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ハンネス・ミンナール『Bach Inspirations』
たまたまHMVの新譜情報で見つけたオランダ人の若手ピアニスト、ハンネス・ミンナール(Hannes Minnaar)。
プロフィールを調べると、2008年のジュネーヴ国際音楽コンクール第2位、2010年のエリザベート王妃国際音楽コンクール(審査員のひとりがペーター・レーゼル)でコジュヒン、ボジャノフに次ぐ第3位。
アムステルダム音楽院でヤン・ウィーンに師事、2009年に最高位で卒業。
ジャック・ファン・オールトメルセンにオルガンも師事。
オランダの次世代ピアニストとして期待されているという。

ソロアルバム「ラフマニノフ&ラヴェル作品集」(Cobra Records)で、”オランダのグラミー賞”エジソン賞受賞。
5月発売予定の新譜は、オランダの指揮者、鬼才フリエンドと録音したベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番『皇帝』&第4番
昨年には、クーレンとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲録音していた。
ソロアルバムの試聴ファイルやYoutubeでライブ映像を少し聴いただけで、ミンナールのピアノには強く惹きつけられるものがある。
とりわけ鮮やかに思ったのは、(バッハに限らず)両手というより3本の手で弾いているみたいに、声部の色彩感の違いが明瞭で、異なる旋律が語るような歌いまわしでそれぞれくっきりと聴こえてくるところ。

Bach InspirationsBach Inspirations
(2014/02/11)
Hannes Minnaar

試聴ファイル(Allmusic.com)

<収録曲>
J.S.バッハ(リスト編): 前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543
J.S.バッハ(ブゾーニ編): コラール 《目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声》 BWV.645、コラール 《いざ来ませ、異邦人の救い主よ》 BWV.659、コラール 《いざ喜べ、尊きキリストのともがらよ》 BWV.734
フランク: 前奏曲, コラールとフーガ M.21
J.S.バッハ(ラフマニノフ編): 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ短調 BWV.1006より
J.S.バッハ(バウアー編): カンタータ第127番 《主イエス・キリスト、真の人にして神よ》 BWV.127
J.S.バッハ(ヴォーン・ウィリアムズ編): コラール 《ああ、われらと共に留まりたまえ、主イエス・キリストよ》 BWV.253、コラール前奏曲 《ああ、われらと共に留まりたまえ、主イエス・キリストよ》 BWV.649
リスト: BACHの主題による幻想曲とフーガ S.529(第2版)
グレインジャー: 陽気な鐘の音 after BWV.208
録音:2013年6月 Westvest90(スキーダム/オランダ)

このアルバムは、2014年1月のGramophone MagazineでEditor's Choiceとして選ばれている。CD評は”early contender for Gramophone instrumental record of the year. Why? The recorded piano sound is a real pleasure to hear; the programme is artfully conceived...lastly, every single performance by this 28-year-old Dutch pianist is out of the top drawer.”。(Presto Classical のCD紹介文)

バッハの編曲もののCDはたくさん持っているけれど、ミンナールの選曲はかなりユニーク。
ポピュラーなリスト、ブゾーニの編曲のほかに、彼らほどには知られていないフランクが入っていたり、ラフマニノフ、ヴォーン・ウィリアムズ、グレインジャーの曲はわりと珍しい。
曲名だけはよく知っているリストの「バッハの主題による幻想曲とフーガ」は最後までしっかり聴いた覚えが無い。

Vrije Geluiden(オランダのメジャーなテレビ音楽番組)の放送用ライブ映像で聴いても、試聴ファイルと印象は同じ。(CDの方が音が柔らかく残響がちょっとだけ多い)
一音一音の輪郭が明瞭でくっきりと粒立ち良く、やや硬質で丸みのある抜けの良い音がクリアに響く。
特に、残響が深く長い低音や持続音にもニュアンスが篭っていて印象的。
色彩感も声部ごとに違い、全ての旋律の響きが混濁することなく、立体的に聴こえるので、ミンナールの奏法はバッハ演奏にはぴったり。オルガンも学んでいたせいか、ポリフォニックに聴かせる。
ピアニスティックな派手さや繊細さに耽ったような凝った感情表現はしないけれど、ほどよい力強さと繊細さがうまく融合して、速めのテンポながら、歌心豊かで落ち着きのある爽やかな叙情感がとても心地良い味わい。
一番好きなユーディナのライブ録音と同じくらいに好きかも。

Hannes Minnaar - Bach/Liszt - Prelude and fuga in a

演奏場所となっている現代的なガラスウォール・ビルディングは、アムステルダムで有名なジャズのライブハウス"Bimhuis"。


こちらは、オランダを代表する女性ヴァイオリニスト、イザベル・ファン・クーレンとベートーヴェンフェスティバルのためのリハーサル風景。

Isabelle van Keulen & Hannes Minnaar - Beethoven's Complete Sonatas for Violin & Piano



今までのクーレンのヴァイオリン曲の録音では、ピアノが(”フォルテピアノ界の巨匠”と言われているらしい)ロナルド・ブラウティハムだったのに、今回のベートーヴェンでは、ずっと若いミンナール。
レーベルサイトにある試聴ファイルを聴くと、クーレンのヴァイオリンは線が細くて響きが薄めで(私には)特に印象的というわけではないけれど、ミンナールのピアノはかなりいい感触。
そのせいか、私の耳にはヴァイオリンの音が後ろに回ってピアノの音ばかり聴こえてくる。(もともとピアノを聴くのが目的なので、全然かまわない)
試聴ファイルを聴いていたら、どうしてもCDで全曲聴きたくなって、結局、バッハとベートーヴェンの両方ともオーダーしてしまった。

Beethoven: Complete Sonatas FoBeethoven: Complete Sonatas Fo
(2015/01/13)
Isabelle van Keulen / Hannes Minnaar

試聴ファイル(Challenge Classics)


