレンティーノがさらに編曲したライブ音源。↓はフィオレンティーノが1996年Newport音楽祭のリサイタルで演奏したライブ音源。この曲のフィオレンティーノの録音は、スタジオ録音と複数のライブ録音・音源がいくつ...

イゴール・レヴィット『エンカウンター』

9月11日にリリースされたイゴール・レヴィットの新譜『エンカウンター』。紹介文によると、「レヴィットがコロナ禍の中で激しい感情を抑えることを試み、音楽から喜びや慰め、自由に演奏することの可能性を模索し、あらゆる種類の「出会い=エンカウンター」を見つけ出そうとする過程で構想され、2020年5月下旬にベルリンのイエス・キリスト教会で録音」。収録曲は、.バッハ=ブゾーニ編曲《10のコラール前奏曲 BV B 27》、ブラー...

ブッフビンダー ~ ベートーヴェン/ピアノ作品全集(変奏曲集)

Rudolf Buchbinder - Beethoven Complete Works for Solo Piano [Box Set](2012/6/26)試聴ファイルもともと好きな変奏曲のなかでも、ベートーヴェンの変奏曲には好きな曲が多い。一番有名な《ディアベリ変奏曲》以外に、《次作主題による32の変奏曲WoO 80》、《イギリス国歌による変奏曲》、《エロイカ変奏曲》、《トルコ行進曲》、変奏曲楽章なら《ピアノ・ソナタ第30番》第3楽章、《ピアノ・ソナタ第32番》第2楽章。自作主題...

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番(ピアノ&弦楽五重奏版)[キューテン補筆復元版]

ベートーヴェン《ピアノ協奏曲第4番》のピアノ&弦楽五重奏版は、ラハナー編曲版とキューテン補筆復元版がある。↓の論文によれば、キューテン補筆復元版の成立経緯はちょっとややこしい。ベートーヴェンの自筆総譜自体は現存していない。近年発見されたコピストによる両端楽章の筆写総譜は、ベートーヴェン自身が加筆訂正しており、ピアノパートがかなり改変されている。また、オーケストラ・パートを弦楽五重奏用に編曲したパー...

ツィンマーマン&ロンクィッヒ ~ モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ主要作品集、ピアノ独奏曲集

フランク・ペーター・ツィンマーマンがデュオを組むピアニストは、今はエンリコ・パーチェが多いけど、昔のパートナーはアレクサンダー・ロンクィッヒだった。20歳代のツィンマーマンと5歳年上のロンクィッヒのデュオ録音で一番有名なのはモーツァルトのヴァイオリンソナタ集で、他にプロコフィエフ、ラヴェル、ドビュッシー、ヤナーチェクなどを録音している。1987~90年に録音したモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集(5枚組...

ヴィキングル・オラフソン/バッハ作品集

HMVの新譜情報に載っていたヴィキングル・オラフソンの『ドビュッシー&ラモー~ピアノ作品集』。すでにリリースしているバッハ録音は評判が良いらしい。たしか昔、グラスの録音を試聴した気がするけど、バッハは試聴したかどうか定かではなく、もし試聴していたとしても、CD買っていないから、好みではなかったはず。Johann Sebastian Bach (2018/9/6))Olafsson, Vikingur 試聴ファイル念のためバッハを試聴してみると、ノンレガ...

フェインベルクとスタンチンスキーのピアノ作品

マルク=アンドレ・アムランの新譜は、サムイル・フェインベルクのピアノ・ソナタ集。フェインベルクの作品はまともに聴いた覚えがないので、試聴ファイルで少し聴いた限りでは、音の厚みと情感を薄くした初期スクリャービンを聴いているような気がする。曲自体は美しくて聴きやすいけど、スクリャービンを聴いている時のような印象的な旋律や強い情感が感じられないので私のこのみとは合わなかった。フェインベルグ:ピアノ・ソナ...

