*All archives*

2016年にメモリアルイヤーを迎える作曲家
この時期になると、いつもチェックするのが、翌年メモリアルイヤーを迎える作曲家。
今年調べた情報源は次の2つのサイト。

クラシック作曲家生没記念年一覧

メモリアルの作曲家[クラシックの演奏会情報サイト「i-amabile(アマービレ)」]
暦年と、検索する暦年の間隔(10、50、100年単位)を設定して検索する。

私が知っている作曲家だけピックアップすると、
◆ヴァシリー・カリンニコフ 生誕150年 (1866年 ~ 1901年)
◆エリック・サティ 生誕150年  (1866年 ~ 1925年)
◆フェルッチョ・ブゾーニ 生誕150年 (1866年 ~ 1924年)
◆アルベルト・ヒナステラ 生誕100年  (1916年 ~ 1983年)
◆エイナル・エングルンド 生誕100年  (1916年 ~ 1999年)
◆柴田南雄 生誕100年  (1916年 ~ 1996年)
◆フランチェスコ・パオロ・トスティ 没後100年  (1846年 ~ 1916年)
◆エンリケ・グラナドス 没後100年  (1867年 ~ 1916年)
◆マックス・レーガー 没後100年  (1873年 ~ 1916年)

ピアノ作品の多い作曲家なら、サティ、ブゾーニ、ヒナステラ、グラナドス、レーガー。
フィンランドの作曲家エングルンドもピアニストで、2つのピアノ協奏曲やピアノ・ソナタ・小品などを書いている。
交響曲が有名なカリンニコフも、少数ながらピアノ小品(《悲しい歌》など)をいくつか残している。
ブゾーニは、(オリジナル作品よりも)バッハ編曲を数え切れない聴いていても、また聴きたくなる。好きな曲が多すぎるので、後日まとめて書くことに。

ヒナステラといえば、《ピアノ・ソナタ第1番》
”南米のバルトーク”ともよばれるヒナステラらしいソナタ。
現代音楽のピアノソナタのなかでも、とりわけ印象が強烈で、その旋律とリズムは一度聴いたら忘れられない。
特にテレンス・ジャッドの演奏は飛びぬけて素晴らしい。

Terence Judd plays Ginastera Sonata No. 1 Op. 22


ヒナステラの《ピアノ・ソナタ第1番》が収録されているジャッドのCD。
Terence Judd 1957-1979Terence Judd 1957-1979
(2001/06/26)
Terence Judd

試聴ファイル(amazon.de)



レーガーのピアノ作品は、ピアノ協奏曲に変奏曲やピアノ小品の独奏曲まで、多作家らしく膨大。
重厚長大なピアノ協奏曲や変奏曲を聴くのはかなりの気力が必要なので、それよりもブラームス風のピアノ小品が聴きやすい。
ブラームスに比べると、レーガーの曲は翳りが少なくて、旋律・曲想とも明快。ぼやかず繰り言も言わないブラームスみたい。
26歳頃に書いた”Sieben Charakterstücke”(Op.32)は、力強くパッショネイトで、ブラームス初期~中期の小品に近い趣き。
心筋梗塞のため43歳で早世したレーガーが、亡くなる1年前くらいに作曲した”Träume am Kamin”(Op.143)になると、ブラームス晩年の後期ピアノ小品のような瞑想的な静けさが漂う。(でも、ブラームスみたいな鬱々した暗さはない)

レーガーのピアノ作品全集なら、マルクス・ベッカーのThorofon盤(全12巻)

REGER 7 Charakterstücke Op.32 (1899)| M.Becker | 1997


REGER Träume am Kamin, 12 Pieces Op.143 (1915) | M.Becker | 2000




サティはあまり好きではないし、”スペインのショパン”と言われるグラナドスも苦手なので、メモリアルイヤーでもたぶん聴かない。
でも、グラナドスの《星々の歌》はとても素敵な曲。
正式な曲名は、”Cant de les estrelles : Poeme per a piano, orgue i cors”(星々の歌:ピアノ、オルガン、合唱のための詩)。
”スペインのショパン”の名にふさわしく、詩的な作風で旋律と和声がとても美しい。
特に全体の1/3くらいを占めるピアノ独奏は、少しエキゾチックで憂いを帯びたショパンを聴いているような気がする。
ピアノ曲が得意だったグラナドスらしく、ピアノ・ソロはそれだけ聴いても満足できるくらいに美しい。
漆黒の宇宙のなかに星々が瞬いているようなロマンティックさがあるけれど、どことなくクリスタルのような冷ややかな肌触りがする響き。

1911年のグラナドス自身の指揮による初演では絶賛された曲だったが、なぜかグラナドスは楽譜を出版せず、今まで再演されることもなかった。
グラナドスの死後、相続人の間で出版契約に関してもめていたり、出版社に預けていた手稿譜が火事で酷いダメージを受けたりして、紆余曲折があった後、ようやく楽譜が出版され、初演から100年近くが経って、この曲が日の目を見ることに。
出版された楽譜は、グラナドスのスペシャリストと言われるダグラス・リーヴァが復元したもの。
《星々の歌》の初録音は2007年録音のNAXOS盤。ピアノ演奏はリーヴァ。

Enrique Granados: «Cant de les estrelles» (1911)
Douglas Riva, piano、Mark Kruczek, órgano、Voices of Ascension、Dennis Keene, director

(作品解説:8・9月号(No.277) - アカデミア・ミュージック


星々の歌~近代カタルーニャの作品集星々の歌~近代カタルーニャの作品集
(2009/06/30)
ヴォイシズ・オブ・アセンション, デニス・キーン (指揮), ダグラス・リーヴァ, マルク・クルチェク, エリカ・キーセウェッター

試聴する(amazon.uk)



<過去記事>
テレンス・ジャッド ~ ヒナステラ/ピアノ・ソナタ第1番
ベッカー ~ レーガー/ピアノ小品集
グラナドス/星々の歌

tag : ヒナステラ グラナドス レーガー ベッカー ジャッド

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
カレンダー
10 | 2015/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
ブログ内検索
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
タグリスト
マウスホイールでスクロールします

月別アーカイブ

MONTHLY

記事 Title List

全ての記事を表示する

リンク (☆:相互リンク)
FC2カウンター
プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

お知らせ
ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿や記事内容と関連性の薄い長文のコメント、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で削除・拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。