<参考情報>
「オランダ、蘭学、ミンナール」[公益財団法人 武蔵野文化事業団]

tag : ミンナール クーレン バッハ ベートーヴェン

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C.P.E バッハ/ヴァイオリンソナタ集
2014年はカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(CP.E.バッハ)生誕300周年のメモリアルイヤー。
C.P.E.バッハはほとんど聴かない私は、全然気が付かなかった。
鍵盤楽器用のソナタとか聴いたはずだけど、唯一記憶に残っているのは、ムローヴァ&カニーノが録音した《ヴァイオリンソナタハ短調 H.514, Wq.78》。
それも、元々はJ.S.バッハのヴァイオリンソナタを聴くのが目的で、そのCDにたまたまカップリングされていたもの。
でも、これが大バッハとモーツァルトが融合したような曲で、思いのほか素敵な曲だった。

C.P.E.バッハのヴァイオリンソナタ集の録音はあまり多くはなく、それも、チェンバロかフォルテピアノによる録音のみ。
たぶんピアノで弾いているのはムローヴァ&カニーノの録音だけかも。

探してみてもヴァイオリンソナタの全集盤がないようなので、作品リストや抜粋盤を調べてみると、大バッハよりも多い。
 ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Wq. 71, H. 502
 ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Wq. 72, H. 503
 ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 Wq. 73, H. 504
 シンフォニア 二長調 Wq.74 H. 507
 ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Wq.75, H.511
 ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Wq.76, H.512
 ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 Wq.77, H,513
 ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Wq.78, H.514
 ヴァイオリン・ソナタ ト短調 H. 542.5 (J.S.バッハ:フルート・ソナタ BWV1020に拠る)
 ヴァイオリン・ソナタ ト短調 H.545(同 BWV1031に拠る) 

J.Sバッハのフルート・ソナタの偽作説[wikipeda]
ト短調ソナタのH. 542.5とH.545は、J.S.バッハのフルートソナタBWV1020とBWV1031のこと。この2曲は偽作説が濃厚な作品で、大バッハの作品ではなく、息子のエマヌエルの作品ではないかと考えられているらしい。


チェンバロとフォルテピアノの録音があり、いくつか聴いてみたところ、やはりフォルテピアノの方が現代ピアノに近いので、旋律が明瞭で響きも綺麗に聴こえる。
フォルテピアノ盤は、ブロイニンガー&ピート・クイケンとベイエ&スターン(ステルンとも表記される)の2種類。
クイケンのフォルテピアノは、弦をはじくような感じの鋭く明瞭な音で、ブロイニンガーのヴァイオリンの力強く張りがあり伸びやかな音に掻き消されることなく、どちらかというとチェンバロに近い響きに聴こえる。
※ピート・クイケンは、「クイケン三兄弟」の長兄ヴィーラント・クイケンの次男。

今まで聴いたことがなかったエドナ・スターンのフォルテピアノは、柔らかくて丸みを帯びた音色で、響きに潤いもあってやや長め。チェンバロよりはピアノの方に近く感じる。
ベイエのバロックヴァイオリンは、すっと消えていくような透明感があり、スターンのフォルテピアノの丸みのある柔らかい響きとはバランスよく聴こえる。
チェンバロ的な響きはあまり好きではないし、フォルテピアノも滲んだような割れた響きがするので、両方ともあまり聞かないけれど、このスターンのフォルテピアノの音は、残響の短いハープみたいな音でとても綺麗。自然に身体に浸み込んでくるようで心地よい。
最初は名前くらいは知っていたブロイニンガー&クイケンのHanssler盤を買おうかと思ったけれど、試聴してみると、ベイエ&スターン盤の方が楽器の音色と演奏とも好みに合っていた。

『ヴァイオリンとピアノ・フォルテのためのソナタ集』(2005年)(Zig-zag Territoires)
アマンディ-ヌ・ベイエ(バロックヴァイオリン)、エドナ・スターン(フォルテピアノ)

Sonata pour Violon et Pianoforte en Sol mineur H545: Allegro/Adagio/Allegro.
Amandine Beyer-Violon.Edna Stern-Pianoforte.


バッハ:ヴァイオリンとピアノバッハ:ヴァイオリンとピアノ
(2005/05/21)
ベイェ/スターン

試聴ファイル


<収録曲>
 ソナタ 変ロ長調 H.513, Wq.77
 ソナタ ハ短調 H.514, Wq.78 
 ソナタ ト短調 H.545(J.S.バッハ:フルート・ソナタ BWV.1031に拠る)
 ソナタ ロ短調 H.512, Wq.76

CPEバッハのヴァイオリンソナタは、大バッハとモーツァルトを足して2で割ったような(?)印象。
すっと消えていくような響きのバロックヴァイオリンと現代ピアノよりも響きの軽いフォルテピアノで演奏しているせいか、舞い上がるような軽やかさと洒落た明るさがあって、モーツァルト風なところを感じるのかも。

《ソナタ 変ロ長調 H.513, Wq.77》の第1楽章は、モーツァルトを通り越して、まるでハイドンを聴いているみたい。
《ソナタ ハ短調 H.514, Wq.78》はバッハ風。仄かな哀感漂う第1楽章の主題が綺麗。第3楽章のプレストは吹き抜けるような疾走感で颯爽としている。
《ソナタ ト短調 H.545》の方は、大バッハのヴァイオリンソナタだと言われても、全然違和感がない。
この曲は、元々大バッハが作曲した《フルートソナタBWV.1031》とされていたので、そう聴こえるのも当然かも。


『C.P.E.バッハ:フォルテピアノとヴァイオリンのためのソナタ集』(2006年)(haenssler CLASSIC)
アルブレヒト・ブロイニンガー(ヴァイオリン)、ピート・クイケン(フォルテピアノ)

