*All archives*

新しいホームベーカリー <タイガー魔法瓶/やきたて KBH-V100>
最近記事:<タイガー IHホームベーカリー KBH-V100>の使用感
------------------------------------------------------------------------

2008年に購入したパナソニックのホームベーカリー(SD-BM101)は、一度も故障することなく、1年中季節を問わず安定した焼き上がりで、今まで買った調理家電のなかではベストヒット。
週2回ほど7年間近く使っていると、とうとうパンケースと羽根のフッ素加工がかなり剥げてきた。
油脂ゼロか少量のリーンなパンを作ることが多いので、なおさら焼きあがったパンを取り出すのに一苦労。
いくらパンケースをブンブン振ってもパンが出てこないので、ナイロン製のターナーやフライ返しをケースとパンの間に差し込んでパンを取り出しても、今度は羽根ががっちりパンにのめり込んでいる。

そろそろパンケースと羽根を買い替える時期に違いない。
パンケースと羽根だけ交換するなら、部品代は合計4000円くらい。
このホームベーカリーにさしたる不満はないので、このまま本体は使い続けてもいいのだけど、今時のホームベーカリーはかなり進化して、ハード・ソフトともずっと充実している。
多機能なわりに価格も手頃な機種が多いので、新しいホームベーカリーを買うことに。
今のホームベーカリーは処分せずに、当分持っておくつもり。
天然酵母モードの生種作り機能は、24時間30℃で保温することができるので、パン作り以外にも使えそうだし、コースによってはこっちの方が美味しいパンが焼けるかもしれない。
パナソニック製ホームベーカリーは、クラスト(皮)が厚くて硬いのが特徴。薄くて柔らかい皮が好きな人が多いようで不評だけれど、この皮がクッキーみたいで美味しいし、天辺まで焼き目がしっかりつくのが良いところ。
パン・ド・ミが焼ける機種なら、薄くてパリパリした皮になるらしい。

最新のホームベーカリーのスペック・試用リポート、口コミを、amazon、価格.com、質問サイトにユーザーのブログで調べて、良さそうな機種の取扱説明書をダウンロードしてチェック。

お米パンが作れる「GOPAN」の最新機種は、価格が2万円台半ばまで下がっている。
お米パンもいいかな~と一応検討してみたけれど、サイズも大きめで重たいし、グルテン粉も必要だし、お米パンを作ったときの洗い物が手間。
それに、お米パン用パンケースのフッ素加工が剥がれやすいらしく、パンケースは1万円以上と高額。
米粉100%パンと「ごはんパン」(炊いたご飯を強力粉に混ぜたパン)なら、お米パンと同じようなパンにはならなくても、そこそこ美味しいので、結局「GOPAN」はパス。


かなり時間をかけて調べたところ、コース数・出来栄えの良さと安定性から考えて、パナソニックとタイガーに絞った。
最初はパナソニックの最新機種を買うつもりだったけれど、タイガー製のホームベーカリーの評判がとても良い。

<パナソニック/SD-BMT1000>
○遠赤外線フッ素加工のパンケースと内蓋がミラー天板で、天辺までこんがり綺麗に焼ける。(ミラー蓋でなくても、よく焼けているけど)
○今使っている機種は、気温に関係なく、焼き上がりが安定している。添付レシピとは違うレシピをいろいろ使っても、問題なく綺麗に焼ける。これは最新機種でも変わらないはず。
○インバーターモーター搭載。マーブルブレッドが簡単に作れる。
○パン・ド・ミ、クイックブレッド、ソイスコーンは作ってみたい。(クイックブレッド、ソイスコーンはオーブンでも作れそうだけど)
▲スチームケースは、作れるパンに興味がないので、なくても良い。(それなら下位機種でも良いかも)
▲練り・発酵・焼きの「独立コース」がない。頻繁には使わなくても、あれば使えて便利。
▲タイガー製と比べると、ハード面で魅力度がいまひとつ。そのわりに価格は高め。


