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ラフマニノフ/2台のピアノのための 《組曲第2番》 
エンリコ・パーチェの演奏会情報を探していたところ、2013年3月6日にイタリア・サチーレにあるファツィオリ社の”Fazioli concert hall”で、イゴール・ローマとDuoリサイタルを開催予定。
パーチェとローマは、同じイタリア人ピアニストで、リスト国際コンクールの優勝者でもある縁からか、時々デュオで演奏している。
ファツィオリ・ホールでの演奏会プログラムを見ると、2台のピアノの有名なレパートリー曲のなかでも、技巧的難度の高い曲が多い、かなりヘビーな選曲。
ライブで弾くとなると、技巧に自信のあるデュオでないと組まない(組めない)プログラムかも。

<前半>
シューマン/アンダンテと変奏曲(Andante e variazioni op.46):ピアノ独奏曲の編曲版
ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 (Variazioni su un tema di Haydn op.56b):管弦楽曲版より先に作曲。
ルトスワフスキ/パガニーニの主題による変奏曲(Variazioni su un tema di Paganini)

<後半>
リスト/ 悲愴協奏曲(Concerto Pathetique)
パリ・コンセルヴァトワールのコンクールのために作曲した「大演奏会用独奏曲」をピアノ&管弦楽用と2台のピアノ版に編曲。ソナタ形式の単一楽章。エンディングは2種類。1866年版リストのオリジナル版と1884年のビューローによる改定版。
ラフマニノフ/組曲第2番(Suite per due pianoforti n.2,op.17):組曲第1番「幻想的絵画」(エピグラフ付き)よりも演奏機会が多い。


プログラムのなかで、とても面白いのがルトスワフスキの《パガニーニの主題による変奏曲》。
《パガニーニの主題による変奏曲》はいろんな作曲家が書いている。
一番有名なのは、ブラームスが書いた難曲のピアノ独奏曲。
このルトスワフスキの曲も、難易度ではブラームスと良い勝負ではないかと。
以前にパーチェとローマがオランダのTV番組のライブで演奏している。

Lutoslawski - Paganini variations


過去記事:ルトスワフスキ/パガニーニの主題による変奏曲


プログラム5曲のなかで、2台のピアノ曲のレパートリーとして一番有名なのは、ラフマニノフの《組曲第2番》。[ピティナ作品解説]
ブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》は管弦楽曲の方は有名でも、2台のピアノ版の方はあまり聴いたことがない。
《組曲》には第1番もあるけれど、第2番の方が構成曲4曲の曲想の違いが明瞭で、旋律や和声も美しく、ずっと完成度が高いように思える。


《組曲第2番》は、序奏(Introduction)、ワルツ(Valse)、ロマンス(Romance)、タランテラ(Tarantelle)の4曲構成。
最も人気が高いのが、技巧華やかでステージ映えする「タランテラ」。
冒頭はピアノ前奏曲《鐘》の終盤(「鐘」が鳴る前)に出てくるのようなオドロオドロしいドラマティックな旋律。
続いて、《パガニーニ狂詩曲》に似た馬が駆け抜けていくのような疾走感のある旋律や、同時期に作曲していた《ピアノ協奏曲第2番》のようなロマンティックな旋律がほんの少し現れるし、キラキラと宝石のように輝く高音のタランテラの旋律はちょっと妖しげな雰囲気。
2台のピアノで弾いていることを忘れるくらいに豪華な響き。華麗で勇壮でゾクゾクするくらいにとってもスリリング。
相性の悪いラフマニノフでも、べったり濃厚なロシア的憂愁のないピアニスティックな曲は大好き。

Rachmaninov Suite No.2 Op.17 for 2 Pianos (3/3) - Demidenko, Alexeev



「ロマンス」は、夢のなかでフワフワしているような軽やかさと甘いロマンティシズムが漂っていて、これもとっても好き。
もしかして、曲を選べばラフマニノフは意外に好みに合うのかも。
色彩感豊かな厚みのある和声の響きがとても綺麗。こういうところは2台のピアノならでは。
全然ウェットな叙情感がなくて、柔らかい響きと夢想的な雰囲気似ているせいか、シューマンの《ペダル・フリューゲルのための練習曲(カノン形式による6つの練習曲》をすぐに思い出した。

Rachmaninov Suite No.2 Op.17 for 2 Pianos (2/3) - Demidenko, Alexeev


tag : ラフマニノフ ルトスワフスキ パーチェ

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アルミフリー・ベーキングパウダー
普通のベーキングパウダーには、アルミ(みょうばん)が含まれている。
アルミはアルツハイマー(認知症)との関連性があるらしく、アルミ入りのベーキングパウダーを敬遠する人もいる。

アルミとアルツハイマー病との関連性に関する情報が載っているのは、
「アルミニウムとアルツハイマー病の関連情報」(独立行政法人国立健康・栄養研究所【健康食品の安全性・有効性情報】)
「アルミとアルツハイマー病」(よくわかる「アルミニウムと健康」基礎知識)[(社)日本アルミニウム協会]

この説明を読むと、今のところアルミ摂取量とアルツハイマー病との関連性について確定的な科学的証拠はないようだけれど、あえてアルミ入りの製品を買わなくても良い気がする。(アルミ製の鍋類まで使わないようになってしまったけど)

最近では、アルミが入っていない「アルミフリー」のベーキングパウダーの種類も増えている。
以前は輸入物のラムフォード製くらいしか見かけなかった。これは、個人のお菓子作りをする人の間では定番。
私は、ラムフォードと富澤商店で販売している愛国製を使っている。

ラムフォード ベーキングパウダー 114gラムフォード ベーキングパウダー 114g

ラムフォード

商品詳細を見る


富澤商店のオンラインショップで販売している"愛国ベーキングパウダー(アルミ不使用)"。。

パッケージはラムフォードの方がお洒落で、すりきりできる中フタは便利だけれど、密閉性がやや緩い感じ。
富澤商店の愛国BPはその点は心配なく、はめ込み式の蓋で密閉できる。1年以上使っていたけれど、湿気ていなかった。(でも、開封後半年くらいで使わないと、膨らみが悪くなるらしい)
ラムフォードの方が容量が多いので、価格は多少割安ではあるけれど、それほど大きな差はない。

愛国BPを使っていたときは、苦味を感じたことはないけれど、ラムフォードでマーラーカオを作ったときは苦味がかなり強かった。
ケーキを焼いたときは特に苦味は感じなかったので、蒸しパンはBPの使用量が多くなるためだと思う。

アルミフリーのベーキングパウダーを使って焼いたクッキーには、黒っぽい斑点がでるらしい。
私はクッキーにBPを使うことはないので、それは未経験。

両方のBPとも、普通のスーパーでは置いていないので、製菓材料の専門店かオンラインショップで購入。
ラムフォードなら、イオンショッピングセンターに入っているカルディコーヒーファームでも入手可能。
カルディは、価格は少し高いけれど送料はかからないし、強力粉も数種類置いているので、オンラインショップでまとめ買いするまでのつなぎに使えるところが便利。

<参考情報>
 アルミニウムフリー・ベーキングパウダー 使用感覚書[Coloré]
アルミフリー・ベーキングパウダーの製品リストと比較情報が豊富なホームページ。
他にも面白い比較記事がいろいろ。

 ベーキングパウダーの正しい保存方法とは?
とても役に立つ情報がいろいろ載っている。
- 冷蔵庫・冷凍庫での保存は厳禁!
- 開封後1年くらいは、変質なし。
- 保存袋は、ビニール袋ではなく、アルミ袋が◎。ビニールは水は通さないけれど、空気は通すので。
- 保管場所は、温度変化のないところ(茶箪笥とか、食器棚とか)、できるだけ湿度の低いところ。
コヴァセヴィチ ~ ブラームス/ピアノ協奏曲&ピアノ作品集
久しぶりに出会った心惹かれるブラームスは、スティーブン・コヴァセヴィチのPhilips時代の録音。
いい録音がないかと、アックス、アンゲリッシュ、グリモーのブラームスといろいろ聴いたけれど、もう一つピタっとくるものがなく、ペライア、シフ、パイク、メルニコフは試聴どまり。
結局、試聴した時から強くシンクロするものを感じたのが、コヴァセヴィチのブラームス。

コヴァセヴィチは、Philipsに1868年~1983年の間にピアノ協奏曲2曲と独奏曲を録音し、その後EMIにピアノ協奏曲第1番&第2番を1992年に再録音。
試聴してみたところ、EMI盤は残響過多(かペダル多用のため)な音質が聴きづらい。
それに、コヴァセヴィチのベートーヴェンやブラームスの録音レビューをチェックすると、”Bishop”と名乗っていた頃の演奏の方が良いというコメントを度々見かける。

Philips盤の試聴ファイルを聴いてみると、音質はEMI盤よりもずっと良いし、ピアノ協奏曲は若々しく力感のあるタッチが切れ良く、独奏曲も叙情豊かだけれどベタベタした情緒過剰なところはないのが良い。
《バラードOp.10》の第4曲は、珍しくもカッチェンやレーゼルと同じような速いテンポで、私の好きな弾き方。
《スケルツォ》もキビキビとして切れの良いタッチで、量感と音量たっぷり。ピアノがよく鳴っていて気持ち良い。力強い躍動感に加えて、弱音部の叙情感に瑞々しい美しさがあり、濃いロマンティシズムが素敵。
結局、ピアノ協奏曲も独奏曲も両方聴きたいので、Philips盤の4枚組を購入。