93312 CPE Bach Violin Sonatas



C.P.E.バッハ (1714~1788) : フォルテピアノとヴァイオリンのためのソナタ集 (Carl Philipp Emanuel Bach : Werke fur Violine und Hammerflugel / Albrechet Breuninger (Violine) , Piet Kuijken (Hammerflugel)) [輸入盤]C.P.E.バッハ (1714~1788) : フォルテピアノとヴァイオリンのためのソナタ集 (Carl Philipp Emanuel Bach : Werke fur Violine und Hammerflugel)
(2014/01/10)
アルブレヒト・ブロイニンガー、ピート・クイケン

試聴ファイル

<収録曲>
 ソナタ ハ短調 Wq78 (H514)
 ソナタ 変ロ長調 Wq77 (H513)
 アリオーソと変奏曲 イ長調 Wq79 (H535)
 ソナタ ロ短調 Wq76 (H512)

tag : C.P.E.バッハ ベイエ スターン

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パーチェ&ローマ/2台のピアノによるリサイタル(ライブ映像)
エンリコ・パーチェ&イゴール・ローマの2台のピアノによるリサイタルのライブ映像が、Fazioli Pianoforti社の公式映像としてYoutubeで公開されているのを発見。
2人のリサイタルのライブ映像が公式映像で見られることは滅多になく、これは珍しい。
同じイタリア人で、リスト国際ピアノコンクール優勝者同士という縁からか、ときどき連弾や2台のピアノで演奏している。

この映像は、2013年3月6日、イタリア北部サチーレ(Sacile)にあるFazioli Concert Hallで行われたリサイタル。
Fazioliの工場もあるサチーレは、「セレニッシマ(ヴェネツィア共和国)の庭」と言われ、旧市街にヴェネツィア共和国時代の邸宅が残っているという。

当日予定されていたプログラム:
 シューマン/Andante e variazioni op. 46, in si bemolle maggiore
 ブラームス/Variazioni su un tema di Haydn op. 56b, in si bemolle minore
 ルトスワフスキ/Variazioni su un tema di Paganini
 リスト/Concerto Pathetique
 ラフマノニフ/Suite per due pianoforti n. 2, op. 17

Youtubeのライブ映像で公開されているのは4曲。
私の好きな曲のルトスワフスキとミヨーが入っている。
ルトスワフスキ以外は、演奏時間が短い曲なのでたぶんアンコール。
技巧達者なデュオなので、速いテンポでも軽快なタッチで切れ味の良いこと。

 ミヨ-/スカラムーシュ「ブラジレイラ(ブラジルの女)」
 ルトスワフスキ/パガニーニの 主題による変奏曲
 ラフマノニフ/イタリア・ポルカ(ピアノ連弾のための)
 リスト/ハンガリー狂詩曲第6番


ミヨー/スカラムーシュ(ピティナの作品解説)
2台のピアノ曲の定番レパートリー。子供向けの喜劇の劇伴音楽を改作したもの。
3曲あるなかで、この「ブラジレイラ(ブラジルの女)」が一番ポピュラー。
サンバのリズムがとても陽気で華やか。心弾むように楽しい。
映像を見ていると、どうやら最後のアンコール曲らしい。
2:05にローマ(左側のピアノ)が右手の下行スケールを弾いている。今まで聴いたことのある演奏ではなかった(と思う)フレーズなので、原曲に付け加えたのかも。
呼吸もぴったり合って、1:18~の音色とフレージングの柔らかさも綺麗に揃っている。

D. Milhaud Brazileira




ルトスフワスキ/パガニーニの主題による変奏曲
パガニーニ『24の奇想曲』の最終曲「主題と変奏イ短調」を主題にした作品で有名なのは、リスト、ブラームス、ラフマニノフ。
2台のピアノ用の作品として有名なルトスワスキ版は、ピアノ&管弦楽版もある。
ルトスワフスキにしてはとても聴きやすい曲で、ラフマニノフの《パガニーニ狂詩曲》みたいな旋律もでてきたりする。
技巧の難易度は高く、低音から高音まで重音や細かいフレーズが速いテンポで飛び交い、ダイナミックで華やか。
軽妙で時々毒気もあって、ちょっと”悪魔的”かも。

W. Lutoslawski Variazioni su un tema di Paganini





ラフマニノフ/イタリア・ポルカ
ラフマニノフのピアノ作品はあまり聴かないので、《イタリア・ポルカ》なんていう陽気な作品を曲を書いていたとはつゆ知らず。
ラフマニノフが書いたのは連弾用。それを(たぶん2人で)2台のピアノ用に編曲して弾いている。
0:44にパーチェ(右側のピアノ)が肘で鍵盤を叩いて弾いたりして、ちょっと間が抜けたおふさげ感があって面白い。

S. Rachmaninov: Polka italiana




リスト/ハンガリー狂詩曲第6番(ピティナの作品解説)
《ハンガリー狂詩曲》はあまり好きな曲集ではないので、この第6番は聴いた記憶がない。(第2番が一番有名らしい)
でも、冒頭や曲中の旋律には聴き覚えがあるので、何番か知らずにFMとかで聴いていたかも...。

F. Liszt Rapsodia Ungherese n. 6



<参考情報>
長い歴史持つピアノで新たな挑戦/イタリアのファツィオリ[朝日新聞GLOBE]
・・・ サチーレ ・ Sacile ・ ヴェネツィア共和国の庭 ・・・[イタリア・絵に描ける珠玉の町・村 ・ そしてもろもろ!]

tag : ミヨー ラフマニノフ ルトスワフスキ パーチェ ローマ フランツ・リスト

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ラヴェル/鏡、水の戯れ
《クープランの墓》を聴いて頭がラヴェルモードになってしまったらしく、珍しくラヴェルをまとめ聴き。

《鏡》
1 蛾 / "Noctuelles"
2 悲しい鳥たち / "Oiseaux tristes"
3 海原の小舟 / "Une barque sur l'océan"
4 道化師の朝の歌 / "Alborada del gracioso"
5 鐘の谷 / "La vallée des cloches"

ラヴェル作品のなかでも特に好きな曲「道化師の朝の歌」が入っている《鏡》。
《水の戯れ》のように、音が飛び跳ねたり、響きの美しい曲が多い。
そのなかで、「道化師の朝の歌」だけが曲想が全然違い、スペイン風のリズムと旋律で躍動感と異国情緒豊か。(《鏡》のなかでこの曲だけを録音しているCDが多い。)

リヒテルの「道化師の朝の歌」のとても珍しいライブ映像。
MAURICE RAVEL: Alborada del gracioso (Swjatoslaw Richter, Klavier, HD)



「悲しい鳥たち」はちょっと神秘的で冒頭の旋律がとても印象的で、シューマンの「予言の鳥」を思い出した。
Sviatoslav Richter - Moris Ravel - Miroirs - 2 Oiseaux Tristes.



