*All archives*

脂肪(コレステロール)は悪くない?
<LH比>
コレステロールというと、HDLが善玉、LDLが悪玉、と一般的に言われている。
最近では、LDLのなかでも、粒子の小さいものが悪玉で、粒子の大きいものは善玉、ということになってきているらしい。
近年、脂質異常症の診断で重視され始めているのが、「LH比」。
「LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値」の値のことで、HDLとLDL自体はどちらも正常範囲だとしても、LH比を見ると、動脈硬化の度合いがわかるという。

「LH比」を目安にコレステロールを見直す
- コレステロールを減らす食品:植物性たんぱく質(大豆や豆腐など)、水溶性食物繊維(海藻、きのこ、豆、根菜など)
- 血液中のLDLコレステロールの酸化を防ぐ食品:ビタミンCやビタミンEを多く含む食品(緑黄色野菜、ナッツ類など)
- 善玉のHDLコレステロールを増やす最大のポイントは、適度の運動を続けること。(とくにジョギングやウォーキングなどの有酸素運動。歩行数も重要)

血液や血管の病気を徹底予防 コレステロールの新常識 [主治医が見つかる診療所、2014年4月21日放送 ]

LDLコレステロール/HDLコレステロール  LH比[ドクター江部の糖尿病徒然日記,2012年10月23日]

今年の健康診断測定値でチェックしてみると、LDL75、HDL71なので、LH比はほぼ1.0。(昨年よりも良くなっていた)
LH比が1.5以下では、血管内がきれいで健康な状態」だそうなので、全然問題なし。
総コレステロールは、下限値に近く、146。(血管の修復機能があるコレステロールが少なすぎるのもよくないらしい)
もともと肉類などの動物性油脂やトランスファットが多そうな食品は避けているし、さらに、毎日大豆製品をたくさん食べているおかげか、LDLコレステロール値自体が低い。
さらに、炭水化物の摂取量を少なくしたり、合計1.~2時間くらい毎日歩いているので、これもHDLが増える理由になっているらしい。


<コレステロールは悪くない>
コレステロールが悪者ではないという最新の栄養学説を紹介しているCBNの番組。
字幕はないけれど、聞き取りやすい英語で、内容もわかりやすい。

Forget Cholesterol, Inflammation's the Real Enemy - CBN.com


この番組の要旨は、<ドクター江部の糖尿病徒然日記>の「米国CBNテレビ:動脈硬化の原因は炎症で、コレステロールではない。」に載っている。
- 動脈硬化の原因は炎症であり、コレステロールはそれを修復していただけであり、犯人ではない
- 血管の炎症の真の元凶は、トランス脂肪酸や精製炭水化物であり、それらで生じた炎症を修復しているのがコレステロール
(番組では、精製炭水化物のことを「sugars」、「Refined Carbonate」と言っている)


ジョン・ブリファ著『やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴』

脂肪に関する書籍のなかで、最近出版された面白そうな翻訳書がジョン・ブリファ著『やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴』。原題は、『Escape the Diet Trap』。
著者はイギリス在住の医師で食事療法、体重管理、健康の第一人者。コラムニストとしてイギリスの年間最優秀健康ジャーナリスト賞を受けているという。

栄養学は「昨日の常識は明日の非常識」という学問。
目次を読むと、本書で書かれている個々の「落とし穴」(常識・定説)は、最近の研究成果を元に否定する主張がすでになされているものも結構ある。
ダイエット法や栄養学の”常識”となっている定説を20項目にまとめて、それを覆す根拠となる症例や研究論文も掲げている。
現時点でBMI18前後なので、痩せる必要は全くないけれど、(特に炭水化物と脂肪に関連する)栄養学・ダイエット法の研究論文や最新情報がまとめて載っているので、最近の新しい学説のトレンドがわかる。
それに、もう一つよくわからなかった脂肪の役割が、ようやくわかるようになった。

本書が親切な点は、各章の最後に要点が列記されているところ。
全文を読む時間がなくても、要点だけ全て読めば、本書で書かれている内容がほぼ把握できる。
それに、最後にどういう食物を食べたら良いのか、リストと解説が載っている。
他の糖質制限本と共通する食物もあれば、評価が異なる食物もあって、この違いが面白い。

やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴
(2014/08/07)
ジョン・ブリファ

商品詳細を見る

落とし穴1 食事制限によるダイエットはうまくいかない
落とし穴2 カロリー制限は減量を失速させる
落とし穴3 カロリー制限は病気にかかりやすくなる
落とし穴4 低脂肪食は減量に効果なし
落とし穴5 体重はカロリーの数値だけでは決まらない
落とし穴6 炭水化物で満腹感は得られない
落とし穴7 肥満の原因は「頭のなか」にある
落とし穴8 低炭水化物は減量効果が高い
落とし穴9 新入りの栄養素が私たちを不健康にしている
落とし穴10 食事脂肪は健康に不可欠
落とし穴11 コレステロール値が下がると死亡リスクが上がる
落とし穴12 穀物は栄養価がきわめて低い
落とし穴13 人工甘味料は肥満の原因になる
落とし穴14 乳製品は骨の健康に役立たない
落とし穴15 間食はしてもかまわない
落とし穴16 食べていいもの、いけないもの
落とし穴17 飲んでいいもの、いけないもの
落とし穴18 食べすぎは問題にならない
落とし穴19 有酸素運動は減量に効果なし
落とし穴20 定常的運動より間欠的運動がいい


現役の英国人医師が書いて、英国でベストセラーとなっただけあって、amazon.co.ukのカスタマーレビューも170件以上あり、評判も良い。
それに、”Look Inside”で、ペーパーバック版の一部(25~275頁以外)と巻末の”Scientific references”(参考文献リスト)も英文で確認できる。(今のところ、amazon.jpの日本語版では見ることができない)

朝日新聞出版の紹介サイトでは、29-30頁だけ”立ち読み”できる。
<ドクター江部の糖尿病徒然日記>ブログの紹介記事「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい 朝日新聞出版」(2014年08月15日)でも、 江部医師の「まえがき」が読める。

楽天Booksの「ちら読み」は、目次全てが読めるので、とっても便利。
「ダイエットにまつわる20の落とし穴」の項目と論点が大体わかる。

最近発売されたばかりなので、書評は少ない。
“食事制限”ではヤセない! ダイエットには“良質な脂肪”を摂れ!?[dot.]