この2曲は、Philips盤のなかでは一番新しい1983年の録音。
Brahms / Stephen Kovacevich, 1983: Ballade in B, Op. 10, No. 4


Stephen Bishop Kovacevich: Scherzo in E flat minor, Op. 4 (Brahms) - Philips, 1983


philips盤の4枚組セット。
Stephen Kovacevich Plays BrahmsStephen Kovacevich Plays Brahms
(2005/11/07)
Stephen Kovacevich、Brahms 他

試聴する(英amazon)



NEWTON CLASSICSは、ユニバーサルの正規ライセンスを得て過去の音源をリリースしている新興レーベル。
これは、Philipsのライセンス盤らしきCD2枚組。Philips盤の協奏曲入りCD2枚分を収録。
収録曲は、ピアノ協奏曲2曲とスケルツォ&バラード、8つの小品(Op.76)。
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番&第2番 他ブラームス:ピアノ協奏曲第1番&第2番 他
(2010/07/27)
サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団,スティーブン・コヴァセヴィチ

試聴する(amazon.de)


                           

Philips盤を全曲聴くと、旋律の歌い回しや低音の太く量感のある響きに陰翳のある叙情感など、やっぱり私の波長にぴったり合うブラームス。
とりわけ、”Bishop”と名乗っていた頃の1968年に録音した曲は、独特のものがあってかなり個性的。
収録曲の録音年がかなりばらついているので、彼のピアニズムが徐々に変わっているのがよくわかる。
 1968年 ヘンデルバリエーション、ピアノ小品集(Op.117,Op.119)
 1979年 ピアノ協奏曲第1番・第2番
 1981年 ワルツ集、2つのラプソディ、ピアノ小品集(Op.118)
 1983年 スケルツォ、4つのバラード、ピアノ小品集(Op.76。Op.116)

1968年に録音したピアノソロは特に素晴らしく、この時代のコヴァセヴィチのピアニズムは今とはかなり違う。
1979年のピアノ協奏曲2曲も好きな演奏。でも、昔の演奏とは変わってきたかなと感じるところもあり、1981年以降の録音ではその変化がさらに明確になっているように思える。

コヴァセヴィチが”Bishop”という名前(母の再婚相手の姓)から、実父の姓である”kovacevich”に変えた(戻した)のが1975年。(その後は、”Stephen Bishop Kovacevich”と名乗って時期がある(1983年録音のLPなど))
コヴァセヴィチのインタビューでは、名前を変えてから「現在は生まれ変わった気持ちで演奏に臨んでいる」という。
この辺の事情はよくわからない。名前を変えたことは、彼にとっては人生の重要な転機だったように思えるし、演奏スタイルにも陰に陽に影響しているのかもしれない。
 インタビュー記事:スティーヴン・コヴァセヴィチ[伊熊よし子のブログ]


”Bishop”時代の1968年に録音した曲は、どれも聴き惚れてしまう。
《ヘンデルヴァリエーション》は、軽やかで上品な雰囲気が漂って、繊細な情感が篭もっている。
急速・強奏部でも強打することなく音も綺麗で、リズムや旋律の歌いまわしにも細やかな工夫がある。
今まで聴いたこの曲の演奏のなかでも、ピアニストの感性がはっきりと刻まれているので、ブラインドで聴いてもコヴァセヴィチの演奏だと間違いなくわかる。
後期ピアノ作品集(Op.117とOp.119)は、短調のスローテンポの曲に特に惹かれる。
抑制気味のタッチのまったりとした音色と物思いに耽るような弱音、旋律の歌回しに独特の繊細さが漂う。
ルバートはそれほど強くかけず、情緒的なしつこさのない濃い叙情感が瑞々しい。
この叙情感は後年になっても完全に消えることはなく、緩徐系の曲や緩徐部分(ピアノ協奏曲第1番第2楽章やOp.79のラプソディ第1番の中間部など)で聴き取れる。この叙情性はコヴァセヴィチの演奏(ブラームスに限らず)のコアとなる部分なのかもしれない。

”コヴァセヴィチ”と名前を変えた1975年以降の演奏で気がつくのは、強演部のタッチの強さとペダルの多用によるソノリティの厚さ。
f,ffを強打するようになり、響きの重層感が増して、ガンガン響きすぎて混濁しかねないくらいにピアノがよく鳴っている。
1981年と83年に録音した曲を聴いていると、Op.76の第8曲やOp.118の第3曲など、フォルテのタッチが強すぎて、ちょっと荒騒々しい。太い量感のある音でペダルも多用してソノリティも厚いので、余計にそう聴こえる。
これはピアノ小品の”Capriccio”に共通して言える。反面、リズミカルで生き生きとした躍動感のあるダイナミズムがあるので、こういうところは表裏一体なのかも。
昔はフォルテも美しく、ペダルは部分的に細かく入れたりアルペジオなどで効果的な使い方をしていたので、ソノリティが濁ることがなかった。
この変化は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ録音のEMI盤とPhilips盤を聴き比べても、よくわかる。
それに、緩徐部・弱音部では昔のような抑制されて内面へと篭もっていくようなところは残っているけれど、感情表情がより率直にダイナミックになって、叙情感がより濃く深くなっていると思うところもある。
”Intermezzo”などの緩徐系の曲は、録音年や長調・短調に限らず、どの曲も繊細で流麗な叙情感がとても素敵。長調の穏やかで夢見るような美しさや、短調の陰翳のある悲哀感まで、騒々しい”Capriccio”を弾いていたピアニストとは別人のよう。
Philips盤を聴く面白さは、コヴァセヴィチのピアニズムの変化が聴き取れるところ。
特に”Bishop”時代の個性的なピアニズムや、”Kovacevich”になってからも弱音部分や緩徐楽章・緩徐部分の叙情性の美しさにはとても心惹かれてしまう。

<参考レビュー>
ブラームスのピアノ協奏曲第2番をコヴァセヴィッチの演奏で聞く[鎌倉スイス日記]
このピアノ協奏曲第2番は、Philipsで録音したブラームス作品のなかでベストの演奏だと、コヴァセヴィチ自身が言っていた。


tag : ブラームス コヴァセヴィチ

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ブロッホ ~ コンチェルト・グロッソ第1番、組曲《バール・シェム》より「ニーグン」
20年ほど前に現代音楽を聴き始めた頃、米国の作曲家エルネスト・ブロッホの音楽に凝っていた時がある。
ブロッホといえば、ユダヤ教の典礼音楽やユダヤ民俗音楽を題材にしていることで有名。
現代音楽といっても、安定した調性感があり、ユダヤ音楽のエキゾティシズムにロマンティシズムが加わって、さらには新古典主義的な作品もあり、聴きやすい曲が多い。
今はほとんど聴くことはないけれど、何曲か聴きなおしてみると、ブロッホの音楽が好きなのは変わっていなかった。

ブロッホの代表作は、(チェロと管弦楽のための)ヘブライ狂詩曲《シェロモ》や《イスラエル交響曲》。
ブロッホの管弦楽曲はあまり好きではないけれど、例外的に一番好きな曲が《コンチェルト・グロッソ第1番》。
他に、コンチェルト・グロッソ第2番やピアノ独奏曲、ヴァイオリンソナタ第1番と第2番「poème mystique/神秘の詩」、ヴァイオリンとピアノのための《Baal Shem/バール・シェム》など。ピアノ作品と室内楽曲に好きな曲は多い。

《コンチェルト・グロッソ第1番》は、ピアノパートがない第2番と違って、ピアノもオーケストラの一部のように合奏している。
バロック様式を模したのか、Prelude、Dirge、Pastorale and Rustic Dances、Fugueの4楽章構成。
第1楽章冒頭からして、緊張感に満ちた主題がとても印象的。
全体的に旋律は馴染みやすいくて、リズム感は軽快、緩徐楽章の透明感のある叙情感が美しい。
バロック時代に使われていた”合奏協奏曲”という曲名が表わすとおり、古典的な端正さもあり、現代音楽離れしたような爽やかさと調和に満ちている。
第1楽章の主題をモチーフにした最終楽章のフーガは、ひたすら前進していく推進力とポジティブな開放感が気持ちよい。

《コンチェルト・グロッソ第1番》の手持ちのCDは3種類。定評のあるのは、ハンソン指揮イーストマン=ロチェスター管弦楽団の演奏。(Youtubeの音源はこちら。クーベリックの音源より音質は良い)
この記事を書いているときに、Youtubeでたまたまクーベリックの音源を発見。クーベリックがシカゴ響を指揮してこの曲を録音していたのは、全然知らなかった。

Ernest Bloch: Concerto Grosso n.1 (1925) / Kubelik
Chicago Symphony Orchestra diretta da Rafael Kubelik,George Schick, pianoforte



クーベリックのCDは、1950~53年のシカゴ時代に録音したマーキュリー盤。
カルショーの『レコードはまっすぐに』にクーベリックの話がいくつか載っていて、欧州で演奏活動をしていたとばかり思い込んでいた。
プロフィールを調べると、戦後チェコの共産化に反対して英国に亡命し、一時期シカゴ響の音楽監督に就任。結局、就任当初から複雑な事情があったシカゴ時代は短期間に終わる。
この《コンチェルト・グロッソ第1番》はその時代の稀少な録音で、1950年代初めのモノラル録音とは思えない鮮明な音質なので、聴きやすい。