こちらはタローの全曲音源。
Ravel - Miroirs (Alexandre Tharaud)




《水の戯れ》
ラヴェルの《水の戯れ》はドビュッシーの《水の反映》と曲名がよく似ているので、ときどき曲名がこんがらがったりする。
高音の煌くような音色の旋律とダイナミックな躍動感は、ドビュッシーよりもリストの《エステ壮の噴水》の方に近い感じがする。


ベロフといえば、ドビュッシーが有名。ラヴェルを弾くのを見たのは初めて。



tag : ラヴェル リヒテル タロー ベロフ

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ハジダキス/ピアノ作品集 ~ 白い小さな貝殻のために
ジュリアス・カッチェンがピアノ作品を初演したというギリシャの作曲家ハジダキス(Manos Hadjidakis)。(日本語の語呂に合うせいか、最初は”ハジキダス”と思い込んでいた)
ハジダキスのことは全然知らなかったけれど、第33回 アカデミー賞(1961年)で監督賞・女優賞・主題歌賞などを受賞した映画《日曜はダメよ》の主題歌作曲者。
映画はあまり見ない私でも、さすがにこの曲くらいは知っている。

Manos Hadjidakis - Never On Sunday (mandolin)



ピアノ編曲版かと思ったくらいに”Never On Sunday”によく似ているのは、《白い小さな貝殻のために》の第5曲”Mantinada”。作曲したのは、このピアノ曲の方が先。

DANAE KARA ''MANTINADA''Manos Hadjidakis ''for a little white seashell''




調べてみると、確かにカッチェンはハジダキスの組曲《白い小さな貝殻のために Op.1》(1947-48年)を1948年に初演していた。
(情報出所:Manos Hatzidakis / Μάνος Χατζιδάκις

ハジダキスは1925年生まれで、1926年生まれのカッチェンとは同世代。
同じくカッチェンがピアノ作品を初演したネッド・ローレムとは違って、ハジダキスの作品はメロディアスな旋律で、映画音楽風なイメージ喚起力があって、とても聴きやすい。
それに、私の好きなスペインの作曲家アルベニスの作風にちょっと似ている気がする。
アルベニスが”スペインのドビュッシー”と言われるようにドビュッシーの影響を受けているのに似て、ハジダキスはサティの音楽を好んでいたという。

《白い小さな貝殻のために》の録音を探してみると、ハジダキスのピアノ作品の録音自体が少なく、すぐに見つかるのは、NAXOS盤のピアノ作品集くらい。
実演では、高橋悠治(2014年2月)とパノス・カラン(2012年3月)がリサイタルで演奏していた。
高橋悠治とハジダキスって、あまりイメージが合わないのだけど、リサイタルのプログラムに組み込んだのは、もしかしてサティつながり?
【連載】「ヴィンテージ・ピアニストの魅力 第8回 高橋悠治」(音遊人 2014年9月号)(青柳いずみこ)

NAXOS盤の収録曲は、《白い小さな貝殻のために》、《リズモロジー》、《6つの絵画》、《イオニア旋法による組曲》。
ピアニストはダナエ・カーラ。

ハジダキス:ピアノ作品集 - 白い小さな貝殻のために/リズモロジー/6つの絵画/イオニア旋法による組曲(ダナエ・カーラ)ハジダキス:ピアノ作品集 - 白い小さな貝殻のために/リズモロジー/6つの絵画/イオニア旋法による組曲(ダナエ・カーラ)
(2011/01/31)
Manos Hadjidakis

試聴ファイル


白い小さな貝殻のために / Ga mia mikri lefki ahivada [1947-48年]
NAXOS盤の解説によると、ハジダキスが音楽を作曲した映画の監督Nikos Koundourosに献呈されている。
組曲形式で、ギリシャの伝統的民俗舞曲を伴った5対の前奏曲で構成。
作曲者が特に好んだ音やイメージを思い起こさせるような喚起力がある。
たとえば、プロコフィエフ風の和声進行が織り込まれたHasapiko danceによる”Conversation with Prokofiev”。
ハジダキスが特に好んだのはサティで、そのフランス音楽をエコーしたような”March”。
ギリシャ風の表現で母国ギリシャへの愛情が込められた”Mantinada”。


I. March (私にはシニカルさが薄くてちょっとお茶目なプロコフィエフ風に聴こえる)
II. Syrtos
III. Conversation with Prokofiev
IV. Tsamikos
V. Mantinada  
VI. Ballos (これも明るいプロコフィエフ風)
VII. Nocturne
VIII. Kalamatianos
IX. Pastorale (映画音楽かイージーリスニングのように美しく、この組曲のなかで一番綺麗)
X. Grand Sousta


DANAE KARA ''MARCH''Manos Hadjidakis ''for a little white seashell''



DANAE KARA ''conversation with Prokofiev''Manos Hadjidakis ''for a little white seashell''



DANAE KARA ''PASTORALE''Manos Hadjidakis ''for a little white seashell''



<関連記事>
ハジダキス/ピアノ作品集 ~ 6つの絵画,イオニア組曲,リズモロジー

tag : ハジダキス

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ラヴェル/クープランの墓
ドビュッシーに比べると、特に好きな曲が少ないラヴェル。
CDはいろいろ持っているわりに、ラヴェルを聴くことはめったにない。