ブッフビンダー ~ ベートーヴェン/ピアノ作品全集(バガテル集、小品集)

Rudolf Buchbinder - Beethoven Complete Works for Solo Piano [Box Set](2012/6/26)試聴ファイルピアノ・ソナタ全集もたっぷり楽しめたけど、バガテル集と小品集も好きな曲がいろいろあって楽しく聴ける。バガテル集はよくカップリングされているので、CDは数枚持っているけど、全曲盤はブレンデル(Philips)とブッフビンダー(Teldec)、コヴァセヴィチ(Philips)。Op.126で一番好きなのはカッチェン(Decca)。曲として一...

マルク=アンドレ・アムラン ~ スクリャービン/ピアノ・ソナタ全集

スクリャービンのピアノ・ソナタで今持っているCDは、覚えている限りでは、ソコロフ(第3番・第9番)、ハフ(第4番・第5番)、フィオレンティーノ(第1番、第2番、第4番)に内藤晃(第4番)。全集盤を買いたい気がしてきたので、いくつか試聴したところ、技巧的に飛び抜けて素晴らしかったのがマルク=アンドレ・アムラン。私好きな曲(第1番~第4番)だけ聴いた印象では、細部まで澄んだ響きで曲の構造がくっきり浮き上がる明晰な...

ブッフビンダー ~ ベートーヴェン/ピアノ作品全集(ピアノ・ソナタ全集)[TELDEC]

ブッフビンダーが33歳頃の1976年~1982年にTELDECで録音したベートーヴェンのピアノ作品全集。20 年に分売盤をまとめたBOXセットが発売され、CD15枚CDが実売価格で4000円くらい。15枚中8枚がピアノ・ソナタ全集、1枚がバガテル集、5枚が変奏曲集(フルートとのデュオあり)、最後の1枚が残りの独奏曲で、作品番号がないWoO付きの曲も多数あり、資料的価値は高いと思う。新盤のライブ録音盤のピアノ・ソナタ全集とは、別人が弾いて...

ピアノソロによる葬送行進曲

”葬送行進曲”と言えば、一番有名なショパン《ピアノ・ソナタ第2番》第3楽章。(冒頭の重苦しく陰気な主題旋律が好きではないので私は聴かない)Pollini plays Chopin Sonata No.2 in B flat Minor, Op.35 - 3. Marche funèbreベートーヴェンのピアノ・ソナタのなかでも、一番好きな曲のひとつが第12番「葬送ソナタ」。特に好きなのは、第3楽章の”葬送行進曲”ではなくて、優美で気品漂う変奏形式の第1楽章と躍動的な第2楽章。無窮動...

バッハ/パルティータ集

イゴール・レヴィットのパルティータ全集はとても気に入ったけど、全集盤ではなくても昔からず~っと好きな演奏があって、どの曲も何度聴いても飽きることがない。《パルティータ第1番》なら、優しく気品のあるフィオレンティーノ。Sergio Fiorentino: Partita n.1 (Bach)フィオレンティーノ ~ バッハ/パルティータ第1番《パルティータ第2番》は、力強いタッチと研ぎ澄まされた叙情感で凝縮力のあるソコロフ。Grigory Sokolov ...

イゴール・レヴィット ~ バッハ/パルティータ全集

イーゴル・レヴィットのソロ録音を全て試聴してみたところ、バッハのパルティータ全集がとても良かったので、すぐにCDを購入。Bach: Partitas Bwv 825-830 by Igor Levit(2013-05-03)Igor Levit 試聴ファイルIgor Levit - Bach: Partita No. 1 in B-Flat Major, BWV 825 - I. Praeludium試聴時とCDとでタッチと音が随分違うのは、試聴した時のPC外付けスピーカーの音質が柔らかくてまろやかで軽かったせい。ステレオで聴いた印象は...

アレクサンダー・クリッヒェル『春の夜 ~ ドイツ・ロマン派名曲集』

最近は特に気に入ったCDとなかなか出会えず、NMLで聴けるCDが格段に増えていることもあって、CD買うことがすっかり減ってしまった。それでも試聴したアルバムのなかで、演奏と選曲の両方とも一番気に入ったのがアレクサンダー・クリッヒェルの『春の夜~ドイツ・ロマン派名曲集』 。これはソニークラシカルとの専属契約として初めてのデビューアルバム。クリッヒェルがリリースしたアルバム4枚のうち、選曲ではこのアルバムが私...