管弦楽,打楽器とチェレスタの音楽管弦楽,打楽器とチェレスタの音楽
(1995/02/05)
シカゴ交響楽団

試聴する(英amazo、NAXOSの別盤にリンク)



ブロッホのユダヤ音楽をモチーフにした作品のなかで、一番聴きやすいと思う有名な曲は《バール・シェム》。
ヴァイオリンとピアノのための組曲で、「Vidui (懺悔)」、「Nigun (即興)」、「Simchas Torah (歓喜)」の3曲で構成。管弦楽版の編曲もある。
第2曲「Nigun/ニーグン」のみ、単独で演奏されることが多い。
「Nigun」は、ハイフェッツ、ギトリス、スターンなど、有名なヴァイオリニストも録音している。
いろいろ聴いてみると、グリュミオーの演奏が、深い音色ですっきりと整った端正さがあって、とても美しい。民族音楽特有のエキゾティシズムが薄く、洗練された気品が漂っている。
ピアノ伴奏はユダヤの民俗音楽的な響きがするけれど、グリュミオーのヴァイオリンの方はスペインあたりの音楽のようにも(私には)聴こえる。

Ernest Bloch (1880-1959): Baal Shem
(ARTHUR GRUMIAUX - Violin、Istvan Hajdu - Piano)



<過去記事>
エルネスト・ブロッホ/コンチェルト・グロッソ第1番

tag : ブロッホ クーベリック

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ストラヴィンスキー=ドゥーシキン編曲/《ペトルーシュカ》より「ロシアの踊り」(ヴァイオリンとピアノ編曲版)
先日14日、トッパンホールで行われたカヴァコスのリサイタルに関するレビューをいくつか読むと、アンコールは3曲で、最初の曲がストラヴィンスキーの《ペトルーシュカ》。
超絶技巧が鮮やかな曲で、演奏する方も聴衆もかなり盛り上がっていたらしい。

《ペトルーシュカ》の編曲版はピアノ独奏曲しか聴いたことがない。
ヴァイオリン&ピアノの編曲版があるのも知らなかったので、調べてみると「ロシアの踊り」をドゥーシキンが編曲したバージョンがある。
この編曲版は、庄司&カシオーリのデュオが、10月のリサイタルのアンコールでも演奏していたようだ。

Youtubeで《ペトルーシュカ》のヴァイオリン&ピアノ版の音源を探してみると、「ロシアのダンス」しか見つからない。どうやらカヴァコスが弾いていたのはこの曲らしい。
Youtubeの音源は知らない演奏者のものしかなく、演奏時間が2分半前後と短いので名曲オムニバスとかでしか、ほとんど録音しない曲なのかも。

Youtubeにある数少ない音源を聴くと、色彩感がとてもカラフル。ヴァイオリンの音色や奏法が多彩なので、表現の幅はピアノソロよりも広くて、軽妙だったり、優雅だったり、とっても面白い。
この演奏時間は2:40くらい。ピアノ独奏と比べてもテンポは遅くはないけれど、体感的に遅く感じる。
ピタッと合わせるのが難しいのか、ヴァイオリンとピアノが拍子をきちっと刻んで、互いの旋律の動きに合わせながら演奏しているような間合いを感じるので、勢いとスピード感はもう一つ。

Danse Russe Petrushka Stravinsky Gerardo Ribeiro violin James Howsmon piano



ピアノソロの《ペトルーシュカ》は、音色がガラスのようにキラキラと煌き、力強さとスピード感もあり華やか。
若かりし頃のポリーニのスタジオ録音が有名だけど、枝葉の少ないゴツゴツとした木の幹のような感じがする。
私にはキーシンの《ペトルーシュカ》の方が聴いていて楽しい。
第1楽章「ロシアの踊り」。ポリーニの方が勢いと迫力はあるけれど、キーシンの演奏は、指回りの良さが前面に出てくるのではなく、多彩な色彩感と艶やかな音色で、ソノリティが綺麗。旋律の歌いまわしにも歌心が感じられるし、旋律の中に埋め込まれている音がポンポンと飛び跳ねて、楽しげで鮮やか。

Evgeny Kissin - Stravinsky Petrushka (part 1/3)



tag : ストラヴィンスキー キーシン

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耳栓をして演奏するピアニスト ~ スティーブン・オズボーン
英国人ピアニストのスティーブン・オズボーンは、聴覚保護と音楽上の理由から、耳栓(Earplug)をしてピアノを弾いている。
yoshiさんの<善通寺手帳>のブログ記事”耳栓をしたチェリスト”の記事で、オズボーンが耳鳴悪化防止のために耳栓を使っていると書いてあって、これはかなりの驚き。

オズボーンは”ピアノ王国”hyperionの看板ピアニストの一人。英国では、アムランやヒューイット以上に人気があるそうで、リリースしているCDも多い。
オズボーンの友人でチェリストのアルバン・ゲルハルトも、オズボーンにならって同じく耳栓をして演奏活動をしているという。ゲルハルトの方は耳鳴りも難聴もないので、純粋に音楽上のメリットがあるから。

オズボーンのライブ映像を見ると、右耳に白いものが時々光っている。(フルスクリーンモードにするとよく見える)
オズボーンの耳鳴りは右耳の方なので、これはたぶん耳栓。(コンサートや演奏用に使われるライブ用耳栓の例)

MAURICE RAVEL SCARBO Gaspard de la nuit STEVEN OSBORNE



”Earplugs”(06 April 2009,http://www.stevenosborne.co.uk/blog)
オズボーン自身のブログでも、この耳栓(Earplugs)について詳しい説明が載っている。
”演奏中に耳の中に入っているもの”が一体何なのか?と疑問に思った人がいたらしく、数ヶ月間に質問がいくつも寄せられたという。
オズボーンはこう書いている:

耳栓をして演奏することは、ちょっと非合理的に思えるだろう。なぜ、自分の作り出した音をブロックしたいのか? それには、多くの理由がある。
そもそものきっかけは、自分の練習室で、あまりに大きな音量でピアノを数年間弾いていたため、軽い耳鳴り(mild tinnitus)が聴こえるようになったこと。
これにはかなり煩らわされたので、すぐに耳鼻科医に駆け込んだ。診断では片耳に軽い難聴があり、練習中にオーダーメイドの(custom-made)耳栓を使うよう医師に勧められた。

購入したのは、Etymotic社製の音楽家用耳栓(musicians earplug)。
この耳栓をつけると約15 dbだけ音量が下がる。これは依然として全てが聴き取れるが、少し音が小さく聴こえるというレベル。

Etymotic Musicians Earplugs(ウェブサイト)
Etymotic Musicians Earplugs(PDF版パンフレット)

この耳栓を使って練習することで、(聴覚機能を保護することに加えて)3つの重要なメリットもあることがわかって、かなり驚いた。
第1に、自分に跳ね返ってくる圧倒されるような音の反響がかなり抑えられる。狭い部屋で弾くグランドピアノの音はかなり巨大で、後ずさりしたくなるほど、誰かが耳元で叫んでいるようなもので、身体を緊張させる。
以前は身体が緊張しているという自覚がなかったが、耳栓を使って音量が下がると、身体がリラックスするのが自分でもわかった。

第2に、より大きな部屋にいるかのように弾くことができる。
学生にとって、練習中に、大きなホールで弾くのに充分な音量で弾いていると確信するのは難しい。
充分な効果をもたらすためには、mpで書かれている部分は、mfかそれ以上、fであっても良いかもしれない。
耳栓により、より大きな音響的空間にすぐに移動することができる。

第3はとても個人的なことで、自分が弾いている曲から、より離れる(detach)できること。
これは不利な点に聞こえるかもしれないが、自分は音の感覚的な(sensual)性質にすぐに魅かれて(seduced)しまうので、作品が求めていることに明確に集中するというよりも、音楽に夢中になって、単に曲を弾くだけに終わってしまい時間を無駄することになる。
耳栓を使った直接的効果としては、より効率的に練習できるようになった。

最初、演奏中に耳栓を使った時は、音のフィードバックがないので、音が大きすぎたり小さすぎるのではないかと、とても不安に感じた。
数回のコンサートで、実際に音の大きさを判断するのは、耳栓をつけてもつけなくても容易だったし、判断ミスは耳栓を使わないときでもあり得る。

耳栓を使って演奏する利点とは何か? 本質的には、集中力の問題(a question of focus)だ。
観客のノイズやピアノ自体に関わる問題に気を散らされることが少なくなった。最初の点はどちらにしてもそれほど気になることはなかったが、2番目の問題はかなりイライラさせられかねない。ある音が別の音よりも大きかったり、ソフトだったりすると、集中力が乱されることもある。
耳栓を使うことで、観客の聴いているものがさらに”リアルに”(realistically)に聴こえてくる。
しかし、この問題は副次的なことにすぎない。
核心は、自分にとって演奏することが、”音楽の感情にとても自然に反応できるほぼ無意識の状態”に至ること。それには耳栓がとても役に立っている。


(以上、要約)


”Classical musicians use surprising device to silence sound”(WBEZ.org,June 13,2012)