ラヴェルのピアノ作品のなかで特に有名だと思うのは、(両手の)ピアノ協奏曲と《夜のガスパール》、一番ポピュラーな《亡き王女のためのパヴァーヌ》。
それよりも好きなのは、左手のピアノ協奏曲と《クープランの墓》、《鏡》のなかの「道化師の朝の歌」。
聴き直してみると、可愛らしい《ソナチネ》も素敵。

《クープランの墓》は、ロジェの録音を聴いてもさほど印象に残らなかったのに、それが好きになったきっかけは、小曽根真&ゲイリー・バートンのアルバム『「Virtuosi』を聴いてから。(クラシックをモチーフとしていので、小曽根のアルバムなかでは一番好き)
最初に収録されていたのが、《クープランの墓》の「前奏曲」。
ピアノとヴィブラホーンで演奏しているので、ピアノソロで聴くよりも色彩感が鮮やかで、草原を流れる風のように爽やか。
この曲ってこんなに素敵な曲だったかな?と思い直して、オズボーンのラヴェル作品集を買ってしまった。

オズボーン(hyperion盤,2010年9月録音)
Complete Solo Piano MusicComplete Solo Piano Music
(2011/03/07)
Steven Osborne

試聴ファイル


youtubeの《クープランの墓》の音源には、オズボーン、ロルティ、ムラロの音源がなかったので、アレクサンドル・タローの演奏で。
オズボーンの方がタッチで硬めで切れが良く、華やかさはあるけれどクールで明晰。
タローはタッチが柔らかく、歌いまわしは起伏が多くても流麗。いかにもフランス音楽と言う感じで、とてもお洒落。
タローのラヴェルも素敵。

Ravel - Le tombeau de Couperin (Alexandre Tharaud) n


Ravel: L'Oeuvre pour pianoRavel: L'Oeuvre pour piano
(2003/12/09)
Harmonia Mundi

試聴ファイル


《クープランの墓》というタイトルから、クープランへの追悼曲かと思ったら、クープランに象徴されるフランスの文化や芸術を崇敬へのオマージュ。
それに、各曲は第1次大戦で戦死したラヴェルの6人の友人に捧げられている。
フランス語の”tombeau”は、墓石や墓碑のことで、音楽では故人を追悼する器楽曲の意味で使われたという。
ラヴェルの曲はどんな曲でも、洗練された品の良さがあって、舞曲であってもそれは同じ。
作品解説(音楽図鑑CLASSIC)

I. Prelude/プレリュード 
この曲は12拍子。流れるような旋律がとても華麗。

Ⅱ. Fugue/フーガ
ラヴェルの曲で、「フーガ」というのは、もしかして珍しい?
このフーガは、優しげな旋律が柔らかい光のように交錯するので、ベートーヴェンの《ディアベリ変奏曲》の第24変奏“フゲッタ”を思い出した。

Ⅲ. Forlane/フォルラーヌ
優雅な舞曲風で、不可思議な雰囲気が漂う和声がちょっと妖しげ。

Ⅳ. Rigaudon/リゴドン
同じ舞曲でも、”Forlane”と正反対で、とっても快活で躍動的。

V. Menuet/メヌエット
ラヴェルらしい優雅で品が良くて、ちょっと感傷的な感じもする可愛らしいメヌエット。

Ⅵ. Toccata/トッカータ
16分音符の連打がとてもピアニスティック。(速いテンポで粒を揃えて弾くのが難しそう)
”トッカータ”らしい力強さと躍動感があり、時に繊細さも漂って、とっても華麗。プレリュードと並んで一番好きな曲。
オズボーンはかなり速いテンポなのに、軽やかなタッチで音の切れが良くて響きも綺麗。
特に、終盤で重音とオクターブの跳躍が続くところは(タッチが乱れ気味で音が混濁したり雑然としてしまう人が多い)、バタバタすることなく、軽やかで滑らか。

ソコロフは遅めのテンポなのでスリリングさは薄いけれど、硬質で線の細い音がガラスのように鋭く立ち上がってきて、一音一音が色彩感豊かで綺麗。

Ravel - Le Tombeau de Couperin (VI. Toccata) - Sokolov




オケ版の方が音源が多いけれど、今まで聴いたことがなかった。(そもそも、管弦楽版があることも知らなかった)
聴いてみると、やっぱり音が煌くように輝いて綺麗なピアノソロの方が私は好きだけど。

Ravel - Le tombeau de Couperin - Järvi

tag : ラヴェル タロー ソコロフ オズボーン

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堀田誠『「ストウブ」で、パン』
高加水パンは、生地が緩いので手捏ねで作るのは難しい。
いつも作るのは、高橋雅子さんのレシピでロデブ(風食パン)
少ないイーストで天然酵母パンコースを使って、ホームベーカリーにおまかせ。
本格的なロデブとは違って、気泡も少ない食パン形のロデブ風パンなのだけど、(パナソニックのHBで作ったわりに)クラストは薄くてパリふわで、クラムは水分が多くてしっとりして、粉の味がしっかり味わえる。
このロデブ風食パンでも充分美味しいので、手間隙かけて手捏ねで作ろうとまでは思わない。

たまたま見つけたのが、家庭でつくる高加水パン教室「ロティ・オラン」を主宰している堀田誠さんが書いた『「ストウブ」で、パン』。サブタイトルが「こねずに、さっと混ぜるだけ!成形いらずでもっちり美味しい、高加水パン」。

「ストウブ」で、パン: こねずに、さっと混ぜるだけ!成形いらずでもっちり美味しい、高加水パン「ストウブ」で、パン: こねずに、さっと混ぜるだけ!成形いらずでもっちり美味しい、高加水パン
(2014/09/09)
堀田 誠

