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スコット・ロス ~ バッハ/パルティータ集
今年最後の記事は、バッハの《6つのパルティータ》。
バッハの鍵盤楽器の曲集のなかでは、もっとも人気のある《ゴルトベルク変奏曲》よりも、《平均律曲集》よりも、一番好きな曲集。次に好きなのは、《ヴァイオリンソナタ全集》と《イギリス組曲》。
パルティータでいつも聴く曲は、第1・2・6番。なぜか年末のこの時期に聴きたくなったのは、短調の第2番と第6番。
ピアノ演奏なら、曲によって好きなピアニストが違う。(第1番はフィオレンティーノ、第2番はソコロフ、第6番はエゴロフ)
チェンバロならスコット・ロス。チェンバロの音も演奏も一番私の波長にぴったり合っている。

Bach: 6 PartitasBach: 6 Partitas
(2005/02/21)
Scott Ross

試聴ファイル(allmusic.com)


ロスのパルティータを聴いていると、音は間違いなくチェンバロなのに、まるでピアノの演奏を聴いているように、私には全く違和感を感じることがないのが不思議。
そう感じる理由の一つは、(チェンバロにしては)金属的な響きの少ないまろやかな音色が耳に優しいこと、アゴーギクやルバートが強くないので(細かく緩いので)、インテンポにかなり近く感じること。
ロスのチェンバロの音は、今まで聴いたチェンバロのなかで一番好きな音色と響き。
CDのブックレットに記載されていないので、使用楽器が何かがわからない。
同年EMIに録音した《Goldberg変奏曲》ではDavid Ley、FrescobaldiではJean-Louis Valを弾いているので、このどちらか(バッハならDavid Ley?)なのかもしれない。

残響もほどよい長さで(EMIのゴルトベルク録音よりは長い)、厚みが薄めで軽やな弾力があって、ベタッとした叙情感が少なく、きりりと引き締まってすっきりした響き。
明るさと清々しさを感じさせる音が体の中にすっと入ってくる。
ロスのパルティータは、アゴーギクもルバートも強調せずに端正なくらいなのに、単調さを感じることはない。
何よりも、ひたすら前進していくような推進力と、生き生きとした生命力が湧き出て、瑞々しい躍動感のあるロスの演奏に惹きこまれて、じっと聴き入ってしまう。
そういう感覚は、ピアノ演奏を聴いたときでも、経験することは少ない。

パルティータ全集は1988年の録音。その1年後、ロスはエイズが原因で38歳で亡くなる。
<Scott Ross礼賛>に掲載されている『未完の運命-スコット・ロス伝(要約版)』の第7章を読むと、パルティータを録音していた頃にはロスは自らの死期を予感していたように受け取れる。
淀むことなく先へ進み続けるようなロス演奏は、限られた時間のなかで生き急いでいたようにも聴こえる。

パルティータのなかで最も好きな第2番。特に、Sinfonia、Rondeaux、Capriccioは聴く飽きることがない。
ロスの演奏は、鋭いタッチと速いテンポで集中力・凝縮力が高く、きりりと引き締まり、その生気と躍動感に惹きこまれてしまう。

BWV826 Partita No.2 in c Scott Ross 1988



第2番をピアノで聴くときは、美しい叙情感と力強い音の力が拮抗したようなソコロフの演奏。(30年以上も前に録音したもの)

Sokolov Bach Partita BWV 826




BWV830 Partita No.6 in e Scott Ross 1988




第6番のピアノ演奏なら、ユーリ・エゴロフのライブ録音。(エゴロフもエイズによる合併症のため33歳で亡くなっている)
特に素晴らしいのが、淡々と静かに語り掛けるようなトッカータ。
レガートな旋律と重なり合う柔らかな和声の響きは、天上から舞い降りたように清らかで美しい。

Youri Egorov Bach Partita 6 Toccata





末尾ながら、今年ブログをご覧下さった方、コメント下さった方、どうもありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。


tag : バッハ スコット・ロス ソコロフ エゴロフ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
低糖質パン ~ ローソン「ブランパン」、鳥越製粉「パンdeスマート」、低糖質パンレシピ
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ローソン「ブランパン」シリーズ
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低糖質で人気のあるローソンの「ブランパン」シリーズ

「原材料メーカーとの共同開発によるイノベーション “米ブラン”を配合した新しいブランパンが誕生「ブランパン」がより美味しく、より低糖質に」(2014年5月16日,ニュースリリース)

次々と発売されるコンビニのPBパンのなかでは、セブンイレブンの「金の食パン」」と並んで、オリジナリティがあるヒット商品。
「金の食パン」は糖質たっぷりなので食べる気はしないけれど、「ブランパン」のコンセプトは好感できる。
最近初めて買ったブランパンは、糖質が一番少ない丸パンの「ブランパン 2個入」。
価格は116円(税込125円)。巷の低糖質パンに比べて、とても安いのは◎。さすがに大量販売できるローソン。
ローソンのデータによれば、リピート率は46%と、通常のパンの2倍以上。
2014年のブランパンシリーズ売上高は、2013年の倍近くになる見込み。

普通の丸パンに比べると、ブランパンは見るからにちょっと小さい。
米粉ではなく、“米ブラン(米のふすま)”入りの生地なので、もっちりしっとり。
小麦ふすまというのは、糖質カットのためによく使われるけれど、「米のふすま」というのがあるのは初めて知った。

ブランパンシリーズのメーカーは、山崎製パン。乳化剤や甘味料など添加物が多いのは、(山崎パンに限らず)普通の袋物の菓子パンと同じ。
それに、増粘剤か米ブランを入れた影響なのか、「ネチャネチャ」感がある。
味はそれほど悪くないけれど、凄く美味しいというわけでもない。でも、毎日食べ続けられるくらいには美味しい。
1個あたり熱量67kcal、糖質2g少々と、低カロリー、低糖質。
普通のロールパンの15%くらいの糖質量なので、2個食べても糖質が全然気にならないのが最大の利点。

スイーツ代わりにブランパンを食べてみたい気もしたので、クリスマスに「ほろにがショコラ&ホイップブラン」を食べてみた。
糖質が11gくらいで、小麦で作った場合の1/3くらいの糖質量。
ケーキっぽい生地を期待していたら、普通のチョコ風味のパン生地だった。
ナイフで半分に切ってみると、空洞が多くて、生地部分が少ない。
生地は米ブランとシトラスファイバーのおかげでしっとりもちもち。米粉パン風の食感と味がするのがかなり好き。
チョコクリームはビターで美味しかったけれど、ホイップクリームが甘くなくて、もう一つ。
パンとしては普通に美味しいけれど、リピートしたいほどではない。
デザート代わりなら、(売り切れていた)ケーキのクグロフの方を食べた方がよかった気がする。
どうやら、温めて食べるとチョコとホイップクリームが溶けて美味しいらしい。
そこで、カット面を上にして、トースターのロールパンコースで少し温めから、パンをペチャンコにしてチョコ&ホイップクリームをサンドして食べてみた。
トロトロになったチョコ&ホイップクリームとパン生地が一緒に口の中にはいってきて、これはかなり美味しい。
こういう味と食感なら、リピートしたくなったくらい。

それでも、ブランパンを常食しようとは思わない理由は、普通の菓子パンと同じように、多種類の添加物が使われているし、割高な小麦&米ブランを使っているので価格の割りにどれも小ぶり。
それより、おから蒸しパンなら自分でも簡単に作れるし、大豆粉や小麦ふすまはネットで買えるので、(味や食感はともかく)自分で低糖質パンを作った方が添加物もほとんどなくて、低糖質パンを頻繁に買うよりは低コスト。
今度は、ホームベーカリーで大豆粉と小麦グルテンを作った低糖質パンを作りたくなってきた。

パンだけでなく、デザートにもブランシリーズがあるのを発見。
ロールケーキ1切れの糖質7.6gで、税込み180円。
プレミアムシリーズの普通のロールケーキと比べると、糖質量は半分くらいで、価格が2割くらい高い。
普通のロールケールと比べて、糖質量がかなり少ないわけでもないので、これはパス。

プレミアム ブランのロールケーキ


<関連データ>
日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 「ローソンの取り組み」(H25.12.16)
ブランパン発売(2012年6月~)以降、累計1,500万個販売(2012年6月~2013年9月)
-2013年売上高:約60億円
-2014年度売上高予測:約100億円超
-「ブランパン2個入」のリピート率(顧客が繰り返し購入される割合):46%(通常のパンの2倍以上)