<オズボーンに関する記事の要旨>
オズボーンが耳鳴りが聴こえ始めたのが、約15年前。
左耳のかなり高いピッチの音で、最初は聴こえたり聴こえなかったりしていたので、それほど気にしてはいなかったが、そのうち、左耳から右耳へと移り、ある日、耳鳴りが消えなくなった。
医師の診断では、狭い部屋でピアノを大音量で弾いていたことが耳鳴りの原因。

耳鳴りを治す方法はないが、耳栓(イヤープラグ)で耳鳴りの悪化を防ぐことはできる。
オズボーンは、彼用にオーダーメイドした特製の音楽家用耳栓を使っている。この耳栓は、一定の測定量(calibrated amount)のノイズを除去(filter out)し、それ以外の音は通過させる。

オズボーンは、この特製耳栓がピアノを弾く時に役立つのを発見した。
練習室からコンサートホールへと移るときに、(ある部分は生理学的な)難題がある。
「練習部屋でグランドピアノを弾くと、耳を聞こえなくするような騒音が発生する。そのため、コンサートホールで弾くべき音よりも静かに弾くことになる。ホールで突然、力を切り替えることは難しい。」

オズボーンは、初めて耳栓を使って演奏したとき、とても不安だったという。
彼は音を知覚することができず、自分の生み出す音がホールでどう響くのか全然見当がつかなかった。
しかし、聴衆の中にいた友人がポジティブな反応だったので、今は演奏中はいつも耳栓を使っている。

耳栓は彼の演奏方法も変えてしまった。より深く鍵盤の中に身を沈める(going ”deeper into the keys”)ことは、その変化の一つの側面にすぎない。
耳栓をすることでリラックスでき、(音楽と)コミュニケートするのに役立つ。「この理想的な音楽感覚に触れやすくなる」(“It’s easier to get in touch with this idealized sense of music.”)

彼は、ピアノの音と音量とが不均質なことに注意を向けることも、苛立つことも少なくなっている。
身体は騒音に曝されると緊張するので、騒音が減れば身体の状態も落ち着いて、ずっと整然とした状態になる。

オズボーンは、耳栓を使わなければ聴こえたはずの細部について、聴くことができないのは認めている。
しかし彼は、聴衆のように、より多くのものを聴いていると思っている。
「耳栓がなければ、あまりに静かに弾きがちだし、聴衆にとって意味のない細部のレベルにまで、あまりに注意深く仕上げようと(sculpt)とする。全体的な枠組みからいえば、このような細部の小さな部分は重要ではない。重要なのは音楽の中に完全に没入すること。耳栓がそれに役立つのがわかった。奇妙な点は、コミュニケートされているのは音自身ではなく、その背後にある何かだということ。
その転換(transfer)がどうやって起こるのかは全く謎だが、それが音楽の神秘というものだ。リラックスしている時は、(誰かと話しているときでさえ)、”つながっている”という感覚がある(there’s a sense of connection)。」

オズボーンは、耳栓なしで弾くこともある。新しいホールとピアノを試すとき、または、鍵盤上の動きがどんな音を生み出すのかわかるときまで。
それに、学生時代や音でいろいろな試みをしている時は、すぐに耳栓を使うのは望ましくなかっただろうとも思っている。


(以上、要約)


このオズボーンと耳栓にまつわる話は、ピアノの音と聴覚との関係について思いがけないことばかり。
第一に、ピアノ練習が難聴や耳鳴りの原因になるというのは、初耳。(オーケストラ奏者の場合、難聴になる人もいると言われている)
たしかに、狭い部屋でピアノをガンガン大音量で弾くという行為は、至近距離で周囲の楽器の音を聴いているオーケストラ奏者の環境に近い。
これは騒音性難聴のリスクに曝されている環境。実際、オズボーンは、軽度の難聴と耳鳴りという聴覚障害にかかっている。
彼は、難聴とそれに伴う耳鳴りが悪化するのを防ぐため、練習中に特殊な演奏家用の耳栓をつけている。
もし、耳栓をつけずに狭い部屋でピアノの練習を続けると、難聴と耳鳴りが悪化して聴力が著しく衰え、下手をすればピアニスト生命を危うくしかねない。

騒音性難聴という点では、ヘッドフォンをつけて電子ピアノを弾くのも、かなり耳には良くない行為だと思う。
「ヘッドフォン難聴」という症状もあるくらい、ヘッドフォンで音/音楽を聴くことは耳にかなりの負担になる。
電子ピアノでも、ボリュームを絞って弾けばそれほど響かないので、部屋で電子ピアノを弾くときはヘッドフォンは使わないようにしている。(私の場合は、オズボーンと同じく耳鳴り(両耳)があるので、悪化防止のため)
聴覚器(特に内耳)のどこかが損傷した場合、回復不可能なことも少なくないので、気をつけるに越したことはありません。


<参考記事>
携帯音楽プレーヤーの難聴リスクとEUの規制動向


                                  

◆オズボーンの録音について◆

オズボーンはレパートリーが幅広くて、それにユニーク。ポピュラーなところでは、ドビュッシー、ラヴェル、シューベルト、ラフマニノフ、ベートーヴェン。現代曲はブリテンとメシアン、カプースチン。稀少曲ならアルカン。
ピアノ協奏曲・独奏曲・室内楽曲あわせて、hyperionからすでに20種類くらいのCDがリリースされている。

個人的に好きなのはブリテンとメシアンの録音。
2008年にリリースしたブリテンの管弦楽とピアノの作品集は、評判がとてもよく、2009年度のグラモフォン・アワード(協奏曲部門)に選ばれている。
収録曲は、《ピアノ協奏曲》に《左手のピアノと管弦楽のための変奏曲「ディヴァージョンズ」》、さらに珍しいピアノ協奏曲のオリジナル版《レチタティーヴォとアリア》、《若きアポロ》も収録されている。
いずれも既存の録音は少ない。有名なのは、《ピアノ協奏曲》がブリテン指揮によるリヒテルの演奏、「ディヴァージョンズ」は古くはカッチェン、少し新しいものならレオン・フライシャー。
オズボーンのアルバムは、選曲・演奏内容・音質とも良く(私はカッチェンの演奏が好きだけど)、ブリテンのピアノ協奏作品をまとめて聴くなら一番良いのでは。

Piano Concerto Op.13 Diversions Op.21 Young ApolloPiano Concerto Op.13 Diversions Op.21 Young Apollo
(2008/09/09)
Steven Osborne (piano), BBC Scottish Symphony Orchestra, Ilan Volkov (conductor)

試聴する(hyperion)



メシアンの《アーメンの幻影》は、とても面白い曲。2台のピアノ用の曲で、技巧派のロスコーと録音している。
宗教的なものは理解できなくとも、メシアンらしい旋律と和声の響きを聴くだけでも、充分聴き応えがある。

Visions De L'amen Piece Pour Le Tombeau De Paul DuVisions De L'amen Piece Pour Le Tombeau De Paul Du
(2004/11/09)
Steven Osborne (piano), Martin Roscoe (piano)

試聴する(hyperion)



ラヴェルのピアノ作品全集も、レビューをいろいろチェックしたところ、かなり良いらしい。
ラヴェルはあまり聴かないので、実際のところはよくわからないけれど、Harnoncourtさんのブログ<音楽図鑑:近況報告>のレビュー記事”ラヴェル ピアノ曲全集の頂点が決定しましたの巻”)を読むと、聴いてみたくなる。

Complete Solo Piano MusicComplete Solo Piano Music
(2011/03/08)
Steven Osborne

試聴する(hyperion)

tag : オズボーン

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薬の副作用で音程が変わる(音が低く聴こえる)
定期的にチェックしている音楽関係のブログに、ファイザー製薬の風邪薬「フラベリック」という風邪薬を飲むと、音が半音低く聴こえる副作用がある...という記事が数年前に載っているのを発見。

ネットで検索してみると、「フラベリック」服用による聴覚異常の副作用について、情報多数。
さらには、抗てんかん剤「テグレトール」にも、同様の副作用があるという情報もかなりある。

実際、「フラベリック」と「テグレトール」の添付文書には、”音程の変化”が副作用として記載されている。

「フラベリック」の服用を止めれば、数日~数週間で音感がもとに戻るという体験談がいくつかのブログ記事に書かれている。
しかし、一時的な副作用だと断言できるのかどうかは?(医薬専門家に確認してください)

<関連記事>
風邪薬「フラベリック錠」と絶対音感の関係[Tosikの雑記]
音が低く聞こえる薬の巻 [音楽図鑑:近況報告]

フラベリックとテグレトール[kyupinの日記 気が向けば更新(精神科医のブログ)]
添付文書の画像あり。音程変化の副作用が記載されている。

ピアニストを撃つな [同上]
「気分安定化薬のテグレトールは絶対音感が狂うらしい。しかもいったん狂えば恒久的に戻らない危険性もあると言う。....絶対音感が狂う薬物として他にフラベリックもそうだという。このテグレトールとフラベリックは音楽系の人たちは是非避けたい」との記述あり。

青柳いづみこ『ピアニストが見たピアニスト』ーテグレトールによる聴覚異常をみちくさする[ぽん太のみちくさ精神科]
「カルバマゼピン」(商品名テグレトール)による聴覚異常の副作用に関する臨床報告例が載っている。