商品詳細を見る


これはホームベーカリーを使わない手捏ねタイプのレシピ。
でも、ものぐさな私でもできそうなくらい、とっても簡単。
タッパーで混ぜて1次発酵させてから、10時間以上冷蔵庫保存。(冷蔵保存すると、粉の味がよくなるので)
再度混ぜてから、2次発酵させて、焼成すれば出来上がり。
捏ねるというより混ぜるだけで、成形不要。粉まみれにならずに、道具も洗い物も最小限でできる。
実際に、この本のレシピどおり、ストウブで高加水パンを作ったブログ記事を見ると、私でもできそう~と思ったので、早速試作してみた。

使った粉はリスドォルではなく、イーグル80:薄力粉15:ライ麦粉5にモルトパウダー0.2%。ロデブ風にしたくてライ麦粉を入れてみた。
冷蔵庫に24時間近く置いていたので、生地が硬くなっていて、なかなか上手く混ざらない。
どうにか8回くらい混ぜ合わせて(捏ねすぎたかも)、ホームベーカリーで2次発酵を1時間ほど。焼成は35分。
粉量が100gと少ないので、あまり膨らまなかった(四角いお餅がぷくっと膨らんだような形)。
側面はしっかり焼けているけれど、高さが出なかったので、天辺が白っぽい。
パンナイフで端を切ってみると、小~中くらいの気泡が結構入っている。
HBに全ておまかせで焼いてフランスパン風&ロデブ風食パンよりも気泡は多い。
もちもちとした食感で、砂糖ゼロなのに、甘くて美味しい。
リスドォルで焼いたロデブ風食パン(パナソニックHB使用)と同じくらいに美味しいけれど、食感はちょっと重たい。
適度な水分がのこってふんわりと焼けるパナソニックに比べて、タイガーは焼成後の生地に残る水分がちょっと多いみたいなので、少しネチャっとした感じはする。
それに、ライ麦粉を入れたので、生地がベタっとして重たくなったのかも。

タッパーで混ぜて冷蔵保存する方法だと、2日に分けて作業するので、空いた時間に少しずつ作業できて負担にならない。
キッチンで料理しながらでも作業ができるし、主食は食事の最後にまとめて食べるので、主食以外の料理を食べながら発酵や焼成すれば、タイミング良く、食事の最後には焼き立てのパンが食べられる。
今度は、粉量をもっと多くして、強力粉&薄力粉のフランスパン風生地で実験してみたい。

こちらは、この本のレシピで実際に高加水パンを作った方のブログ記事の一つ。
ストウブ鍋で高加水パン まえぱん日記

本ではストウブを型代わりにしてオーブンで焼く。
オーブンレンジは故障して廃棄したし、パナソニックのオーブントースターでもベーグルやロールパンとかは焼けるけど、重たいストウブは載せられない。
結局、タイガーのIHホームベーカリー(KBH-V100)に付属している角型パンケース(0.6斤サイズ)を使って、1/3斤分の粉量でHBで焼いてみることにした。
タイガーのHBには独立工程コースが付いているので、発酵も焼成も別々に時間を設定することができる。
パナソニックのHB(SD-BH106に限らず、全機種)にこの機能は付いていない。(MKや象印「ホームメイドコース」にはあり)
ほとんど使わなくても、機能さえ付いていれば使うことはあるので、やはりタイガーのHBを買っておいてよかった。

堀田さんの『ロティ・オランの高加水パン』の方は、作り方が本格的なので、私にはハードルが高い。
著者の実演動画を見ても、ものぐさな私には全然向いていないのがしっかりわかったので、やはりタッパーで混ぜて成形不要の簡単な方法に限る。

ロティ・オランの高加水パンロティ・オランの高加水パン
(2012/05/25)
堀田 誠

商品詳細を見る


チャバタ「ロティ・オランの高加水パン」 (堀田誠)




Roti-Orang(ロティ オラン)(ホームページ)
ロティ・オラン東京(Facebook)



<ストウブを使った捏ねないパンレシピ>
NYの超人気店「サリバン・ストリート・ベーカリー(Sullivan Street Bakery)」のジム・レイヒー(Jim Lahey)さんが考案したレシピ。
ストウブで捏ねないパンを作ろう![New York NICHE]
こねないパン作りに挑戦してみた[アメリカ大満喫]
No-Knead Bread

ストウブで【カンパーニュ】[ぱちの“美味しいもん”]
ストウブで♪こねないパン、ブームですo(>▽<)o[*arte 手ごねパン教室]

tag : ホームベーカリー

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糖尿病死亡者数と統計方法
厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成25年の糖尿病による死亡数は1万3,812人。
糖尿病を死因とする死亡者数は、主にこの人口動態統計のデータが使われている。
死因をどうやって決定しているのか、統計方法を調べてみたところ、死亡届に添付されている死亡診断書上の「死亡の原因」が元々のデータになっている。

死因を決定するステップ:
死亡届・死亡診断書 ⇒ 人口動態統計死亡票 ⇒ (ICD分類とWHOの統一的手法による)原死因の選択・決定 ⇒ 死因分類表による分類 ⇒ 人口動態統計(死因統計)

ということは、実態としては同一の死因であっても、死亡診断書の記載内容によっては、死因が異なる可能性もある。


<糖尿病死亡者数の死因別内訳>
人口動態統計(2013年/平成25年、確定数)(下巻)

死亡 第1表-2 死亡数,性・死因(死因基本分類)別(総数、ICD-10コード A~T) (統計表/CSV))

(E10-E14)糖尿病 13,812
E10 インスリン依存性糖尿病〈IDDM〉 143
E10.0  昏睡を伴うもの 11
E10.1  ケトアシドーシスを伴うもの 12
E10.2  腎合併症を伴うもの 36
E10.3  眼合併症を伴うもの 2
E10.4  神経(学的)合併症を伴うもの 2
E10.5  末梢循環合併症を伴うもの 2
E10.6  その他の明示された合併症を伴うもの 9
E10.8  詳細不明の合併症を伴うもの 1
E10.9  合併症を伴わないもの 68