<参考ブログ>
ローソン「ブランパン」新シリーズ登場!(2)[WADA-blog]
初★ローソン・ブランパン[ローカーボ女子]
米ふすまパワーに驚いた!ローソンの新しいブランパンは腹持ちがめっちゃいい!【PR】[ちわわのまま]
ローソン 『ほろにがショコラブラン』 買ってみました♪[鍵穴のない部屋 日記]



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鳥越製粉「「パンdeスマート」と低糖質ミックス粉シリーズ
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鳥越製粉は、ローソンのブランパンの原料粉を製造している製粉メーカー。
同社が発売している「パンdeスマート」は、焙煎した小麦皮の微粉末と小麦たんぱくが主成分のパン用ミックス粉。
これを使えば、自宅でも糖質80%オフの自家製低糖質パンが簡単に作れる便利なお粉。

ブラン粉は、原料に小麦や米などの穀物の皮(ふすま)を使用。
ふすまを使うと、全粒粉パンと同じく、膨らみが悪くなるので、吸水性が優れているオレンジの皮の内側の繊維を粉状にして加えることで、でんぷんがなくても、ふんわり膨らむという。
(原材料)小麦たんぱく、小麦ふすま(国産)、シトラスファイバー、 食塩、増粘多糖類。

TV「がっちりマンデー」で紹介された鳥越製粉 糖質80%OFFの粉がローソンのブランパンに使われています[暮らしの空間]

この「オレンジの皮を剥いた内側の白い繊維」は、シトラスファイバーのこと。
「ブランパン」や、「パンdeスマート」の原材料表示をみると「シトラスファイバー」が記載されている。
シトラスファイバーは、オレンジなどのかんきつ類の皮の裏の白い部分から取れる食物繊維。
寒天のように、多量の水を吸収して膨張するので、ダイエット用食品によく使われている。
パン生地などに加えることでやわらかくふわっとした食感を 持続することが出来るというので、大豆粉パンやふすまパンのレシピにも使われている。
シトラスファイバーの代わりに、吸水性と保水性の高いおからパウダーをつかっても、ふわふわしっとりしそうな気がする。

同社では、「パンdeスマート」に加えて、オーツブラン、ホットケーキ、お好み焼、めん(麺)用の低糖質ミックス粉も発売中。
最近発売されたのが、フィリップス製ヌードルメーカー専用のミックス粉。糖質を最大70%カット。
原材料は、小麦たんぱく、難消化性とうもろこしでん粉(遺伝子組換え不分別)、 オーツブラン、加工でん粉、セルロース、増粘剤(アルギン酸エステル)、 グルコマンナン。

「パンdeスマート」は、一度使ってみたいなあと思うけれど、1kg2000円近くと、市販の強力粉(国産/輸入)の5倍~10倍くらい、小麦粉のパン用ミックス粉の5倍ほどと、かなり高額。
今のところ、糖尿病でも肥満でもなく、そういう高コストの低糖質パンを常食する必要がないので、買う気にはならない。
自分で作るとしたら、大豆粉・小麦ふすま・小麦グルテンを買ってホームベーカリーで作るほうが、美味しいかどうかは別として、コスト的にはかなり安くなる。


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小麦ふすまや大豆粉を使った手作りパンレシピ
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自家製低糖質パンを作るのに必要なのは、小麦ふすまや大豆粉といった糖質が低い粉と小麦グルテン。
他にアーモンドパウダーやシトラスファイバーなどを加えることもある。

『大豆粉でつくる、糖質オフでもこんなにおいしいパンとお菓子』
このレシピブックは、大豆粉と小麦グルテンがベースなので、アーモンド粉を使うレシピよりも手軽でコスト的には安い。
味の方は、たぶんアーモンド粉を使った方がずっと美味しくなると思うけど。
ほとんどが手捏ね用レシピで、ホームベーカリー用レシピは1つだけ。
大豆粉に対する小麦グルテンの比率は、40%(もっちり)、60%(しっとり)、80%(さっくり)の3パターン。
パンの種類も多く、クッキーやマフィンなどのお菓子のレシピも入っているので、バリエーションは豊富。
お味の方は、一度作って食べてみないとわからないけれど、シンプルな材料から考えて、大豆粉独特の風味と食感がありそう。
カスタマーレビューを読むと、なかなか上手く作れない場合も多いらしい。
大豆粉とグルテンはメーカーによっていろいろ特性が違っているので、まず粉選びがポイント。

大豆粉でつくる、糖質オフでもこんなにおいしいパンとお菓子大豆粉でつくる、糖質オフでもこんなにおいしいパンとお菓子
(2013/07/23)
森田 康行、栗崎 優子 他

商品詳細を見る




低糖質パン レシピ一覧[キッチンは実験室~Experiment in the kitchen : 血糖値を上げない、ふとらないお菓子やパンのレシピの研究]
小麦ふすま、大豆粉、アーモンド粉などを使った低糖質パンレシピ集。
手捏ねとホームベーカリー用のレシピが多種類あり、市販の低糖質パン並みに材料がかなり凝っている。
特に参考になったのは、「HBで低コスト・低カロリーな全粒粉風・湯捏ね大豆粉パン(珠美人)~低糖質」のレシピ。
メーカーによる大豆粉の違いが書いてあって、失活処理をしている「みたけ」の大豆粉は膨らみにくく、よく膨らむユウテックの「珠美人」は捏ねる前に熱湯をかけると、特有の青臭さが消えると言う。
バター不足の原因と自家製バターを作る方法
今年もこの時期になると、またしてもバター不足。(私はバターは使わないので困らないけど)
家庭用バターは店頭でもかなり品薄で、購入は1人につき1箱と限定しているお店もよく見かける。
バターは国が輸入制限しているため、急遽一時的に緊急輸入したり、メーカーにバター生産を増やすよう国が要請したりしているせいか、私がよく行く複数のお店では、品切れしていることはない。

オンラインニュースを読むと、バター不足の原因は、酪農家の減少とバターよりも牛乳・ヨーグルト生産を優先しているため。
優先順位は、飲料用の牛乳、次に生クリームやヨーグルト、そしてチーズ、最後に脱脂粉乳・バター。
農水省ホームページの「バター不足に関するQ&A」を読むと、「バターや脱脂粉乳は、生乳が多く生産される時は在庫として積み上げておき、生乳生産が不足する時は、バターや脱脂粉乳の生産を減らす替わりに在庫を放出するといった需給調整弁」の役割があるので、生乳生産が減少すると、牛乳や生クリームに比べて、バターの品不足が酷くなる。

でも、↓の記事を読むと、原因はそれだけではないらしい。

「バター不足の怪。牛乳やチーズは山ほど売ってるのに、なぜ?」ハーバー・ビジネス・オンライン,2014/12/07]

バター生産には、奇妙な補助金が出されている。
やはりバターも補助金なしでは採算ベースにのらないらしい。
「北海道が占める全国の牛乳シェアは2割にすぎない一方、加工用は8割」だという。
そういえば、店頭で販売しているメジャーなバターは、どれも北海道産なのを思い出した。
バターの価格は値上がりする一方だし、毎年恒例のように品不足になるし、一体この補助金の効果はどこにあるのだろう??
こういう変てこな補助金は、酪農に限らず、いろんな農業分野にばら撒かれていそう。


<自家製バターの作り方>

クリスマスなのにバター不足になっていたせいか、手作りバターのレシピがクックパッドに載っていた。

【試してみた】今こそ「手作りバター」にチャレンジ!
新鮮!生クリームから手作りバター1
新鮮!簡単!生クリームから手作りバター2

いつもは生クリームもバターも使わないけれど、生クリームを使った出来立てバターはかなり美味しいらしい。
いろいろ調べてみると、乳化剤や安定剤などの添加物が一切入っていない、動物性純生クリームを使わないと、ホイップクリームはできても、バターは出来ない。
動物性生クリームでも添加物が入っているものは多いし(特に安い生クリーム)、植物性生クリームではバターは作れない。
今バター作りに挑戦しているのですがバターが...[Yahoo知恵袋]