<タイガー/KBH-V100,KBX-A100>
○業界初のIH式加熱方式。3つの温度センサーと冷却(送風)ファンで生地温度管理。ハード面では一番魅力的。
○IH式の利点は、焼成時の温温度の立ち上がり(フランスパンコースの場合、200℃まで一気に加熱できる)、焼き時間もほとんどのコースで30分と他社製品より10~20分くらい短い。
○最上位機種(GRAND Xシリーズ KBX-A100)は、DCモーター搭載。モーターの消費電力が従来機種の1/4くらいに減っているので、製品説明によると、夏場は過発酵を防ぎ、しっかり捏ねるので生地の伸びがよく、きめも細かい。
○「角食パン」(0.6斤)が作れる。(手作業が必要。「角食パン」が作れる他社製品はない)
○練り・発酵・焼きの「独立工程コース」付き。ソーダブレッドやスコーンもオーブンなしで簡単に作れそう。
▲皮の焼き色が濃くて、薄くてパリパリ。中身はふんわりもちもち..らしい。厚くて硬い皮と目の詰まった引きの強いクラムのパンを食べなれているので、好みに合わないかも?
▲写真やレビューを見る限り、天辺の焼き色が側面に比べると薄く、焼きが弱い感じがする。
▲使い勝手が悪い点:
1)側面にメニュー一覧を貼り付けているので、見づらい。
2)時間表示が現在時刻なのは、理解不能。焼き上がり予定時間または残り時間のカウントダウン表示にするのが普通。
予約なしでは、残り30分になってようやくカウントダウン表示するが、焼き上がり時刻を勘違いしていたら、せっかく焼いたパンが台無しになる可能性あり。予約すると、焼き上がり予定時間表示のみでカウントダウン表示なし。
ということは、正確な焼き上がり時刻を表示させたければ、すぐに作る場合でも、所要時間を逆算して予約しなければいけない(これは面倒)。
3)リチウム電池交換が自宅でできないので、修理対応。(リチウム電池がなくても使えるけれど、時間表示を毎回設定しないといけない)
▲最上位機種は3万円台半ばと高価格。製造終了となったIH式のKBH-V100も、在庫販売だけなので急に値上がりしていて、パナソニックの最上位機種と同等かそれ以上に高い。(時々安くなっているときもある)

総合的に考えると、いずれもパンコースの種類も多く、天然酵母コースもついて、おもちも作れるので、ソフト面ではパナソニックもタイガーもほぼ同等。
タイガーでは「角食パン」と「独立コース」があるのが、私にはプラス。
ハード面では、IH式で焼き上がるタイガーのポイントが高い。
パンケースの遠赤土鍋コーティングも、タイガーの調理家電に特徴的な構造らしく、他社製品よりもふっくら焼き上がりそうな印象。
タイガーは、クラストが薄めでこんがり焼けてパリパリ、クラムはふんわり(それにもちもち?)というのが好評。
パナソニックのクッキーみたいな厚く硬いクラストが好きなので、どちらのホームベーカリーで焼いたパンがより好みに合うのかは、食べ比べてみないとわからない。
価格的には、IH式ではないパナソニックのホームベーカリーはコースが多いだけで、少し割高感がある。
使い勝手は、ユーザーの使いやすさを良く考えて作られているパナソニックの方がずっと良さそう。(タイガー製品は、ハード重視な印象)

結局、「通販生活」のレビューを読んで、「パリッとした薄めの皮、弾力ある生地からは小麦の香りが広がっていく」という、タイガーのホームベーカリーにほぼ決定。
そのレビューで紹介されているのは、最上位機種「GRAND X シリーズ KBX-A100」。
DCモーター付きで3万円台半ば。発売後半年くらいしか経っていないので、当分大きく値下がりしそうにない。

ホームベーカリー GRAND X IHホームベーカリー やきたて タイガー[通販生活]

“こね”から“焼き”まで徹底的に温度管理にこだわった「やきたて KBX-A100」[2014年12月6日,価格.comマガジンforウーマン]

タイガーの最新最上位機種は、「IHホームベーカリー やきたて 1斤サイズ KBX-A100-W」。
旧機種との最大の違いは、DCモーターを搭載していること。
TIGER IHホームベーカリー やきたて 1斤サイズ KBX-A100-WTIGER IHホームベーカリー やきたて 1斤サイズ KBX-A100-W
(2014/09/21)
タイガー魔法瓶(TIGER)

商品詳細を見る



ハード・ソフト両方と実売価格から考えて、一番お買い得な機種だと思ったのは、タイガーの「KBH-V100」。
DCモーターは付いていないけれど、評判はとても良い。
お餅とうどん・パスタコースがついて、角食パンも作れるし、独立工程機能ありと、充実した機能。
最新機種との最大の違いは、DCモーターではなく、従来型モーター。
レビューを見る限り、DCモーターでなくとも、クラムのキメも細かく、出来上がりはかなり良さそうに思える。
余計な添加物が入っていない、そこそこ美味しいパンが焼ければ良い私には、これで充分すぎるくらい。

すでに生産終了した型落ちなのに、在庫かぎりなので最近価格が急上昇して、2万円台半ば~3万円くらい。
数日前、税込19800円で販売している業者を価格comで見つけて、どの機種にするか迷うのもいい加減疲れてきたので、すぐに購入。

業界初の「IHホームベーカリー」で焼いたパンの味は格別!?(「やきたて KBH-V100」)[2014年1月8日,価格.comマガジンforウーマン]

TIGER ホームベーカリー 「やきたて」 IH 土鍋焼き ホワイト 1斤タイプ  KBH-V100-WTIGER ホームベーカリー 「やきたて」 IH 土鍋焼き ホワイト 1斤タイプ KBH-V100-W
(2013/10/01)
タイガー魔法瓶(TIGER)

