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コヴァセヴィチ ~ シューマン/ピアノ協奏曲
コヴァセヴィチのPhilips時代の録音をチェックしていると、試聴しただけでとっても惹かれてしまったのがシューマンのピアノ協奏曲。
カップリングはオーソドックスにグリーグのピアノ協奏曲。この2曲だと、グリーグの演奏の方が人気があるらしい。
グリーグも良いのだけれど、私の好きなのは、曲も演奏もシューマンのコンチェルト。

苦手のシューマンでも、ピアノ協奏曲は昔から好きなので、結構いろいろ聴いてきた。
コヴァセヴィチは、ブラームスやベートーヴェンの録音と同じく、独特の音色に緩徐部分の歌い回しや叙情感がとても素敵。
これは今まで聴いたシューマンのコンチェルトの中でも、最も好きな演奏の一つ。
この録音は1970年、コヴァセヴィチが30歳頃のもの。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番、ディアベリ変奏曲、ブラームスのヘンデルバリエーションと共通する1970年前後のコヴァセヴィチのピアニズムが聴こえてくる。

粒立ち良く張りのある音の瑞々しさ、(後年と違って)強打しすぎないフォルテが綺麗だし、独特のマットな音色に(ちょっとキザな気がする)旋律の歌い回しとか、若い頃のコヴァセヴィッチらしい演奏。
若々しい瑞々しさに優美で寄り添うような叙情感。特に弱音の高音部の旋律は甘く語りかけるような親密感漂う。
まるで恋文のように甘く囁きかける親密感とロマンティックな雰囲気。
こんなピアノを弾かれたら、思わずヨロめきそうになるくらい。
そういえば若い頃のコヴァセヴィチはかなりモテた人らしく、ジャクリーヌ・デュ・プレとつき合ったり、アルゲリッチと結婚したりしていた。彼女たちとデュオした録音も残っていて、コヴァセヴィチが柔しく寄り添うようにピアノで伴奏している。

Piano ConcertosPiano Concertos
(2007/04/10)
Stephen Kovacevich、Colin Davis、BBC Symphony Orchestra

試聴する(米amazon)



若かりし25歳のコヴァセヴィチが弱冠20歳のジャクリーヌ・デュ・プレのピアノ伴奏をしているベートーヴェンのチェロソナタ第3番第4楽章。
1965年12月の録音なので、デュ・プレがバレンボイムと結婚する1年半前の録音。(この曲は、バレンボイムと結婚後に録音した1970年のチェロソナタ全集盤の方が有名らしい)
ピアノの若々しい快活さやほのぼのとした幸福感漂う優しげな表情が、この頃のコヴァセヴィチのメンタリティを映し出しているのかも。

Beethoven: Cello Sonata No. 3 in A major, Op.69: IV. Allegro vivace


tag : シューマン コヴァセヴィチ

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カヴァコス&パーチェ ~ ブラームス/《F.A.E.ソナタ》より ”スケルツォ”
ブラームスのヴァイオリンソナタのなかで、最も演奏機会が少ないのが《F.A.E.ソナタ》。
《F.A.E.ソナタ》は、シューマンとその友人ディートリヒ、それにブラームスの合作という珍曲。
第1楽章はディートリヒ、第3楽章がブラームス、第2楽章と第4楽章はシューマンの作曲で、後に彼のヴァイオリンソナタ第3番に転用。(Wikipediaの作品解説)
《F.A.E.ソナタ》自体が全曲演奏されることはまず無く、第3楽章の”スケルツォ”の録音をたまに見かけるくらい。

初めて《F.A.E.ソナタ》の”スケルツォ”を聴いたのは、スーク&カッチェンのスタジオ録音。
収録時間の制約からか、彼らのヴァイオリンソナタ全集には収録されていない。
シュタルケルがチェロを弾いているピアノ三重奏曲全集の2枚目のディスクに、チェロソナタ第2番とこの”スケルツォ”が収録されている。

若い頃のピアノ小品《スケルツォ》と同じように、《F.A.E.ソナタ》の”スケルツォ”もブラームスらしい陰翳のある情熱的な短調の曲。
同音連打がヴァイオリンとピアノパートの両方に頻繁に出てきて、これが結構物々しい雰囲気。(最初は一瞬、あのメンデルスゾーンの結婚行進曲風に聴こえる)
冒頭はやがて嵐か何かが襲ってくるかのように勇壮な雰囲気。
やがて、爽やかで伸びやかなタッチの長調の第2主題が入ってきて、垂れ込める暗雲のなかから、太陽の光が差し込んでくるよう。
中間部はとても優美な長調に変わって、穏やかな雰囲気に。
再現部は相変わらず物々しいけれど、最後は急に長調に転調して明るく調和に満ちて終ってしまう。


これは珍しいカヴァコスのライブ音源。ピアノ伴奏はパーチェ。
Brahms - Scherzo for violin &piano in c, WoO2


カヴァコスのヴァイオリンは、スークよりも線が太く、力強く鋭いタッチ。長調の第2主題でもその力強さは変わらない。
中間部ではタッチがかなり変わって、スークよりもゆったりとしたテンポをとり、ヴァイオリンが朗々として伸びやか。束の間の安らぎにくつろいでいるような雰囲気。再現部は再び力強いタッチで緩むことなく、堂々としたエンディング。
ライブ録音の状態が良く、ピアノもヴァイオリンも同じくらいの距離感から聴こえ、音量豊かで音もクリア。
カヴァコスのヴァイオリンは、一音一音をしっかりと鳴らして、底から情熱が立ち昇ってくるような力強さはベートーヴェンの《クロイチェルソナタ》の演奏と同じ。この”スケルツォ”もとても素敵。


<関連記事>
 スーク&カッチェン ~ ブラームス/《FAEソナタ》より ”スケルツォ”


tag : ブラームス カヴァコス パーチェ

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”世界一美味しい料理” マサマンカレー 
最近、カルディでロイタイのカレーシリーズが賞味期限間近のためセール中。(店舗とオンラインショップの両方とも)
対象は、タイカレーがイエロー、レッド、グリーンの3種類。それに、マサマンカレー。
タイカレーは全て食べたことがあるけれど、マサマンカレーは外食でも家でもまだ食べたことがない。

マサマンカレーは、マレーシア北部とタイ南部にいるイスラム教徒のカレー。(ムスリムマンがなまって”マサマン”に)
どうやら、以前「CNNGo」で”世界一美味しい料理”にマサマンカレーが選ばれてから、有名になったらしい。
原材料はイエローカレーとほとんど同じ。
カルディのお店の人に、どういう味がするか聞いてみた。タイカレーと比較しながら教えてもらったけれど、やっぱり自分で食べてみないことにはわからない。

お試しで、昨日は1個(\98、250ml)だけ買って、すぐに晩ご飯に作ってみた。
結果は、マサマンカレーはとっても美味しい。タイカレーより好きかも。
タイカレーのなかで一番辛さがマイルドなイエローカレーと比較すると、マサマンカレーは唐辛子の辛さが弱くて、そんなに辛くない。スパイシーは何種類も使っているので、とってもスパイシー。
イエローカレーでも”辛い”という人なら、マサマンカレーくらいの辛さなら大丈夫かも。
タイカレーよりも粘度が低くて(ココナッツミルクの量が少ない?)、スープみたいにサラサラ。
でも、イエローカレーよりはかなり甘い。ココナッツミルクの甘さに加えて、砂糖(パーム糖)の量が多いのか、ご飯なしでもカレースープとして飲めてしまう。

あまりに気にいったので、今日もカルディで3個くらい買っておくつもり。
賞味期限が5月上旬なので、もっとストックしておいても良いかも。
それに、最近急に円安になっているので、これから輸入食材の価格もかなり上がってくるだろうし。


Roi Thai ロイタイ マサマンカレースープ 250ml [カルディ・コーヒーファーム]


レシピを探してみると、「マサマンカレーペースト」というのがあるらしい。
カルディにおいているのは、「タイカレーペースト」のみ。「マサマンカレーペースト」があれば自分で作るんだけど。

マサマンカレーのレシピ[自然堂食品]
マサマンカレー(イスラムカレー) [Cookpad]

                            

"World's 50 most delicious foods"[CNN Travel,21 July, 2011]
CNNの旅行サイト”CNN Travel”に載っている「世界一美味しい料理」ランキング(2011年7月)。
スタッフが選んだ料理のなかで、第1位がマサマンカレー。
そこまで美味しいかというと、?と思うところはあるけれど、エスニック料理好きな私の好みから言えば、このCNNのランキングに載っている食べ物のなかでは、ベスト10に入るくらいには美味しい。

このランキングの食べ物には、なぜこれが載っているのだろうか?というのが結構たくさんある。
日本の「Sushi」は4位。3位のメキシコのチョコレートってそんなに美味しいんだろうか?
その国へ旅行したときに、食べてみたら良いもの...程度のものなのかも。
順位はともかく、私がタイとベトナム旅行の時に食べたことのある(日本のアジアン料理店でもよく食べている)トムヤンクン、フォー、ゴイクン(生春巻き)は美味しい。

とっても食べてみたいのに、それ以上に高カロリーなのが気になる「香港風フレンチトースト」(38位)。
トースト2枚の間にピーナッツバター(またはkaya jam)を塗り、それを卵液に漬け込んでから、(バターで焼くのではなく)多めの油で揚げ焼きにした上に、さらにバターと多量のシロップ(とコンデンスミルクも)が載っている。
「櫻井景子先生の香港レシピ教室 フレンチトーストの巻」によると、「アメリカのTimesから"もっとも不健康な食べ物No.1"」とまで言われてしまったという。これには納得。
でもレシピの写真を見ると美味しそう。一度は作ってみたくなる。