例年のことながら、クリスマスを過ぎると、売れ残った年末が賞味期限の生クリームが半額になっていた。
一度実験してみたくなったので、乳脂肪分が48%と高く、添加物ゼロの「雪印メグミルク 生クリーム48 200ml」を購入。
200mlの生クリームから作れるバターは100gくらい。
少しホイップクリームとしても使いたいので、80~90gくらいバターが作れそう。

29日、早速自家製バター作りを実験。
洗い物が少なそうだったので、生クリームをパックごと振る方法で開始。
20分くらい振り続けても、なかなかバターミルクとバターに分離する気配がない。
いい加減腕が疲れてきたので、ボールでホイップする方法に変更。
パックから固まっている生クリームを取り出すときに、クリームがベタベタ手につくし、パックにクリームが残ってしまうし、最初からボールでホイップした方が良かった。
ヘラでボールのなかの生クリームをグルグルかき混ぜていると、すぐにバターミルクが出てきて、ちゃんと分離した。
バターミルクを飲んでみると、甘くて美味しい。

バターに、脂肪分を固めるためと保存のために、少し塩を入れて練っていくと、黄色いバターが出来上がり。
少し食べてみたけれど、塩気が少なくて、まろやかというかぼんやりした味わい。
普段バターはほとんど食べないので、これが美味しいのかどうか良くわからない。
ほうれんそうパンに少量のバターをのせてトーストしてみたら、冷たいバターよりは美味しい。
でも、途中で少し取り出しておいた生クリームをホイップして、ほうれんそうパンにつけて食べると、砂糖も入れていないにほんのり甘みがあって、バターよりもずっと美味しかった。

バターづくりで手間がかかるのは、最後の洗い物。
ボールがバターだらけだったので、全粒粉・小麦ふすま・オートミールとバターミルクをボールに入れて、パンケーキを作ってみると、ミルキーな味がして、これは美味しい。

バターが自家製できるのはわかったけれど、作ったバターは傷みやすい(保存は(冷蔵庫で数日)ので、10gくらいずつ丸めてラップで飴玉みたいにくるんで、冷凍保存。使い切るのに、数ヶ月はかかりそう。
安い高濃度の純生クリームが手に入るなら、たまには自家製バターを作っても良いかも。
鉄欠乏性貧血と「新型栄養失調」
若い頃から慢性的な鉄欠乏貧血なので、献血したのは20年前が最後。
その後、何度か赤十字の献血車を見かけたときに献血しようとしても、いつも血液検査で血が薄すぎてNG。
2年前も同じく献血できなかったけれど、その後食生活を大幅に変えてみると貧血が完治。昨日20年ぶりに献血できた。
今は体重が50kg以下なので、400mlではなく200ml献血。看護婦さんに、とっても血が濃いと言われて、なぜか嬉しい。

今までの血液検査のデータでは、2年前は極度の貧血状態で、赤十字の医師からは食事やサプリメントでは改善しないので、鉄分注射でしっかり治療をするように言われていた。
鉄分注射はずっと昔したことがあり、3ヶ月ほど続ければ正常値まで上がるけれど、しばらくすると元に戻ってしまうので、単なる対症療法。
もともと医者と薬は極力避けているし、根本的に貧血を治すには食事療法しかない。

体重を元に計算した1日摂取カロリーの目安は、概ね1400kcal程度。
カロリーベースで換算すると、2年前の食生活では、炭水化物(主としてご飯、パン・麺類・クッキー・ケーキなどの小麦製品、イモ類など)が60~70%近い。糖質量は210g~250g/日。
今から考えると、炭水化物の過剰摂取のため、たんぱく質・脂肪が少なすぎた。貧血のため、階段を上ると動悸・息切れしていた。
玄米魚菜食に近い食生活だったので(ただし、小麦製品は大好き)、動物性食品・脂肪や砂糖はごく少量。
自分ではわりとヘルシーな食生活のつもりだったのに、爪にボー線は出てくるし、二枚爪とか割れ爪になったりして、これは明らかに栄養不良のしるし。
ビタミン剤を毎日飲むと症状は軽くなるけれど、それを飲まなくなると、またぶり返す。

いろいろ調べていると、栄養過剰状態としか思えない今の日本人の食生活で、最近増えてきたのがなぜか「新型栄養失調」。
「新型」というところがポイントで、規則正しく三食食べて、肉やバターなどの動物性油脂は少なくして、ご飯や野菜を多くとる”ヘルシー”な食生活なのに、なぜか栄養失調状態になっている人が増えている。
私の以前の食生活にかなり当てはまることが多いので、貧血状態のときは、ずっと「新型栄養失調」だったのかもしれない気がしてきた。

<参考情報>
lまさかわたしが?急増する新型・栄養失調の恐怖[ためしてガッテン,2010年04月28日放送]
新型栄養失調が急増中!高齢者に広がる新型栄養失調[NHKニュース,11月15日放送]
増える「新型栄養失調」【管理栄養士 森田千雅子氏】インタビュー[welbymedia]
粗食は「新型栄養失調」の原因?[dot.]
シニア世代にも肉食をすすめるのはなぜなの?[dot.]

年とともに代謝の衰えも感じていたので、栄養状態の改善と糖尿病予防が目的で、2年前の春から食生活を大幅に変えてみた。
炭水化物(食物繊維を除いた糖質)を半分以下に減らし、たんぱく質・脂肪の摂取量を増やしてみると、体重が最大8kg減。(これはカロリー不足による痩せすぎ)
これでは体力が無くなるので、たんぱく質と脂肪をさらに増やすと、体重が多少戻って、今ではピーク時よりも5kg減で、BMI18。

主なたんぱく源は、大豆製品とナッツ・豆類。(たまに魚類、卵と毎日少量のヨーグルト)
特に、きな粉は鉄分豊富なので(重量100gあたり9.5mg程度)、毎日100g以上食べているし、さらにおから、豆腐、厚揚げや、野菜などから摂る鉄分を加えれば、(吸収率は考慮せず数値的だけみれば)1日あたりの鉄分の必要摂取量をほぼ充足しているはず。
植物性食品よりも動物性食品に含まれる鉄分の方がずっと吸収率が良いと言われている。
MEC食(肉・卵・乳製品)はあまり食べないので(いくら鉄分豊富でもレバーは絶対食べない)、主として植物性食品からとる鉄分だけで、貧血が治ったのは予想外。
冬眠前のクマがせっせと木の実を食べるだけあって、ナッツ・豆類(ピーナッツ)も、脂肪・たんぱく質が多くて栄養豊富なので、大豆・ナッツ・その他の豆類だけで、1日の摂取カロリーの半分になる。

我ながらかなり偏った食生活のような気はするけれど、炭水化物を減らして、たんぱく質・脂肪を増やし、野菜を食べる量も種類も大分増えたことで、栄養状態がかなり良くなり、爪にボー線も出てこない。
それに、5階分の階段を上っても、全然動悸・息切れしなくなっているのに気が付いた。
鏡を見ると、いつも青白かった顔色が、ほんのり赤みがさして血色が良くなった(気がする)。
例年の冬と比べると、同じ室温でも暖房を入れることが減って、体が冷えにくくなったかも。(今年は暖冬だし、ボア製の防寒用衣服を着ているせいかもしれないけど)
鉄分摂取量が大幅に増加して、血液が濃くなり体内の酸素量が増えたことに加えて、栄養状態の改善も貧血解消に効果があったのだと思う。

<測定値>
                (H24.12) (H25.10) (H26.9) (H26.12) (H27.9) (H27.12)
ヘモグロビン濃度(g/dl)  7.3  ⇒ 10.1  ⇒ 13.2  ⇒ 13.0  ⇒ 14.0  ⇒ 13.4  (基準値:女性11.3~15.2)
ヘマトクリット(%)     26.1  ⇒ 32.4  ⇒ 39.7  ⇒ 39.4  ⇒ 43.5  ⇒ 41.0 (基準値:女性34.0~45.0)
※検査データは随時追記しています。

貧血が治ったことに加えて、昨年の健康診断で発覚した肝機能異常(いわゆる非アルコール性脂肪肝)も完治。
脂肪肝は、脂肪の過剰摂取が原因と思っていたので、脂肪はあまり摂らない食生活でどうして肝臓が悪くなるのか腑に落ちなかった。
調べてみると、脂肪肝は炭水化物の摂りすぎが原因。
確かに、炭水化物の摂取量を1日100gくらいまで減らすと、脂肪の摂取量が増えているにもかかわらず、肝機能は正常値に回復。
それに、中性脂肪やコレステロール値は正常値。
食後血糖値とHA1cも正常で、糖尿病の兆候はなし。