バッハ=リスト編曲/前奏曲とフーガ BWV 543

バッハ編曲のなかでも一番好きな曲の一つが、リストが編曲した《前奏曲とフーガ BWV 543》。初めて聴いたのは、たしかリーズ・ドゥ・ラ・サールのライブ映像。今聴き直してみたら、フーガのテンポが私にはちょっと速すぎて慌ただしい気がする。Lise de la salle plays Bach次に聴いたのは、ユーディナのライブ音源。CDに収録されたスタジオ録音よりも、音は悪くキズも少しあるけれど、緊迫感のある力強く確信に満ちた演奏に惹き込...

メンデルスゾーン/無言歌集(2)

No.21”胸騒ぎ”(Op.53-3)(出版社がつけた)「胸騒ぎ」という曲名通り、テンポや強弱を揺らしてもやもやした感じを出す演奏が多い。エッシェンバッハのように、揺らさずに少し直線的に弾く方が焦燥感が強く出る感じがする。Barenboim plays Mendelssohn Songs Without Words Op.53 no.3 in G MinorNo.26”出発”(Op.62-2)力強く明るく爽やかなので、練習していても楽しかった曲。Mendelssohn - Songs Without Words Op. 62 No. 2 ...

メンデルスゾーン/無言歌集(1)

子供の頃にピアノのレッスンで弾いていたメンデルゾーンの無言歌は10曲くらい。練習するのが一番嫌だったのは、アルペジオが綺麗に弾けなかった「春の歌」。でもレーゼルの小品集の演奏を聴いてから、曲の方は好きになったので、苦手の曲を自分の下手なピアノで聴いたのが間違いだった。「慰め」、「狩り」、「出発」、「葬送行進曲」とか練習するのが好きな無言歌は、もともと曲自体が好きだった。今回初めて《無言歌集》を全曲聴...

"夜の音楽”

”夜”にまわる音楽のなかで、ショパンの《夜想曲》とかロマン派までのメジャーな曲よりも好きなのは、20世紀に書かれた”夜の音楽”。私がすぐに思い浮かぶのは、バルトークの《戸外にて/Out of Doors》の第4曲”夜の音楽/Az ejszaka zeneje”。 (有名なのは、ラヴェル《夜のガスパール》だろうけど特に好きでもないので、すぐに思い出せない。)夜の闇のなかで、虫たちが蠢いているようなミステリアスティックな旋律と響きが魅惑的...

ユッセン兄弟 ~ シューベルト/幻想曲

たまたま聴いたユッセン兄弟のデュカス《魔法使いの弟子》の連弾がとても良かったので、他の演奏も聴いてみた。録音がいくつか出ていて、ソロ録音はあまり印象に残らず。やはり連弾や2台のピアノの演奏を聴きたくなる。普段は2台のピアノの方が連弾よりも好きなので、連弾曲はほとんど聴かないけど、ユッセン兄弟の連弾は、柔らかく繊細なピアノの音色がとても綺麗で、2つのパートが溶け合うような調和感があって、まるで1人のピ...

サン=サーンスと北アフリカ ~ アフリカ幻想曲 (管弦楽&ピアノ版、ピアノ独奏版)

《アフリカ幻想曲》は、サン=サーンスのピアノ&管弦楽向け作品のなかでも、特に人気があるらしい。ピアノ&管弦楽版以外に、先に出版された2台のピアノ版とピアノ独奏版がある。冒頭の黒光りするような厳めしくゾクゾクっとする主題はかなり好き。オリエンタルな”エジプト風”とちがって、ちょっと野生的な感じがする。終始指が鍵盤上を激しく動き回って、幻想曲なので形式性は弱く、主題を織り込んで展開していったり、サバンナ...