E11 インスリン非依存性糖尿病〈NIDDM〉 1,025
E11.0  昏睡を伴うもの 201
E11.1  ケトアシドーシスを伴うもの 23
E11.2  腎合併症を伴うもの 491
E11.3  眼合併症を伴うもの 1
E11.4  神経(学的)合併症を伴うもの 8
E11.5  末梢循環合併症を伴うもの 38
E11.6  その他の明示された合併症を伴うもの 73
E11.7  多発合併症を伴うもの 3
E11.9  合併症を伴わないもの 187

E12 栄養障害に関連する糖尿病 1
E12.9  合併症を伴わないもの 1

E13 その他の明示された糖尿病 8
E13.0  昏睡を伴うもの 1
E13.1  ケトアシドーシスを伴うもの 2
E13.6  その他の明示された合併症を伴うもの 1
E13.9  合併症を伴わないもの 4

E14 詳細不明の糖尿病 12,635
E14.0  昏睡を伴うもの 404
E14.1  ケトアシドーシスを伴うもの 280
E14.2  腎合併症を伴うもの 6,114
E14.3  眼合併症を伴うもの 11
E14.4  神経(学的)合併症を伴うもの 138
E14.5  末梢循環合併症を伴うもの 547
E14.6  その他の明示された合併症を伴うもの 1,283
E14.7  多発合併症を伴うもの 97
E14.8  詳細不明の合併症を伴うもの 18
E14.9  合併症を伴わないもの 3,743

(注)統計表では、男女別の人数しか記載されていない。上記の人数は計算した合計値。

◆人口動態統計における死亡統計の集計方法
「疾病、傷害及び死因分類の正しい理解と普及に向けて(ICD-10(2003年版)準拠)」(7~9枚目)に解説がある。

1)人口動態統計における死亡統計では、死亡届に添付される死亡診断書(死体検案書)の記載に基づき、国でICD分類を用いてWHOによって統一された方法による「原死因」の選択を行い、決定する。
2)死亡統計では、死亡診断書(死体検案書)に記載された直接死因を、死亡統計上の死因としているわけではない。
3)死因統計に用いる死亡原因、いわゆる死因は、上述の原死因を使用。

(例示)死亡診断書の記載に基づいた腎不全の死因分類
1欄(ア)直接死因 腎不全 9年 ⇒原死因:腎不全 コード:N19
1欄(ア)直接死因 糖尿病性腎不全 9年 ⇒原死因:糖尿病性腎不全 コード:E14.2



◆ICD-10に準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」の解説

上述の「腎不全」については、「死因分類表」では、以下のように分類されている。

4100:糖尿病 E10-E14
14200:腎不全 N17-N19
14201:急性腎不全 N17
14202:慢性腎不全 N18
14203:詳細不明の腎不全 N19


従って、原死因が「糖尿病性腎不全」(ICDコード:E14.2 )と決定されれば、死因分類上は「糖尿病」となる。
人口動態統計上の死因「4100:糖尿病」は、ICD-10における「E10-E14」が該当。糖尿病合併症も含まれる。


◆現行のICD-10における糖尿病の分類
ICD-10の分類の構成(基本分類表)(「一 疾病、傷害及び死因の統計分類基本分類表」参照)
「第4章 内分泌、栄養及び代謝疾患(E00-E90)」(Excelファイル)

糖尿病(E10-E14)
下記の4桁細分類項目は項目E10-E14に使用する:
   .0  昏睡を伴うもの
   .1  ケトアシドーシスを伴うもの
   .2†  腎合併症を伴うもの
   .3†  眼合併症を伴うもの
   .4†  神経(学的)合併症を伴うもの
   .5  末梢循環合併症を伴うもの
   .6  その他の明示された合併症を伴うもの
   .7  多発合併症を伴うもの
   .8  詳細不明の合併症を伴うもの
   .9  合併症を伴わないもの
E10  インスリン依存性糖尿病<IDDM>
E11  インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>
E12  栄養障害に関連する糖尿病
E13  その他の明示された糖尿病
E14  詳細不明の糖尿病

出典:「疾病、傷害及び死因の統計分類」(厚生労働省)


<参考資料>
「ICDのABC」(厚生労働省)
ジョバンニ・ミラバッシ『アニメッシ ~天空の城ラピュタ ほか~』
ジャズ・ピアニストのジョバンニ・ミラバッシの最新アルバムは、日本のアニメソング集『アニメッシ』。
たまたま見ていたCDジャーナルのウェブサイトで紹介されていた。
ミラバッシのアルバムで聴いたことがあるのは、欧州と日本で5万枚のセールスを記録したというアルバム『Avanti!』。
世界の革命歌、反戦歌、民衆の歌をテーマにした16曲のアルバムで、原曲はほとんど聴いたことがない。
モチーフが印象的な曲が多く、演奏も抒情美しくて、5万枚も売れたのも納得。

そのアルバムとこのアニメソング集とは、全然イメージが結びつかないんだけど、ミラバッシは子供の頃からの日本アニメのファンだという。
彼が初めて見たのが、『UFOロボ グレンダイザー』(イタリアでは『Atlas Ufo Robot』)。このアニメ、子供の頃に私も見ていた。今でも覚えているのは、主人公が兜甲児だったことくらい。

ミラバッシの手にかかると、アニメソングが、耽美的で抒情美しいジャズトリオにすっかり様変わり。

収録曲は、ミラバッシ自身が選曲。
スタジオジブリの作品が多くて、私は観たことも音楽を聴いたこともないアニメがほとんど。
『風の谷のナウシカ』は、DVDで何度も見たのに、流れていた音楽はすっかり忘れていた。

逆に、一度も見たこともないのに、なぜか主題歌だけはしっかり覚えているのが『ルパン三世 カリオストロの城』。
「炎のたからもの」の冒頭の旋律がとても美しくて、一度聴けば忘れることがないくらい印象的。
曲を知っているだけに、ミラバッシのピアノ・トリオが弾く「炎のたからもの」は、今まで聴いたどのジャズバージョンよりも素敵。
CDは買わないけど、この曲だけはダウンロードしてもいいかな。