商品詳細を見る



<長期保証/延長保証>
新しく買ったホームベーカリーには、初めて延長保証をつけることにした。
パナソニックのオーブンレンジが、わずか2年でコア部品が故障して、修理費用が高すぎて買い換える羽目になったのに懲りたので。
ホームベーカリーは、電子レンジとオーブン兼用で毎日頻繁に使うオーブンレンジよりもはるかに故障しにくいと思うし、故障といっても、どちらかというと初期不良の方が多い。とはいえ、こればかりは予測不可能。
購入したネットショップでも長期保証(5年)を有料で付けられる。難点は発送時の送料が自己負担で、近くのサービス拠点に持ち込み修理できるかどうかもわからない。

調べてみると、どこのインターネット通販で買っても、延長保証(家電製品の保証期間は5年間)してくれる「クロネコ延長保証ダイレクト」というヤマト運輸のサービスがあり、保証内容も悪くない。
購入金額が21600円以下の場合は、保証料1080円プラス登録手数料216円。送料無料で回収・修理してくれるので、故障したときに元は取れる。

パナソニックのホームベーカリーは7年間故障もせずに今でもちゃんと動いているから、タイガーのホームベーカリーも7年といわず、10年くらいは使いたいもの。
その頃には、どれくらいホームベーカリーがさらに進化しているのかわからないけど、もしかしたら炊飯器みたいにIH式が主流になっているかも?


<参考情報>
特集 ホームベーカリー 6機種 食べくらべ![Joshin Web]

インバーターモーターでさらにパンがおいしくなる!? ホームベーカリー最新事情[デジモノステーション・オンライン]

製品レビュー:ホームベーカリー SD-BMT1000 パナソニック[通販生活]

tag : ホームベーカリー

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
バックハウス晩年のライブ録音集 ~ ザルツブルク&ベルリンリサイタル
バックハウスのソロ録音はほとんど持っているけれど、そのなかでも晩年のライブ録音は味わい深く、しみじみと感じさせるものがある。

1968年のザルツブルク音楽祭リサイタルのライブ録音(orfeo盤)では、すでに84歳という高齢。
随分以前に聴いたときはそれほど感動するというわけではなかったのに、聴き直していくうちに、技巧を超えた何かを感じるようになってきた。
モノラル時代と比べれば、技巧的にかなり衰えているとはいえ、音質がはるかに良い上に、ライブならではの臨場感や生気がひしひしと伝わってくる。


『ザルツブルグ・リサイタル』(1968年8月10日)[ORFEO]

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番 他 [Import]ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番 他 [Import]
(1992年11月05日)
Wilhelm Backhaus

試聴ファイル(allmusic)


当日のプログラムは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタから第12番「葬送」、第14番「月光」、第17番「テンペスト」、第26番「告別」。
いずれもライブ録音でよく登場する曲ばかり。
このライブ録音では、音楽が自然に流れていて、本当に体にしみこんでくるような感じがするくらい。
こういう感覚は他のピアニストで弾くベートーヴェンではめったに味わった覚えがない。
音の粒が揃っていなかったり、速いパッセージで指がもつれ気味だったり、ミスタッチが多かったりと、技巧的なキズは多々あるとはいえ、85歳にしては、驚くほどにタッチが力強く安定している。
さらに、テンポも若い頃に比べれば多少遅くなっているけれど、これでも普通に速いのが驚き。(高齢のピアニストは、テンポがかなり遅いテンポで弾いている人が多いので)
何よりも、演奏に緩みがなく、生き生きとした躍動感と活気が溢れているのが凄い。
まろやかなベーゼンドルファーの音と録音音質とが影響しているのもあるかもしれないけれど、暖かみのある音色と力みのない表現がとても自然な歌いまわしになっている気がする。
特に、「葬送ソナタ」は、ピアノの軽い柔らかで暖かい音色と淡い叙情感が、この曲に良く似合っていて、このCDでは一番好きな曲。
冒頭の主題旋律を聴いただけで、しみじみとした情感に惹きこまれてしまう。
第2楽章は、速いテンポでリズミカルだし、最終楽章は葬送行進曲の重い足取りから解放されて、息を吹き返したように生き生きとして、軽やかに舞うよう。


これはモノラル録音の「葬送ソナタ」
ベートーヴェン ピアノソナタ第12番「葬送」第3楽章 (Piano : Wilhelm Backhaus)


ベートーヴェン ピアノソナタ第12番「葬送」終楽章 Op.26 (Piano : Wilhelm Backhaus)





『ザルツブルグ・リサイタル』(1966年7月30日)[ORFEO]

Wilhelm Backhaus Plays Beethoven, Mozart and BachWilhelm Backhaus Plays Beethoven, Mozart and Bach
(2000/10/17)
Wilhelm Backhaus

試聴ファイル(allmusic)


プログラムは、ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第23番<熱情>、第32番、バッハ「前奏曲とフーガ」、モーツァルト「ピアノ・ソナタ第5番/ピアノ・ソナタ第11番トルコ行進曲付」。
珍しくもバッハとモーツァルトのライブが聴ける。
スタジオ録音があるのは、BWV884が1956年、K283が1966年、K331が1955年。
モーツァルトは、甘くはないけれど、柔らかいタッチで優しく語るような歌いまわし。
「トルコ行進曲」はリサイタルのアンコールでよく弾いていたようなので、バックハウスはこのピアノ・ソナタが好きだったのだろう。
56年のライブ録音のアンコールと比べると、(加齢の影響のためか)タッチの鋭さと力強さが減っていて、10年前の「トルコ行進曲」の方が活気に満ちている。