ベートーヴェン/6つのバガテル Op.126

ポール・ルイスが4年に渡って王子ホールで行うリサイタル『ハイドン・ベートーヴェン・ブラームス プロジェクト(HBB project)』では、昨年11月のプログラムでベートーヴェン最後のピアノ作品となった《バガテルOp.126》を弾いていた。レコ芸のインタビューで、ルイスはこのバガテル集についてこう言っている。「これは驚くべき傑作です。異なる印象のコラージュで、最初と最後がシンメトリーになっていて、ベートーヴェンのクレ...

サン=サーンスで好きな曲 ~ ピアノ協奏曲第2番、練習曲集、ヴァイオリンソナタ第1番

ピアノを使ったサン=サーンス作品のなかで一番ポピュラーなのは、2台のピアノとオケ(または室内楽)による《動物の謝肉祭》。技巧華やかなピアノを楽しむなら、ピアノ協奏曲。特に有名なのは第2番と第2楽章がオリエンタル風の第5番”エジプト風”。《ピアノ協奏曲全集》で昔からの定番は、パスカル・ロジェだと思う。それ以降の録音の中では、スピード感と切れ味鋭い技巧で颯爽としたスティーヴン・ハフの演奏(2008年のグ...

リャプノフ/12の超絶技巧練習曲

新譜情報で興味を弾かれたのが、広瀬悦子のリャプノフ《12の超絶技巧練習曲》。リャプノフの名前も知らなかったので、この曲は聴いたことがない。師事したバラキレフと同じく、ピアニストとしても技巧優れた人だったので、作品にはピアノ曲が多く、最も評価が高いのは、この《12の超絶技巧練習曲》らしい。NMLを探すと、全曲録音はマルテンポ(Piano Classics)、ケントナー(Turnabout)、シチェルバコフ(Marco Polo)の3種類し...

メルニコフ『Four pianos, Four Pieces』(4種のピアノを使った難曲集)

メルニコフの新譜は『Four pianos, Four Pieces』。作曲者が使っていたピアノ、もしくはその時代のピリオド楽器を使って、難曲として有名な4曲を録音。ピリオド楽器の録音というのは時々出ているけれど(メルニコフも最近ピリオド楽器をよく使っているし)、時代別に4種類もの違ったピアノでそれぞれ異なる曲を弾くというのは珍しい。Various: Four Pieces (2018/3/9)Alexander Melnikov試聴ファイル(amazon.de)ちょっと興味が...

チョ・ソンジン ~ ドビュッシー/ピアノ作品集

今年はドビュッシーイヤーなので、昨年秋頃から新録音が次々と出てきている。新譜情報で紹介されているものは大体試聴しているけれど、CDで聴きたいと思ったものは少ない。オズボーンはタッチが強くて明晰(もう少し柔らかくてファンタジーのある方が...)、バレンボイムはテンポの揺れが激しくアーティキュレーションが独特で、ポリーニはタッチが昔のような緻密で明晰なタッチではなく(新譜の試聴ファイルがないので以前のドビ...

アレクサンドラ・ソストマン 『Bach & Contemporary Music』

ドイツの女性ピアニストということで、ちょっと興味を引かれたのがアレクサンドラ・ソストマン。ハンブルク大学で師事していた先生がコロリオフ。11月末に発売予定の新譜は、バッハの《フランス組曲》第3番と第5番、ショパンのマズルカ集。BACH-CHOPIN (2016年08月31日)Alexandra Sostmann試聴ファイル試聴ファイルとSP動画を聴いてみると、フランス組曲の緩徐系の曲(Allemande、Sarabande、Loure)が素敵。(速いテンポの舞曲の...

【新譜情報】ヨーヨー・マ,アックス,カヴァコス ~ ブラームス/ピアノ三重奏曲集

9月15日発売予定の新譜は、ヨーヨー・マ、エマニュエル・アックス、レオニダス・カヴァコスという、ちょっと珍しい顔合わせによるブラームスの『ピアノ三重奏曲集』。第1番~第3番の2枚組。2016年12月、メカニックス・ホールでのセッション録音。ヨーヨー・マとアックスの録音で持っているのは、パールマンと録音したメンデルスゾーンのピアノトリオ。ジャケット写真のアックスとパールマンは、外見がよく似ていてまるで兄弟みたい...