【新譜情報】カヴァコス&パーチェ ~ ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ全集(国内盤)
カヴァコス&パーチェの《ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ全集》の輸入盤は、来年1月末に発売延期。
国内盤(SHM-CD)の方は、予定どおり本日(11月14日)に先行発売ずみ。
国内盤のCD情報サイト(HMV)には、試聴ファイルが掲載されています。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
(2012/11/14)
カヴァコス(レオニダス)

試聴する(HMV)


試聴した時に、合うか合わないか判断基準にしているのが第4番の第1楽章。全曲聴けるのなら、変奏曲形式の第6番第3楽章の方がもっと良くわかる。
第4番の第1楽章は、テンポ、音量、タッチともほどよく、ピアノ伴奏のそこはかとない憂いのある弱音の表情がとても良い感じ。他の曲も試聴ファイルで全曲聴いてみたところ、第7番や第8番も私の波長にぴったり。

最近聴いた録音のなかで一番良かったのは、ファウスト&メルニコフの全集録音
メルニコフのピアノ伴奏は、才気溢れる素晴らしいもの。(もしかしてアシュケナージよりも冴えているかも)
どちらかというと、音質がやや軽めで、タッチや表現にも軽やかさがある。特に、高音(特に弱音)が繊細な音色と表現でとても綺麗。それに比べると、時にガンガンと強めのフォルテの打鍵は、低音の響きがざらざらした感じでもう一つ。(追記:クロイチェルを聴き直すと、ピアノが快速でシャープで軽快なのは良いけれど、音質が軽いので重みがもう一つ。フォルテの和音をスタッカート的にスパスパ切るのとか、ペダルを多用してソノリティに凝っているところもだんだん気になってきた。第2楽章もテンポが速くて落ち着きなく感じる)

パーチェは、メルニコフのような軽快さやキラキラとした色彩感とか、煌きのある鮮やかな表現という感じではないけれど、落ち着いた音色で色彩感も豊かでタッチも丁寧。音に重みと安定感があり、表情もカヴァコスのヴァイオリンに合わせて、軽くなりすぎず、優美な雰囲気。フォルテは線が太めで力強く、特に低音は芯のしっかりして伸びがある響きで充実している。アラウやレーゼルなど私が好きなピアニストは、低音の響きが美しい。
もともと、ヴァイオリンソナタといってもピアノ伴奏を聴くために聴いているようなもので、その上好きなヴァイオリニストが弾いているのなら、この録音がマイベストになりそう。


<関連記事>
新譜情報:カヴァコス&パーチェ ~ ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ全集 (2012.08.28)

DECCAの公式映像は、スプリングソナタの一部。
Leonidas Kavakos - Beethoven Sonata for Violin and Piano No. 5 "Spring" - Rondo (excerpt)



<追記 11/19>
14日のカヴァコスのリサイタルに関するブログ記事のレビューをいろいろ読むと、感想はとても良い。を聴くのがこの全集録音を聴くのが、さらに楽しみになって来ました。
”ライブと録音とでは印象がかなり違う”という感想もあったけれど、「レコード芸術」という言葉があるくらいに、録音は実演とは別物なので、気にはならない。

ブログ記事:”レオニダス・カヴァコス&エンリコ・パーチェ”[Pomodoroの今日のおべんとうetc]

tag : ベートーヴェン カヴァコス パーチェ

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手作りイングリッシュマフィンとコーンミールのレシピ
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手作りイングリッシュマフィンのレシピ
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成形パンは発酵させるのが面倒なので、たまにベーグル、フォカッチャ、ナン(それにピザ)を作るくらい。
500gパッケージのコーンミールがたくさん残っているので、初めてイングリッシュマフィンを作ることに。
レシピを探してみると、大判焼(「今川焼」とも言う)のような、厚みのある円盤状にオーブンで焼き上げるには、普通はセルクルを使う。
セルクルを持っていない場合は、手作りの型を使ったり、オーブンではなくフライパンで焼いたりと、作り方もいろいろ。

★型も手作りHBイングリッシュマフィン★[Cookpad]
図画工作は昔から好きではないので、セルクルを手づくりするのはパス。

❤イングリッシュマフィン❤セルクル不要〰 [Cookpad]
以前使っていたオーブンレンジ用の天板は、今のオーブンには大きすぎて入らないので、この方法は無理。

フライパンで出来るパン!イングリッシュマフィン。[大変!!この料理簡単すぎかも... ☆★ 3STEP COOKING ★☆]
イングリッシュマフィン[おうちパン職人!vivianの手づくりパンレッスン♪]
セルクル・上置き天板なしで、フライパンで焼く方法が簡単。


フライパンで焼くのは簡単。コーンミールをまぶして焼いたので、市販のイングリッシュマフィン風。
ただし、火が強いと底面だけが焦げやすいので要注意。弱火でゆっくり火を通さないと、表面は速く焼き色がついても、中身までよく焼けていなかったりする。
それに、焼いているときにヘラで生地を平たく押し付けすぎると、ふんわり感がもう一つ。

もう少しもちもち感を出したいので、次回は米粉を少し混ぜてみようかと。
Pascoの超熟イングリッシュマフィンの原材料表示を見ると、米粉が入っていた。
ベーグルと同じく、作るのはとっても簡単。配合や焼き方を改良したら、市販のイングリッシュマフィンにかなり近づけそう。

今回使った強力粉は、初めて買った北海道産小麦粉「ゆめちからブレンド」(江別製粉)
タンパク質14%という国産小麦粉初の最強力粉(超強力粉)で、よく膨らむので薄中力粉「きたほなみ」がブレンドされている。
実際、ライ麦食パンを焼いても、ふわふわもちもち食感が出て、加水も輸入小麦と変わりなくて、とても扱いやすい粉。
あまりボリュームを出さないイングリッシュマフィンを焼いても、もちもち。
「北海道からのめぐみ」という楽天ショップで買った「ゆめちからブレンド」は2.5kg680円とかなり安い。
国産小麦粉の価格は銘柄やショップによっても違うけれど、2.5kgで800円~1000円くらい。
粉の味自体はあまりしないけれど、他の粉ともブレンドしやすいし、価格も輸入小麦並に手頃なので、使いやすくはある。
もっと味わいが強い国産小麦粉を使いたい時は、やっぱり「キタノカオリ」か「はるゆたかブレンド」で。



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コーンミールを使ったレシピ
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コーンミールをイングリッシュマフィンに使うだけでは、なかなか減らない。
ホームベーカリーでコーンミール入り食パンを焼くのも、月に1回あるかないか。
このコーンミールの使い道を考えてみても、コーンブレッド、パンケーキ、トルティーヤ、トルティーヤチップスくらい。

コーンブレッドとパンケーキを焼くときは、水分にココナッツミルクを混ぜると、味にコクが出てとっても美味しい。
トルティーヤとチップスは、コーンミール100%だと熱湯を使ってもまとめるのが難しいので、小麦粉を半分混ぜると扱いやすい。

 コーンミール湯種食パン
熱湯で湯種にしたコーンミールを入れると、さくさくしたコーンミール食パンと違って、もちもち感とほんのりした甘みが出て、定番の食パンにしたいくらい美味しい。
水分の一部をココナッツミルクに代えるか、ココナッツパウダーを入れると、ちょっとクリーミーな食感になる。

 ノース・コーンブレッド

 ハワイ流☆パニオロ・コーンブレッド  (ココナッツミルク使用)

 コーンミールパンケーキ
普通のパンケーキとはかなり違った風味で、とっても香ばしい。



 コーントルティーヤ de メキシカン
(参考レシピ)コーンミールを使わず強力粉だけで焼いた”柔らか☆トルティーヤ”
 
 コーンチップの作り方(カリフォルニアのばあさんブログ)
小麦粉とコーンミールを同量で作ったコーンチップは、塩味とコーンの味がほんのり、薄いのでパリパリ食感。これはかなり美味しい。油で揚げていないのでヘルシーなところが◎。



レシピを探していて見つけたのが、イタリアの伝統食「ポレンタ」。どんな味がするんだろう?一度作ってみよう。

 ポレンタ(伊polenta) [フレンチとイタリアン]
マッシュポテトのように、焼いたソーセージや煮込み料理の付け合せに。冷えて固まったポレンタをバター焼きにしたり、揚げたりすると美味しい。

 イタリア人もビックリ!?レンジでポレンタ[大変!!この料理簡単すぎかも...]
数十分や1時間も鍋でぐつぐつ煮るのが面倒な人は、電子レンジで。

tag : ホームベーカリー

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読売新聞の掲載記事 『抗不安薬依存 深刻に』 (11月13日付朝刊)
11月13日(火)の読売新聞朝刊に、『抗不安薬依存 深刻に』という記事が掲載されていたそうです。

今日のアクセス記録を見ると、「アシュトンマニュアル日本語版」へのアクセス数が急増していた。
たぶん、新聞かTVでベンゾ系薬物やアシュトンマニュアルに関して報道されていたのでは? と思って調べたら、読売新聞の朝刊にこの記事が載っていた。

<参考>読売新聞の記事に関するブログ記事
”「抗不安薬依存  深刻」に・・アシュトンマニュアル・ベンゾジアゼピン系薬剤” [なんとか「gooブログ」やっております]
”読売新聞 ベンゾジアゼピン系のネガキャン?” [双極性障害ブログ]
”読売新聞 抗不安薬依存の記事” [化け猫ゼロと、メンヘラおかん]