[2015.2.23 追記]

「食事性コレステロール摂取量、政府指針案から上限値撤廃 米国」[2015年02月20日、AFPBB News]
-従来の定説:コレステロールの過剰摂取によってプラークが動脈に蓄積し、心臓発作や脳卒中リスクが高まる。
-しかし、食事から摂取のコレステロールと血清コレステロールの間に明確な関連を示す証拠がない。
-2015年版ガイドライン:コレステロール摂取の上限値が撤廃される可能性。
-飽和脂肪酸:より厳しい摂取量の制限⇒一日当たりの全カロリー摂取量の10%から、同8%へ。

解説:「食事性コレステロール摂取量、政府指針案から上限値撤廃 米国」[2015年02月20日、ドクター江部の糖尿病徒然日記]

ジャムパンだけで11年間生きている少年
ずっと昔、TVでジャムパンばかり食べている少年の話を見たことがある。
ビタミンC不足で壊血病になる...という話を思い出して検索してみると、「ジャムパンだけをひたすら食べ続けて生きている英国の少年」のことらしい。

ジャムパンだけで11年間生きている少年 英[X51.ORG]

彼は極端な栄養失調にもならず、身長が180cm以上、運動神経の良いスポーツ少年。
ジャムパンといえば、パンと砂糖いっぱいのジャム(ストロベリー、ラズベリー、ブラックカレントジャム。マーガリンつき)だけ。
果物のビタミンCが多少含まれているとはいえ、ほとんど炭水化物のみ。
ビタミンC不足に違いないはずなのに、壊血病にもならず、鉄が欠乏しているのを除けば、至って健康とのこと。
不足している栄養素を体内で生成しているのだろうか?
彼の体には特殊な機能が備わっているのかもしれない。

[2015.2.1 追記]
コメント欄で教えていただいた情報によると、この少年は実際にはジャムパンだけ食べているわけではなくて、「2パイント(約1リットル)ほどの低脂肪乳と、朝食にチョコレート味のシリアル、一切れのチョコレートケーキ」も食べているそうです。
牛乳に加えて、必要な栄養素が多数添加されているシリアルも食べているなら、酷い栄養失調になることはないかも。
Boy thrives on jam sandwich diet[23 Jun 2004,The Telegraph]

フォーレ&シュトラウス《ヴァイオリンソナタ》、武満徹《悲歌》
諏訪内晶子&エンリコ・パーチェが第3回国際音楽祭NIPPONのリサイタルで演奏した曲を聴いてみたかったので、Youtubeで音源を探してみた。

冒頭に演奏されたモーツァルトはパスして、フォーレ、武満、シュトラウスの3曲。
フォーレは聴きやすい曲だけれど、武満とシュトラウスの方が私の好みにずっと近かった。
武満の《悲歌》は諏訪内晶子が選曲。
ロマンティックで聴きやすい曲ばかり並んでいるよりも、異質な曲が挟まれているところが、趣向が変わって面白い。
彼女がリサイタルのピアノ伴奏をパーチェに依頼するときに、《悲歌の》楽譜も一緒に送ったけれど、なかなかパーチェから返事をもらえなかったので、引き受けてもらえるかちょっと心配だったという。


フォーレ: ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調 作品13

Zukerman plays Faure Sonata 1 (1/3)





武満 徹: 悲歌(エレジー)
調性感が薄く色彩感もカラフルではなく、少しモノクローム的な感じがするけれど、この曲にはその方が似合っている。
ピアノ伴奏は、武満のピアノ曲を連想させるような和声と旋律で、ヴァイオリンの響きは時々尺八みたいにも聴こえる。
ヴァイオリンの沈鬱な旋律は強い叙情感を帯びているので、意外と感情的にシンクロできる。
1966年作曲したものなので、後年のものよりも前衛的で、張りつめた緊張感が漂っている。
武満作品は、前衛期の曲が好きなのと、ピアノが入っていることとで、私には後年の弦楽曲や室内楽曲よりも聴きやすい。
何度も聴きたいほど好きというわけではないけれど、武満のピアノ曲を聴きなれているし、演奏時間が短いので、これは難渋することなく聴ける。繰り返し聴いても、なぜか全然飽きないのが不思議。

演奏は室内楽アンサンブル「タッシ」のメンバーであるアイダ・カヴァフィアンとピーター・ゼルキンのデュオ。
Tōru Takemitsu * Hika





R.シュトラウス: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品18
最後の締めくくりにもってきた曲だけあって、シュトラウスらしい雄大で華やかで気品のあるヴァイオリンソナタ。
ちょっとブラームス風な感じがするし、ピアノパートはかなりピアニスティックで華麗なので、とっても好みの曲。
ヴァイオリンよりも、ピアノ伴奏の方に耳が集中してしまった。

演奏は庄司紗矢香とイタマール・ゴランのリサイタル映像。
Shoji Sayaka Plays R.Strauss 1/3 : Sonata for Violin and Piano



Shoji Sayaka Plays R.Strauss 2/3 : Sonata for Violin and Piano



Shoji Sayaka Plays R.Strauss 3/3 : Sonata for Violin and Piano

tag : フォーレ 武満徹 シュトラウス

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
『シャガール』 (タッシェン・ビッグアートシリーズ)
久しぶりに購入した画集は、タッシェン発行の画集「シャガール」。
好きな画家のクリムトとオキーフの画集は持っていて、シャガールはポストカード集のみ。
やっぱり、好きな画家や写真家の画集と写真集は、がっちりした装丁の大型本で見たいので、いつか買おうと思っていた画集。