1. Massaman curry, Thailand
2. Neapolitan pizza, Italy
3. Chocolate, Mexico
4. Sushi, Japan
5. Peking duck, China
6. Hamburger, Germany
7. Penang assam laksa, Malaysia
8. Tom yum goong, Thailand
9. Ice cream, United States
10. Chicken muamba, Gabon
11. Rendang, Indonesia
12. Shepherd’s pie, Britain
13. Corn on the cob, global
14. Donuts, United States
15. Kalua pig, United States
16. Egg tart, Hong Kong
17. Lobster, global
18. Kebab, Iran
19. Nam tok moo, Thailand
20. Arepas, Venezuela
21. Croissant, France
22. Brownie and vanilla ice cream, global
23. Lasagna, Italy
24. Champ, Ireland
25. Butter garlic crab, India
26. Fajitas, Mexico
27. Montreal-style smoked meat, Canada
28. Pho, Vietnam
29. Ohmi-gyu beef steak, Japan
30. Goi cuon (summer roll), Vietnam
31. Parma ham, Italy
32. Ankimo, Japan
33. Fish ‘n’ chips, Britain
34. Maple syrup, Canada
35. Chili crab, Singapore
36. Texas barbecue pork, United States
37. Chicken parm, Australia
38. French toast, Hong Kong
39. Ketchup, United States
40. Marzipan, Germany
41. Stinky tofu, Southeast Asia
42. Buttered toast with Marmite, Britain
43. Tacos, Mexico
44. Poutine, Canada
45. Chicken rice, Singapore
46. Som tam, Thailand
47. Seafood paella, Spain
48. Potato chips, United States
49. Masala dosa, India
50. Buttered popcorn, United States

カヴァコス&パーチェ ~ ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ全集(2) 第6番,第7番,第10番
カヴァコス&パーチェの『ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ全集』のCD3に収録されているのは、第6番、第7番、第10番。
かなり違った曲想が3曲収録されているのは、CD2と同じ。
CD2とCD3のカップリングなら、各曲に対するアプローチを少し変えている(と思う)のがわかるので、気がつくことがいろいろある組み合わせ。
さらにCD3の思わぬ収穫といえば、ヴァイオリンソナタ10曲中、最も苦手な第10番がしっかり聴けるようになって面白く思えてきたこと。

Beethoven: Violin SonatasBeethoven: Violin Sonatas
(2012/11/06)
Leonidas Kavakos、Enrico Pace

試聴ファイル(英amazon)


ヴァイオリンソナタ第6番イ長調Op.30-1  [作品解説(五嶋みどり/みどり通信)]
第1楽章 Allegro
冒頭はかなりゆったりとしたテンポで穏やかな旋律。そのせいか緩徐的な楽章だと思い込んでいたので、速度指示がAllegroだとは全然わからなかった。
しばらくすると音が詰まった動きのある旋律に変わり、優美で流麗だったり、リズミカルな躍動感があったり、表情がコロコロ変化していく。

第2楽章 Adagio molto espressivo

第3楽章 Allegretto con variazioni
一番好きな第3楽章は変奏形式なので、曲想がコロコロ変わるところがとっても面白い。
変奏楽章があるのは、第6番、第9番、第10番のみ。この6番の変奏楽章は小規模ながらも、変奏のバリエーションが多彩。
曲想、リズム、ピアノの伴奏の付け方など、変奏ごとの違いが明瞭でも、主題モチーフが聴き取りやすいせいか、変奏に統一感があってわかりやすい。
特に面白いのは第4変奏。最後の部分で、ヴァイオリンとピアノの両方が急にフォルテで和音をバン!バン!と弾くところは、間合いの取り方がちょっとユーモラス。


数年前に録画されたらしき放送用ライブ映像。
第1楽章・第2楽章ともテンポは今回の全集録音とほぼ同じ。第2楽章はライブ映像の方が30秒ほど長い。
演奏解釈は大きく変わっていないように思うけれど、このライブ映像の方が全体的にフォルテがやや強く、表現の起伏も少し大きく、ヴァイオリンが朗々と歌っている感じがする。

Leonidas Kavakos and Enrico Pace playing Beethoven Violin Sonata No.6 Mov.1


Leonidas Kavakos and Enrico Pace playing Beethoven Violin Sonata No.6 Mov.3




ヴァイオリンソナタ第7番ハ短調Op.30-2 [作品解説(五嶋みどり/みどり通信)]
第1楽章 Allegro con brio
第4番~第6番の第1楽章はかなりゆったりしたテンポで演奏していたのに、この曲はわりとテンポが速い。
ヴァイオリンとピアノの線のしっかりした音と、低音の太く量感のある響きにはずしんと重みがあって、こういう響きは好き。
ピアノのアルペジオの響きに疾走感とダイナミズムがあってゾクゾクする感じ。

第2楽章 Adagio cantabile
冒頭の主題旋律の穏やかさと安らぎに満ちた雰囲気にはほっとする。
ベートーヴェンの”adagio”は均整のとれた叙情的な美しさが印象的な旋律が多い。
第1楽章の骨太の響きとは対照的に、柔らかく柔和なタッチと響きが品良く美しく。

第3楽章 Scherzo. Allegro
冒頭主題のちょっと軽妙で装飾音的な旋律が面白い。
中間部の主題船室は、チェロソナタに出てきそうな(表彰式で使われるような)凱旋歌みたいな旋律。

第4楽章 Finale. Allegro; Presto 
冒頭のピアノが低音で引くトリルが入った旋律のちょっとおどけた雰囲気が面白い。
続く旋律は可愛らしく伸びやか。
全体的にprestoにしてはちょっと遅めかも。
その分、旋律がくっきり明瞭で、ヴァイオリンとピアノの対話ががっちりと絡みあっていて、軽妙さは少なく、力強い。



ヴァイオリンソナタ第10番ト長調Op.96 [作品解説(五嶋みどり/みどり通信)]
この曲は誰の演奏で聴いても途中で眠くなるので、まともに最後まで聴いたことがない。
こういう苦手な曲は好きな演奏者で聴くと、今までの印象がガラリと変わったりすることが多い。
やっぱりこの曲もそのとおり。清々しい透明感のある第1楽章と、変奏の展開が面白い第4楽章はかなり気にいっている。

第1楽章 Allegro moderato
嵐が過ぎ去った後の秋空のように、清々しく澄み切った明るさが差し込んでいる。
Allegro moderatoにしては、少しゆったりしたテンポで穏やかな静けさが漂っている。
ヴァイオリンとピアノが、粒立ちの良く言葉のような語り口のトリルで対話するところがとっても印象的。

第2楽章 Andante espressivo
物思いに耽っているかのようにゆったりと静かなアンダンテ。
穏やかさのなかにも、そこはかとない寂寥感が流れているような感じもする。
終盤、感情が高ぶったかのように、ヴァイオリンとピアノが同じようなパターンの旋律を何度も繰り返しながらクレッシェンド。最後は弱音へ戻ってフェードアウト。

第3楽章 Scherzo Allegro
この楽章はなぜかブラームスを聴いている気がする。
リズム感や和声がちょっとブラームス風に聴こえるから?
今までしっかり聴いていなかったせいか、気がつかなかったらしい。

第4楽章 Poco Allegretto
主題と8つの変奏で構成される第4楽章は、優美でファンタスティックで軽妙で、ちょっと摩訶不思議。
変奏曲といっても、ベートーヴェンの変奏曲にしては、モチーフの関連性が薄い気がする。変奏の性格も、優雅なメヌエット風、幻想曲風、舞曲風など、かなり違った変奏が突如入れ替わって、意表をつかれる。
肩の力がすっかり抜けたように、大らかで自由闊達。その中に、透き通るような明るさとベートーヴェン流のユーモアが漂っている気がする。
演奏も変奏ごとにタッチを明瞭に変え、緩急・静動がコントラストがくっきり鮮やか。
特に舞曲風の変奏は、その諧謔さや俗っぽい(?)リズム感が良く出ているので、前後の変奏の穏やかな美しさとの落差がある面白さがよくわかる。
最初は構成と展開がよくつかめなくて聴き心地が悪かったこの変奏楽章も、聴き慣れてみるとなんだかとっても面白い。


<関連記事>
 カヴァコス&パーチェ~ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ全集(1)第4番,第8番,第9番「クロイチェル」
 カヴァコス&パーチェ~ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ第6番 (ライブ映像に関する記事)

tag : ベートーヴェン カヴァコス パーチェ

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ライスブレッドクッカー 『GOPAN』 の新モデル
「お米パン」が作れるホームベーカリー「GOPAN」の新モデルが3月1日に発売される。
今の最新モデル(SD-RBM1000)は2代目で、panasonicブランドとして初めて2011年12月15日に発売ずみ。

3月に発売予定の「GOPAN」は、2代目と違って本格的な改良モデル。今まで気になっていた部分がかなり改良されている。
サイズが小さくなってかなりスリム。重さも10kg以上あったものが8kgに。(1斤用にしてはそれでもかなり重い)
お米を砕くミル音がかなり煩いという「GOPAN」特有の騒音問題も60dbから50dbに。
データでは体感でも騒音が小さくなっているらしい。
店頭価格は5万円前後。

このスペックならホームベーカリーを買い替える時に、「GOPAN」も検討したくなる。
今使っているホームベーカリーは購入してちょうど5年くらい。
故障することもなく日々元気に働いてくれているので、あと5年くらいは大丈夫そう。

新型「GOPAN」の実売価格もそのうち下がってくるだろうし、改良モデルも発売されるはず。
新製品は発売直後に買うよりも、しばらくして製品がこなれてから買った方が故障も少なくなるし、細かな点が改良されて使い勝手もよくなるだろうし。
米粉100%パンは時々焼いているけれど、お米を使って焼き上げる「お米パン」とはかなり食感とかが違うらしい。
いつか「GOPAN」で焼いたお米パンが朝食になるときがやってくるかも。


 ライスブレッドクッカー/SD-RBM1001(panasonicホームページ)
GOPANのサイズがやたらに大きかったのは、米のミル工程用とねり工程用に2つの回転数の異なるモーターを組み込んでいたため。
新製品では、インバーターモーターを1つだけ搭載。ミルもねりもこれだけでこなせる。(インバーターが故障しやすくなければ良いけど)
そのおかげで、横幅が狭くなって24cmになり、上側に長くてスリムなボディに。
デザインもすっきりして、ブラウンはとてもシックな感じ。
これならキッチンに置いていてもあまり邪魔にならない。

ミル羽根の構造変更と米粒を低速で粉砕することで、約60dB⇒約50dBへと騒音が小さく。
これは実際にショールームかどこかで確認してみないと、騒音がどのくらいなのかわからない。
タイマーで夜中か早朝に焼くことはないので、日中の騒音としてそれほど煩くなければOK。