CDレビュー:バックハウス@ザルツブルク(1966年7月30日)[クラシック音楽CDの雑談]



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 (第15,18, 21, 30番) (1969)[audite]

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 (Beethoven : Piano Sonatas Nos. 15, 18, 21 & 30 / Wilhelm Backhaus (1969 LIVE)) (2CD)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 (Beethoven : Piano Sonatas Nos. 15, 18, 21 & 30 / Wilhelm Backhaus (1969 LIVE)) (2CD)
(2010/07/08)
ヴィルヘルム・バックハウス

試聴ファイル

これは、ベルリンのフィルハーモニーでのリサイタルをステレオ録音したもの。
音質が素晴らしく良く、残響も豊か。それに、ベーゼンドルファーではなくベヒシュタインを弾いているので、やや硬質でかなり輝きのある音色。
亡くなる3ヶ月前のリサイタルなので、齢85歳。高齢でテンポが遅くなるピアニストが多いなかで、バックハウスはテンポは相変わらず速く、音も瑞々しい。
クリアの音質とピアノの音色のせいか、1年前のorfeo盤よりも、タッチに力強さと、演奏に緊張感が感じられる。
ライナーノートでは、このプログラムはバックハウスにとっては”taking risk”と書かれている。
長年弾き慣れた曲ばかりとはいえ、和音と跳躍が多い「狩」や、音域が格段に広がりアジペジオも多い「ワルトシュタイン」が入っているし、最後の30番ソナタも終楽章のトリル、85歳という年齢を考えると、このプログラムを弾くというのは凄い気がする。
指がもつれるようなところや急き込んだようなところは時々あるけれど、最晩年までバックハウスの技巧が大きく損なわれることなく、テンポは速く、打鍵も明瞭で、強弱の起伏も大きくダイナミックで、演奏に淀みなく勢いがある。
瑞々しく輝きのある音と生き生きとした躍動感で、”枯れた”ところは全くなく、若々しさを感じさせるくらい。
思弁的にも精神的な深遠さにも陥ることがないのは、バックハウスらしいところなのかも。
最晩年のリサイタルを、これだけ良い音で、最後まで崩れることなく、テンション高く生気に満ちた演奏で聴けるのは、本当に嬉しい限り。
特に、今までライブ録音では聴けなかった「田園」と「第30番」、最後のリサイタルでは最後まで弾くことができなかった「狩」が聴くことができる。

この4曲のなかでは、一番惹きこまれたのは第30番。
曲想のせいもあるのかもしれないけれど、それまでの曲の演奏で感じられた力強さと緊張感が和らぎ、泰然自若というか、自然な緩やかさと自由さがあるような感じがしてくる。
第31番の方は叙情性が強いけれど、こちらはそれと比べて変奏が入っているせいか、形式的にかっちりと整った感じがする。
バックハウスの演奏を聴くと、第31番と同じくらいに好きになれそう。
特に、最後のトリル部分は、第32番の最終部分と相通ずるように、天上の高みへと飛翔していくように聴こえる。

これはモノラル録音(1950年)の第30番。
Wilhelm Backhaus plays Beethoven Sonata No. 30 in E major Op. 109



<参考情報>『ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第30番作品109』の謎』(大村 英堯)

tag : ベートーヴェン バッハ モーツァルト バックハウス

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
新垣隆/吉田隆一 『N/Y』
現代音楽とジャズが融合した(らしき)アルバム『N/Y』が2月11日にリリース予定。
オリジナル曲の作曲と演奏は、作曲家(でピアニストの)新垣隆と、”ジャズ界きっての異才”(と言われているという)バリトンサックス奏者の吉田隆一。
ガーシュイン、エリントン、東海林修、武満徹のスタンダードやクラシックのアレンジ曲もある。
ピアノはスタインウェイではなく、ベヒシュタイン。

ジャズでもピアノソロは好きだけれど、バリトンサックスの低音が太くて重たいので好きではなくて、テナーかアルトサックスの方が聴きやすい。
メイキング映像で聴くと、前衛色はあまり無さそうで、聴きやすい普通のジャズ風。
好みとしては、もっと尖った作風のものを聴きたいし、ピアノソロでもないので、CDを買うのはちょっと迷うところ。
メイキング映像で演奏している曲のなかでは、Part1(“怪獣のバラード”)はかなり好き。
Part2(“Embraceable You”)とPart3(“野生の夢~水見稜に~”)は私にはムーディ過ぎるし、Part4( “皆勤の徒~酉島伝法に~”)は面白いけど、曲自体は好みとは違う。
特に聴いてみたいのは、最後に収録されている武満徹の有名な合唱曲《明日ハ晴レカナ、曇リカナ》。
全曲の試聴ファイルを聴いてから、買うかどうか決めようかと。