タッシェンからは、大形本のビッグアートシリーズ、単行本の25周年シリーズ、ニュー・ベーシック・アート・シリーズと、3種類のシャガール画集が発行されている。
大型本の方が単行本より40頁ほど多いので、買うなら大型本。
タッシェンから出ている画集は、大型本であっても、信じられないくらいどれも定価が安い。
この画集も280頁もあるのに、定価は2500円と破格の安さ。(日本国内ではなく韓国で印刷しているかららしい)

タッシェンは日本から撤退したらしく、今では絶版状態。
仕方がないので手頃な価格の中古本を探していたところ、たまたま近所のBookoffでかなり良い状態の大型本を発見。
ブックオフはプレミアムを載せないので、定価の半額になっていて、さらに年初のブックセールで、結局1000円くらいで購入。
新年早々、良いお買い物でした。

ビッグアートシリーズは、大型本でページ数が280頁もあるので、収録作品数はかなり多い。
年代順に作品が掲載されているページの余白部分には、びっしりと伝記が書きこまれている。
絵は見れるし、伝記は読めるし、オールカラーの大きな図録なので、カラフルで幻想的な色彩が楽しめる。
絵が大きいので、じ~っと見ていると今まで気が付かなかったものが見えてきて、1枚見ているだけでも結構時間がかかる。
ヴァイオリンが描き込まれている絵が多いのは、シャガールがヴァイオリンを弾く人だったのか、それともヴァイオリンという楽器が好きだったのだろうか?
それが気になっている人もいるようで、「シャガールとバイオリン 」(バイオリンJP 店長ブログ)という記事を見つけた。それによると、「幼い時、彼の叔父さんが彼のお祖父さんの為に毎週バイオリンを弾いていた」という。

<参考情報>
「シャガールのヴァイオリン-中・東欧の村の楽師たちと20世紀音楽の前衛」レクチャーコンサート講師 伊東信宏さんインタビュー 離散と混合 ポップスの源[ザ・フェニックスホール]



シャガール (タッシェン・ビッグアートシリーズ)シャガール (タッシェン・ビッグアートシリーズ)
(2002/06)
ヤコブ バール=テシューヴァ

商品詳細を見る
著者は、シャガールの友人で、世界的に有名なシャガール研究者であり、作家、批評家、フリーのキュレーターとのこと。

<目次>
序 「画家の翼を持つ詩人」
ヴィテプスク 1887-1906年 「”芸術家”この神秘的な言葉よ」
サンクト・ペテルブルグ 1906-1910年 「この最初期の作品は今では失われてしまった」
パリ 1910-1914年 「パリよ、おまえは私の第2のヴィテプスクだ」
ロシア 1914-1922年 「私の全画業のなかで、最も実り豊かな年月」
フランス 1923-1941年 「フランスこそ私の本当の故郷である」
アメリカ 1941-1948年 「私はアメリカを愛する。そこでは若々しい息吹を感じる」
フランスへの帰国 1948-1985年 「私は常に理論や方法を用いずに制作してきた」
版画、タペストリー、モザイク 「芸術を愛することは生きることそのものだ」
ステンドグラス、彫刻、陶器 「心で作品を創造すれば、ほとんど全てうまくいく」
エピローグ 「私の絵画は私の思い出である」
マルク・シャガール-生涯と作品


好きな作品はたくさんあるけれど、ポストカード集には載っていなかった作品で特に気に入ったのは、『窓ごしのパリ/Paris Through the Window (Paris par la fenêtre)』(グッゲンハイム美術館)パリのオペラ座(オペラ・ガルニエ)天井画『夢の花束』
面白い構図なのは、男一人とヴァイオリンを抱えた羊と中空に舞う天使が描かれている『孤独』
これは、ヒトラーの権力掌握したことに対して描かれたもので、ヴァイオリンはユダヤ的な楽器、若い牝牛はイスラエルを象徴したものだという。


<シャガール作品集サイト>
マルク・シャガール 作品の紹介、美術館リンク


カニーノ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲、ヴァイオリンソナタ集
ブルーノ・カニーノといえば、伴奏者として知られているけれど、彼のソロ録音で最も評価が高いのはおそらく《ゴルトベルク変奏曲》のライブ録音。
私にしては《ゴルトベルク》を聴いていても全然眠くならないという、珍しい演奏の一つ。

ブラインドで聴いていても、カニーノの演奏だとすぐにわかるくらいに、ピアノ演奏にしては(チェンバロ演奏のように)装飾音が多彩。リピートしたときによくわかる。
”バッハ弾き”のピアニストのような精緻・精密なタッチではないけれど、それが逆に、繊細さに懲りすぎることなく素朴で飾り気なくて、音色の色彩感や響きも明るくナチュラル。
歯切れよいノンレガートも、クリスピーで尖ったところはなく、柔らかく軽やか。粒立ち良い装飾音が軽妙でとっても可愛らしい。
技巧と速さを競いがちなピアニスティックな変奏でも、落ち着いたテンポで、外面的な華やかさは少ない。
ピアノに優しく語りかけたり、戯れたりしているように、とても愛らしくて、自然に微笑んでしまいそう。
好きなゴルトベルク録音のなかでは、カニーノが一番心落ち着いてリラックスできる。


Bruno Canino plays J.S.Bach Goldberg-Variation Aria~var1.2.3.4.wmv


Bruno Canino plays J.S.Bach Goldberg-Variation var,5.6.7.8.9.10.wmv


Great PianistsGreat Pianists
(2007/08/14)
Frederich Gulda、Wilhelm Backhaus 他

商品詳細を見る(CD10がカニーノのライブ録音)
※収録ピアニスト・曲目についてはカスタマーレビュー参照。


カニーノのもう一つのバッハ録音は、ムローヴァとのヴァイオリンソナタ集。
《ゴルトベルク》と同様、チェンバロ演奏みたいに多彩な装飾音を使っているのがカニーノらしいところ。
第6番第3楽章(30:16~)のピアノソロでも、リピート演奏が凝っている。