コジュヒン ~ ブラームス/ピアノ曲集

NMLで聴いてとても魅かれたコジュヒンのブラームス。コジュヒンは名前を聴いた覚えはあるのだけど、ブラームス録音が出ているのを知ったのは最近読んだレコ芸の評論記事。このブラームスのCDはすぐに買ったけれど、他のコジュヒンの録音はNMLで聴いてもあまりピンとこなかったので購入せず。コジュヒンのブラームスアルバムは、選曲がちょっとユニーク。録音が少ない《主題と変奏》と有名な《4つのバラード》。後期のピアノ小品集...

ブラームス/ピアノ作品集(コジュヒン、ヴォロドス、プロウライト)

ブラームスのピアノ作品の新譜が出たら、カッチェンとレーゼルと同じくらい好きなブラームスが聴けたらいいなあと思って、必ず試聴することにしている。今回はプロウライトとコジュヒン、ヴォロドス。ヴォロドスは発売時に試聴ずみ。プロウライトは最近のHMVニュース、コジュヒンは今月号のレコ芸で紹介されていた。試聴した限りでは、コジュヒンが今まで聴いてきたブラームスとは一味違ったところがかなり気に入ってしまった。ヴ...

陰鬱なピアノ曲

”幽霊”とは違うけれど、まるで怪談を聴いているみたいに肌寒くなるのは、アルカンの《海辺の狂女の唄/La chanson de la folle au bord de la mer》は、。鬱々とした暗さと不気味な雰囲気が漂っているところは、亡霊が徘徊しているような....。この曲もスティーヴン・ハフの『French album』に入っていた。意外と有名な曲らしく、Youtubeに多数音源があるし、「世界3大憂鬱曲」という音源もあったりする。Charles Valentin Alkan -...

【新譜情報】ツィンマーマン&ロンクィッヒ ~ モーツァルト/ヴァイオリンソナタ集(UHQCD)

最近UHQCDで再発売されるCDをよく見かけるようになった。UHQCDをクラシックで最初に大々的に発売したのは、DENONの「ドイツ・シャルプラッテン」シリーズ。UHQCDになったレーゼルの『ブラームス:ピアノ曲全集』を試聴ファイルで聴くと、BerlinClassics盤よりもかなり音質が良くなっていたのがはっきりわかったので、5枚のうち3枚を購入して、さらに1枚を特典プレゼントで手に入れた。今気になっているのは、フランク・ペーター・...

”幽霊”という名のピアノ曲(追記あり)

子供の頃、夏になると母親に連れられて弟と一緒に遊びに行った「ひらかたパーク」のお化け屋敷。真っ暗な通路のなかで、時々変な扮装をした”お化け”とか”妖怪”が出てきて、これが子供心にとっても怖かった...。今時の子供は、こういう仕掛けには驚かないのかもしれないけど。お化け屋敷を思い出したので、「幽霊」と言う名前を持つピアノ曲(室内楽も含めて)を探してみた。すぐに思い浮かぶのは、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲...

『神宿る手』で演奏されているピアノ曲

宇神幸男『神宿る手』のなかで、”伝説のピアニスト”バローが録音したCDの収録曲は、バロック、古典、ロマン派の5曲。- バッハ「二声のインベンション第9番へ短調」- ショパン「練習曲作品25第3番ヘ長調」- シューマン「幻想小曲集第1曲”夕べに”」- ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調”テレーゼ”」- ショパン「バラード第4番」一見すると、作曲家・曲名・曲想から言って、どういう関連性があるのかわからなかった。小...