アニメッシ~天空の城ラピュタ ほか~アニメッシ~天空の城ラピュタ ほか~
(2015/01/21)
ジョバンニ・ミラバッシ

試聴ファイル



こちらは、『ハウルの動く城』の「人生のメリーゴーランド」。
Giovanni Mirabassi - Howl's Moving Castle




私の好みで言えば、アルバムとしては、歴史に揉まれてきた音楽をテーマにした『Avanti!』の方がはるかに聴き応えがある。
これは、『Avanti』に収録されていた曲”El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido(不屈の民)”のライブ。
《不屈の民》といえば、すぐに思い出すのが、ジェフスキの《「不屈の民」変奏曲》。
どちらも、主題旋律を聴けば、「不屈の民」だとすぐわかる。
いつ聴いても、哀感をたたえた主題の旋律がしみじみと心に響いてくる。

Giovanni Mirabassi - El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido




<インタビュー>
【ジョバンニ・ミラバッシ Giovanni Mirabassi】愛してやまない日本のアニメ音楽をカヴァーした『アニメッシ』をリリース[CDJournal]


<過去記事>
ジョバンニ・ミラバッシ 『Avanti!』

tag : ミラバッシ

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新垣隆&吉田隆一/野生の夢 ~水見稜に~
新垣隆&吉田隆一のデュオアルバム『N/Y』に収録されている《野生の夢~水見稜に~》は、ミニマル風で都会の黄昏を連想させるような曲。
この曲は、SF愛好家の吉田がSF作家・水見稜の『マインド・イーター』に捧げたもので、曲名の「野生の夢」は同書に収録されている最初のストーリーのタイトル。
現代を超えて近未来の都市(「ブレードランナー」みたいな)の風景や空気を感じる。

マインド・イーター[完全版] (創元SF文庫)マインド・イーター[完全版] (創元SF文庫)
(2011/11/19)
水見 稜

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バリトンサックスの低く重たい音色と息の長い旋律を聴くと、都会の黄昏のような情景が浮かんでくる。
それと対照的に、柔らかく軽やかな音色のピアノが弾くミニマル的なパッセージは、コツコツと正確に時を刻むようにメカニカルでもあり、淀みなく流れる水のようでもあり、表情が移り変わっていく。
メロディやリズム自体はとてもシンプル。それが微妙に移り変わっていく姿はミニマル風なのだけど、旋律も和声も美しくて、サックスとピアノが溶け合うように絡み合っている気がする。
ジャズと現代音楽のクロスオーバーのようなちょっと不思議な世界。
最後には、きたるべき明日(未来)への漠然とした期待...みたいなものを感じる。


『野生の夢~水見稜に~』の収録風景が映っているメイキング映像。

Making of 『N/Y』Part3



N/YN/Y
(2015/02/11)
新垣隆 吉田隆一

試聴ファイル


このアルバムは、作風が異なる曲が収録されていて、バラエティ豊か。
オリジナル曲とインプロヴィゼーションに加えて、カバー曲としてムーディなガーシュウィンに、ポップな合唱曲と武満の合唱曲。
不協和音や調性感のない旋律がいろいろ出てきたりして、現代音楽的な尖ったところもあり、馴染みやすい旋律のスタンダードやオリジナル曲ばかりを集めたジャズアルバムとは、趣きが全然違う。
オリジナルとインピンプロヴィゼーションは曲想も旋律も色とりどりで面白く、ガーシュウィンはピアノがあまりスウィングしないので品が良い。合唱曲は原曲よりもずっと好き。

ジャジーで時々奇想天外な音と旋律を吹くサックスと、ほとんどスウィングせずにどこまでもクラシカルでクールな叙情感と品の良さが漂うピアノは、どこかアンバランスで、それが妙に合ってたりする。
私には、2つの楽器が(普通のジャズのように)溶け合うことなく、異質なものがつかず離れず、それぞれの世界がパラレルに進んでいくように聴こえる。
でも、現代音楽的な曲(「秋刀魚」や「野生の夢」とか、インプロ)になると、サックスとピアノがかなり溶け合っていて、特にピアノが(本領発揮して)生き生きしているように思える。
ポップな曲やジャジーな曲になると、とってもノリのよいサックスに比べると、ピアノは少し品良い感じ。(ベヒシュタインの音色が上品だし、ピアノの音量が少し小さいせいかも)


<オリジナル曲>
「野生の夢~水見稜に~」
「秋刀魚」 現代音楽風な調性感のあいまいな旋律とまったり妖艶な響き。
「皆勤の徒~酉島伝法に~」 どこかバカバカしくおちゃらけた感じのする旋律とリズム。

<インプロヴィゼーション>
「Vertigo」 とても短い曲で旋律が印象的。
「Spellbound」「Topaz」 現代音楽的な音がまとまりなく散らばっていくような静的な曲。といっても、調性感があり旋律と和声が美しく、どこかしら妖しげな美しさがあり、聴き難さはなし。
「Stage Fright」 「怪獣のバラード」の後に入っているので、続けて聴くと、まるで怪獣の雄叫び。
「The Birds」 メシアンの鳥シリーズをもじったのか(?)、サックスとピアノで表現している鳥たちの鳴き声や様子が面白い。特に変幻自在なサックスが絶妙。(ピアノはあまり鳥っぽくないけど)

<ジャズ>
「Embraceable You」 
「Sophisticated Lady」
 タイトルどおり優雅で洗練されたレディのようなピアノがとても素敵。

<合唱曲>
「怪獣のバラード」  何度聴いても、ポップで颯爽として楽しい曲。ジャズ風の中間部がとってもかっこいい。
ピアノパートの旋律やリズムが多彩に変化し、ポリフォニックな多層感があるし、盛り上がるところでシンフォニックな響きがしたりと、ピアノに集中して聴くだけでも楽しめる。
「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」  可愛らしい女の子を連想するような、軽やかでお洒落な曲。

tag : 新垣隆 吉田隆一

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プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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