普通、米粉を使っているパンはあまり膨らまない。高さが出ないので、ずんぐりとしたパンになる。
新型「GOPAN」では、製パン工程と加熱構造を見直したことで、膨らみもよく、天面までムラなくこんがり焼き上がるという。
比較写真を見る限りかなりふっくら。

tag : ホームベーカリー

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カヴァコス&パーチェ ~ ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ全集(1) 第4番,第8番,第9番「クロイチェル」
ようやく1月15日にamazonから届いたカヴァコス&パーチェのベートーヴェン・ヴァイオリンソナタ全集(輸入盤)。
リリース予定の発表後すぐに予約したけれど、一度発売日が変更されたので(国内盤を先行発売するため?)、結局入手するまでに数ヶ月。
それだけ待ったかいがあったのか、試聴した時よりもずっと素晴らしく、繰り返し聴くたびにますます好きになってしまう。

ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全集のCDで持っているものは、抜粋盤も含めて10種類。
昔から好きなのは全集は、スーク&パネンカ、パールマン&アシュケナージ。ピアノ伴奏に限って言えば、(私には珍しく)アシュケーナージが一番好きだった。
結局、ヴァイオリニストとピアニストの両方とも好きな演奏者で、演奏内容も素晴らしく良いと思えた全集録音はこのカヴァコス&パーチェの録音。
それに、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタを聴く時は、ピアノ伴奏の方に集中しているので、ピアノパートが細部まで克明に、ヴァイオリンと対等の存在感で聴くことができるのが、この録音の良いところ。

Beethoven: Violin SonatasBeethoven: Violin Sonatas
(2012/11/06)
Leonidas Kavakos、Enrico Pace

試聴ファイル(英amazon)

録音データを見ると、カヴァコスがDECCAへの移籍・専属契約締結を発表した2012年4月23日よりも以前に、7ヶ月間に3回の録音セッションを行って録音していた。
録音場所は、アテネにあるMegaron Dimitri Mitropoulos Hall。

 No.4,7,10  : 2011/9/16 ~ 9/18
 No.2,3,6   : 2012/2/8 ~ 2/11
 No.1,5,8,9 : 2012/4/6 ~ 4/12

このCDのレビューが載っていたのが、レコ芸の2012年12月号(PRE REVIEW)と2013年1月号(新譜月評)。
新譜月評の評者2人の評価は、それぞれ「推薦」と「準」。
演奏内容のコメントが最も的確なのは「PRE REVIEW」(評者:安田和信氏)。実際、聴けばその通りなのだけれど、月評のレビューでは言及されていなかったり、ポイントがズレていたりする。
録音方法、演奏内容ではアーティキュレーション、ソノリティ、ディナーミク、テンポ設定など、この全集録音のポイントとなる点を解説している。
録音方法の特徴は、「会場全体の響きが重要な要素になっていない代りに、ヴァイオリンとピアノの音像を拮抗させながら、両者とも細部をはっきり浮き立たせる」。
近頃の残響の多い(と思う)デジタル録音とは違って、ホールの残響がかなり少ない。ピアノとヴァイオリンの両方とも、音がかなり間近から、同じくらいの距離感と音量で、細部までくっきり克明に聴こえる。

演奏の特徴については、「俊敏性を保って、闊達な語り口を実現するいっぽうで、極端な表現を求めるがあまりに乱暴になる愚を回避して、高い完成度をじっくりと磨き上げた演奏」と、長い表現でまとめている。
このベートーヴェンは、端的な言葉では言い表しにくい”わかりにくさ”があるようには思うけれど、聴けば聴くほど、独特の味わいにすっかり魅きこまれてしまった。
ただし、録音方法や奏法にクセがあるので、聴く人の好みで評価はかなり分かれそう。

こちらは、海外サイトの音楽サイトで、ポジティブなCDレビュー。
"Leonidas Kavakos: Letting Beethoven Shine”(npr music ,January 08, 2013)
カヴァコスは、この作品に輝きとスイートな色調を与えつつ、同時に引き締まった筋肉質的な強さと全体的な構造感も兼ね備えている。美しさが現れる時や音の純粋な美しさに立ち止まって耽溺するようなソリストを求めるであれば、カヴァコスはそういう演奏家ではない。彼は、むしろ舞台俳優のように、作曲家の言っていること(statement)を伝えることに関心があるのだ。例えば、クロイチェルソナタのPresto楽章冒頭の非常にシンプルな語り口を聴いてみると良い。(以上、要約)

                              

最初聴いたときは、残響が少ない音の聴こえ方と、独特のフレージングとアーティキュレーションに慣れる時間がちょっとかかったけれど、慣れてしまうとこれがとっても面白い。
それほど速いテンポをとらず、線のしっかりした音で一音一音を刻み込むように弾き込み、克明で明晰なフレージングとアーティキュレーションで、ヴァイオリンとピアノが緊密に絡み合っていく。伴奏、ユニゾン、対位法など、2つの楽器がデュエットしたり掛け合ったりするときの音の動きと呼吸がよくわかる。
重心が低く、骨っぽい力強さと重みがあり、感情過多な表現に陥ることなく、理知的で明晰。構成感のある骨格のしっかりして、”硬派な”ベートーヴェンという感じ。
弱音部分や緩徐部分になると、落ち着いたトーンの多彩な音色と響きが美しく、穏やかでさりげなく自然に流れる叙情感がとても心地良い。

テンポ設定は全体的に遅めで、特に緩徐楽章はかなりゆったり。(第7番以降は、急速楽章のテンポが少し速くはなっている)。 ルバートは多用せず、ほぼインテンポ。
大音量の強いフォルテで強弱のコントラストを強調することはせず、弱音部分では、微妙なニュアンスや柔らかさがあり、音色とソノリティがとても綺麗。繊細さに耽溺して情緒的になることはなく、品の良い端正な叙情感。

アーティキュレーションに特徴があり、フレーズの冒頭・末尾などで、sfやスタッカートに強めのアクセントがついたり、フレーズ間のつなぎのところをはっきり区切ったりするので、スラーやレガート部分は滑らかでも、その間にゴツゴツとした突起が挟まれている。(楽譜をしっかり見ながら聴けば、もっといろいろ気がつきそう)
叙情的な雰囲気を払拭するように、ときどき挿入される力感・量感のあるフォルテがとても印象的。(第7番第2楽章、第9番第3楽章の冒頭など)

ヴァイオリンとピアノが同じ旋律を受け渡して対話したり、表現をきちっと会わせた揃ったユニゾンでデュエットしたりする2人のやりとりが明瞭ねフレージングを粒立ちの良い音で克明に聴き取れる。今まで何気なく聴いていた旋律が、言葉となって語り合っているような面白い感覚がする。

カヴァコスのヴァイオリンは、高音でも低音でも、線がしっかりして、まろやかで引き締まった響きが美しく、高音部でも、線がか細くキーキーすることが全くなく、音に潤いがあって、美音。
ルバートやヴィブラートを多用することがないので、情緒過剰なウェットな感情移入は全く感じられず、クールというか、理知的で均整のとれた情感がとても自然に思えてくる。

パーチェのピアノは、(メルニコフのような)キラキラ輝くような音色ではないけれど、色彩感は豊か。
高音部の弱音は音色が美しく、羽毛のように柔らかく優しい響きがとても素敵。
正確な打鍵で粒立ちのよい芯のしっかりした音なので、弱音部でも、速いテンポの細かいパッセージでも、一音一音が明瞭。
ペダルはそれほど多用せず(浅く短く入れていることが多い)、ソノリティはクリア。特定の楽章や、アルペジオなど部分的に響きの重層感を出す時は、ペダルをたっぷり使ってソノリティの美しさを強調しているのが、とても効果的。
特に、クロイチェルソナタの第2楽章の最終変奏(第4変奏)でのピアノの音色の美しさは夢幻的。この変奏ではペダルを長く入れるところが多いので、高音の弱音のソノリティの美しさが際立っている。
スラーのない部分ではややノンガレート気味の硬めのタッチが多く、音の線が太めでゴツゴツとした骨っぽい響きや量感のある低音には、重みと重心の低い安定感がある。
パーチェのフォルテの弾き方には特徴があり、ライブ映像で見ると、高めの位置から手・腕を降りおろして弾くというのではなく、低い手の位置から、体の体重を上から腕にかけるように前によりかかって弾いている。(アラウも似たようなフォルテの弾き方をしていた。重量奏法なのだろうか?)
ヴァイオリンとのユニゾンや掛け合っていく呼吸もよく合って、カヴァコスの演奏解釈とアーティキュレーションにパーチェのピアノがぴったり合わせている。

ようやく全曲聴き終わって気がついたのは、作曲時期によって、少し弾き方を変えている。(私がわかるのはピアノ伴奏の方だけだけど)
初期の第1番~第3番は、テンポはそれほど遅くはなく、打鍵するタッチがやや軽く、音質も少し軽くなっている。(調律で調整しているのかも)
音色も明るく、速いパッセージもスラスラと流麗。弾けるような軽やかさではなく、ちょっと優美でしとやかな雰囲気も。
第4番~第6番は(弱音以外の)打鍵に力強さがあり、ゴツゴツと骨っぽい音で、音色も少し落ち着いたトーンになっている感じがする。テンポも全体的にやや遅めで、叙情楽章ではゆったりとしたテンポでじっくりと歌いこんでいる。
特に第5番のスプリングソナタは、第1楽章の遅めのテンポやアクセントの付け方とかが面白く、あまり好きではないこのソナタがちょっと違って聴こえる。
第7番~第9番は急速楽章のテンポも速めで、打鍵の切れも良く、短調の急速楽章(第7番とクロイチェルの第1楽章)では力強くパッショネイトな雰囲気、長調の急速楽章はリズミカルな躍動感が爽快。
第10番は、嵐が去った後の秋空のように澄み切って清々しい曲。彼らの演奏も肩の力が抜けて柔らかくしなやかなタッチで、穏やかな静けさが漂っている。第3楽章や最終楽章の急速部分では、少しゴツゴツとしたタッチになるけれど、第9番までのような力強さは弱く、平穏な静寂さの方が印象に残っている。

                              

好きな曲である第4番とクロイチェルソナタが収録されているCD2から聴き始めると、これがとっても面白くて、なかなか残り2枚のCDに進めない。

ヴァイオリンソナタ第4番 Op.23 [作品解説(Wikipedia)]
第1楽章Presto
冒頭からそれほど速くないテンポで、骨太のタッチで力強く。続く弱音部分はそっと消えるような響きのなかに微妙な翳りや憂いが漂っている。
線が太く圧力の強い音で一音一音克明に鳴らしていくので、軽快さやシャープさはないけれど、深く落ち着いた重みのあるところが良い感じ。
ピアノに関しては、フォルテはバンバンと強打するのではなく、力強く押し付けて刻印していくような骨太い圧迫感のある音。ヴァイオリンの方も線が太めで芯のしっかりした音。
第1楽章が終わると、聴いているこちらの方がほっと一息。この音の圧力のせいで、息を詰めて聴いていたらしい。

第2楽章 Andante scherzoso più allegretto
タッチが柔らかくなっているので、ヴァイオリン・ピアノの両方とも音の圧力感が軽くはなっているけれど、軽快というよりは、落ち着いた雰囲気。可愛らしく優美さはあるけれど、でもどこかクールというか、情感過多になりすぎないように抑えた感じはする。

第3楽章 Allegro molto
それほど速いテンポではなく、疾走感は強くはないけれど、第1楽章よりもフォルテはかなり強く、タッチもシャープ。弱音部での、音がす~と消えていくような力の抜き方とか間の取り方が面白い。
(時々ザーザーと何かが擦れるような雑音がするのは、何なのだろう?)