シューマン/詩人の恋 ~ ボストリッジとマインダース(ピアノ編曲版)

シューマン歌曲のピアノ編曲版を探すと、有名なリスト編曲「献呈」以外ではすぐに見つかったのは、「五月の夜」くらい。「五月の夜」は、月光が降り注ぐようなカスケードの旋律が綺麗。これを速いテンポで一気に弾く演奏をいくつも見つけたけれど、テンポを微妙に変えてゆっくりと弾くニコラーエヴァが一番叙情美しく聴こえる。それに、どこかで聴いた気がすると思ったら、”愛の賛歌”のメロディに似ていたからだった。Nikolayeva S...

シューマン/森の情景

奥泉光の音楽/ミステリー小説『シューマンの指』には、シューマンのピアノ作品が詳しい解説付きでいくつも登場する。そのなかで、一番印象に残ったのは《森の情景》。主人公の一人「修人」が語る作品解釈によると、主人公(とストーリー)にとっても、シューマンの人生にとっても、重要な意味を持っているのは「気味の悪い場所」と「別れ」。《森の情景》は、もともとロマン派の詩人が詠った「森」をモチーフしたものらしい。各曲...

シューマン/謝肉祭

フィオレンティーノの《謝肉祭》を聴いてから、ようやく普通に聴けるようになったので、いろんなピアニストの演奏で聴いてみた。CDで持っているシューマンの《謝肉祭》というと、フィオレンティーノが2種類(1996年、1963年)、ミケランジェリ(1957年DG盤)、エゴロフのスタジオ録音、カッチェンのスタジオ録音(1958年)、アラウのスタジオ録音(1939年EMI盤)とモノクロライブ録画(DVD、1961年EMI盤)。(CDラックを探せば他に...

ピアノ編曲版(みたいな)《ゴルトベルク変奏曲》

《ゴルトベルク変奏曲》の編曲バージョンは10種類くらいはある。チェンバロまたはピアノ以外の楽器で演奏する編曲版(オルガン、ハープ、ギター、リコーダー、アコーディオン、弦楽アンサンブルなど)と、ピアノ編曲版(ソロ、2台、4手連弾)。ピアノ編曲版は、ブゾーニのソロ、ラインベルガーの2台のピアノ(これをさらにレーガーが編曲している)、アイヒラーの4手連弾。(もっと探せば他にもあるかも)ブゾーニ編曲版は、最初...

【新譜情報】ブレハッチ ~ バッハ作品集

ブレハッチの新譜はバッハ作品集。リリース直後に試聴したのだけど、ノンレガートなタッチとテンポが私の好みに合わず、購入に至らず。今月のレコ芸で特選盤として絶賛されていたので、私の耳が悪かったのだろうかと再度試聴。やはり、速いテンポで弾く軽くて柔らかいノンレガートの響きが、私の好みとは違っていた。《イタリア協奏曲》は、(コロリオフのように)もっとカチッとした力感のあるシャープなタッチの方が格調高く聴こ...

シャルル・リシャール=アムラン 『ケベック・ライヴ2016 ~ ベートーヴェン、エネスク、ショパン』

青柳いづみこさんの『ショパン・コンクール』で詳しく紹介されていたので、興味を持っていたシャルル・リシャール=アムラン。あの技巧派マルク・アンドレ・アムランと同姓なので、名前を忘れようがない。ショパンコンクールで第1位だったチョ・ソンジンのバラード集のCDを試聴したところ、弱音や表現がねっとりしてまとわりつくような感じなので、私の好みとは違っていた。第2位だったアムランのデビューアルバム(ANALEKTA盤)は...

エイミー・ビーチのピアノ作品

今年が生誕150周年にあたる米国の女性作曲家エイミー・ビーチ(1867年~1944年)。エイミー・ビーチ(陽の当たらなかった女性作曲家たち・6) 石本裕子[Women's Action Network]このミニ伝記を読むと、ビーチが生まれた時代が違っていたか、それとも音楽活動に理解がある母親をもっていたら、ピアニストと作曲家としての名声もはるかに高くなっていたのかもしれないと思わせられる。ビーチは、調性感を色として感じる「共感覚...

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プロフィール

Author:Yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;アリステア・マクリーン、エドモンド・ハミルトン、太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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