Bach Sonatas for Violin and Piano - Viktoria Mullova


Bach: Sonatas for Violin & PianoBach: Sonatas for Violin & Piano
(1993/08/10)
Mullova,Canino

商品詳細を見る
この録音は、指揮者のアバドがムローヴァにカニーノを紹介して実現したという。(なぜか2人がそっぽを向いているみたいなCDジャケット写真が、ちょっと可笑しい。)


<参考情報>
インタビュー:ブルーノ・カニーノを語る  レコード・プロデューサー 井阪紘さん(2010年2月13日,ザ・フェニックスホール)


<過去記事>

《ゴルトベルク》は凄く好きというわけではないのに、数えてみたら、好きな録音が意外と多かった。
しっとりと穏やかな叙情感と細部まで明晰で立体的・構築的なコロリオフ、豊かな色彩感とシャープでダイナミックなタッチのソコロフ、珍しくも装飾音は弾かないけれどピアノの音色とソノリティがとても美しいケンプ.。
極めて個性的で面白いのは、たどたどしく崩したような歌い回しが自由闊達・融通無碍な高橋悠治
先日聴いたガヴリーロフも、ピアノの音が美しく、繊細な感受性を感じさせる緩徐系の変奏がとても印象的。

カニーノ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
カニーノ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ第6番BMV1019 第3楽章(ピアノ独奏)

コロリオフ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
ソコロフ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
高橋悠治 ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲(1976年,2004年)
ケンプ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
ガヴリーロフ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲

tag : バッハ カニーノ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
エンリコ・パーチェに関する最新情報
私の好きなソリスト&ピアノ伴奏者のエンリコ・パーチェの情報を久しぶりにチェックしてみると、新しい情報がいろいろ。

新譜は、韓国人チェリストのSung Won Yang(ヤン・スンウォン,サン=ウォン・ヤンという表記もあり)とのデュオによる、ブラームス&シューマンの『COMPLETE WORKS FOR CELLO AND PIANO』(チェロとピアノのための作品全集)。

COMPLETE WORKS FOR CELLO AND PIANOCOMPLETE WORKS FOR CELLO AND PIANO
(2014/10/29)
Sung Won Yang


収録曲は、ブラームスの《チェロソナタ第1番&第2番》、シューマンの《Fantasiestucke, Op.73》、《Stucke Im Volkston, Op.102》、《Adagio And Allegro, Op.70》。DVDの収録内容はわからない。
EMIKoreaからリリース。今のところamazonのマーケットプレイスでしか出品されていない。

ヤン・スンウォンは、インディアナ音楽大学でヤーノシュ・シュタルケルに師事したチェリスト。日本でもEMI録音全集が入手可能。


(新譜の公式プロモーション映像)
Sung Won Yang & Enrico Pace - Brahms & Schumann [한글자막]



もともとチェロ曲はほとんど聴かないし、ブラームスのヴァイオリンソナタの方が好きだし、DVD付きの新譜は結構高いので、買うかどうか悩ましい。
Casalmaggiore International Festivalでは、収録曲と同じ曲を演奏していた。(動画では5:00~)
シューマンの《Fantasiestücke, op. 73》は、たぶん聴いたことはあるのだろうけど、ほとんど覚えていなかった。
しっかり聴いてみると、私にはブラームス風にも聴こえるので、シューマン苦手の私でも、ピアノ独奏曲よりはかなり好きかも。
ライブ映像を聴いていると、シューマンもいい曲だし、ブラームスも昔聴いたときよりは、ずっと聴きやすい曲に思えてきた。
それに、パーチェがピアノ伴奏をしているので、(もう少し価格が下がれば)音質の良いCDで聴きたいんだけど。

26.07.2014 - Teatro Comunale - Sung Won Yang, violoncello e Enrico Pace, pianoforte
Casalmaggiore International Festival


昨年の11月17日には、大阪のザ・シンフォニーホールでヤン・スンウォンとデュオリサイタルをしていた。
もっぱらCDリスナーなので、演奏会情報は全然チェックしてなくて、このリサイタルのことは全然知らなかった。


思いもかけないことで驚いたのは、諏訪内晶子が芸術監督の第3回国際音楽祭NIPPONで、彼女のピアノ伴奏者になっていたこと。
パーチェは、ツィンマーマンとカヴァコスのピアノ伴奏で来日したことは数回あるけれど、今まで日本人ヴァイオリニストの伴奏をしたことはなかったはず。
どういうきっかけでピアノ伴奏を引き受けることになったのか不思議だったけれど、10年ほど前に、諏訪内晶子が偶然ラジオで聴いたリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタのピアノ伴奏が素晴らしくて、その伴奏者がパーチェだったと知り、音楽祭で行うリサイタルのピアノ伴奏を依頼したという。
シュトラウスのヴァイオリン・ソナタは、たぶんツィンマーマンのリサイタルで弾いていたはずなので、それを聴いたのかも。
今回の音楽祭だけではなく、いつか彼女とのデュオで録音してくれればCD買いたいくらい。

「諏訪内晶子&エンリコ・パーチェ デュオ・リサイタル」(2014年11月30日、横浜みなとみらいホール)
【曲目】
モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ 第22番 イ長調 K.305
フォーレ: ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調 作品13
武満 徹: 悲歌(エレジー)
R.シュトラウス: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品18
《アンコール》
チャイコフスキー: 「なつかしい土地の思い出」より第2曲 スケルツォ
ラフマニノフ: ヴォカリーズ