<過去記事>
『アシュトンマニュアル』日本語版、ウェブサイトで無料公開 (2012.08.21)


秋の夜長に聴きたい曲 (2)
秋と言っても、かなり冷え込んできたので、もう晩秋か初冬。
寒くなってくると、家で暖かいココアとお菓子をいただきながら、ほっこりできる音楽を聴くのが一番。

ブラームスの後期ピアノ小品集のなかで最も人気がある(と思う)Op.118の第2番インテルメッツォ(イ長調)
それと同じくらいに素敵な第5番ロマンス(ヘ長調)
第5番ロマンスの方はそれほど人気がある曲ではないようでも、遠い日のロマンスを追憶するような幸福感と哀惜感が美しすぎる。
中間部は蝶が舞うように軽やかで夢想的。過去の幸せな記憶が蘇ってくるような雰囲気に、カッチェンのふわふわとしたトリルのニュアンスがぴったり。


Brahms - Julius Katchen - Klavierstücke op. 118
第2番(1:53-),第5番(13:37-)

最後の第6番変ホ短調は、寂寥感と陰鬱な雰囲気に満ちていながらも、(運命への怒りなのか、抵抗なのか?)激情が噴出し、悲愴感の中にも力強い意志が流れているようなドラマティックな曲。


Op.117の第1番インテルメッツォ(変ホ長調)も、ブラームスらしい子守歌風の主題で、穏やかで包み込むような旋律。
中間部は憂愁が濃くなるけれど、主題があまりに美しくて印象的なので、暗鬱とした雰囲気も消え去っていく。
レーゼルの明るく透明感のある音色が暖かくてのどか。中間部も鬱々とせずにわりとあっさり。全体的に落ち着いたしっとりとした情感がとっても心地良い。
先日11月2日、東京の紀尾井ホールの演奏会でレーゼルが弾いたのはブラームスのピアノ協奏曲第2番。私は遠方なので聴きに行ってはいなかったけれど、アンコール曲がこのインテルメッツォだったそうです。

Brahms - Peter Rösel (1974) - Klavierstücke op 117 n 1,2,3




リッチー・バイラークが1977年にECMに録音したオリジナルのピアノソロ曲《Sunday Song》
硬質の住んだ響きと甘美なメロディが清々しくロマンティック。
北欧の冷たく澄んだ空気や清流をイメージさせるような叙情感が爽やか。

Sunday Song - Richie Beirach




明るい希望に満ちた曲といえば、タイトルも内容もそれに相応しいと思うラーシュ・ヤンソンの《Hope》
スウェーデンのジャズピアニストであるヤンソンらしく、明るさと温もりのある音色と澄んだ爽やかな叙情が心地良い。もう何度聴いたか数え切れないくらい。

Hope- Lars Jansson



tag : ブラームス カッチェン レーゼル リッチー・バイラーク ラーシュ・ヤンソン

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スティーヴン・ハフ 『French Album』
スティーヴン・ハフの新譜『French Album』は、試聴した時の印象以上に素晴らしく、hyperionからリリースしたハフの小品集アルバムのなかでベストではないかと思えるアルバム。
選曲・演奏ともセンス良く、ハフの鮮やかな技巧と美しい色彩感の繊細な音色がよく映えていて、とっても満足。

Stephen Hough's French AlbumStephen Hough's French Album
(2012/09/11)
Stephen Hough

試聴する(hyperionウェブサイト)
録音時期は、2009年6月、2010年10月、2011年5月。ピアノはYAMAHAとSteinway(調律師の名前まで載っている)。


J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565(コルトー&ハフ編)
この曲をピアノソロで演奏するときは、ブゾーニ編曲版が使われることが多い。
ハフが使ったのは、珍しいことに、スイス生まれのピアニスト、コルトーの編曲版をベースにハフがさらに編曲したバージョン。ハフはリサイタルでもこの曲を弾いている。

コルトー版の楽譜がIMSLPにはないので、ブゾーニ版との違いは正確にはわからないけれど、ブゾーニ版の楽譜を見ながら聴いても、明らかに違うところはわかる。
違う部分のパターンとしては、(ブゾーニ版)和音⇒(コルトー&ハフ版)アルペジオ(冒頭第4小節とか)、片手スケール⇒ユニゾン(逆のパターンもあり)、四分音符の和音⇒八分音符の和音2つ(逆のパターンもあり)、両手の和音⇒片手づつ和音をずらして弾く、など。

全体的に、密度の高い和音が鳴り響く重厚さをいくぶん軽やかにして、華麗さが増した感じ。
ハフの演奏も、和音はガンガン弾かずに切れ良くシャープで、ペダルを入れたときのソノリティもクリア。
音響面以外で特に違うのは、ブゾーニ版で”non troppo staccato”や”tenuto,quasi legato”の指示が書かれているところ。
ハフは、この部分は、それまでの演奏とあまり変わらない軽快なスタッカートや、テヌートをかけていないようなレガートで、テンポを落とさず淀むことなくスラスラと弾いている。
ブゾーニ版を弾いていたガヴリリュクのライブ映像(Youtube)と聴き比べてみると、はっきりと違いがわかる。(その違いが、楽譜によるものか、演奏解釈の違いなのかは、よくわからないけれど)

J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調 BWV.1056より『アリオーソ』(コルトー編)
「Arioso」として有名な曲で、ケンプのピアノ編曲版(Youtube)が有名。ハフが弾いているのは、コルトー編曲版。
両方とも楽譜が見つからなかったので、ケンプの演奏と耳で聴き比べた印象では、コルトー版は和音を構成する音の数や低音部の和音を減らしているようで、和音の響きがかなり薄くて軽やか。
ハフの演奏自体も、ケンプよりも速いテンポで、タッチもふんわり軽やか。ケンプのような内省的な雰囲気は少なく、流麗でロマンティック。優しく甘美なピアノの音色がとっても綺麗。

フォーレ:夜想曲第6番変ニ長調 Op.63、即興曲嬰ハ短調 Op.84-5、即興曲第5番嬰ヘ短調 Op.102、『舟歌』第5番嬰ヘ短調 Op.66。
フォーレは鍵盤上の上下行を繰り返しながらスラスラと流麗に流れていく曲が多く、明るい響きの和声と浮遊感が特徴的。
有名な曲は《シシリエンヌ》、《夢のあとに》(ピアノ編曲版)。これは両方ともよく聴いた曲。
5曲ある《即興曲》のうち、即興曲の第2番と第5番は、幾分メカニカルな動きの躍動感があって面白い。
《即興曲Op.84-5》は、フォーレらしい甘美な旋律が綺麗。
対照的に、1909年に作曲した《即興曲第5番》は他の即興曲とは全く違い、一見エチュード風で現代的。
当時流行していた現代的な作曲技法をとり入れて、全音音階(Whole-tone scale)で進行していくところに、嬰ヘ短調といっても、独特の調性感と不安定感がある。こういう曲は好みにぴったり。
マルグリット・ロンの回想によると、フォーレは、フローレンス・シュミットが全音音階による主題をもつ作品を聴き、その斬新さが成功を納めたことに苛立ち(annoyed)、「全音音階の作品を書くつもりだ」と怒ったようにロンに言ったという。

Fauré - Dominique Merlet - Impromptu No. 5, for piano in F sharp minor, Op. 102



ラヴェル:『鏡』より「道化師の朝の歌」
”アルボラーダ(alborada)” 「朝の歌」という意味。スペイン宮廷の朝の行事の音楽のことらしい。
夜の音楽がセレナーデなら、朝の音楽はアルボラーダ。

スペイン風の旋律はとてもエキゾチックな情緒があり、軽快なリズム感は朝のように爽やかで躍動的。
リズムがいろいろ変化していくので単調さがなく、ピアニスティックな技巧が華麗。
中間部は緩徐部になり、ギターが弾くようなほの暗く情熱的な旋律。

マスネ:『田園詩』より「たそがれ」(ハフ編)
「たそがれ」と言っても、人生の黄昏..みたいな暗さはなく、高音部の透明感と繊細な響きがとても綺麗な曲。

シャブリエ:『絵画的な10の小品』より「憂鬱」
この曲も「たそがれ」と同じく、全然「憂鬱」そうに聴こえない可愛らしい曲。

プーランク:憂鬱、プーランク:夜想曲第4番ハ短調『幻の舞踏会』、即興曲第8番イ短調
全く曲想の違った曲を3曲選んだところが良くて、プーランクのピアノ曲の面白さがよくわかる。
《Mélancolie/憂鬱》の冒頭は、シャブリエ同様全く”憂鬱”なところはなく、明るく優しい雰囲気。
中間部になると、短調の旋律が交錯して、気持ちが落ち着かないような雰囲気に変わり、ちょっと溜め息をつきたくなる軽やかな”メランコリー”といった感じ。
《Nocturne No 4 'Bal fantôme'》(幽霊たちの舞踏会)は、密やかでゆらゆらと頼りなげ。本当に標題どおり、幽霊たちが舞踏会で踊っている情景が浮かんできそう。
《Improvisation/即興曲No.8》は、シニカルなタッチの旋律と、軽快で面白いリズム感で、とってもユーモラス。

Francis Poulenc - Nocturne n°4 in C minor(Alexandre Tharaud)