<測定値>
            (H25.10) (H26.9) (H27.9)
AST(GOT)(U/I)   46  ⇒ 24  ⇒ 26(基準値:10-40)
ALT(GPT)(U/I)   68  ⇒ 27  ⇒ 36 (基準値:5-45)

中性脂肪(g/dl)   71  ⇒ 40  ⇒ 37 (基準値:40-149)
HDL(%)       68  ⇒ 71  ⇒ 72 (基準値:40以上)
LDL(%)       74  ⇒ 75  ⇒ 73 (基準値:140未満)

血糖値(食後)(mg/dl) 83  ⇒ 85  ⇒ 66 (基準値:139以下)
HA1c(%)         5.3  ⇒ 5.1  ⇒ 5.1 (基準値:5.5以下)

               (H26.12) (H27.12)
グリコアルブミン(g/dl)  14.5  ⇒ 15.3

※検査データは随時追記しています。


1日当たりの摂取糖質量は、H25.10時点で130g/日、H26.9時点で100g/日くらい。
H25.10以前の健康診断データがないので、糖質250gの食生活の影響は数値的には確認できないけれど、爪にボー線が多数でていたし、貧血が数値的にも明らかに酷かったことので、栄養状態がかなり悪かったのは確実。
肝臓の検査値やHA1cも、昔はずっと悪かったのかも。

どうもよくわからない点は、25年10月時点では、130g/日しか糖質を摂っていないので過剰摂取では全くないのに、脂肪肝になっていたこと。
この頃は体重が44kg台まで落ちて痩せすぎていたので、いわゆる「低栄養性脂肪肝」?
これは、中性脂肪もコレステロール値も低いのに、肝機能障害(脂肪肝)がある状態。カロリー制限や低脂肪食をしている痩せ気味の女性に多いらしい。(「コレステロールは悪くない!No.3」
それとも、それ以前がもっと重度の脂肪肝だった(かもしれない)ので、その名残り?
その後、100g/日まで糖質摂取量を落とし、たんぱく質と脂肪の摂取量を増やして必要カロリーは確保するようにしたので、体重が増加し(BMI18まで上昇)、26年9月時点の検診結果では脂肪肝が消滅し、肝機能が正常値に回復。

面白いことに、炭水化物を減らした食生活を続けていると、普段は主食もお菓子もたくさん食べたい気があまりしなくなる。
でも、時々禁断症状(?)が出てくるらしく、かりんとうやシリアルを一袋(200gや300gくらい)とか、ホームベーカリーで焼いた小ぶりな食パン1斤とか、食べ始めたら止まらずに一気に完食したりする。
炭水化物はいくらたくさん食べても数時間すると空腹感を感じるので、また食べ続けるという、悪循環。
きな粉やナッツ・豆類を同じだけ(200gとか1000kcalとか)食べると、満腹感があるのであまりお腹が空かなくなって、1食くらい抜いても平気なのに。
「炭水化物依存症」という言葉があるし、糖尿病になった親戚が糖質制限で治療し始めたところ、たくさん食べてはいけない食べ物(ご飯、パン、果物とか)のことばかり考えてストレスがたまって挫折し、結局インスリンを倍量に増やして、炭水化物を今までどおり食べることにしたという。
これを聞いたときに、炭水化物にはやっぱり”依存性”があるのだと思ってしまった。
”食べるな、危険”とまでは言わないけれど、炭水化物の食べる量をなるべく減らして、ほどほどにしておくに越したことはない。

貧血も肝機能も正常になったのは良かったけれど、食生活を変えた副作用として、以前は治まっていた婦人病が自覚的に悪化している。
これは女性によく診られる症状なので、日常生活に支障をきたさなければ経過観察でOK。
年齢的に考えると、症状が進むはずはないので、原因はおそらく大豆製品の食べ過ぎによる大豆イソフラボンの過剰摂取ではないかと。
女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンの1日あたり摂取量の上限は70~75mg。
今の私の食生活だと、少なくともその3倍くらいは摂っている。
食物からとる大豆イソフラボンは、サプリメントと違って通常の食生活であれば安全だとは言われているけれど、どんな食べ物でも過剰摂取すれば、個人差があるとはいっても、影響がないとは言えない。
特に、まだ更年期を迎えていない女性は、エストロゲンの分泌量が多いだろうから、大豆製品(豆腐、おから、豆乳など)を食べすぎないようにした方が良いと思う。

<2014.12.25 追記>
今日チェックしてみると、大豆イソフラボンの摂取量はほとんど変わらないのに、婦人病の症状がかなり軽減していた。
理由を推測してみると、周期的な変化で体内のホルモン分泌量が少なくなったためか(これは心当たりがある)、それとも、エストロゲン分泌量が増えたために、大豆イソフラボンが(今度は)抗エストロゲンの方向に作用したためかもしれない。
少なくとも、女性ホルモンの分泌量が症状の変化にかなり影響しているのは確か。
これから数ヶ月くらい、症状がどう変化するか観察してみないといけない。


<過去記事>
きな粉に関するトピックス ~ 活用レシピ、イソフラボン&グルタミン酸
鉄分の多い食べ物ときな粉の効用
大豆製品摂取による甲状腺機能への影響
熊谷徹 『顔のない男 - 東ドイツ最強スパイの栄光と挫折』
学生時代に凝っていた小説のジャンルの一つが、スパイ小説。
グレアム・グリーンとジョン・ル・カレのスパイ小説が好きだったし、ハヤカワ文庫にある他の作家のスパイ小説も結構読み漁っていた。

グレアム・グリーンもジョン・ル・カレも、さらには、ジェイムズ・ボンドシリーズの作者イアン・フレミング、それに文学作家のサマーセット・モームも、英国の情報機関に所属していた経歴の持ち主。

グレアム・グリーンのスパイ小説といえば、代表作『ヒューマン・ファクター』。キム・フィルビー事件を題材にしたノンフィクション的な小説。
ジョン・ル・カレもかの有名な「MI6」(イギリスの秘密情報部SISの旧称。Military Intelligence section 6=軍情報部第6課)に所属していた。
スパイ小説は多数書いているが、グリーンとは違って、あくまでもフィクションとしての面白さがある。
代表作は『寒い国から帰ってきたスパイ』とジョン・スマイリーを主人公にした三部作。
サマーセット・モームも、1910年代、英国諜報機関に勤務し、ソビエト連邦が建国される直前のロシア革命時に現地で工作活動を行っていた。
モームの諜報活動の経験を元に書かれたのが短編小説集『アシェンデン』(原題:Ashenden: Or the British Agent,1928年)。

でも、ベルリンの壁崩壊後、冷戦構造が消滅してしまったせいか、従来の共産主義VS資本主義という構図のスパイ小説がリアリティを失って衰退してしまう。それと同時に私にスパイ小説熱も醒めてしまった。
久しぶりに読んだスパイものは、ノンフィクションの『顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折』。
旧東ドイツに関する資料を探していて、たまたま見つけた本だったけれど、これがとっても面白い。
歴史ノンフィクションならではのリアリティと、スパイ小説よりもスリリング(かもしれない)な展開は、「事実は小説より奇なり」みたいな面白さ。

顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折
顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折
(2007/08)
熊谷 徹

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第1章 世界を震撼させたスパイ・マスター
第2章 社会主義防衛の使命感に燃えて
第3章 東西ドイツ・スパイ戦の実態
第4章 ヴォルフの仮面を剥いだ二重スパイ
第5章 偽情報で敵を撹乱せよ!HVA情報工作部隊
第6章 ドイツ統一とスパイたちの黄昏
第7章 シュタージ文書をめぐる攻防戦
第8章 ヴォルフのインテリジェンス哲学
第9章 無数の顔を持つ男・ヴォルフの敗北
第10章 ヴォルフの挫折に何を学ぶか
(第10章は結びとして置いたのだろうけど、私には蛇足に思えた。)