N/YN/Y
(2015/02/11)
新垣隆 吉田隆一

試聴ファイル
※タワーレコードでは、アウトテイク2曲を収録したCD-R付属の特典あり(先着順)
<曲目>
1.Vertigo (作曲:新垣隆 吉田隆一)
2.野生の夢 ~水見稜に~ (作曲:吉田隆一)
3.秋刀魚 (作曲:新垣隆)
4.皆勤の徒 ~酉島伝法に~ (作曲:吉田隆一)
5.Spellbound (作曲:新垣隆 吉田隆一)
6.怪獣のバラード (作曲:東海林修)
7.Stage Fright (作曲:新垣隆 吉田隆一)
8.Embraceable You (作曲:George Gershwin)
9.The Birds (作曲:新垣隆 吉田隆一)
10.Sophisticated Lady (作曲:Duke Ellington)
11.Topaz (作曲:新垣隆 吉田隆一)
12.明日ハ晴レカナ、曇リカナ (作曲:武満徹)


Making of 『N/Y』新垣隆/吉田隆一


Making of 『N/Y』Part2 新垣隆/吉田隆一


Making of 『N/Y』Part3


Making of 『N/Y』Part 4


新垣隆と吉田隆一 | Facebook



[215.2.20 追記]

試聴ファイルが公開されていたので、早速全曲聴いてみた。
メイキング動画を聴いたときよりも、聴きたいと思った曲が多くて、印象は良い。
冒頭だけ聴いた限りでは、新垣氏作曲の「秋刀魚」は、ねっとり妖艶なジャズと現代音楽が融合したような感じ。
「supellboud」もちょっと妖しげで不可思議なムードがあって、面白い。
それに「野生の夢」の流れるようなピアノのパッセージがとても綺麗だし、「怪獣のバラード」なんて、爽やかで楽しそう。
ラストの「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」は、レインコートを着た女の子みたいに可愛らしくてちょっとオシャレなムード。

低音の太い音色のサックスに比べて、ピアノの音の線が細くて、タッチも柔らかく軽やか.。
サックスの音色はやっぱり好きではないけれど、ピアノの音は品良く綺麗なので、好みとしてはピアノソロを聴きたくなる。
サックスがバックに回ってピアノソロが前面に出るべきところとか、フォルテで疾走するところでは、もっとピアノが強く主張して欲しい気はする。(私が硬質なタッチが好きだからそう感じるのかも?)
ピアノの透明感のあるすっきりした音が綺麗で、ジャズナンバーでも(クラシックのピアニストらしく)クールで明晰なせいか、ジャジーな雰囲気がほとんどしない。
逆に、サックスの方はムーディなので、結果的上手くバランスして、私には聴きやすい。
ジャズ、現代音楽、ポップスが融合したような曲想がバラエティ豊かで、演奏にも、型にはまらない自由な面白さがあって、CDで全曲聴いたらとっても楽しめそう。



<関連情報>
栗原裕一郎『N/Y』レビュー/ゴーストライター騒動が生んだ注目コラボ 新垣隆は気鋭のサックス奏者・吉田隆一とどう出会ったか[Real Sound,2015.02.24]

<CDレビュー>
『新垣隆 吉田隆一/N/Y』[FIVE by FIVE]

tag : 新垣隆

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
ヒナステラ/ピアノ・ソナタ第2番&第3番
テレンス・ジャッドのライブ録音で聴いたヒナステラの《ピアノ・ソナタ第1番》が素晴らしく良かったので、第2番と第3番も聴いてみた。
面白く聴けはするけれど、第1番のような強烈なインパクトには欠ける。第1番を弾くピアニストが多いのがよくわかる。


<ヒナステラ/ピアノ・ソナタ第2番>
1981年に書かれたピアノ・ソナタ第2番は、ヒナステラの「新表現主義時代」に書かれた作品。
作品解説を読むと、「アンデス先住民の民族音楽」の要素が多分に盛り込まれているという。
「主観的民族主義時代」の第1番(1952年)と比べると、メロディアスさが薄く、原初的な響きのするオスティナートやリズムで構成されている面が強くなって、単純化されて抽象的になっている気はする。
それでも、現代音楽のピアノ・ソナタにしては、この第2番も聴きやすい。
打楽器的な力強いタッチのピアノが炸裂し緊張感が張りつめた第1番と比べると、テンションの高さも迫力も弱く、聴いたときの充実感は薄い。
やっぱり第1番は凄い名曲なのだと実感。


第1楽章 Alegramente
バルトーク風の第1楽章は、第3楽章と同じく和音の連打が続くので、ちょっと似たような曲想。
違うところは、第1楽章はときどき弱音部の美しい旋律に切り替わり、少しエキゾチックだったり、ジャジーだったりする。