音楽レビュー:第3回国際音楽祭NIPPON「諏訪内晶子&エンリコ・パーチェ デュオ・リサイタル」 日本で育ち、欧州で磨かれた技と“歌”(2014/12/5,日経電子版)

11/30(日)国際音楽祭NIPPON/諏訪内晶子&エンリコ・パーチェのリサイタルはクールに燃えるエレガンス[Bravo! オペラ & クラシック音楽]

いろいろ情報を読んでいたら、いつの間にか「室内楽の名手」とパーチェが紹介されてたりする。
欧米では室内楽のピアノ伴奏だけでなく、本国イタリアやリストコンクール開催地のオランダでは、ソロやピアノ協奏曲の演奏会も行っている。
日本ではソロとコンチェルトを弾くことはたぶんないだろうけれど、ピアノ伴奏者として以前よりも知られることになったのは喜ばしい限り。

2013年10月には、フランツ・リスト国際ピアノコンクール主催によるアジア各地でのマスタークラスの講師役として、来日、「リストの真髄を学ぶ一日」という特別レッスンをしていた。
(パーチェは、オランダで毎年開催されているフランツ・リスト国際ピアノコンクールの優勝者(第2回)なので)

パーチェがピアノ伴奏をしている録音は、ツィンマーマンとバッハ《ヴァイオリンソナタ全集》、ブゾーニ《ヴァイオリンソナタ第2番》、ヒンデミット《ヴァイオリンソナタ集》、カヴァコスとベートーヴェン《ヴァイオリンソナタ全集》、メンデルスゾーン《ピアノ三重奏曲集》)がCDで出ている。
ソロ録音は、リスト《巡礼の年第1集&第2集》、フームス音楽祭のライブ録音でヒンデミット《ピアノ・ソナタ第3番》とプロコフィエフ《つかの間の幻影》から数曲。
いつか録音してくれないかな...と期待しているのは、ツィンマーマンのヴァイオリンでベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全集。


こちらは2012年ザルツブルク音楽祭でのライブ映像で、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ・チクルスから第7番。

Beethoven - SONATE FÜR KLAVIER UND VIOLINE Nr. 7, C-moll, op 30/2 - Salzburg 2012

tag : ブラームス シューマン パーチェ ベートーヴェン カヴァコス

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
【新譜情報】コロリオフ ~ ベートーヴェン/後期ピアノ・ソナタ集(第30番、第31番、第32番)
エフゲニー・コロリオフが、ベートーヴェン後期ピアノ・ソナタのうち、第28番&第29番に続いて、今回は第30番~第32番を録音。今月末にTacetからCD発売予定。

最後のソナタ3曲はとても好きな曲だし、コロリオフが弾いているなら、大きく外れることはないはず。
amazonで新譜情報を登録されたのを確認してから予約する予定。

Piano Sonatas 16Piano Sonatas 16
(2015/03/10)
Beethoven、Evgeni Koroliov 他

試聴ファイル(allmusic.com)


昨年リリースされた第28番&第29番のCDは未購入。これもそのうち買わねば。

Koroliov Series Vol. 14: Sonatas Op. 101 & Op. 106Koroliov Series Vol. 14: Sonatas Op. 101 & Op. 106
(2013/03/26)
Evgeni Koroliov

試聴ファイル(allmusic.com)



[2015.10.6]
気分的にベートーヴェンモードになかなかならなかったので、それに試聴ファイルで確認したかったこともあって、コロリオフの新譜も未だ購入せず。
そうしているうちに、ようやく試聴ファイルが公開されていたサイトがあったので、聴いてみた。
音が柔らかく繊細で煌きがあって、水気を含んだような潤いもあって、異様に美しい。(でも、こういう響きはあまり好みではないのだけど..)
冒頭だけ聴いた限りでは、演奏も30番の第1楽章とかは、音の美しさと相まって、かなり叙情的に聴こえてくるし、他の楽章も、ベートーヴェンにしては繊細すぎるように感じることもあったりする。
どうもソノリティと感情表現とも、私の波長と合わないような気がするので、今のところCDを買おうと思うまでには至らず。

tag : ベートーヴェン コロリオフ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
米国オバマケアの実情(医療保険制度改革)
米国の医療制度がとんでもないのは有名だけれど、賛否両論が激しく対立した末に導入されたオバマケアの実情のレポート記事を読むと、どうやらそのとんでもなさに拍車がかかっている。

最初は、国による皆保険制度を目指していたと思っていたけれど、結局、民間保険への強制加入を義務づける制度に変わってしまったらしい。

アメリカで自己破産した人の6割以上は、医療費が支払えなかったことが原因で、そのうちの8割の人は民間の健康保険に加入していた....というくらいだから、全く恐ろしいことこの上ない。
米国で暮らす人にとって、よほど裕福な人でなければ、病気にかかるということは、健康や生命を脅かすと同時に、生活基盤を破壊しかねない。
米国のトンデモ医療制度に比べれば、日本の医療制度は多々問題があるとはいえ、米国に比べれば天国みたい。(比べる対象が酷すぎるとはいえ)
少なくとも、米国の医療制度の情報を読む限り、米国に住みたいとは思えなくなってくる。(そんな可能性は全くないけれど)

オバマケアの問題は日本にとって対岸の火事ではない 『沈みゆく大国―アメリカ』の著者、堤未果氏 に聞く[日経ビジネス、2014年12月19日]

沈みゆく大国アメリカ (集英社新書)沈みゆく大国アメリカ (集英社新書)
(2014/11/14)
堤 未果

商品詳細を見る


不思議なことに、米国の医療費は世界でも突出して高いのに、統計データを見ると、OECD加盟諸国のなかでも、平均寿命は短く、乳幼児死亡率は高い。

①海外の医療費はもともと高い。これからもっと高くなる。[プレステージインターナショナル,2012年6月]
- 米国の医療費は突出して高い。
- 日本と比較すると、傷病ごとの医療費は、海外の方が医科・歯科共に総じて高い。