旧東ドイツの情報活動を統括していた組織は 国家保安省(シュタージ)。
その対外諜報組織HVAのトップとして、30年以上に渡って諜報活動・工作活動を指揮していたのが、マルクス・”ミーシャ”・ヴォルフ。
マルクス・ヴォルフは、在ソ連時代にミハイルと呼ばれていたため、「ミーシャ」という渾名(あだな)がある。
(そういえば、青池保子の少女コミック『エロイカより愛を込めて』(これはスパイ漫画)に出てくるソ連(ロシア)の諜報機関の親玉のコードネームが「小熊のミーシャ」だった。

ヴォルフの諜報活動の中でも最も有名なのが、ギヨーム事件。
当時の西ドイツ首相ブラントの側近ギュンター・ギヨームが実は東ドイツの情報部員だと発覚し、ブラント首相が辞任に追い込まれたが、ドイツ史上最も成功したスパイ事件と言われる。
ただし、ヴォルフもギョームも、最初から意図的に計画していたスパイ活動ではなく、何年も地道に西ドイツの政界で精力的に働いていた結果として、思いもかけずに抜擢されたことから、大スパイ事件に発展した。
面白いのは、当時、東西ドイツを融和させる方針だったブラント首相が失脚しそうになるのを妨害して、ブラントを助けたこと(ブランド自身は知らなかったが)。
結局、とある出来事からギョームにスパイの嫌疑がかかって、逮捕される。
ブラントも長年にわたって東ドイツのスパイを側近にしていたことで、機密情報が東側に渡っていたため、失脚した。

ドイツ統一後、逮捕されることを察知したヴォルフはロシアに亡命。
しかし、ロシアもゴルバチョフが失脚して、ソヴィエト連邦が崩壊し、結局ドイツへ戻ったところで逮捕される。
裁判では、最初は有罪判決が下されるが、連邦憲法裁判所では、無罪。
東ドイツ国内で情報活動を指揮したこと自体は合法的なものであったという理屈から(そうでなければ、西ドイツ側の情報機関の合法性と矛盾するので)。

しかし、西ドイツ国内で情報活動を行っていた東ドイツ人・西ドイツ人のスパイは、有罪。
理屈としては、その通りなのかもしれないけれど、相手国にとって違法な活動を自国領内で指揮命令していた立場の人間は無罪で、その指示に従って敵国の現場で工作活動をしていた人間は有罪というのは、どうも腑に落ちないものがある。

西ドイツのスパイ罪の量刑はかなり軽い気がする。10年以内の禁固・懲役刑で途中で釈放されたりする。
逆に東ドイツやソ連のスパイ罪の量刑は、最も重くて極刑。
米国でも数十年というから、どうして西ドイツはスパイ罪の量刑がそんなに軽いのか?(欧州の西側諸国ではどうだったのだろう)
産業スパイなのか、軍事機密なのか、機密の重要度や種類によっても違うのだろうけど。

<書評>
「顔のない男」[弁護士会の読書]

<参考情報>
「インテリジェンスを読み解く30冊」(対談:佐藤優氏)[手嶋龍一オフィシャルサイト]

tag : 東ドイツ 伝記・評論

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枝豆みたいな青大豆「秘伝豆」
たまたま店頭で見つけたので買ってみたのが、珍しい「秘伝豆」。
青みがかった色合いなので、見るからに青大豆の一種。
ネーミングも面白くて、250g入りを2パック購入。
ネットで調べてみると、「秘伝豆」は山形県の限られた地域で作られている稀少な青豆。
大豆のなかでも、粒がとりわけ大きい品種で、「香り、甘み、大きさ、張り、どれも素晴らしい」ので、「秘伝豆」と名づけられたという。
価格も普通の大豆の数倍。

料理法は、普通の大豆と同じ。枝豆としても、大豆としても、OK。
枝豆としての収穫時期は9月。それ以外の時期は、ひたし豆、秘伝豆腐、秘伝味噌、豆乳に使える。

早速、オーソドックスに茹で豆に。
3倍くらいの水に1日浸すと、大きさも3倍くらいに膨れて、かなりのボリューム感。
厚手鍋で沸騰した水に入れてから、ホットクックのなかで30分ほど放置。
それを数回繰り返すと、食べられるくらいには柔らかくなる。
数粒食べてみると、食感は水煮大豆のようにしっかりした歯ごたえ。
味は甘みがあって、枝豆っぽい。普通の茹で大豆よりも、はるかに美味しい。

10粒くらいパクパク食べていたら、このまま止みつきになりそうなので、残りはみりん&醤油のつけ汁で浸し豆に。
でも、醤油味がつくよりも、シンプルに茹でただけの方が、お豆の味がしっかり味わえて美味しい。
枝豆っぽいので枝豆ご飯のようにも使えるし、炒り大豆にしても良いらしい。
豆乳にするととっても甘いそうなので、時間があるときに手作り豆乳を作ってみなくては。


<青大豆に関する情報>

大豆の種類別特徴[豆類協会]
普通の大豆は、沖縄を除いて全国的に栽培されている。
大豆といえば、黄土色の「黄大豆」が最も一般的。他に、「青大豆」や「黒大豆」(黒豆のこと)などがある。
秘伝豆は「青大豆」。

青大豆って何?[片上醤油]

青大豆レシピ[健康通販ドットコム]
浸し豆、塩茹、青大豆ご飯、五目豆、ディップ、豆乳に、焼味噌がけ、パスタ、餃子など。

青大豆[富澤商店オンラインショップ]
よく利用する富澤商店で販売している青大豆は、鞍掛(くらかけ)豆(長野)、青雫(北海道)、丸ひたし豆(岩手)、平ひたし豆(宮城)。秘伝豆は取り扱っていない。
岩手県のひたし豆がわりと安い(普通の大豆の倍くらい)なので、今度は他の食材と一緒に買ってみようかと。
それに、痛みやすい鞘付き枝豆や保存するのに嵩張る冷凍枝豆を買うよりも、青大豆の方が安くてストックしやすいし、その上美味しくて食べ応えがあるので、これは重宝しそう。

ミスカル
以前から興味があった「ミスカル」をカルディで購入。
パッケージを見ると17種類の穀類を使った健康飲料。
飲料だけでなく、パンやお菓子(クッキー、パンケーキ、クレープとか)に使えそう。

「ミスカル(ミスッカル)」は、韓国ではとてもポピュラーな食品らしい。
「大麦の使われ方.2~ミスッカル」韓国食材&調味料[KOREAN COOKING ジョン・キョンファ スタジオ]

カルディの「ミスカル」の原材料は、「大麦、玄米、乳等を主要原料とする食品、砂糖、ぶどう糖、デキストリン、大豆、うるち米、黒豆、とうもろこし、もち米、裸麦、黒米、ひまわりの種、小麦、ピーナッツ、アーモンド、ごま、加工米、発芽玄米、カゼインナトリウム(乳由来)、ビタミンB2」
クルコク ミスカル 144g [カルディオンラインショップ]

説明書きどおりの配合で、クリープを溶かした熱湯でミスカルを混ぜると、ドロドロ~。
これは飲料というよりは、スイーツ。味は、はったい粉(麦こがし)によく似ている。
糖質量がかなり多くて、製品1袋24gあたり、炭水化物が20g近い。食物繊維の分量は不明。(オンラインショップの成分表示は間違い)
糖質量の少ない豆類やナッツ類が含まれているとしても、糖類も添加されているので、糖質量は多そう。
小麦粉や米粉と同じくらいの感覚で使わないと、知らないうちに糖質過剰なものを食べることになりかねない。


<ミスカルを使ったレシピ>
ミスカル入りパンケーキの朝食プレート[カルディ]
卵なしで、小麦粉にミスカルを混ぜてパンケーキを作ってみると、もちもち感と麦芽の素朴な風味で美味しい。

サックリホロホロ ミスカルクッキー[cookpad]

ミスカルのレシピ一覧[楽天レシピ]
パン、クッキー、おもちなど。パンに混ぜる場合は、粉量の10%くらいは入れたい。
ヒナステラ/ピアノ作品全集
ヒナステラのピアノ・ソナタとピアノ協奏曲がとっても気に入ったので、他のピアノピースも聴いてみたくなり、CDをいろいろ探してみた。
ヒナステラのピアノ作品全集は思った以上に録音が多い。ほとんどがマイナーレーベルなので、廃盤が多い。
それでも、MP3ダウンロードできるものもあるけれど、基本的にはCDで保有することにしているので、CDが簡単に入手できることが条件。