ヴァイオリンソナタ第8番ト長調 Op.30-3 [作品解説(ピティナ)]
第1楽章 Allegro assai
第4番と比べると、急速楽章のテンポが速めになり、シャープなタッチで切れも良く、力強い。
細かく音がつまったフレーズが多いので、フレーズ同士を繋いでいくときに強弱やタッチが細かく変化していく。指回りはとても良いのに、音にゴツゴツとした骨っぽさがあるせいか、軽快というよりは、ボンボンと弾むような弾力感がある。
冒頭主題では、ヴァイオリンとピアノのユニゾンから、最後にはヴァイオリンがキー!と叫ぶような高音で素っ頓狂な感じが面白い。

第2楽章 Tempo di minuetto ma molto moderato e grazioso
彼らの演奏する緩徐楽章は、の曲でもテンポは普通よりも遅め。
第7番と同じような穏やかで安らぎに満ちた旋律がとても美しい。ゆったりと歌わせる旋律は、ウェットな叙情感ではなく、さらりとした叙情感がとても穏やか。

第3楽章 Allegro vivace
第1楽章同様、軽快なテンポ。線がしっかりした音で一音一音克明に弾き込まれるので、弾力のあるリズム感が力強くて躍動的。


ヴァイオリンソナタ第9番 Op.47 「クロイチェル」 作品解説(五嶋みどり/みどり通信)][楽譜ダウンロード:IMSLP]
これはとっても素晴らしいクロイチェルソナタ。第1楽章の重苦しい雰囲気と和音の多い重厚な和声が、彼らの圧力感と質感のある音と奏法によく合っている。重心が低く重みのあるところが、ベートーヴェンのクロイチェルソナタにぴったり。

第1楽章 Adagio sostenuto - Presto - Adagio
ゆったりとしたテンポで始まる冒頭は、Prestoに入っても少しテンポが遅い感じがするけれど、ピアノのアルペジオが終わってa tempoになると、エンジンがかかってきたようにテンポが上がり、力強く疾走感も出てくる。
速いテンポだとピアノがもたつきがちな第226~257小節(7:44~8:00くらいの部分)も、テンポを落とさず弾いている。(ここは、ピアノパートの譜面はシンプルに見えるのに、右手と左手が三度上行または下行しながら反行し、黒鍵もかなり多くて、弾きにくそうなパッセージが続く)
細かい音の詰まった(それに和音も入った)パッセージでも、太くしっかりした音で音の粒立ちがよく、特に低音は力強くてずしっと量感豊か。
緩急が何度も交代し、急速部は圧力感のある音でインテンポで突き進んでいくので、かなり”筋肉質的”で緊張感が緩むことなく、テンション高く迫力充分。底からじわじわと立ち昇ってくるパッショネイトな白熱感が爽快。
対照的に緩徐部では、そっと柔らかな音が醸しだす静けさがとても印象的。

第2楽章 Andante con variazioni  
長大な変奏楽章である第2楽章も素晴らしくて、特に最終変奏(第4変奏)の美しさにうっとり。
第1&第2変奏、第3変奏、第4変奏ではかなり曲想が変わるので、テンポ・音色・タッチもそれぞれはっきり変えている。
第1変奏はピアノパートが主旋律弾き、スタッカートが主体。リズミカルだけれど、バタつかない柔らかい軽やかなタッチ。第2変奏は主旋律がヴァイオリンに変わり、ピアノは両手が交互に軽やかな和音で伴奏。第3変奏は短調に変わって、悲愴感のある旋律とピアノの厚い和音のレガート。
第4変奏は、夢のなかで遊んでいるように、伸びやかで幸福感に溢れた曲。ヴァイオリンの高音の美しさに加えて、ピアノの音色と響きの美しさが際立っている。
この変奏では、ピアノが珍しくペダルをたっぷり使っている。トリル、スケール、アルペジオで、残響が重なる響きの美しさはまるで夢の世界。特に鐘のように鳴る響きと煌きのある高音の美しさには溜め息がでそう。

第3楽章 Presto
終楽章は音の切れがよくて、音の圧力がやや軽く感じるせいか、開放感があってリズミカルで軽快。
速いテンポでリズミカルな部分と、弱音で柔らかな旋律の緩徐部分とで、タッチと音の質の違いが明瞭で、表情の移り変わりがよくわかる。
終盤のAdagioに入る直前の第483~488小節は、珍しくたっぷりペダルを使ったピアノのアルペジオの響きがとても華麗。

この全集では、クロイチェルソナタの演奏が一番素晴らしく、この曲を聴くことができただけでも、この全集を買ったかいがあったというもの。
録音方法にかなりクセがあるので、同じ演奏であっても広いホールで実演を聴くと、音の聴こえ方がかなり違ってきて、印象が変わるのかもしれない。(リサイタルを聴いていないので、比較できないけれど)
実演だと臨場感と白熱感が体感できるのだろうけど、このCDで聴くとアーティキュレーションやソノリティの美しさが細部まで明瞭に聴き取れるのが良いところ。

音がとても悪いけれど、昨年のイタリアのFESTIVAL DELLE NAZIONIでのライブ映像。
FESTIVAL DELLE NAZIONI 2012 - Leonidas Kavakos - Enrico Pace



                              

カヴァコスが、イタリア人の中堅ピアニストであるパーチェとなぜデュオを組んでいるのか不思議に思う人も結構いるらしく、マリンスキー劇場コンサートホールでのインタビューで彼ら自身がその経緯を語っている。

Leonidas Kavakos & Enrico Pace

カヴァコスとパーチェが初めて出会ったのは、ノルウェーの音楽祭。
メンデルスゾーンの難曲である「ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための二重協奏曲」で共演した。
2人は非常に”easily”(たやすく,苦もなく)協奏することができたので、そのコンサートが終わってから、数年後にスケジュールを調整して定期的にデュオ演奏をしよういうことになった。
デュオ演奏を始めてから、様々な作曲家の作品を演奏しているが、彼らのコラボレーションはとても”harmornious"(調和している)とカヴァコスは語っている。

次に録音予定のブラームスのヴァイオリンソナタ全集では、ユジャ・ワンがピアニスト伴奏をするらしい。(伊熊よし子さんのブログに載っていたインタビュー記事で、ユジャ・ワン自身が言っていた)

tag : ベートーヴェン カヴァコス パーチェ

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塩麹と塩ヨーグルト
塩麹
今流行りの塩麹。
市販の発酵ずみ塩麹を買っていたけれど、炊飯や野菜のお漬物(たまに、豆腐漬けも)によく使うので、すぐになくなってしまう。
乾燥麹を使って、自家製塩麹を作った方が良さそうな気がしてきて、早速、300g入りの乾燥麹を購入。
塩麹を長期保存したくないので、塩麹100g、塩30g、水150gを混ぜて、セラミック容器で発酵開始。
残りの乾燥麹は冷蔵庫で保存。

冬は気温が低いので、塩麹が完成するまでに、2週間くらいかかるらしい。
温度を上げるために、保温グッズのホットクックに温めた急須とかお鍋を入れて温度を上げてから、塩麹の容器を保存。
1週間くらいでトロトロお粥状になったのはよかったけれど、小さなコメの芯が残っている。
ネットで調べてみると、乾燥麹に水を入れて作り始めると、芯が残るので、最初にぬるま湯を入れて6時間くらい保温してから、室温で保存すると、芯が残らない。これは次回試してみることに。

芯が残っているので、ドロドロしてはいるけれど、完成したかどうかがよくわからない。
塩味の角がとれてまろやかな塩味になってはいるけれど、甘酒のような甘みとか香りはしない。
少し気泡が浮かんでいるのは、酵母が増殖しアルコール発酵し始めたかららしい。冷蔵庫で保存した方が良さそう。
芯が残る原因は、麹の芯まで麹菌が入り込んでいないからだそうで、この状態になるといくら時間をかけても発酵が進まないので、もう使うしかない。
今まで使っていた市販の塩麹よりも、米粒が多くぼてっとした仕上がり。(ミキサーにかけると、少しは滑らかになるらしい)
野菜を漬けると米粒は全然気にならない。塩気がちょっと強いかも。塩麹の量を少なめにして、野菜に残っている水分で薄めると、ちょうどよい塩梅。


<参考サイト>
 塩麹の作り方まとめました![すー太郎、料理のレシピ、日々くふう☆ ]
写真つきでわかりやすい。ヨーグルト保温器を使っている。
ホームベーカリーの発酵機能だと30℃で安定しているので、それを使うと冬でも早く発酵するはず。

 ☆塩麹の作り方☆[Cookpad]
塩分濃度を低くした配合。(塩分濃度が低いと雑菌が繁殖しやすいらしく、一般的にはあまり推奨されていない)
芯の残らない作り方が書いてある。これは便利そうなので、次回試してみよう。