世界の平均寿命ランキング
(出典)Life expectancy at birth, total (years) (Catalog Sources World Development Indicators)[World Bank]
米国の平均寿命は78.74歳で第37位。OECD34ヶ国で第27位。
乳児死亡率、国別順位 - WHO世界保健統計2014年版(世界保健機関(WHO)は「World Health Statistics 2014(世界保健統計2014)」)[MEMORVA メモルヴァ]
米国の乳幼児死亡率も1000人出産当たりの6人。

<参考情報>
TPP参加で日本もやばい?「アメリカの保険システムがどれだけ最低なのか」恐怖の現状[らばQ]
医療費が払えず自己破産が続出するアメリカ人から質問「ほかの国の医療事情はどうなの?」[らばQ]
他国の健康保険制度がどうなっているのか、断片的にわかる。
やはり、国の健康保険制度が整備されている国から見れば、アメリカの医療制度はとんでもないのは間違いない。

アメリカの自己破産の6割は医療費が原因…。海外旅行先の高額な医療費に気をつけよう! [ダイヤモンド社書籍オンライン]
-アメリカで自己破産した人の6割以上は医療費が原因。そのうちの8割以上が民間の医療保険に加入していた。
-公的な医療保険制度を導入するという公約を掲げていたオバマ大統領は、保険会社からの猛反撃に合い、民間の医療保険の加入を義務付け、その保険料を税金で補助する政策に変更。(⇒その制度の実態は『沈みゆく大国アメリカ』を読むとわかる)

そういえば、いつも歯のクリーニングをしてくれている歯科衛生士さんの友人が、米国滞在中に盲腸か何かの手術をしたら、請求された医療費は300万円。短期滞在で医療保険には全く加入していなかったので、全額自費で支払ったという。

イギリスでは医療費が無料 [UK郊外生活]
イギリスでは医療費は(原則)無料とはいえ、医者に見てもらうのに予約が必要で当日中に診察してもらえないこともある(概ね2日以内)とか、薬づけを防ぐために薬代は個人負担でこれが結構高い。(これくらいしないと、日本のように医療費が青天井の如く膨張し続けることになりかねない)

[2015.1.19 追記]

<書評>
今話題の「沈みゆく大国アメリカ」を読んで[医療政策学×医療経済学]
以下の3点の問題点を指摘している。
問題点①:オバマケアに関する数多くの事実誤認もしくは歪曲
問題点②:オバマケアはアメリカの医療システムの不備を直すものであり、改悪ではない
問題点③:バイアスのある証言(Anecdote)の寄せ集めはエビデンスではない
ガヴリーロフ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
ガヴリーロフの《フランス組曲》を聴き直していると、そういえば、《ゴルトベルク変奏曲》も録音していたのを思い出した。
《ゴルトベルク》を聴いていると、たいてい眠くなってしまって最後まで聴けないし、パルティータほどに凄く好きというわけでもないので、よほど気に入った演奏でない限り、異聴盤は買わないようにしている。
でも、あんなに美しい《フランス組曲》を弾いていたガヴリーロフなら、もしかしたら眠気を誘わないようなゴルトベルクを弾いているかも...と思い立って、早速Youtubeで聴いてみた。

やっぱり予想通り、このゴルトベルクを聴いていたら全然眠気が襲ってこない。
ソノリティもノンレガート&レガートのタッチの使い分けも、滑らかで明晰なフレージングも、私の好みにぴったり。
クリスピーなタッチで弾かれるのは好きではないので、ガヴリーロフの骨太で量感・力感ある音なら、ノンレガートでも重みがあって艶やか。
速めのテンポと切れ味の良いタッチで正確なメカニックが気持ちよく、アリアや緩徐系の変奏でのデリケートな情感は、寄り添うような親密感を感じる。

アリアは、とてもゆったりとしたテンポで、穏やかで物思いに耽るかのように内省的。
柔らかく重なり合うピアノの響きが密やかでとても美しい。
どこかしら、しみじみと何かを懐かしむかのような淋しさが漂っているようでもあり、脆く壊れやすいナイーヴな内面を垣間見る気もしてくる。第15変奏と第25変奏を聴いても印象は同じ。
第1変奏は、きびきびとして速いテンポながら、芯のしっかりした丸みのある木質感のある音で、ノンレガートでもフェルトのように柔らかな質感が心地よい。
それに軽くアクセントがついたように響き続ける持続音がとても綺麗。

ピアノの響きを生かしたソノリティの美しさは、ケンプの《ゴルトベルク》に近いかも。
ショパンのエチュードを聴いたときは、下手をするとコミカルに聴こえかねないところだったけれど、ガヴリーロフのバッハは、安定した技巧をベースに、現代ピアノの持ち味を美しさを生かした美しいソノリティと、飾ることなく内面からにじみ出てくるような情感が、とても魅力的。

CDを買って全曲聴く気になっていたのに、第5変奏以降を聴いていたら、(私のテンポ感だと)速すぎるテンポで弾いている変奏が次々と出てくる。
(第5・6・8・11・20・26・28・29変奏など)急速系の変奏では、ショパンのエチュード並みというか、それ以上に滅法速いテンポで、変奏によっては、せかせかと落ち着きなくてせわしなく感じる。
それに、あまりに速いので、装飾音やトリルが時々不鮮明でもつれたように聴こえる。
ショパンのエチュードなら、練習曲という性格があるせいか、猛スピードが逆に面白く聴けたけれど、《ゴルトベルク》では、それまでの潤いのある叙情感が吹き飛びそう。
でも、その直後にゆったりしたテンポの変奏になると、繊細な情感と綺麗な響きの演奏になって、やっぱり素敵と思い直したり。