第2楽章 Adagio sereno - Scorrevole - Ripresa dell'Adagio
冒頭の静謐で神秘的な旋律がとても印象的。このソナタのなかでは、一番好きな部分。
一転して、虫の羽音か、独楽が回転している様子を描写したようなパッセージ。

第3楽章 Ostinato
メシアンとバルトークを足して2で割ったような(?)力強くも華麗なオスティナートがひたすら続く。

Alberto Ginastera: Sonata per pianoforte n.2 op.53 (1981)
Alexander Panizza, pianoforte



<ヒナステラ/ピアノ・ソナタ第3番>
ピアノ・ソナタ第3番は、ヒナステラが最後に書いた作品。
わずか6分足らずの単一楽章。和音のオスティナートや華麗なスケールなど、作曲年が近いせいか、ピアノ・ソナタ第2番(の第1楽章と第3楽章)に曲想がよく似ている。
”第2番の第4楽章”と言われても、あまり違和感がない。

Ginastera: Sonata No.3 op 55
Alexander Panizza,piano



第2番&第3番の作品解説[中南米ピアノ音楽研究所]

<関連記事>
テレンス・ジャッド ~ ヒナステラ/ピアノ・ソナタ第1番

tag : ヒナステラ パニッツァ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
シュニトケ/ The Story of the Unknown Actor、The Commissar、The Glass Harmonica
久しぶりに聴いたシュニトケは、映画音楽の《The Story of the Unknown Actor(名も知らぬ俳優の生涯)》、《The Commissar(人民委員)》 とアニメ音楽の《The Glass Harmonica(ガラスのアコーディオン)》。

シュニトケが多数書いた映画音楽のなかでも、《The Story of the Unknown Actor》は最も美しくて好きな曲。
冒頭の「Thema」と最後の「Epilog」がうっとりするくらいに美しい。
前衛的だったり、屈折した旋律だったり、あまり聴きやすくはない作品が多いシュニトケが書いたとはとても思えない。
このテーマをモチーフにして、高揚するドラマ風、ワルツ、マーチ、エピローグと、次々と変奏曲のように展開していく。
ロマンティックなテーマでも、劇的なAgitatoでも、感傷や扇情的な高揚感に溺れることなく、きりりと引き締まって格調の高さみたいなものがある。

Schnittke - The Story of the Unknown Actor - Part 1/6


1. Thema - Titelmusik
2. Agitato I - Schlitten
3. Agitato II - Reise
4. Waltzer (Abschied)
5. Thema und Marsch
6. Epilog - Finale


シュニトケの映画音楽集のCDは、Capriccioから出ている全4巻シリーズ。

Film Music Edition Vol. 1Film Music Edition Vol. 1
(2005/01/01)
A. Schnittke

試聴ファイル

《The Story of the Unknown Actor》を収録しているVol. 1は、《The Commissar》をカップリング。
《The Commissar》の方は、シュニトケらしい不協和的な響きや、屈折した旋律があちこちに登場するのが面白い。

シュニトケはアニメーション映画の音楽も作曲している。
最も有名なのが、《The Glass Harmonica》。
アニメ自体が社会批判的な作風で、暗い色調でシリアスで哀愁が漂い、前衛性と幻想性が相まって、芸術作品のようなアニメーション。
シュニトケの音楽も、本業のクラシック作品を髣髴させるような、異世界の音楽みたいな摩訶不思議な響きや旋律がたくさん出てくるので、シュールな面白さが味わえる。

Andrey Khryanovskiy - The Glass Harmonica (1968)


現代音楽の作曲家で映画音楽を書いている人は多い。
前衛的な現代音楽と映画音楽には、不思議な親和性があるというか、現代音楽特有の難解な響きや歌謡性のない旋律が、映画音楽のなかで姿形を変えて出てくると、妙に似合ってたりする。


<参考情報>
シュニトケ[映画音楽他]
シュニトケに関する情報が最も充実しているホームページ<烏鵲の娯楽室>で紹介している映画音楽とCD。


<過去記事>
シュニトケとアニメーション音楽 (1) The Glass Harmonica (1968)

tag : シュニトケ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
【新譜情報】ヴァインベルグ/ ピアノ作品全集
HMVの新譜情報を眺めていたら、ヴァインベルグ(またはヴァインベルク)のピアノ作品全集がBOXセットでリリースされている。
ヴァインベルクはポーランド出身で、、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻したため、ソ連に亡命した作曲家。
昔ヴァインベルクの曲をいくつか聴いたことがあり、ショスタコーヴィチみたいな作風で、結構気に入った記憶がある。(CDは買わなかったけれど)

このBOXセットは、既発の分売盤4枚をまとめたもの。
ピアニストは、(たぶん聴いたことがない)アリソン・ブリュースター・フランゼッティ。
ピアノ・ソナタ第1番~第6番とその他の作品が収録されている。

試聴ファイルを聴くだけでもかなり面白いけど、やっぱりショスタコーヴィチと、それにプロコフィエフを聴いている気分。
マイナーレーベル(と昨今の円安)なので、価格はちょっと高いかも。
曲自体は私の好みに合っているので、もう少し安くなったらBOXセットを買ってもいいかなという気はする。