 玄米塩麹と白米塩麹のどちらが早く発酵するかの実験報告その1  [花井良平の陰陽ライフ]
元種を入れておくと、発酵が早く進むという。発酵に時間がかかる冬にはとっても便利。
※昨日新しい塩麹を作り始めたので、元種(今使っている発酵ずみ塩麹)を小さじ1くらい加えておいたところ、やっぱり発酵するのが早い。

 継ぎ足しで深くて甘い自家製塩麹[Cookpad]
塩麹を使い切らずに新しく作った塩麹を継ぎ足して、使い続けていく方法。

 ☆塩麹の作り方☆[ 高橋香葉の発酵食生活~塩麹としょうゆ麹~]
 塩麹を継ぎ足しながら作ってもよいか?[同上]
古い塩麹には雑菌が混じっている可能性があるので、継ぎ足しは推奨していない。



塩ヨーグルト

塩麹に次ぐ調味料として最近話題になりつつある(らしい)のが「塩ヨーグルト」」。
市販のヨーグルトに塩を入れて、水切りするだけ。
水切りヨーグルトは数年前から冷蔵庫に常備。いつもパンに塗って食べたり、ヨーグルトケーキを焼いたり。
普通の水切りヨーグルトと塩ヨーグルトの違うは、塩を入れて水切りするところだけ。

塩をヨーグルトに入れると、乳酸菌の活動が活発になるという。
加える塩分は、ヨーグルトの重量の2~3%。450gのヨーグルトだと使う塩は約9~15g。
塩分はあまり増やしたくないので、普通の水切りヨーグルトでもいいのだけど、流行の塩麹(15~30%。製品や自家製かどうかでかなり違う)よりははるかに濃度は低い。

用途は、スプレッド、ディップ、肉・魚・野菜の漬物など。
比較実験のレポートによれば、塩麹と塩ヨーグルトでは味わいが違う。
塩麹の場合は、塩麹のもつ旨みが材料に浸透して味に深みがでる。ヨーグルトは材料を柔らかくする効果の方が高い。

塩麹の場合は、炊飯にも使えるところが便利。
塩麹も塩ヨーグルトもパンづくりにも使えるけれど、塩分を再計算しないといけないのが面倒。
パン作りには、普通のヨーグルトを使った方が便利。


<参考サイト>
 料理の幅が広がる!塩ヨーグルトの活用術 [All About/特集・プラチナレシピ]
 塩麹を超える!お手軽「塩ヨーグルト」 [日経ウーマンオンライン【トレンド】]
 塩麹vs塩ヨーグルト!どっちの唐揚げが美味? [日経ウーマンオンライン【 トレンド発掘隊】]

スティングの”Come Again” ~ ダウランド/リュート歌曲集 『Songs From The Labyrinth』
ダウランドのリュート歌曲集の情報を探していたら、ロック歌手のスティングがダウランドのリュート歌曲を歌ったCDとDVDを発見。
ジャズピアニストがクラシック音楽を録音することは時々あるけれど(キース・ジャレット、チック・コリア、小曽根真とか)、ロック歌手とダウランドという取り合わせは(私には)かなり意外。
でも、スティングは「ダウランドの歌は20年以上私の心から離れたことがありませんでした」と言っているのだから、彼にとっては待望の録音に違いない。

ラビリンスラビリンス
(2006/09/27)
スティング

試聴する(米国amazon)
「ロック歌手スティング、ダウランドを歌う!」(HMVのCD紹介文)
リュート奏者はエディン・カラマーゾフ。リュート独奏曲も5曲収録されており、そのうち3曲はスティング自らリュートを弾いて、デュオ演奏している。(数年前からリュートを練習していたという)


CDを試聴すると、濁った男声の歌うダウランドには、最初はかなりの違和感を覚えて、まるで無頼者や酔いどれ風(?)の歌いっぷりに聴こえてくる。
でも、”Can she excuse my wrongs?”、”Come again, sweet love doth now invite”は、とても自然に耳に入ってくる。昔懐かしいフォークソングかカントリーソング風で、素朴な感じが妙に味がある。


このライブ映像は合唱付き。面白いのは、スティング自身もリュートを弾いて、リュート伴奏とデュオしながら歌っているところ。これがとっても板についている。
古楽演奏者で同じように弾き語りする人っているのかな?

Sting & Edin Karamazov (Lute) - John Dowland - Come Again


この映像のスティングの顔、どこかで見たことがある。
記憶を辿ると、映画化は不可能だといわれていたフランク・ハーバートのSF小説『デューン 砂の惑星』の劇場公開版に出演していた。
主人公である公爵家の子息ポウル・アトレイデス役のカイル・マクラクランは、端正で気品のある貴公子風の外見・キャラクター。
スティングは、それとは正反対のフェイド・ラウサ役(下品な悪役ハルコネン男爵の甥)。極めてりエキセントリックな性格と外見が強烈な印象だった。それにしては、演技がとても上手くて、意外にはまり役だったのかも。

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カイル・マクラクラン/ショーン・ヤング/スティング/ケネス・マクミラン

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珍しい合奏伴奏とスティングのボーカル版。編曲はヴァイオリニストのジョシュア・ベル。
Come Again. John Dowland, arranged by J.A.C. Redford and Joshua Bell.




これはソプラノのバーバラ・ボニーの”Come again...”。
カークビーやボニーとかの透明感のある歌声が、ダウランドにはよく映える。(でも、この曲に限って言えば、好きなのはスティングの歌の方かも...)

Barbara Bonney "Come again, sweet love doth now invite" John Dowland




『The Journey and the Labyrinth: The Music of John Dowland』は、BBCで放映されたTV番組をDVD化したもの。
Youtubeの映像を見ながら聴いていると、スティングの声と歌い方に慣れたこともあって、違和感もかなり解消。
特に”Coma Again”や”Can She Excuse My Wrongs”などのテンポの速い軽快な曲は、独唱・合唱曲とも好きではある。
”Fine Knacks For Ladies”はとっても楽しそう。ハーモニ-が雑然とした感じはするけど、CDの歌よりもずっと活気があって、こっちの方が良い。

でも、”流れよ、わが涙”タイプの短調の叙情的な歌は、やっぱり馴染めなかった。
古楽演奏のダウランドとは別物の、”Sting”のダウランドだと思って聴けば良いのだろうけど、こういう曲はやっぱり透明感のある歌声で聴きたい。

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(2007/04/25)
スティング

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amazonの紹介文によると、撮影は、Lake House(Wiltshireにあるスティングの16世紀様式のマナーハウス)、イタリア・トスカーニの自宅であるIL Palagioの古風な庭園にて。
ロンドンのSt. Luke教会でのライブ映像に、音楽学者David PintoやAnthony Rooleyとの対話も収録。
ボーナスCD(DISC2)として、St. Luke教会のライブ演奏を収録。さらに、スティングのヒット曲"Message in a Bottle"のリュート編曲版やRobert Johnsonのブルースの古典"Hell Hound on My Trail”の演奏も入っている。

tag : ダウランド

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ルーリー&コンソート・オブ・ミュージック ~ ダウランド/リュート歌曲集(第2巻)
随分昔、知人がある有名クラシックホールでプロの演奏家と一緒にジョイントコンサートをするというので、勉強がてらよく聴いていたダウランドのリュート歌曲集。
ダウランド(1563年-1626年)は、ルネサンス期のイギリスの作曲家・リュート奏者。

私が持っている唯一のダウランドのCDは、ルーリーによるリュート伴奏、エマ・カークビーがソプラノをつとめるコンソート・オブ・ミュージック(Consort of Musicke)の有名な録音(1976年)。
リュート歌曲集のCDは全3巻で、そのうち第2巻と第3巻を持っている。
よく聴いたのは第2巻。最も有名な「流れよ、わが涙」や、人気の高い軽快で楽しげな「珍品はいかが、ご婦人がた」、とても好きな「百合のごとく白い顔をして」が入っているので。
それに、リュート伴奏によるカークビーのソプラノ&バスの二重唱や四重唱、一部アカペラもあり、フォーマットが多彩。異なる厚みの色彩感のあるソノリティやハーモニーを聴くのも楽しい。


『ダウランド:リュート歌曲集第2巻』
「涙(ラクリメ)」の作曲家と言われるダウランドらしく、「涙」やら「悲しみ」がついた曲名が多い。
最初の8曲は、どれもスローテンポの短調の似たような曲が続いて、ちょっと単調。
その後の曲は、軽快で明るい曲やシニカルな短調の曲とか、テンポや曲想が多彩になってくる。
このCDは国内盤なので、解説がとても詳しく、全て日本語訳の歌詞がついているのも良いところ。
もう廃盤になっているらしく、コンソート・オブ・ミュージックが録音した第2巻全てが聴けるのは『The Collected Works』(全3巻とその他の作品を収録)。
ダウランド:リュート歌曲集第2巻@ルーリー(リュート)コンソート・オブ・ミュージックダウランド:リュート歌曲集第2巻@ルーリー(リュート)コンソート・オブ・ミュージック
(1993/07/25)
ルーリー、コンソート・オブ・ミュージック

試聴する(米amazonの”Dowland:The Collected Works”へリンク:Disc 2)



『流れよ、わが涙~ダウランド:リュート歌曲集』
ダウランドのリュート歌曲集(第1~第3巻)、歌曲集≪巡礼の慰め≫と≪音楽の饗宴≫からの抜粋盤。
有名な曲はだいたいカバーしている(みたい)。
でも、第1巻の”Come again: sweet love doth now invite”(さあ もういちど 愛が呼んでいる)が収録されているのは良いけれど、第2巻の”White as lilies was her face”が入っていないのは残念。

流れよ、わが涙~ダウランド:リュート歌曲集流れよ、わが涙~ダウランド:リュート歌曲集
(2008/09/17)
コンソート・オブ・ミュージック、カークビー(エマ) 他

試聴する



ダウランドのリュート歌曲集は、第1巻は4声部の歌曲。
第2巻は、2声部や5声部の作品もある。曲によって、独唱だったりアンサンブルだったりいろいろ。
編曲版がいくつもあるのかなと思っていたら、声部の構成が選択できる形式の楽譜だった。
CDのブックレットの解説によると、第2巻のなかで12曲については4つの声部とリュート伴奏の形式。
曲集の最初8曲の場合は、楽譜の「左側のページにカントゥスとリュートのタブラチュアが、右側のページにはちゃんと歌詞のついたバスの旋律が印刷されている」。
実際の演奏では、楽譜左側に従って、リュート伴奏&独奏の演奏も多いけれど、ソプラノとバスの二重唱としても歌えるようになっている。コンソート・オブ・ミュージックの録音では二重唱。
この曲集ではアルトのパートを、カウンターテナー(ジョン・ヨーク・スキナー)が歌っている。