何度か聴いていたら、その猛スピードにも耳が慣れて、さほど気にならなくなってきた。
CD買うべきかどうかちょっと迷ったけれど、猛スピードの変奏以外はとても魅力的だし、脆くて壊れそうな感受性を感じさせるアリアと第15変奏&第25変奏があまりに印象的すぎて、結局、CD買いました。

Bach: Goldberg Variations, Aria


Andrei GAVRILOV @ BACH Goldberg Variations (1/2) 1993 [Youtube]


バッハ:ゴルトベルク変奏曲バッハ:ゴルトベルク変奏曲
(2006/11/08)
ガヴリーロフ(アンドレイ)

試聴ファイルあり




《ゴルトベルク》よりも、《フランス組曲》よりも、さらに心に染み入るのは《平均律曲集》。
ガヴリーロフが《ゴルトベルク》を録音したのは、1992年。1993年10月には、《フランス組曲》をDGに再録音。
EMIやDGから次々とCDをリリースしていたガヴリーロフは、1990年代半ばまではキラ星の如く輝くスーパースターだった。
その後、ベルギー女王臨席のリサイタルを直前にキャンセルして以降、演奏会でのトラブルも多くなって、ピアニスト人生が暗転。
DGとの契約も家も家族も失い、コンサートもほとんど開くことができず、長らく表舞台から消えていた。

そんな苦境を経て、2000年にライブ録音した《平均律曲集第1巻》は、清々しく澄み切っていて、とても温もりのあるバッハ。
憑きものが落ちて自分自身と静かに向き合っているように聴こえる。

Bach - WTC I (Andrei Gavrilov) - Prelude & Fugue No. 1 in C Major BWV 846


ガヴリーロフの平均集曲集(音源リスト)


<過去記事>
ガブリーロフ ~ ショパン/ノクターン、バッハ/平均律曲集

tag : バッハ ガヴリーロフ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
お屠蘇がわりにグリューワイン
お酒は普段は全く飲まないので、(たまに)クリスマスに飲むか、お正月にお屠蘇を飲むくらい。
日本酒は好きではないので、今まではみりんに屠蘇散を浸して飲んでいたけれど、みりんは15cc中に糖質が6~9gも入っているのに気が付いた。
お屠蘇30ccを飲むと、摂取する糖質は12g~18g...というのはあまりに多いので(メープロシロップ並みかそれ以上)、今年はワインに変更。

お酒よりもチョコレートを食べたい私としては、お酒の知識も銘柄のこだわりも全くないので、ジュースやココアみたいに、甘くて飲みやすいお酒ならOK。
以前は、はカルアミルクが好きだったので、リキュールの「カルア」か「モーツァルト チョコレートクリーム」を買って、豆乳で混ぜたり、最近はオレンジジュースみたいにフルーティで微発泡の「ドクターディムース マルチ・ヴィタ・ヴィーノ」を買って飲んだりしていた。

今年のお正月は、「マルチ・ヴィタ・ヴィーノ」の250mlボトルが近くのリカーショップにもカルディにも置いていなかったので、ちょうどカルディでクリスマス向けに販売していたホットワイン「ラプンツェル グリューワイン/RAPUNZEL GLUHWEIN」(250ml)を初めて購入。
ドイツ産の赤ワインに、シナモン、クローブ、アニスなどのハーブ&スパイスとオレンジやレモンの果汁を加えたホットワイン。
チャイが好きなので、スパイス入りのお酒もいつか飲んでみたいと思っていたので。

【お酒】 ラプンツェル グリューワイン 赤 1000ml [Rapunzel Gluhwein]【季節限定品】【お酒】 ラプンツェル グリューワイン 赤 1000ml [Rapunzel Gluhwein]【季節限定品】
()
rapunzel(ラプンツェル)

商品詳細を見る

クリスマスセール中には1000mlボトルが1000円未満で店頭で売られていたけれど、そんなにたくさん飲めないので、300円くらいの250mlボトルの方を購入。
普通のワインと同じように酸化防止剤は入っているけれど、酸味料や「マルチ・ヴィタ・ヴィーノ」に添加されている保存料(ソルビン酸)が入っていないのが、良いところ。
砂糖入りなので、(他のホットワインの成分表示を調べてみたところ)糖質がたぶん100mlあたり10g以上はあるとしても、多くとも1日30ccくらいしか飲まないので、気にするほどの量ではない。
30ccも飲んだら、ボ~として眠たくなってきて、パソコンを見ていても、焦点が合わなくて、文字がぼやけたり二重に見えたりする。
急に視力が落ちたんだろうかと思っていたら、翌日は元通り普通に見えていたので、ワインで酔っ払っていたのだとようやくわかった。

このグリューワインは、オレンジジュースみたいな味にスパイスの風味が加わって、さらに砂糖が入っているので、期待していた以上に、甘くてとっても美味しい。
どちらかというと、温めてホットワインとして飲むよりも、そのまま冷たいワインで飲んだほうが、私には濃厚な味わいで美味しい。
容量も価格も手頃だし、ホットでも常温でも美味しいので、来年のお正月のお屠蘇も、このグリューワインで。
ガヴリーロフ ~ ショパン/練習曲集
数ヶ月前にバックハウスのショパンのエチュードを聴いていて思い出したのが、ガヴリーロフ。
変わりダネの面白さでは、バックハウスをはるかに上回る。
こう言っては失礼なんだけど、ショパンのエチュードを聴いて笑わせてくれるのは、ガヴリーロフくらいではないかと。

まあとにかく、急速系の曲は、どれだけ速く弾けるかというスピードの限界に挑戦しているように滅法速い。
メカニックはしっかりしているので、(多少荒っぽい気がしないでもないけれど)弾き飛ばしたようなところはなし。
力感・量感豊かで、ダイナミックでスリリング。(ちょっと騒々しいかも)
このスピード感だと、下手をすると危うくコミカルになりかねない寸前なので、どうももう一つ真面目に聴けなかったりする。
それでも、単に速いだけのメカニカルで単調な演奏というわけでは全然なく、生身の人間が体当たりで演奏しているような気合と熱気いっぱいで、これだけ速いわりに、音に柔らかみがあって表情も結構ついている。
緩徐系の叙情的な曲になると、ことのほかまとも。テンポも穏当でしっとりした叙情感がロマンティック。
特に、「別れの曲」は、温もりのある情感が優しくて、とても素敵。
こういう風にも弾けるのだと感心してしまう。