廃盤も含めて試聴ファイルで聴いてみると、アレクサンダー・パニッツァ(Alexander Panizza)は力強く太い響きで骨格がしっかりした重厚さとリズム感が良い。
一音一音しっかり打鍵しているせいか、テンポが遅め。(余白にリストとラヴェルの曲が入っている。できればスペイン系の音楽(アルベニスとか)を入れて欲しかったけど。

アンジェイ・ピクル(Andrzej Pikul)の録音も良い感じだったけれど、やや残響多めで、スピード感とリズム感がもう少し欲しかった。
津田理子はテンポが速くて整然とした端正な感じがする反面、柔らかく滑らかな音で力感・リズム感が緩く感じる。
Alberto Portugheisは、スピード感・力感・リズム感に欠けるけれど、メロディアス。こういう弾き方もあるかもしれないけれど、急速楽章では脱力してしまう。

ヒナステラ弾きとして有名なバルバラ・ニスマン(Barbara Nissman)は、テンポは速めで力感もあり勢いは良いのだけれど、速いパッセージになると打鍵に曖昧さがあって、技巧的な切れがもう一つ。

アルゼンチン生まれのピアニスト、フェルナンド・ヴィアーニ(Fernando Viani)は、テンポが速くシャープなリズム感が切れ味良い。
オルガン曲もヴィアーニが弾いている。(オルガン曲は、音色も曲も好きなタイプではなかったけど)

結局、パニッツァとヴィアーニが私の好みに合っていたようなので、CDを買おうとしたけれど、パニッツァは廃盤で、MP3ダウンロードのみ。
この2人の録音では、収録曲が微妙に違う。ヒナステラの管弦楽作品のなかで有名(らしい)《エスタンシア》のピアノ編曲版を録音しているのは、パニッツァのみ。
気に入った録音はCDで保有したいけれど、何回か聴きなおしてみると、パニッツァの方が一音一音力感があって明瞭に聴こえるし、《エスタンシア》も入っているので、結局パニッツァ盤をダウンロード。


パニッツァの全集盤は全2巻。いずれも廃盤で、MP3ダウンロードで入手可能。
『Alberto Ginastera:Obras Completas Para Piano Vol. 1』
Obras Completas Para Piano Vol. 1Obras Completas Para Piano Vol. 1
(2014/02/11)
GINASTERA ALBERTO

試聴ファイル

<収録曲>
1. .ピアノ・ソナタ第1番 Op. 22
2. アルゼンチンの童謡によるロンド Op. 19
3. ミロンガ
4. ピアノ・ソナタ第2番 Op. 53
5. 3つのアルゼンチン舞曲 Op. 2
6. ドメニコ・ツィポーリ:オルガン・トッカータ(A. ヒナステラによる編)
7. フランツ・リスト:メフィスト・ワルツ第1番 「村の居酒屋での踊り」

『Alberto Ginastera:Obras Completas Para Piano Vol. 2』
Vol. 2-Ginastera AlbertoVol. 2-Ginastera Alberto
(2007/05/08)
Alexander Panizza

試聴ファイル

<収録曲>
1. 3つの小品 Op. 6
2. 12のアメリカ風前奏曲 Op. 12
3. ピアノ・ソナタ第3番 Op. 54
4. エスタンシアからの3つの舞曲 Op. 8b
5. マランボ Op. 7
6. クレオール舞曲組曲 Op. 15 (第2稿)
7. モーリス・ラヴェル:夜のガスパール


『12のアメリカ風前奏曲』は、北米・南米の作曲家(コープランドやヴィラ=ロボスなど)へのトリビュート曲が多い。
バルトークとリゲティを融合して、ジャジーに仕上げたような作風が面白い。

Ginastera: Twelve American Preludes - 11. Tribute to Heitor Villa-Lobos


Ginastera: Twelve American Preludes - 9. Tribute to Aaron Copland


Ginastera: Twelve American Preludes (全曲)



ヴィアーニのNaxos盤。全集盤のなかでは、価格も手頃く簡単に入手できる。
『Alberto Ginastera:Complete Piano & Organ Music』
Complete Piano & Organ MusicComplete Piano & Organ Music
(2007/04/24)
Ginastera、Viani 他

試聴ファイル

<CD1>
1. アルゼンチン舞曲集 Op.2
2. 3つの小品 Op.6
3. マランボ Op.7
4. 12のアメリカ風前奏曲集 Op.12
5. 南米風舞曲の組曲 Op.15(第2版)
6. アルゼンチン童謡の主題によるロンド Op.19
7. 子供のためのアルゼンチン舞曲(世界初録音)
8. 童謡による小品I
9. 童謡による小品II
10. ミロンガ/小さな舞曲
11. ツィポーリ: オルガン・トッカータ(ヒナステラによるピアノ用編曲)

<CD2>
1. ピアノ・ソナタ 第1番 Op.22
2. ピアノ・ソナタ 第2番 Op.53
3. ピアノ・ソナタ 第3番 Op.55
4. トッカータ、ビリャンシーコとフーガ Op.18+
5. 「暁の光は赤く染まり」の主題による変奏曲とトッカータ Op.52+(世界初録音)
※最後の2曲はオルガン作品。ピアニストのヴィアーニが、オルガンも弾いている。オルガンの音自体があまり好きではない上に、ヒナステラの音の多い曲では響きが一層混濁したような感じがして、よくわからなかった。


ヒナステラのピアノ作品のなかでも、とてもロマンティックなのが『 3つの小品/Tres Piezas Op.6』。
特に、アルベニスの《イベリア組曲》風の”Cuyana”が素敵。
”Cuyana”とは「クージョ風」。クージョは、アンデス山脈沿いの地域のこと。
私は爽やかな潮風薫る南国の港のイメージがしたけれど、これは清々しい高原の情景らしい。
”Criolla/クリオージャ”とは「大地」の意味。冒頭はラテンの薫り漂う華やかな舞曲風でとてもリズミカル。
他のピアノ作品も、ラテン民謡風の異国情緒と親しみやすいメロディの曲が多くて、聴いていて楽しい。

Alberto Ginastera Tres Piezas Opus 6 - No. 1 Cuyana (Piano: Alberto Portugheis)


Alberto Ginastera Tres Piezas Opus 6 - No. 3 Criolla



                    

”南米のバルトーク”と言われるヒナステラなので、バルトークが好きな私の好みと合うのは当然としても、バルトーク風な曲ばかりではなく、曲によっては、ムソルグスキー、リゲティ、ドビュッシー、メシアン、アルベニスのピアノ曲(のいずれか)も連想させるのも相性の良い理由。
(バルトークとメシアンはドビュッシーの影響があり、アルベニスは”スペインのドビュッシー”と言われていたし、リゲティを聴いているとメシアンやドビュッシーを連想する)

ピティナの作曲家解説などを読むと、ヒナステラの作風は三つの時期に分類される。

第一期の作品(客観的民族主義時代/~1947年):音楽表現の要素として、アルゼンチン民謡のリズムや旋律を積極的に取り入れた。安定した調性をベースに躍動的なリズムとメロディアスな旋律なので、聴きやすいものが多い。
3つのピアノ・ソナタ以外のピアノ作品はほとんどこの時期に書かれている。

第二期(主観的民族主義時代/1948年~):アルゼンチンの風土や国民性を意識しつつも、直接民謡の旋律やリズムを用いることはなかった。
《ピアノ・ソナタ第1番作品22》(1952年)の第4楽章は「マランボ」風。

第三期(新表現主義時代/(1958年〜)では、十二音技法を取り入れ、多調性、微分音の複合体、偶然性による手法なども試みた。
この時期の作品は、《ピアノ・ソナタ 第2番 作品53》(1981年)、《ピアノ・ソナタ 第3番 作品54》(1982年)など。

<参考サイト>
Alberto Ginasteraのページ[中南米ピアノ音楽研究所]
「Alberto Ginasteraのピアノ曲リストとその解説」「Alberto Ginasteraのピアノ曲CD」がCD選びの参考になる。

tag : ヒナステラ パニッツァ ヴィアーニ

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平野 洋 『伝説となった国・東ドイツ』
ドイツ留学経験者の著者が、ライプチヒと東ベルリンで取材・インタビューを行い、再統一から2001年までの東ドイツ社会と国民生活の劇的な変貌を追ったノンフィクション。