”Flow, my teares”(流れよ、わが涙)
ダウランドの曲のなかで、当時一番人気があったらしい。
『流れよ、我が涙』というと、フィリップ・K・ディックのSF小説『流れよ我が涙、と警官は言った』をすぐに思い出す。
学生時代に読んだので、内容はすっかり忘れてしまった。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の方は小説・映画とも好きだったので、今でもよく覚えているのに。

John Dowland - Flow my tears - Emma Kirkby & David Thomas




”Fine knacks for ladies”(珍品はいかが、ご婦人がた)
ダウランドの作品のなかでも人気曲の一つ。演奏会でも比較的よく演奏されるらしい。
とっても明るく軽快な曲で、歌詞も楽しくて面白い。
独唱、重唱、合唱と形式はいろいろあるけれど、この曲で好きなのはソノリティの軽やかなアンサンブルの歌。
軽快でユーモアのある曲の雰囲気が一番よく出ている気がする。

King´s Singer´s History Tour - Fine knacks for ladies.wmv




”White as Lilies was Her Face”(百合のように白い顔をして)
第2巻で一番好きな曲。最初タイトルを見たときは恋歌なのかと思ったけれど、その逆。
歌詞を読むと、裏切った恋人に対する恨みつらみを歌っている。
とてもシンプルな旋律が、強弱を変えながら、何度もしつこいくらい繰り返される。
歌詞には棘がたくさんあるけれど、短調でも軽快なリズムの旋律なので、暗さは全然なし。
それに、リュート伴奏なしのアカペラでソノリティが軽やか。ハーモニーがとても綺麗。

John Dowland - White as Lilies was Her Face - feat. Emma Kirkby


tag : ダウランド

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【新譜情報】 レーゼル ~ ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ・ベスト
レーゼルの『ベートヴェンの真影 ピアノ・ソナタ全集』シリーズから、4曲を収録したベスト盤がリリースされる。3月13日にキングレコードからSACDで発売予定。

ベスト盤も良いけれど、ピアノ・ソナタ全集BOXと、セッション録音していたらしいベートーヴェンのピアノ協奏曲(全集?)を早くリリースして欲しいんだけど。

今回発売予定のベスト盤に収録されているのは、「月光」「悲愴」「熱情」と「第30番 Op.109」。
第30番が選曲されているのは、珍しいカップリング。
この曲はレーゼルが初録音した曲。インタビュー記事を読んでいると、東ドイツ時代にはあまり弾いていなかったように思える。
レーゼル自身、この第30番が今回のツィクルスで「一番印象が深く、自分の演奏のなかで最も気に入っている」し、今回の全集録音のなかでも特に満足する出来だったと言っている。
最終楽章の変奏曲は、「シンプルなテーマのヴァリエーションのなかに、ほんとうに豊かな宇宙が凝縮されている。変奏ごとに多様な音楽内容が凝縮されているのが素晴らしく、それがこの曲に私が思い入れを持つ理由の一つです。」(出典:[インタヴュー]ペーター・レーゼル(青澤隆明)[レコード芸術,2012年3月号])
実際、録音をきいた印象では、叙情性の強い第31番よりもこの第30番の方が、さらりとした叙情感とかっちりとした構築力のあるレーゼルのピアニズムに似合っている気がする。

他の3曲については、CDで聴く限り「月光」(第3楽章)と「熱情」は、ベスト盤に入って当然と思うくらいに素晴らしいと思った演奏。
でも、「悲愴」ソナタを入れるくらいなら、標題付きの曲のうち「テンペスト」か「ワルトシュタイン」の方が、個人的にはずっと印象的。
それに、ベスト盤ということなら、最後のソナタ第32番が本当に素晴らしかったので(特に第1楽章)、この曲を入れてくれたら良かったのに...と思うけど、他の曲とのバランスから考えてそれは無理な話。
それよりも、7大ソナタ(標題付きの曲ばかり)と後期ソナタ集(第28番~第32番)の2種類があれば、ベスト盤としてはベストなんじゃないかと..。(でも、全集盤が売れにくくなってしまいそう)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・ベストベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・ベスト
(2013/03/13)
レーゼル(ペーター)

試聴ファイル


tag : ベートーヴェン レーゼル

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鉄分の多い食べ物ときな粉の効用
たまたまショピングセンターに珍しく来ていた日赤の献血車で、献血のための血液検査をしたところ、ヘモグロビン濃度(平均赤血球血色素量)が正常下限値をはるかに下回っていたので、献血できず。
(ずっと昔に献血しようとして、この時も比重が軽すぎて(水みたいに薄いと言われた)、献血できなかった)

日赤の医師には、治療せよ!と言われてしまったけれど、もう何十年も鉄欠乏性の貧血状態が慢性化している。
特に自覚症状らしきものはなく(階段を上ったり走ったときの動悸・息切れはある)、体調も良いし、日常生活には全く支障ないんだけど。

貧血について少し調べてみると、貧血は耳鳴りの原因の一つ。
ビタミンB12が不足しても貧血が起こるらしい。
そういえば、ビタミンB12と血流改善薬を飲んでいたら、一時的に耳鳴りが小さくなったことはある。(因果関係はよくわからない)
このひどい貧血状態が、原因不明・難治性の耳鳴りの原因の一つなのかも?


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鉄分の多い食品
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サプリメント程度で改善するレベルではない酷い貧血でも、鉄分注射をすれば一時的には正常値に回復したことはあるが、注射を止めてしばらくすると再び貧血状態に戻ってしまった。医者通いも面倒だし、そうなると日常的な食生活で鉄分を多くとるしかない。

鉄分を多く含む食品を調べるには、「日本食品標準成分表」のデータベースが便利。

毎日たくさん食べている大豆製品の鉄分含有量(100g当たり)を調べると
 きな粉(200ccカップ一杯分強)9.2mg
 木綿豆腐(1/4丁)0.9mg
 豆乳(100ml)1.2mg
 納豆(2パック強)3.3mgg

鉄分の多い食品と、食品の鉄分の含有量一覧表 [簡単!栄養andカロリー計算]

冬には毎日きな粉を40g~60gくらい(食べすぎのような気がするけど)。
(最近かなり太ってきたのは、やっぱりきな粉の食べすぎのせい。きな粉は10gで46kcal。食後に60gも食べれば、300kcal近くになる。どうもきな粉依存症的な気もするので、1日1回10gか2回20gに減らすことにした。)
木綿豆腐は100g。きな粉とお豆腐だけで鉄分が4.5mg以上。
さらにお味噌汁、納豆、厚揚げなどを加えると、鉄分の必要摂取量に近いくらい摂っている。

大豆製品以外によく食べている食材の鉄分含有量(100g当たり)は、
 煮干し 18.0mg
 オートミール 3.9mg
 コーンミール 1.5mg
 スパゲティ(乾) 1.4mg


いりこの粉末だしを使っているので、煮干しを食べているのと同じ効果はあるかも。
「食べる煮干」は、酸化防止剤無添加で、だし用の煮干よりも小さくて食べやすい。
オートミールやコーンミールは食パンやクッキーにそれぞれ30gくらい混ぜ込んだり、オートミール粥にして食べたり。スパゲティは50gくらいを時々夕食に食べている。

大豆製品とそれ以外の食品を全部足し合わせていくと、毎日かなりの鉄分が摂れているはず。
そのわりには、ヘモグロビン含有量が異常に低い。
鉄分の吸収が悪い食べ合わせなのか(紅茶のタンニンは良くないらしい)、検査時の体調も多少影響しているのか、よくわからない。
100ml中のタンニンの含有量/コーヒー:70mg、緑茶:70mg、紅茶:100mg、麦茶:10mg


第5回「牛乳と豆乳の違いは?」 [水泳教室・水泳レッスンのフリースタイル/ 今井愛の栄養コラム]
牛乳はカルシウムは多く、鉄分はゼロ。豆乳はカルシウムが少ないが、鉄分が多い。
毎日100g食べている木綿豆腐は、カルシウムも鉄分も多い。製法の違いによるのか、カルシウムが多いのは、絹こしよりも木綿豆腐。
乳製品はカルシウムは豊富だけれど、鉄分がゼロに近いこと、それにコレステロールが多いのが問題。
逆に大豆製品は鉄分が豊富。カルシウムも加工製品ならかなり含まれている。
乳製品はヨーグルトとスキムミルク以外はほとんど摂らず、大豆製品を多量に食べているので、コレステロールは低く、カルシウム・鉄分がそこそこ取れる。
実際、血液検査のコレステロール値(CHOL)はかなり低くて下限値に近かったので、脂質の少ない食生活にはなっている。

食事療法のすすめ方 貧血の食事非ヘム鉄の吸収率[以上、東京都病院経営本部]
食物の鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄があり、非ヘム鉄の吸収利用率はヘム鉄の1/10。(※吸収率:ヘム鉄は10-20%、非ヘム鉄は1-6%くらい)
ヘム鉄:肉や魚介類の内臓や赤身などに多い
非ヘム鉄:卵・乳製品など、または、大豆・野菜・海藻・穀類などに多い。
非ヘム鉄の吸収率を高めるには、動物性たんぱく質(肉や魚など)やビタミンC(野菜・果物)を一緒に食べること。

あれだけ大豆製品から鉄分を多く摂っているのに、なぜひどい貧血状態なのか不思議だったけれど、東京都病院の医療情報を読んで、大豆製品の非ヘム鉄は吸収率が悪いからだと気がついた。
卵と乳製品も非へム鉄なので、大豆製品を食べるときは、魚(動物性たんぱく質)や野菜・果物(ビタミンC)も一緒に食べないと、鉄分が吸収されにくい。
肉類は食べないので、ビタミンCのサプリメントを食事と一緒に摂るのが、一番効果がありそうな気がする。

大豆オリゴ糖[豆乳で健康レシピ]
大豆製品に含まれている「大豆オリゴ糖」は他のオリゴ糖に比べ甘みが強く、カロリーは砂糖の半分。より少ない量で腸内のビフィズス菌の増加を促すため、便秘改善には効果がある。