ガヴリーロフのエチュードを聴いた後に、ポリーニのエチュードを聴いたら、それほど速くもないし、精密で生真面目でとても品良く聴こえてきてしまう。
今まで聴いたエチュード録音のなかでは、(ダイナミックなスケール感と繊細な叙情感のある)ソロコフとガヴリーロフが一番面白くて飽きない演奏なので、お正月早々楽しめました。


Andrei Gavrilov plays Chopin Etude Op10 No 4 C sharp minor


Andrei Gavrilov - Chopin Etude op. 10 n. 6


<黒鍵のエチュード>
Andrei Gavrilov plays Chopin Etude Op 10 No 5 Ges Dur, G flat Major, Sol bemol Maggiore


<革命のエチュード>
Andrei Gavrilov plays Chopin Etude Op 10 No 12 C minor




あまりにスピーディだったので録音時間が余ってしまったようで、おまけに《バラード第1番&第3番》までCD1枚に入っている。

Chopin: Etudes, Opp. 10 & 25Chopin: Etudes, Opp. 10 & 25
(2001/08/14)
Andrei Gavrilov

試聴ファイル(1997年、EMI盤RED LINE])
※このCDにはバラード2曲は収録されていません。収録されているのは1997年のEMI盤です。


ガヴリーロフの名誉(?)のために書いておくと、彼が全曲録音した《フランス組曲》の美しさは格別。
スポーツカーか新幹線みたいにモーレツに速かったショパンのエチュードを弾いているピアニストと同一人物だとは、とても思えない。
数あるフランス組曲録音のなかでは、一番好きな演奏。
ペダルを多用しているので、現代ピアノの響きがよく映える。特に短調の曲(1~3番)のレガートな旋律の流麗な叙情感と美しい響きにはうっとり。
フランス組曲といえば、第5番しか聴いていなかったのに、ガヴリーロフの録音を聴いてからは、第1番と第2番ばかり聴くようになってしまった。

Andrei Gavrilov performs Bach French suites No.1 in D minor BWV812.wmv


Andrei Gavrilov performs Bach French suite No.2 in C minor BWV 813.wmv



French Suites Bwv 812-817French Suites Bwv 812-817
(2003/04/01)
Andrei Gavrilov

試聴ファイル


<過去記事>
ガヴリーロフ ~ バッハ/フランス組曲

tag : バッハ ショパン ガヴリーロフ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集
今年最初に聴いた曲は、年末に引き続いてバッハ。
バッハ作品のなかでも、パルティータと同じくらいによく聴いてきた《ヴァイオリンソナタ全集》。

この曲集を聴くときは、必ずといっていいほど、フランク・ペーター・ツィンマーマン&エンリコ・パーチェの現代楽器デュオ。
今ではチェンバロ演奏が一般的で、演奏会や録音でピアノで演奏されることは少ないらしく、現代ヴァイオリンと現代ピアノによる演奏はかなり珍しい。
現代楽器同士の演奏だと、細部まで一音一音が明瞭に聴き取れるので、対位法の妙や和声の美しさがよくわかるところが私にはとても聴きやすい。
このDVDで、初めてこのヴァイオリンソナタ全集と2人の演奏を聴いて以来、曲自体が好きになったのはもちろん、ツィンマーマンとパーチェの録音のCDコレクターになってしまった。

ツィンマーマン&パーチェの演奏は、速いテンポで颯爽として、切れの良い音で奏でる旋律は流れるように滑らかで、躍動感豊か。
叙情的であっても情緒過剰になることなく、品の良いしっとりとした叙情感が美しく、《パルティータ》よりも自由度が増し、現代的な感性に近づいたような気がしてくる。

どの曲も好きなのだけど、急速楽章を聴くと心弾むような明朗さと喜びが溢れていて、気持ちが明るくなってくる。
新しい年の幕開けに似合っていると思うのは、第6番BWV1019の第5楽章(動画では14:19~)。
このヴァイオリンソナタ全集の最終楽章に相応しく、晴れやかな開放感と広がりがあって、堂々としつつ、空へ飛翔するように軽やか。
白亜の壁に囲まれたバロックホールの明るさとシックな内装が、気品のある曲と演奏をさらに引き立てて、ツィンマーマンとパーチェも互いに視線を交わしながら楽しそうに演奏しているところが、微笑ましかったりする。
この曲では、珍しくも第3楽章が鍵盤楽器による独奏楽章。あまりに気に入ったので、暗譜して弾けるまでピアノで練習したくらい。

Bach Sonata for Violin & Piano BWV 1019 G major F P Zimmermann, E Pace




第3番BWV 1016の第4楽章(動画では12:07~)も華やかで軽快。

Bach Sonata for Violin & Piano BWV 1016 E major F.P. Zimmermann, E Pace





こちらは、DVDの公式プロモーション映像。6曲(BWV1014~1019)のうち3曲の一部がメドレーされている。

[Euroarts 2057188] BACH, J.S.: Sonatas for Violin and Keyboard, BWV 1014-1019



<過去記事>
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集(ライブ録音/DVD)

カレンダー
12 | 2015/01 | 02
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
タグリスト
マウスホイールでスクロールします

月別アーカイブ

MONTHLY

記事 Title List

全ての記事を表示する

リンク (☆:相互リンク)
FC2カウンター
プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

お知らせ
ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿や記事内容と関連性の薄い長文のコメント、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で削除・拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。