シャミナード:秋 Op.35-2
セシル・ルイーズ・ステファニー・シャミナードは女性作曲家。ピアノ曲《スカーフの踊り》(Pas des écharpes)が一番有名。
「秋」は、《6つの演奏会用練習曲 Op.35》の中では、一番知られている曲。
冒頭は、穏やかで爽やかな秋の風景にぴったり。
この雰囲気のまま終わるかと思ったら、突如、木枯らしがビュンビュン吹きすさぶような激しく荒々しい曲想に変わる。ちょっと意外な展開。
この中間部がなかったら、それほど有名にはならなかったかも。

アルカン:海辺の狂女の歌 Op.31-8
《長調と短調による25の前奏曲Op.31》の第8曲。タイトルどおり不気味な雰囲気が漂う曲。
ゆったりとしたテンポで、ゴンゴンと底から鳴り響くような低音のオスティナートは、死刑囚が断頭台へと一歩一歩近づいているような情景が浮かんできて、ちょっと怖い。
途中で、突如テンションが高まって暴走しかけるように、一瞬アッチェレランドして、再び元のテンポへ戻る。
現代曲以外で、この種のオドロオドロしい曲は珍しい(と思う)。ゾクっとする不気味な感覚が面白い。

Charles Valentin Alkan - La Chanson De La Folle Au Bord De La Mer Op.31 No.8 - RONALD SMITH



ドビュッシー:《ベルガマスク組曲》より「月の光」
もう何十種類もの演奏を聴いて新鮮味がない曲なのに、今まで聴いたことがないような(と私には思える)「月の光」。
ハフのピアノの音色とタッチの精妙なコントロールで、微妙なニュアンスを帯びた音の美しさが際立っている。
線が細く中空にす~っと消えていくような軽やかな響きがとても綺麗。
特に、独特のテンポの揺らぎや間合いのある旋律の歌わせ方が絶妙。
感情的でも幻想的でもなく、静寂さが全体に流れ、夜の暗闇なかでほのかな”月の光”に照らされている情景が浮かんでくるようなりアルな描写力。
アラウのスローテンポの《月の光》を別にすれば、今まで聴いたなかで一番好きな演奏になりそう。

ドリーブ:バレエ組曲『シルヴィア』より「ピチカート」(ハフ編)
ピアノで”ピチカート”を模したような、とっても可愛らしくて面白い曲。こういう曲を編曲するところが、ハフの編曲センスの良さ。

リスト:ユダヤの回想~アレヴィの歌劇のモチーフに基づく華麗な幻想曲
この曲だけ、オペラのパラフレーズなので、他の曲とは雰囲気がかなり違う。
オペラを聴かないせいか、リストのオペラパラフレーズはほとんど聴いたことがなく、まともに最後まで聴いたのはこの曲だけ。
最初の和音からして、いかにも劇中音楽らしく、ドラマティック。ピアニスティックに煌びやかで華やか。

Hough plays Liszt - Réminiscences de La Juive Audio + Sheet music



tag : スティーヴン・ハフ

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ペーター・レーゼル ~ 来日公演の演奏曲
今年も例年通り秋に来日したレーゼルは、10月下旬~11月上旬にかけて、東京紀尾井ホールにて4回のコンサートで演奏。
東京の演奏会が終わった翌日に宮崎、翌々日に大分で、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏するという、かなりタイトな日程だった。

東京での演奏曲目は、シューマンの《ピアノ五重奏曲》、ブラームスの《ピアノ協奏曲第2番》(コンチェルトは2日連続の演奏会)。
ソロリサイタルでは、メンデルスゾーンの《無言歌》、ブラームスの《ピアノ・ソナタ第1番》、シューベルトの《ピアノ・ソナタ第17番》。アンコールが数曲。

演奏会で実演を聴いた方のブログ記事を読むと、ピアノ協奏曲に関するものが多い。レーゼルらしい、期待にたがわぬ素晴らしい演奏だったそう。
ピアノ協奏曲は、クリスティアン・エーヴァルトというドイツ人指揮者が指揮していた。レーゼルと30年にわたる親交があり信頼している指揮者だと紹介されていたので、たぶんレーゼルの希望で招聘したのではないかと。
今年は珍しく宮崎と大分での演奏会もあったので、関西を素通りせずに京阪神のどこかのホールで演奏会をして欲しかったのだけど..。
ピアノ協奏曲第2番を紀尾井ホールで聴かれた方のブログ<Intermezzo-piano-musique♪>の記事((Peter Rösel ペーター・レーゼルを聴く♪)によると、ソフトペダルを多用し、コントロールしながら、物凄く音色に変化をつけていたという。これは実演を間近で見ないとわからないだろうなあ。

今回の演奏曲目のうち、過去のスタジオ録音またはライブ録音が残っているのは、シューマンとブラームス。

シューマンの《ピアノ五重奏曲》は旧東独時代の録音。
Berlin Classicsから分売盤と室内楽曲BOXセットの2種類がリリースされている。
今回の来日に合わせて、ドイツ・シャルプラッテン・コレクション(国内盤)として、リマスター版がキングレコードからリリースされたところ。
再版されたCDは合計4枚。いずれも最近撮影したと思われるレーゼルの写真をCDジャケットに使っているけれど、録音したのは、数十年前の若い時。
レーゼルのお弟子さんのピアニスト、高橋望さんのブログでもこの国内盤が紹介されている。既存のCDよりも音質が良くなっているらしい。

シューマンの《ピアノ五重奏曲》は、作曲家Schweizer_Musikさんのブログ<鎌倉スイス日記>の記事”レーゼルとゲヴァントハウス四重奏団によるシューマンの五重奏曲、超名演!!”で絶賛されていた。
この記事を読んだのがきっかけで、レーゼルの録音を集めるようになったので、私にはとても思い出に残る曲。

ペーター・レーゼル ドイツ・シャルプラッテン・コレクション レーゼルの室内楽ペーター・レーゼル ドイツ・シャルプラッテン・コレクション レーゼルの室内楽
(2012/10/24)
レーゼル(ペーター)

試聴する



                          

ブラームスの《ピアノ・ソナタ第1番》は、30歳になる前に録音したピアノ作品集に収録。
レーゼルの『ブラームス:ピアノ作品集』は、日本でとても人気のある録音。(CD5枚組なのでほぼ全集版。「ワルツ集」、「ハンガリー舞曲集」、変奏曲数曲などは未収録)
《ピアノ・ソナタ第1番》の録音も、ドイツ・シャルプラッテン・コレクションとして、今回の来日の合わせて再リリースされたところ。

ブラームスのピアノ・ソナタというと、第3番が有名で録音も多い。
この第1番は、実際は2番目に作曲されたピアノ・ソナタ。(出版の関係で曲番が前後している)
3曲のソナタのなかでは、あまり演奏されていないと思うけれど、一番好きなのはこの第1番。
巷のブラームスの”重厚で渋い”イメージとは全然違って、明るく爽やかな曲。
若々しい感情がストレートに溢れ出て、特に終楽章のエンディング部分の喜びに溢れたような開放感と高揚感で気持ちよい。

レーゼルは、全体的に速いテンポでタッチも切れ良く、音も全く濁らずクリア。
力感・疾走感豊かで、青年作曲家のブラームスが書いた作品に相応しい、若々しく爽やかな演奏。
少し気になるところといえば、急速楽章の強奏部で、メカニックの切れがあまりに良すぎて、力強くやや一本調子で押していくような感じがしないでもないような...。でも、これだけ鮮やかに弾き切っているのを聴くのは爽快。

Brahms - Peter Rösel - Piano Sonata No 1 in C major, Op 1 - 01 Allegro


Brahms - Peter Rösel - Piano Sonata No 1 in C major, Op 1-04



ブラームスのピアノ作品集(5CD)(Berlin Classics)
Piano WorksPiano Works
(2008/07/08)
peter Rosel

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ブラームスのピアノ作品集Vol.1(ドイツ・シャルプラッテン・コレクション/キングレコード)
ペーター・レーゼル ドイツ・シャルプラッテン・コレクション レーゼルのブラームス1ペーター・レーゼル ドイツ・シャルプラッテン・コレクション レーゼルのブラームス1
(2012/10/24)
レーゼル(ペーター)

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ブラームスの《ピアノ協奏曲第2番》は、旧東独時代のスタジオ録音はなく、ドイツのマイナーレーベルAntes Editionから2005年のライブ録音がでている。
このライブ録音は60歳頃の演奏なので、技巧も相変わらず精密で切れ味も鮮やか。力感も豊かで、至るところにある難所もテンポを落とすことなく細部まできっちり弾いている。
ライブ録音にしては音質も良く、この難曲でもミスタッチがほとんどないのは凄い。クリアなソノリティと明るい色調で、とても爽やかな叙情感がレーゼルらしい。
若い頃のブラームス録音とは違って、急速楽章の強奏部でも、メカニックの切れの良さが前面に出過ぎることなく、一つ一つの音に情感やニュアンスが篭もっていて、音楽の流れも滑らかで、表情も情感もずっと豊か。
第2番のコンチェルトの数ある録音のなかでも、とても好きな録音の一つ。こんなブラームスを聴いてしまったら、30年以上も前に録音したピアノ独奏曲を再録音して欲しくなる。

Brahms: Piano Concerto No 2Brahms: Piano Concerto No 2
(2005/09/05)
Peter Rosel(Piano),Golo Ber(Conductor), Dessau Anhalt Philharmonic Orchestra