大豆オリゴ糖[「健康食品」の安全性・有効性情報/独立行政法人 国立健康・栄養研究所]
代表的な大豆オリゴ糖はスタキオースとラフィノースであり、甘味度は砂糖の70%。
俗に「ビフィズス菌を増やし、腸の健康に役立ち、便通改善作用がある」といわれている。
摂りすぎあるいは体調により、おなかが緩くなる。


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きな粉とプリン体
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”過ぎたるは及ばざるが如し”という言葉があるように、大豆製品(特に、きな粉)を大量に食べると鉄分やカルシウムは充分取れたとしても、思わぬ副作用があるのでは?と思ったので、きな粉の栄養と過剰摂取に関する情報を調べてみた。

きな粉の栄養・効用
大豆は良質の植物性タンパク質源。きな粉は「畑の肉」と言われるくらい脂質、糖質、食物繊維、ミネラル、ビタミンなどの栄養も豊富。カロリーがかなり高く、100g当たり437kcal。(小麦粉は368kcal、上新粉は362kcal)
きな粉な血液をアルカリ性に保ち、尿をアルカリ化する。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似ている生理作用を持つ物質(植物エストロゲン)。弱いエストロゲン作用から更年期障害や(2型)糖尿病の改善に効果があるといわれている。

きな粉とプリン体
きな粉は「プリン体」を多量に含んでいる。
プリン体を多量に摂取すると血液が尿酸過多となり、「痛風」を引起す。
「食品中のプリン体含有量」のデータを見ると、肉・魚類、酒類、大豆製品(特に乾燥大豆と納豆)には、重量100gあたりプリン体含有量が多い。
野菜に含まれる「ベジタブルプリン」は尿酸を増加させない。(大豆が野菜に含まれるのかどうか不明)

尿酸と痛風
高尿酸血症や痛風になりやすい人のタイプ:過食・美食・早食い、肥満、アルコールの飲み過ぎ、高ストレス。(血縁者に痛風患者がいるという遺伝的要因の場合もあり)
痛風患者の9割以上が男性。
女性は高尿酸血症や痛風になりにくい:一般的に尿酸の血清尿酸値(血液中の濃度)は男性よりも女性の方が低い。この男女差は女性ホルモンが原因。
女性ホルモンの働き:腎臓に尿酸の排泄を促がすため、尿酸値が低く維持される。ただし、女性も更年期以降は尿酸値が上昇して、高尿酸血症や痛風を発症しやすくなる。
利尿作用のある緑茶・紅茶・コーヒー等の多量摂取は、大量の尿酸が体外に排泄されることにつながる。


<参考サイト>
きなこダイエット
一頃流行ったらしい「きなこダイエット」。牛乳や豆乳にきなこを入れて飲むだけ。
きな粉に含まれる大豆サポニン、大豆イソフラボン、大豆ペプチドが体には良い。、食べ過ぎると逆に太りそう。
きなこをそのままの状態で100g食べる人はあまりいないだろうけど、きなこ牛乳にしたり、黒蜜きな粉にしてお餅・わらび餅・お豆腐とかにたっぷりかければ、結構な量になる。

痛風の食事[痛風情報館]
この情報を読む限り、肉類はほとんど・アルコールは全く摂らない食生活であれば、魚を毎日大量に食べない限り、大豆製品をたくさん食べていたとしても、痛風リスクは低い。
それに、大豆はプリン体を比較的多く含んでいるが、尿をアルカリ化する食品なので尿酸値を下げる効果がある。
高プリン体野菜(プリンリッチベジタブル)も、痛風発作を起こしにくい食べ物なので気にする必要はない。

食品・飲料中のプリン体含有量[公益財団法人痛風財団]
『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』では、食事療法について『1日400mgを目安にしたプリン体の摂取制限』がある。
痛風になりやすい食生活は、肉や魚介類をたくさん食べる、それにアルコールを欠かさないというパターン。
アルコール飲料のプリン体量はあまり多くないが、アルコールの作用が加わって尿酸値が上昇する。

「痛風の原因はビール」か? 可能性大。毎日飲む人は、飲まない人の2倍のリスク。 [PRESIDENT ONLINE:食の研究所・暮らしなんでも事典]
お酒を毎日飲む人は痛風の危険度が2倍で、特にビールを飲む人の危険度が高い。
私はお酒は全く飲まないので(飲むのは、お正月にみりんで作ったお屠蘇くらい)、アルコールによる痛風リスクはゼロ。

食品中プリン体含量(mg/100g)[kirinホームページ]
食品のプリン体窒素含有量ランク別分類(mg/100g)(痛風の患者さんへ/つばきもと医院)

ビールと尿酸の関係に関する研究[キリンホールディングズ]
ビールや発泡酒に含まれるプリン体と尿酸値の関係の研究結果では、「ビール摂取によって尿酸値が一過性に上昇する...、この上昇は、ビール中のアルコール以外の成分によって引き起こされる」、「プリン体を除去した発泡酒を飲用した場合には、尿酸値が上昇しない」。
kirinの「淡麗ダブル」は、プリン体を99%カットした発砲酒。

これで防げる!痛風(ここが聞きたい!名医にQ(2011年08月27日放送))[NHK健康ホームページ]


<関連記事>
きな粉に関するトピックス~活用レシピ、イソフラボン&グルタミン酸

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ブレハッチ ~ ショパン/ピアノ協奏曲第1番
最近はショパンの音楽はほとんど聴かなくなってしまったので、ショパンコンクールがインターネットで中継・録画されていても見たことがなく、優勝者の名前を聞いた事があったとしても、全然覚えていなかった。

シマノフスキはわりと好きな作曲家なので、シマノフスキ録音を探していてたまたま見つけたのが、ブレハッチのドビュッシー&シマノフスキの新譜。
どこかで聞いたことがある名前のピアニストだなあと思ったら、2005年のショパンコンクールの優勝者。
この新譜の演奏がとてもよかったので、コンクールのライブ映像でショパンのピアノ協奏曲第1番を聴いてみると、これは素晴らしく素敵。この曲の演奏では久しぶりに好きだと思えるくらいだった。

昔はこのコンチェルトがとても好きで、CDも結構集めていた。
今一番好きな演奏は、一般的な名盤の類ではなく、若い頃のソコロフのスタジオ録音アラウ&クレンペラーのライブ録音と、かなり好みが偏っている。
今更コンクールの話題でもないのだろうけど、ブレハッチのこのライブ演奏は、硬質で研ぎ澄まされた音がとても綺麗。品の良い煌くような輝きと、澄み切った濁りのなさにしっとりした潤いのある音は、気品漂う美しさ。
彼のタッチは強打はせずとも、しなしなすることのない力強さがあり、演奏は緊張感に満ちてきりりと引き締まっている。全く評判どおりに素晴らしくて、特に一番好きな第1楽章の凛とした気品と美しさにうっとり。

2005年ショパン・コンクールのファイナルでのライブ映像。地元ポーランド出身ということもあって、凄い重圧がかかっていたのだろうけど、それが演奏の張り詰めた緊張感の美しさに繋がっていたのかも。

Rafal Blechacz Chopin C31oncerto N°1 Mov 1 Allegro maestoso.



ブレハッチがショパンコンクールで弾いた全演奏を収録したCDが今月末にリリース予定。
すでに2枚の分売盤で発売中の音源を2枚組にして廉価盤で再発売するもの。

ショパン:名演集ショパン:名演集~第15回ショパン・コンクール・ライヴ
(2013/01/30)
ブレハッチ(ラファウ)

商品詳細を見る



<参考記事>
”ブレハッチのピアノで「ショパンピアノ協奏曲集」を聴く” [An die MusikクラシックCD試聴記]
”ラファウ・ブレハッチ オール・ショパン・プログラム @リリア川口 10/15”[アリスの音楽館]

tag : ショパン ブレハッチ

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カッチェン  ~ ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
年末年始になるとなぜか聴きたくなるのが、ベートーヴェンの《ピアノ協奏曲第4番》と《合唱幻想曲》。
第4番のコンチェルトは、ずっと昔はアラウのPhilips盤のスタジオ録音(新盤の方)をよく聴いていた。
テンポが遅いことこの上ないけれど、静寂で聖母が微笑んでいるような包容力のあるピアノは、最晩年にさしかかったアラウでしか弾けない。
最近よく聴いているのが、ーンスタインの指揮によるアムネスティコンサートのライブ録音(1976年)で、アラウが73歳頃の演奏。
スタジオ録音よりもややテンポが速めで、技巧的な衰えもあまり感じないし、静けさと穏やかさを湛えた演奏がとても心地良い。
このライブは、CD以外にYoutubeのライブ映像で聴ける(見られる)のはとても貴重。

他の録音も数多く聴いてきたけれど、結局一番よく聴いてきたのは、アラウと並んでカッチェンのDECCA盤スタジオ録音。
彼のピアノ協奏曲や独奏曲のブラームス録音よりも、聴いている回数はずっと多いほどに、このベートーヴェンはとても気にいっている。
カッチェンの第4番の録音は、知っているだけで3種類。

1962年 ライブ録音(Doremi盤) (ヨッフム指揮バイエルン放送響)
1963年 スタジオ録音(DECCA盤)(ガンバ指揮ロンドン響)
1968年 ライブ映像[プラハの春音楽祭](DVDのレーベル不明)(ノイマン指揮プラハ響)


1962年 ガンバ指揮ロンドン響(DECCA盤/スタジオ録音)

Piano Concertos Choral Fantasy Diabelli VariationsPiano Concertos Choral Fantasy Diabelli Variations
(2007/05/15)
London Symphony Orchestra

試聴する(米amazon)

輸入盤の分売盤もある。国内盤のCDもあるけれど、ピアノの音が小さめなので、輸入盤の方を聴いている。

Piano soloのパート譜(IMSLP


DECCA盤のベートーヴェン録音は、カッチェンの代表的録音の一つ。
この録音のレビューでよく指摘される欠点といえば、テンポが加速すること。
もともと速めのテンポなのに、細かいパッセージで盛り上がっていくところになると、指が良く回ってテンポが走り、止まるに止まれぬ勢い。
その分、躍動感が強く、弱音部分との対比が鮮やかにはなっている。(そのパッセージが終わると、ちゃんと元のテンポに戻っている)