Complete Pno WorksComplete Pno Works
(2015/01/13)
Allison Brewster Franzetti

試聴ファイル
HMVのCD紹介文


Mieczysław Weinberg - Complete Piano Works Vol. 1 Grand Piano GP603 (Piano、Franzetti)



『Russian Piano Music Series, Vol. 9』でヴァイベルクの作品を弾いているMcLachlanの音源。
Franzettiよりもテンポが速い曲が多くて、ちょっとせわしない気がするけれど、表現はメリハリがあってシャープな感じ。

Mieczyslaw Weinberg * Sonata per pianoforte n 2. op. 8 (Piano, Murray McLachlan)


Mieczysław Weinberg, Piano Sonata no.5 (1956) (Piano, Murray McLachlan)

tag : ヴァインベルグ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
自家製お漬物
お向いの奥さんからいただいたのは、自家製の塩漬け白菜。
市販のお漬物は漬け汁が添加物だらけなので買うことはなく、自分で甘酢か塩麹、たまに酒粕やコチュジャンを使って数日漬けている。なぜか塩漬けはしたことがない。
この白菜漬けは、塩・昆布・鷹の爪、それに干した柿の皮と一緒に2週間くらい漬けたもので、そのまま食べると味が良くしみて、浅漬けよりもずっと美味しい。
さらに1週間ほど置いておいたら、発酵が進んでかなり酸味が強くなっている。
みりんで伸ばしたコチュジャン・ナンプラー・ベトナムのえび塩を混ぜてみると、ほとんどキムチ風。

とっても美味しかったので、私も白菜漬けを作ってみた。
冬なら冷蔵庫に入れなくてもよいので、手軽に作れる。
白菜はいつも玉売りで買っているので、葉を4枚だけ使って、塩漬けで3日ほど。
水が上がったので、次は本漬けとして、2枚は昆布だし、柚子胡椒を加えて、5日ほど漬けておいた。
残り2枚は、コチュジャン等を混ぜてキムチ風に。

白菜漬けの方は、ほんのり塩味で、さっぱり。早く食べ過ぎたせいか、酸味がなくて浅漬け風。
もっとしっかり味が浸みた方が好きなので、もう1週間ほど漬けておくと、酸味が強くなって、これは美味しい。
新しい昆布と鷹の爪を買ってきたので、また白菜を数枚漬けている。
2週間ほどしたら、食べ頃になっているはず。

白菜漬けよりも手間いらずなのが、ピクルス。
酢(りんご酢)と水、はちみつ、ストックしているスパイスで使えそうなもの(乾燥バジル、クローブ、黒の粒胡椒)を適当に混ぜて、食塩水に浸した野菜をポンポン放り込んで、3日後から食べられる。
今回は大量に余っていたロマネスコ(カリフラワーとブロッコリーの相の子)、にんじん、たまねぎ、大根、セロリを漬けておいた。
ズッキーニやオクラ、レンコンとか、ゆで卵やきのこもOK。
塩漬けと違うところは、ほとんど発酵しないこと。
野菜のミックスピクルスの作り方(レシピ)[ダイエットでもおいしく食べた~い!]

発酵させるなら、ザワークラウト
塩だけで漬けておけば良いので、ピクルスよりもずっと簡単。まだ作ったことがないので、そのうち作ろうかと。
ドイツの保存食『ザワークラウト』を作りましょう♪[Farmer’s KEIKO 農家の台所]

手間がかかるぬか漬けは、冷蔵庫に保管スペースがいるし、毎日混ぜてやるのも面倒なので、作る気がおこらない。
ヨーグルト漬けなら、ぬか漬け風になるという。
ヨーグルトに塩と食パンを加えて、野菜を漬けるだけ。
早速作ってみたら、パンが少なかったのか、全然ぬか漬けっぽくなく、さして美味しいというわけでもない。これはリピなし。
ヨーグルト漬けもの[明治ブルガリアヨーグルト倶楽部]


<漬物レシピ>
濱田美里 『漬ける・干す・保存する濱田美里の季節の手仕事帖』。
お漬物のレシピブックはたくさん出ているけれど、私が買ったのは、好きな料理研究家である濱田美里さんの本。
梅・野菜のお漬物だけでなく、卵、豆腐の漬けもの、干し物(魚、大根、芋、りんごなど)、バリエーションがいろいろ。
レシピ数は自体は少ない。かなり頁を割いている梅酒も梅干も飲まない/食べないので、漬物レシピとしては私には実用性は低い。
野菜の漬物以外のレシピ(お魚・大根・林檎の干し物や、漬け魚とか)もあり、しめ鯖は作ってみたくなる。
このレシピブックで特に気に入っているのは、写真集みたいにビジュアルがとても綺麗なところ。
写真は全体的にダークな色合いで、ちょっとレトロでシックな雰囲気。
それに、濱田さんのちょっとしたコメントとか、料理研究家になる前の修行時代の話とかが載っていて、読み物として面白い。