伝説となった国・東ドイツ伝説となった国・東ドイツ
(2002/08)
平野 洋

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<読書メモ>
冒頭は、土地返還訴訟問題で始まる。
東ドイツ政府によって没収された土地家屋の所有権に関する問題で、統一後、土地の帰属をめぐって各地で訴訟が起こっている。
1949年のDDR建国に対して社会主義体制を嫌って西ドイツに移住した人(ベルリンの壁建設前までに約360万人)が、再統一を機に旧東ドイツ国内の土地・家屋の返還を求めて、旧土地所有者と現在の居住者との間で訴訟が頻発。

西ドイツに移住した人の土地家屋は、旧東ドイツ政府が、ナチ党幹部と大地主のものは没収、そのほかのものは東ドイツ政府が利用。
また、移住した西ドイツ人のなかには、東ドイツ人に管理料を支払って土地家屋の管理を任せ、所有権を保持していた人もいる。
東ドイツ政府は、西側への移住者が残していった不動産に対して、補償金を支払っていた。
東独では、社会主義国としては珍しく、国との「委託(売買)」契約によって、居住している不動産を個人所有することもあった。

ほとんどの土地所有者は亡くなっているので、返還請求はその子供、または親族からのもの。
救済措置として、一定の条件を満たせば、所有権を失っても、時価の半値で買い取るか99カ年の定期借地権を行使できる。
救済措置が適応できない場合は、適正価格(おそらく時価)で買い取る、買い取りできない場合は立ち退く、もともと国に家賃を支払っていた場合は、(値上がりした)賃貸料を元所有者に支払って住み続けるなど、土地の権利関係などによって解決方法は異なる。


さらに深刻なのが失業問題。
土地返還問題は訴訟によって解決に向かっているが、多くの人々が直面している失業問題は、逆に時間の経過と共に深刻化。
統一後、半数の労働者が一度は失業を経験したと言われる。
ABM(雇用創出対策:国が失業者に対し最高2年を上限に仕事を提供する)と失業を繰り返す人も多い。
東に大量の失業者を生み出した主因は、90年夏に施行された「通過同盟」政策によるもの。
東西ドイツマルクの交換比率を1:1としたために、東独はソ連・東欧市場を一挙に失った。
品質は西独製品に劣るが、値段がやすいということで、東の企業の一部は生き残れたはず。
しかし、値段が西独製品と変わらなくなると、製品は売れずに旧東独企業は軒並みつぶれた。
また東独時代は水道・光熱費などきわめて安かったが、統一後は料金が何十倍にも跳ね上がった。
そのため人々は節約に努めたため、関連施設は閉鎖され失業者が生まれた。
このほかにも、信託公社による東独企業の民営化過程における失敗がある。

ライプチヒでは、地域の工業部門で89年に8万人にいた労働者が、94年には15000人に激減。
その要因(95年時点)は以下の通り(商工会議所シュパシーユ氏による)
a)企業は労賃の安い東欧に進出。いわゆる産業の空洞化現象が起こっている。
b)通信・交通網などの社会資本の不整備。
c)西の生産力が巨大なため、東の需要の大部分をまかなえ、生産拠点を東に移す必要がない。
d)事業を起しても東ドイツ人自身に、資本もなく商売に関する経験もないため破産する者が多い。
e)西では安価な製品は大型店が仕切り、洒落た洋服などの贅沢品は個人店が担うという棲み分けができている、東では人々に購買力が充分にないため、贅沢品への需要は少なく、日常雑貨品などの領域で商売をせざるをえない。そのため、大量生産・販売の大手と競争になり勝ち目がない。

さらに著者があげているのが2点。
f)東ドイツ人の生産性の低さが、企業家が東に進出することをためらわせている。
g)西ドイツ人の専門家が東に来たがらないことも東の発展の足枷。

2000年5月時点で、bは大幅に改善。dも徐々良い成功事例が生まれている。
他の項目は以前として変わらないが、aは状況がさらに進んでいる。

97年までに200万人の東ドイツ人が西へ移っていき、約80万人の西ドイツ人が東に流入。
差し引き120万人の東側の流出。
東にも生産工場は建てられているが、世界最先端の設備を持ち、徹底的な自動化がすすみ大量雇用は望めない。
従業員には高い専門知識と経験が要求されるので、結局は西ドイツ人のための職場になる傾向がある。
官庁でも主要なポストは西ドイツ人によって占められている。

統一後、東ドイツ人の生活は劇的によくなる。
戦前に立てられた老朽化した補修されていない建物、すさまじい大気汚染、石炭の暖房などは、環境改善が進み、街並みも一新され、最新式の設備機器も導入された。
失業率は依然として高い状態が続いているが、著者が知り合った東ドイツ人は、現状に満足している。
成功した人も、そうでない人も、東ドイツ時代に戻りたいという人には出会わなかったという。
右翼も左翼も異口同音に東ドイツにはいいところがたくさんあったと言う。しかし東独のほうがいいとは言わない。
東ドイツ人の旧体制に対する不満の中心は、国外旅行の自由がないこととシュタージの存在だったという。
ただし、東西ドイツに分裂している間でも、東ドイツから西ドイツへの移住は全く不可能ではなかったし(厄介な手続きや嫌がらせとかを耐えないといけなかったが)、西ドイツ人が東ドイツの親族を訪問することはできた。

西ドイツと東ドイツ人とは、メンタリティがかなり違うという。
徹底的な個人主義の西ドイツとは違って、(日本に似た)集団主義的な東ドイツでは、人間関係が濃くて親切。
しかし、外国人には敵対的。これは、東ドイツに限ったことではなく、西ドイツでも外国人に対してはかなり差別意識が強い。
東ドイツの場合は、それが言葉や態度、暴力となって露骨に表れるので、国際的な評判を配慮して、国家・シュタージは排外主義は取り締まっていた。


本書は、2001年までの東ドイツの状況。
現在、欧州のなかでも比較的経済が堅調なドイツでは、旧東ドイツ地域の暮らしや人々のメンタリティはどう変わっているのだろう?

tag : 伝記・評論

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今年のクリスマスに聴きたい曲は...
毎年クリスマスに近づくと聴きたくなる曲をいくつかピックアップ。(私には定番の曲なので、毎年代わり映えしないけど)

バッハ=ブゾーニ編曲《前奏曲とフーガニ長調BWV 532》
この曲は、CDでは聴いているのに、Youtubeの音源がなかったので、今まで載せていなかった。
レーゼルが東ドイツ時代に多数録音した曲のなかでも、最も好きな曲の一つ。
レーゼルの明るくクリアな音質と、力強くも軽やかで躍動感のある切れの良いタッチがとてもよく映えて、いつ聴いても惚れ惚れするような鮮やかさ。
清々しく心弾むような気分になるので、クリスマスが近づくといつも聴きたくなってくる。

Bach / Busoni - Prelude & Fugue in D major BWV 532 - Rösel



プラッゲ《クリスマス変奏曲~クリスマス・キャロルによる即興変奏曲》
ヴォルフガング・プラッゲは1960年オスロ生まれの作曲家。
この《クリスマス変奏曲》は北欧の有名なクリスマス・キャロルの変奏曲。15の変奏曲があるので演奏時間は50分あまり。
プラッゲの他の作品とは違い現代音楽的では全然なくて、美しいピアノの音とメロディに心ほのぼの。

Julevariasjoner [Hybrid SACD]Julevariasjoner [Hybrid SACD]
January 1, 2005
Wolfgang Plagge (Piano)

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バッハ《Jesu,joy of men's desiring/主よ、人の望みよ喜びよ》(マイラ=ヘス編曲)
クリスマスに必ず聴くのが《主よ、人の望みよ喜びよ》。
原曲は、カンタータ第147番《口と心と行いと生きざまもて》の第6曲&第10曲のコラール”Jesu,joy of men's desiring”。
ピアノ編曲版で有名なのはマイラ・へスとヴィルヘルム・ケンプ。ヘス編曲版の方がよく演奏されている。
有名なのはリパッティの録音。私はいつもカッチェンのピアノで。

Julius Katchen play Bach : Jesu,joy of men's desiring Cantata,BWV174 arrange by Myra Hess



フォーレ《夢のあとに》(フィオレンティーノ編曲》
とろけそうなくらいに甘美でムーディ。こんなにロマンティックなフィオレンティーノの編曲が素晴らしく。
フィオレンティーノのバッハなら、《パルティータ第1番》と彼自身が編曲した《無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番 BWV1001(ピアノ独奏版)》も素敵。