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<過去記事>
 レーゼル&ゲヴァントハウス四重奏団~シューマン/ピアノ五重奏曲
 レーゼル~ブラームス/ピアノ協奏曲第2番(ライブ録音)

tag : ブラームス シューマン レーゼル

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シュニトケ ~ ベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》第1楽章のカデンツァ
10月に来日したクレーメルがサントリーホールの演奏会で演奏したのは、ベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》。私は聴いてはいないけれど、第1楽章のカデンツァは、シュニトケ版を弾いていたという。

このヴァイオリン協奏曲にベートーヴェン自身はカデンツァを書かなかったため、ヴァイオリニストや作曲家がカデンツァを書いている。
クレーメルは昔から、シュニトケ版や自作カデンツァ(ベートーヴェンによるピアノ協奏曲用編曲版を元にしたもの)を弾いている。(両方のバージョンともCDあり)

シュニトケ版は、普通演奏されているクライスラー版カデンツァ(昔はヨアヒム版が多かったらしい)とは全く違い、ちょっと異次元の世界を垣間見たような不思議な感覚がする。
シュニトケは、バッハやモーツァルトの”パロディ”版みたいに聴こえる曲もいくつか書いているけれど、このベートーヴェンのカデンツァは、パロディ色は全くなくて、とっても真面目な雰囲気。

面白いのは、ベートーヴェンの原曲のモチーフを織り込みながら、バッハのコラール、ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章とブラームスのヴァイオリン協奏曲第1楽章冒頭部分(この2つはすぐにわかる)、ベルクのヴァイオリン協奏曲、バルトークのヴァイオリン協奏曲(第1番か第2番のいずれか。あまり聴かない曲なのでどちらかわからない)のモチーフが聴こえてくるところ。
さらに、ヴァイオリンによるクラスター効果という現代的奏法も取り入れているというので、まるでバロック~現代に至る音楽史のようなカデンツァ。
好きか嫌いかはともかく、これほどユニークで斬新な(それに奇抜な)カデンツァはそうそう聴けるものではないでしょう。

Beethoven Violin Concerto - Schnittke Cadenza Mov 1 - Kremer



<過去記事>
シュニトケのカデンツァ ~ ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲、モーツァルト/ピアノ協奏曲

tag : シュニトケ ベートーヴェン クレーメル

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音楽家を描いた2つの映画 『カルテット』,『A Late Quartet』
音楽家、それも高齢になった音楽家を廻る2つの映画がアメリカとイギリスで製作されている。日本ではいずれも未公開。

一つは、音楽専用老人ホームの生活をコミカルに描いた『カルテット』。もうすっかりお年を召したダスティン・ホフマンの初監督作品というのも話題の一つ。

もう一つは、パーキンソン病を患ったチェロ奏者と彼がメンバーになっている弦楽四重奏団の物語『レイト・カルテット(A Late Quartet)』。

いずれも、チェロを演奏されるyoshiさん(吉岡さん)のブログ<善福寺手帳>で紹介されていた映画。
映画の内容については、ブログ記事をご覧ください。予告編の動画が載ってます。
”もうひとつ映画「カルテット」”(善福寺手帳、2012.10/25)
”レイト・カルテット(A Late Quartet)”(善福寺手帳、2012.9/12)


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引退した音楽家のための「憩いの家」
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映画『カルテット』は、引退した音楽家のための老人ホームで暮らすオペラ歌手4人が、作曲家ヴェルディの誕生日を祝うために、「リゴレット」の四重唱を歌おうとするお話。
この”音楽家のための老人ホーム”に興味があったので、少し調べてみた。

音楽家を対象とした老人ホームというのは、世界でもイタリアに一つしかないらしい。
19世紀イタリアのオペラ作曲家ジュゼッペ・ヴェルディがミラノに建設した『音楽家のための憩いの家(Casa di Riposo per Musicisti)』。
今はジュゼッペ・ヴェルディ財団が運営している。
映画では、”オペラ歌手がヴェルディを歌う”という話なので、この”憩いの家”がモデルになっているに違いない。(イギリスで撮影したので、建物は別物だろうけど)


<参考情報>
ダスティン・ホフマン、監督デビュー!『カルテット』撮影がイギリスで開始[cinematoday]

ジュゼッペ・ヴェルディ財団 音楽家のための憩いの家
施設内のホールで若手音楽家のコンサートが開催されたり、最近は音楽学校の学生も受け入れ、入居者の演奏家たちが学生に教えているという。
生活の場であると共に、現役を引退しても若い演奏家に教える場でもあるというのは、普通の老人ホームとは違う、音楽家のための施設ならではのユニークなところ。


 『人生の午後に生きがいを奏でる家―終の棲み家は、どこで誰と暮らすのか 音楽家ヴェルディが遺した「憩いの家」に学ぶ』
オペラ評論家の加藤浩子さんの著書。(これは未読)
加藤さんのホームページ<憩いの家>に、ヴェルディの”憩いの家”の簡単な紹介文も載っている。
ヴェルディ没後100年の2001年には、NHKが「憩いの家」のドキュメンタリー番組を放送したという。

人生の午後に生きがいを奏でる家―終の棲み家は、どこで誰と暮らすのか 音楽家ヴェルディが遺した「憩いの家」に学ぶ人生の午後に生きがいを奏でる家―終の棲み家は、どこで誰と暮らすのか 音楽家ヴェルディが遺した「憩いの家」に学ぶ
(2003/09)
加藤 浩子

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音楽家の加齢による機能障害
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映画『レイト・カルテット』のストーリーは、25年間活動してきた国際的な弦楽四重奏団のメンバーのチェロ奏者が初期のパーキンソン病だと診断され、演奏活動から引退することに。その後のカルテットの運営を廻って、メンバーの間にさざ波が立っていく。
引退するチェリストのラストコンサートのプログラムは、ベートーヴェンの作品131《弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調》。

パーキンソン病のチェロ奏者役は、クリストファー・ウォーケン。
ウォーケンといえば、『ディア・ハンター』が有名。私は、スティーブン・キング原作で、デヴィッド・クローネンバーグが監督した『デッド・ゾーン』の主人公役が一番好きだった。

パーキンソン病が原因で引退した音楽家といえば、N響の名誉指揮者でもあったオトマール・スウィトナー、カラヤンとの共演で有名なアレクシス・ワイセンベルク、それにピアニストのヴィルヘルム・ケンプが思い浮かぶ。

ドイツで製作されたドキュメンタリー映画「父の音楽 指揮者スイトナーの人生」(原題:Nach der Musik)にスウィトナーが出演した時、パーキンソン病で指揮活動から引退したと語っていたそうです。

ワイセンベルクは30年間もパーキンソン病と闘病していたと、彼の訃報を知らせる年初の記事に書かれていた。
EMIの「ワイセンベルク録音集BOX」では、一番新しい録音が1986年のフランク《前奏曲、フーガと変奏 Op.18》。
1990年代には新譜を見かけなくなっていた。90年代からずっと闘病生活を送っていたためで、事実上の引退と同じことだった。

パーキンソン病に限らず、加齢によって視覚・聴覚機能の衰え深刻な視力・聴力障害にかかり、演奏活動に影響したり、引退することもある。
ピアニストのルービンシュタインは、「飛蚊症」が原因で視力低下が著しく、1976年に引退。
ピアニストのホルショフスキも、ルービンシュタインと同様の視力障害を患い、視野の中心部が見えなくなっていた。彼の場合は、”鍵盤などよく見えなくてもピアノは弾けるよ”と言って、演奏活動を続けていた。
ホルショフスキのライブ録音を聴くと、ミスタッチはあるけれど、大きく音を外すことはなかったし、99歳になっても、リサイタルで弾いていた。ここまでくれば、もう神業みたいなもの。

リヒテルは、聴覚の障害のため、60歳代あたりからリサイタルでも楽譜を置くようになった。(音が以前よりも高く聴こえるため、運指に影響するらしい)
ラローチャも同じ障害にかかっていたけれど、80歳で引退するまで暗譜で弾き続けた。
青柳いづみこ「リヒテルの耳」(「文学界」2004年6月号)

脳神経科医オリヴァー・サックスの著書『音楽嗜好症(ミュージコフィリア)-脳神経科医と音楽に憑かれた人々』によれば、神経系機能が衰えていくなかでも、音楽に関わる神経系は強靭だという。
これは音楽家に限ったことではないので、音楽を利用した認知症の治療(「音楽療法」)も行われている。
「認知症と音楽療法」という章では、認知症が進行していっても、音楽への反応は失われない例がいくつか紹介されている。

特に強く印象に残っているのは、88歳のある著名なピアニストの話。
(認知症のために)言語能力を失っていたけれど、毎日ピアノを弾いていた。弟子と連弾するために楽譜を読み合わせていると、反復記号を見ずとも、指で前や後ろを指し示していた。(これは、暗譜した記憶が消えていないということ)
それに、1950年代に録音した時の演奏よりも、最近一緒に録音した演奏や着想の方が弟子は好きだという。
弟子の言葉によれば、「音楽で病気を超越している」。

<過去記事>
”音楽家のジストニー”&”認知症と音楽療法”~オリヴァー・サックス著『音楽嗜好症(ミュージコフィリア)- 脳神経科医と音楽に憑かれた人々』より

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プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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