漬ける・干す・保存する濱田美里の季節の手仕事帖漬ける・干す・保存する濱田美里の季節の手仕事帖
(2008/04/24)
濱田 美里

商品詳細を見る



有元葉子『うちのおつけもの』。
ジップロックとバットを使って冷蔵庫で少量漬けるレシピが多い。
夏でも冷蔵庫で少量の漬物を作るので、年中いろんな種類の自家製漬物が食べられるのが良いところ。
漬け方は、塩、みそ、しょうゆ、ぬかの漬物、梅干しと梅酢漬けなど、ほとんどカバーしている。(ヨーグルト漬けはなかったけど)
単にお味噌のなかに、(水分の少ない)ごぼうを突っ込んでおくだけの味噌漬けは簡単で美味しそう。
手順の写真が大きくて詳しいし、そのわりにレシピ数(漬けられる野菜類のバリエーション)が多い。

有元葉子 うちのおつけもの有元葉子 うちのおつけもの
(2011/11/18)
有元 葉子

商品詳細を見る


渡部和泉 『漬けるおかず便利帳』
漬物に限らず、漬けて食べられるおかず類のレシピが豊富。
カタログ風なので、読み物とかビジュアル的な面白さはないけれど、レシピが多くて実用的。
レシピが多い分、説明や写真は簡潔。

漬けるおかず便利帳漬けるおかず便利帳
(2011/06/08)
渡部 和泉

商品詳細を見る


漬けるドットコム
漬物の種類が多く、写真入り(一部は動画付き)なので手順がわかりやすい。

池田遙邨画集
お正月に近所のBookoffでシャガール画集を買ったとき、池田遙邨回顧展の図録が置いてあるのを見つけた。
池田遙邨の絵画展は、30年近く前に京都市美術館で見た記憶があり、気に入った絵の絵葉書を10枚ほど買って、今でも持っている。
この図録は1982年の回顧展のもので、私が行った絵画展よりも少し以前の絵画展らしい。
かなり昔の図録にしては、使用感がなくてとても状態が良い。
それほど有名で人気のある画家でもないせいか、いくら安くしても(150円だった)誰も買わなくて、売れ残っていたみたい。
まるで私に見つけられるのを待っていたような縁を感じたので、この図録も購入。

遙邨の有名な作品といえば、俳人種田山頭火の俳句をモチーフにした最晩年の《山頭火シリーズ》。
遙邨の作風がかなり変遷していったようで、「雪の大阪」「雪の神戸港」「昭和東海道五十三次」などと、「森の唄」や「夜」とかは、かなり趣が違う。
《山頭火シリーズ》は特に好きというわけではなく、特に好きなのは、戦後の風景画や小動物が出てくる作品。
構図がかなり大胆で、動物たちの飄々としたユーモラスな姿や表情も面白くて、ほのぼの~。
構図の大胆さと対照的に、細部は精巧で緻密。
それに、それほど色彩感豊かというわけでもないのに、色使いが面白い。
同色系の色使いが渋くて、そのなかに反対色(というのだろうか?)で描かれた小さなモチーフがくっきりと色鮮やかに浮かび上がる絵が多い。

特に面白かったのが、「囁」。
雪が舞い落ちた叢で、お地蔵さんの囁きが聞こえたかのように、振り返るタヌキ。
喋るはずがないお地蔵さんが「囁く」のが、意外で面白い。
タヌキの姿が可愛らしくてどこかユーモラスで、お地蔵さんの囁きが聞こえてきそうなくらいにリアル。
「囁」を取り上げたブログ記事(「春を待つ」楽しみ)を見つけたけれど、私とは違って、この方は「少し離れて狸がいるが、狸は石仏に囁きかけているのかもしれない。」と解釈している。
それに、「遙邨の描く動物たちはみんな寂しく・みんなトボケている。」という点は、トボケけて(飄々として)いるのは同感だけど、寂しそうには全然見えなくて、独りであっても自由でいいなあ~と思うんだけど。

遙邨の生まれ故郷である倉敷市の市立美術館では、8000点にのぼる遙邨コレクションを所蔵。
ホームページでも一部の絵を見ることができる。

池田遙邨の世界[倉敷市立美術館]
池田遙邨収蔵作品[倉敷市立美術館]

「雪の大阪」(1928年)(Artrip Museum 大阪新美術館)
「雪の神戸港」(1947)[神戸市立博物館]


<参考ブログ>
池田遙邨回顧展[遊行七恵の日々是遊行,2008年08月31日]
『ぐるりとまはって枯山 山頭火』、『森の唄』、『岩礁』、『影』などを紹介。
カレンダー
01 | 2015/02 | 03
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
タグリスト
マウスホイールでスクロールします

月別アーカイブ

MONTHLY

記事 Title List

全ての記事を表示する

リンク (☆:相互リンク)
FC2カウンター
プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

お知らせ
ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿や記事内容と関連性の薄い長文のコメント、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で削除・拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。