この”Rushing(突進する、急き込む)”するクセは、いろんな録音で聴き取れるので、若い頃からなかなかコントロールできなかったらしい。
それでも晩年の録音(といっても40歳くらい)のプロコフィエフやバルトークでは、年とともに自制できるようになったのか、カッチェンとの録音が多い指揮者のケルテスがテンポを上手くコントロールしていたのか、テンポが安定している。

テンポの点を除けば、第1楽章は弱音を基調に、カッチェン独特の強弱のバランス感覚が冴えて、明暗・静動のコントラストが鮮やか。
やや篭もり気味で丸みのあるコロコロと玉を転がすような弱音が独特で、弱音の醸しだす静寂な雰囲気がとても印象的。静かな微笑みを湛えた女王様のようなイメージ。
弱音で抑えた弾き方をしているので、フォルテに移るところは、直前のタメが良く利いて、力感と開放感が引き立ってくる。
その直後に弱音に変わると、さっきの勢いが一気に消え去り、何事もなかったように静けさが戻ってくる。

特に好きなフレーズは、”dolce e con espressione”が書き込まれている部分。(パート譜の9頁第2段。公出のライブ映像で言うなら、前半の7:14~)
トゥッティに入る直前、右手部分に装飾音記号が付けられた小節で、抑制した叙情感が切々と滲みでるような弾き方が素敵。感情を篭めてじりじりとにじり寄るように(とでも言おうか)弾くと、とても情感が強くなる。

カデンツァもテンポは速い。特にクライマックスの両手のアルペジオはアッチェレランドしていくので、そんなに速く弾かなくても..という気がしないでもないけれど、(情感たっぷりに弾かれるのも好きでないので)淀むことなく一気に走り抜けるスピード感は爽快。

テンポの速さやカデンツァでの力強さと勢いの良さはカッチェンらしいところではあっても、聴き終った時にはなぜか静寂さがとても印象に残る。

第2楽章は、カッチェンの弱音の陰翳と静寂さに加えて、沈み込んでいくような沈潜した雰囲気が全編に漂っている。
カッチェンの演奏の特徴の一つ”making time stand still"(時間を静止させる)する能力は、第1楽章だけでなく、こういう緩徐楽章に一番よく現れている。
第3楽章は快活に弾かれることが多いけれど、カッチェンの演奏は少し落ち着いたタッチ。
打鍵の切れ自体は良いけれど、威勢良く跳ね回ることなく、弱音で弾く旋律の柔らかい歌い回しにも品の良さがある。



1962年 ヨッフム指揮バイエルン放送響(doremi盤/ライブ録音)
録音状態がすこぶる悪く、歴史的資料としては貴重ではあっても鑑賞するには厳しい音質。
スタジオ録音よりもさらにテンポが速く、フォルテも強調されて、かなり騒々しい。

Live Performances: Beethoven/BLive Performances: Beethoven/B
(2010/09/14)
Katchen、Casals 他

試聴する




1968年 ノイマン指揮プラハ響(Youtubeのライブ映像)
カッチェンが何度か参加していた”プラハの春”音楽祭のライブ映像。
プラハ響を指揮しているのは、(少しだけ)若かりし頃の細身のノイマン。
この映像は放送用に録画したものらしく、全曲収録したDVDがあるようだけれど、かなり古いものなので市場には出回っていない。

Youtubeにあるのは第1楽章のライブ映像。doremi盤よりは音質的にまだしも聴きやすい。
それに、ピアノを弾いている姿を見ることができるのが何より良いところ。
指がよく回りすぎて困るんじゃないかと思うくらいに、いつのように速いテンポながらも、カッチェンにしてはテンポが安定していて、力感と透明感のある叙情感のバランスも良い。
(音質が悪いこともあって)スタジオ録音のような弱音の静けさや陰翳がやや薄いのかもしれないけれど、何度聴いてもスタジオ録音と同じくらいに聴き惚れてしまうので、全楽章聴くことができないのが本当に残念。

Katchen-Beethoven I (第1楽章前半)


Katchen-Beethoven II (第1楽章後半)


 『ジュリアス・カッチェンにまつわるお話』

 ジュリアス・カッチェンのディスコグラフィ

tag : ベートーヴェン カッチェン

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フィオレンティーノ ~ シューベルト/即興曲集D899
『セルジオ・フィオレンティーノ・エディション Vol.1:ベルリン・レコーディングス 1994-97』に収録されているシューベルト作品は、ピアノ・ソナタ第4番、第13番、第21番と即興曲D.899(No.90)。
特に良かったのは、初めて聴いた曲のピアノ・ソナタ第13番と、もともと好きな即興曲集D.899。
苦手なシューベルトでも、フィオレンティーノが弾くシューベルトは、流麗で優美な中にも激しさがほとばしり、叙情美しく気品漂うところに魅かれるし、なぜか”古き良き時代”を思い出させるようなノスタルジーを感じてしまう。

『Sergio Fiorentino Edition Vol.1 :The Berlin Recordings 1994-97』
Berlin Recordings-Fiorentino Edition Vol. 1Berlin Recordings-Fiorentino Edition Vol. 1
(2012/01/10)
Fiorentino

試聴ファイル(分売盤にリンク)



即興曲集(4 Impromptus) D899,Op.90  [ピティナ作品解説]

砂糖菓子のように甘く可愛らしい音色が素敵だった第13番の演奏とは違って、《即興曲集D899》になると音色も雰囲気も曲ごとにいろいろ変わっていく。
優雅で優しい部分とパッショネイトな部分のコントラストが鮮明で、情緒過多になることなく、叙情豊かで品良いところがフィオレンティーノらしい。

Schubert - Sergio Fiorentino (1997) 4 Impromptus D 899



第1曲 ハ短調 Allegro molto moderato
物思いに沈むような主題部がもの哀しい。少しノスタルジックな雰囲気。
展開部は、覚醒したように力強くドラマティック。

第2曲 変ホ長調 Allegro 
この曲はなぜか勢いの良い強いタッチのフォルテで弾く人が多いような気がする。(騒々しくてあまり好きな弾き方ではないんだけど)
耳で聴いてもわかるとおり、譜面を見るとととてもシンプルな旋律と伴奏。
右手の主題旋律は練習曲のように、スケールをベースに鍵盤上を上がったり下がったり。
途中で挿入される短調の部分は、決然とした力強い和音の主題に変わる。

フィオレンティーノが弾くと、冒頭の右手旋律は粒立ちのよい音が柔らかいレガートで繋がっていて優雅。
左手伴奏も右手よりも弱音にして、ふんわりと軽くリズミカル。
短調に転調した部分は、決然とした雰囲気に変わる。強いタッチで一本調子になりがちなところを、フィオレンティーはタッチの強弱を変え、同じパターンの音型でも表情がころころと変化するので、単調になることなく。

即興曲集4曲の演奏のなかでは、この曲が一番印象的。フィオレンティーノらしい優美さと力強さの両方がうまくブレンドされている。

第3番 変ト長調 Andante 
この曲は強い叙情感が漂うのブレンデルの演奏が記憶に刷り込まれているので、それと比べると、太めのまろやかで暖かみのある音色が心地良く、明るい色調で落ち着いた穏やかな雰囲気。

第4曲 変イ長調 Allegretto
冒頭は短調と長調が入り混じり、右手高音部からカスケードのような流れ落ちてくるアルペジオが流麗。
短調に転調した部分は感情がほとばしるような激しさがあり、左手は単純な和音の伴奏なのに強弱の変化が強くて、これくらいパッショネイトな方が良い感じ。


<関連記事>
 フィオレンティーノ ~ シューベルト/ピアノ・ソナタ第13番 D664

tag : フィオレンティーノ シューベルト

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ブリテン/4つの海の間奏曲(歌劇「ピーター・グライムズ」より)
今年は英国の作曲家ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)の生誕100年にあたるので、ブリテンイヤー。
ブリテンといえば、オペラや《戦争レクイエム》が有名だろうけど、管弦楽曲や協奏曲もブリテンの才気が煌いている。
代表的な作品は、恩師フランク・ブリッジの主題をモチーフにした《フランク・ブリッジの主題による変奏曲》、《シンプル・シンフォニー》、《青少年のための管弦楽入門》、日本の皇紀2600年紀元節祝典曲として委嘱された《シンフォニア・ダ・レクイエム》、合唱付きの《春の交響曲》など。

新年の幕開けに聴く曲を考えてみたところ、一番良さそうだったのが、オペラ《ピーター・グライムズ》の間奏曲6曲のうち4曲を組曲とした《4つの海の間奏曲 Op.33a》(Four Sea Interludes from "Peter Grimes" )。
ブリテンの代表作《ピーター・グライムズ》は、”現代音楽的なオーケストレーションと伝統的なハーモニー構造とが絶妙に結び付いた、20世紀オペラの傑作”。(Berlin Philharmoniel Digital Concert Hallの解説)

《4つの海の間奏曲 Op.33a》は次の4曲で構成。
 第1曲「夜明け」(Dawn)
 第2曲「日曜の朝」(Sunday Morning)
 第3曲「月光」(Moonlight)
 第4曲「嵐」(Storm)

どの曲も、各楽器パートの旋律がくっきりと浮かび上がり、色彩感豊かで鮮やか。
タイトルの情景が浮かんできそうなくらいに、視覚喚起力がある。(歌劇の間奏曲なので、そう感じるのかも)
「夜明け」は、未明のまだ暗い夜空が白み始めていく時の冷んやりとした空気の清々しさを感じる。
「日曜の朝」は、ハリウッド映画に使われても違和感がないくらい。メロディと和声が綺麗で、休日の朝の自由で楽しげな活気に満ちている。
「月光」といえば、私がすぐ連想するのはベートーヴェンの「月光ソナタ」第1楽章とドビュッシーの「月の光」。ブリテンの「月光」は、この2曲とは随分違った雰囲気。広大な海を照らす「月光」は、悠然として大らか。
「嵐」には空間的な広さを感じるせいか、地上の嵐ではなく、海の上を吹きすさぶ嵐のイメージにぴったり。

Benjamin Britten - Four Sea Interludes from "Peter Grimes"
(Cincinnati Symphony Orchestra、Paavo Järvi)


ブリテンに関する過去記事リスト

tag : ブリテン

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プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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