Fiorentino plays Fauré Après Un Rêve




R.シュトラウス《Morgen/あすの朝》
ピオーの美しい歌声で、しっとりした叙情感と透きとおるような清らかで静寂な”Morgen”。
Morgen!(from Vier Lieder)/詩:ジョン・ヘンリー・マッケイ (梅丘歌曲会館「詩と音楽」)

Sandrine Piau: "Morgen" by Richard Strauss  (音源が削除されてました)


バッハ《前奏曲とフーガ イ短調BWV.543》(リスト編曲)
コロリオフの瑞々しい潤いのあるソノリティとやや抑制されたタッチから湧き出てくる端正で深い叙情感が美しく、教会建築のように荘重華麗なバッハ。どちらかというと、クリスマスよりも、大晦日に聴きたくなる。

BWV543 Prelude & Fugue in a (F.Liszt) Evgeni Koroliov 2010



<参考>クリスマスに関連した過去記事リスト

tag : バッハ フォーレ シュトラウス プラッゲ レーゼル カッチェン フィオレンティーノ ピオー

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今年は”トーベ・ヤンソン・イヤー”
図書館で新刊書を見ていたら、面白そうだったのが『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』
トーベ・ヤンソンといえば、「ムーミン」の原作者。
子供のときにTVアニメが放映されていたので、よく見ていた。
”ねえ、ムーミン!こっち向いて!恥ずかしがら~な~いで~、どきどきしな~い~で~......(だったかな?)”というフレーズで始まる主題歌とメロディーが今でもすぐに浮かんでくる。

一番好きだったキャラクターは、スナフキン。
”木枯らし門次郎風”みたいな、さすらいの旅人風の井出達と、クールで冷静なところが大人っぽくて好きだったのかも。
今記憶を辿ってみると、暗い森、眠り病、お化けみたいでちょっと不気味な白いニョロニョロ(名前は忘れた)とか、魔術的な不可思議な雰囲気漂う場面をよく覚えている。
ムーミンの原作は読んだことがないので、一度読んでみると面白いかも。

伝記物はもともと好きなので、興味を魅かれて本の中身を見ると、綺麗なカラーのイラストがたくさん載っている。
ヤンソンは画家でもあったので、ムーミンに限らずいろんな絵を描いていた。
文体も読みやすくて、これならさくさく読めそう。
著者は「生誕100周年記念回顧展」のキュレーター(日本では「学芸員」に相当するらしい)のトゥーラ・カルヤライネン。

ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン
(2014/09/25)
トゥーラ カルヤライネン

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【読書感想】ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン


amazonで探してみると、トーヤ・ベンソンの評伝・伝記が相次いで発売されている。
今年は、生誕100周年になるので、トーベ・ヤンソン・イヤー。(全然知らなかった)
雑誌、書籍、絵本、キャラクターグッズなど、関連商品がたくさん出ている。
ムーミンのキャラクター商品はずっと以前から、ファンシーショップとか雑貨店ではよく見かけるので、根強い人気があるらしい。


この本も、”決定的評伝”とPRされている伝記『"トーベ・ヤンソン 仕事、愛、ムーミン』。
生前に親交のあった研究者のボエル・ウェスティンが執筆者。

トーベ・ヤンソン  仕事、愛、ムーミントーベ・ヤンソン 仕事、愛、ムーミン
(2014/11/27)
ボエル・ウェスティン

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「生誕100周年 トーベ・ヤンソン展」公式サイト
「生誕100周年 トーベ・ヤンソン展」という美術展が全国巡回中。
来年7月には、「あべのハルカス美術館」にやって来る。
それほどのムーミンファンというわけではないので、観に行くつもりはないけけど、伝記は面白そうだったので、これから読む予定。
バーバー/ピアノ・ソナタ ~ キーシンとジャッドのライブ録音 
サミュエル・バーバーで最も有名な曲は《弦楽のためのアダージョ》。
曲名は知らなくても、お葬式のときに使われる定番の曲なので、メロディを聴いたことがある人は多いはず。
現代曲にしては、ロマンティックな《ヴァイオリン協奏曲》も人気があるらしい。
でも、《ピアノ協奏曲》や独奏曲は、現代音楽的な書法で書かれた曲も多く、それも小品がほとんどなので、あまり聴かれていないに違いない。
バーバーのピアノ作品では、《ピアノ・ソナタ 変ホ短調》(作品26,1949年)が最も有名らしい。
数年前にピアノ作品は一通り聴いたことがあるけれど、ほとんど思い出せない。

アムランが《ピアノ・ソナタ》を録音しているので、音源を探していたら、偶然キーシンのライブ映像を発見。
2011年と最近のリサイタル。キーシンが現代音楽を弾くのはあまり聴いたことがないし、CDにも入っていないので、バーバーを弾いているのはかなり珍しい。
テレンス・ジャッドのコンクールのライブ録音は、CDが出ているので購入ずみ。
CDの購入目的は、世評高いヒナステラの《ピアノ・ソナタ》を聴きたかったため。
でも、カップリングされていたバーバーの《ピアノ・ソナタ》もそれに劣らないくらい素晴らしい曲と演奏。
キーシンとジャッドの両方のライブ演奏を聴くと、叙情美しく(わりと)端正なキーシンと、攻撃的で峻厳なジャッドのピアニズムの違いがわかり、曲の印象もかなり変わる。

この《ピアノ・ソナタ》の攻撃性と屈折した妖艶さで私が連想したのは、プロコフィエフ。
<ハインの好きなクラシック>の作品解説によると、スクリャービンやラフマニノフの音楽に傾倒したというバーバー。
確かに聴き直してみると、ミステリアスな妖艶さは、プロコフィエフよりもスクリャービン風に思えてきた。
私はラフマニノフはほとんど聴かないので、「鐘」との類似性はわからない。

Evgeny Kissin - Samuel Barber Sonata for Piano, Op. 26 (Live in Tel Aviv, Israel (2011))




Samuel Barber - Piano Sonata (Terence Judd.1977)


第1楽章 Allegro energico
プロコフィエフのミリタリー調というか、バーバリズム(野蛮性)を感じさせる主題で始まり、次に妖艶な情感漂う和声の旋律が次々と現われる。
キーシンの演奏は、力強くはあるけれど尖っていないタッチなので、それほど強いバーバリスティックは感じない。
屈折した妖艶さはプロコフィエフを聴いているような気がする。
テレンス・ジャッドで聴くと、低音の響きが厳しく、不気味に黒光りする戦車みたいな威圧感。妖艶な和声の響きがかなりミスティリアスティックで、スクリャービンに近く感じられる。

第2楽章 Allegro vivace e leggiero
人形が踊っているような情景を連想した曲。
キーシンは、小さな人形が軽やかに目まぐるしくステップしているような面白さがあるけれど、ジャッドは狂気をおびた人形が乱舞しているようなイメージ。

第3楽章 Adagio mesto
叙情的な第3楽章では、キーシンにはややまとわりつくような情感が内面的に感じるのに、ジャッドはちょっとミステリアスティックな響きと峻厳さがあり、何かと闘っているかのような近寄り難さがある。

第4楽章 Fuga: Allegro con spirito
曲自体は、時折モダンジャズを聴いているような気もするしせいか、前衛的というよりも現代的に感じる。
ジャッドの起伏の激しく鋭いタッチと妖艶なピアノの響きが融合し、強い推進力とダイナミズムは爆走する機関車みたい。
ジャッドの演奏は、ヒナステラの《ピアノ・ソナタ》同様素晴らしく、圧巻。

叙情美しく聴きやすいキーシンのバーバーも好きだけれど、激しく厳しいジャッドの印象はがかなり強烈。
刃物のように鋭利で峻厳なバーバリズムと、妖艶な神秘性が交錯し、神がかったような気魄と集中力が怖ろしいくらい。演奏が終わった後の拍手の凄さも納得。
20歳でこういうバーバーを弾いていたジャッドの神経は、恐ろしいほど研ぎ澄まされて鋭敏だったのではないかと想像してしまう。


<関連記事>
テレンス・ジャッド ~ ヒナステラ/ピアノ・ソナタ第1番
バーバー/ピアノ協奏曲
パーキン ~ バーバー/ピアノ作品全集

tag : バーバー ジャッド キーシン

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