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フェルツマン ~ バッハ/6つのパルティータ、ゴルトベルク変奏曲
数年ぶりに聴いたウラディミール・フェルツマンのパルティータ。
初めて聴いたときの驚きが甦ってくるように、色彩感豊かで響きがとても美しく、純化された音の世界を聴いているよう。
ノンレガートなのに軽やかなタッチのせいか、レガートを聴いているかのように流麗で繊細。声部もそれぞれくっきりと浮かびあがって、立体的。
技巧的にはアンデルシェフスキのパルティータと同じくらいに鮮やか。
チェンバロ奏法的にルバートが時々かかっているし、弦を力強くはじくような弾力を感じるせいか、だんだんチェンバロみたいな響きに聴こえてくる。
第1番は舞うように軽やかで、愉悦感に満ちている。
短調の第2番と第6番は、美しい色彩感の響きと凝った装飾音に彩られて、悲愴感や哀感さえも華やかに感じる。
急速系の曲は、軽やかで歯切れの良いスタッカートのようなノンレガートがよく映える。
いつもは聴かない3曲(第3番~第5番)も、フェルツマンのピアノなら面白く聴けてしまう。


Six Partitas Bwv 825-830(Nimbus Records)Six Partitas Bwv 825-830(Nimbus Records)
(2013/3/5)
Vladimir Feltsman

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Bach: Six Partitas(Camerata)Bach: Six Partitas(Camerata)
(2007/6/11)
Vladimir Feltsman

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ついでに聴いてみたのは《ゴルトベルク変奏曲》。
これが滅法面白い。パルティータ以上に装飾音に凝っているだけでなく、フレーズ丸ごと装飾というよりも、”改変”(音程を変えたり、音を加えたり、旋律自体も変わっていたり)しているので、まるで編曲版。
たしかにゴルトベルクなのだけれど、別の曲みたいに聴こえることが度々。
ピアノの最高音域で弾いている旋律は、まるでオルゴールの音色で、とっても可愛らしい。
パルティータと同じく、豊かな色彩感と立体的な声部の弾き分けの見事なこと。
ゴルトベルクを聴くと寝てしまうことが多いけれど、こんなに面白くて刺激的なゴルトベルクを聴けば、眠気も寄り付かない。

Pianist Vladimir Feltsman plays Bach's Goldberg Variations


Goldberg VariationsGoldberg Variations(Nimbus Records)
(2008/7/8)
Vladimir Feltsman

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Goldberg Variations(Music Masters盤)Goldberg Variations(Music Masters)
(1994/12/12)
Vladimir Feltsman

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フェルツマンには、イギリス組曲フランス組曲(リリース予定)の全曲録音もある。
試聴したところ、構造堅牢なイギリス組曲なら、ソコロフとアンデルシェフスキの方が好みに合うし、フランス組曲は凄く好きというわけではないので、今のところガヴリーロフの全集盤だけで持っていればいいかなあという気がする。


<関連情報>
ウラディミール・フェルツマン/NIMBUSからのアルバム[アリアCD]
フェルツマンのアルバムは、以前はカメラータからいくつか出ていた。
久しぶりにチェックしてみると、NIMBUSから新録音と復刻盤(原盤はMusic Masters、URTEXT)の両方が多数リリースされている。
正規のスタジオ録音なのに、全てCD-R盤。(ただし、amazonでは「CD」、towerrecordでは「CD-R」表示。HMVでは取り扱っていない)
倒産後に再建されたNIMBUSは、全てCD-R盤しか出していないとのこと。
CD-Rだと、CDに比べて劣化するのが速いらしいので、リッピングしてwavファイルを保存しておいた方が良さそうな気がしてきた。(持っているカメラータ盤(とMusic Masters盤)の方はCD仕様)

《ゴルトベルク変奏曲》は注文したけど、ベートーヴェンのピアノソナタの録音も3種類ある。
3大ソナタ(悲愴、月光、熱情)の方はm細部まで繊細なフェルツマンの演奏を試聴しているだけで、だんだん息苦しくなってきたので、パス。
初期・中期のソナタでは、フェルツマンの演奏だと私には重すぎた。
そういう点でも、好きな曲が揃っている後期ピアノソナタ集(最後の3曲)を聴くべきかと思案中。

tag : バッハ フェルツマン

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フォイオレンティーノ ~ バッハ/パルティータ第1番、フォーレ/夢のあとに(ピアノ独奏版)
忘れた頃にふと聴きたくなる晩年のフィオレンティーノのピアノ。
必ず聴くのは、バッハ『パルティータ第1番』と、彼自身のピアノ編曲によるフォーレ『夢のあとに』。
軽やかタッチででさりげない繊細さと気品に満ちた美しいパルティータを聴くと、とても幸せな気分になれる。
どうしてこんなに優しく心に触れるようなピアノを弾けるのかしらん?
フィオレンティーノの弾くパルティータの魅力には、今まで聴いたどのパルティータもかなわないくらい。

Sergio Fiorentino: Partita n.1 (Bach)



ラフマノノフのような濃厚なロマンティシズムにクラクラしてしまう『夢のあとに』。

Fiorentino plays Fauré Après Un Rêve



この2曲が収録されているのは、晩年のベルリンレコーディングだけを集めたBOXセット『Sergio Fiorentino Edition Vol.1 :The Berlin Recordings 1994-97』。
幅広いレパートリーを持つフィオレンティーノなので、シューマン、ショパン、リスト、バッハ、シューベルト、フランク、スクリャービン、ドビュッシーなど多彩。
「驚異的なテクニック。輝きのある地中海人らしい音色。信じられないほど軽やかで明晰。」(ロンクイッヒ)、「ロマン的情緒と実直さを併せ持ち、さらに名人芸も堪能できる。紙一重の領域で音楽の均衡が保たれていて刺激的」(近藤嘉宏)という評どおり、晩年のフィオレンティーノの名人芸のようなピアノが聴ける。
この2曲以外で特に好きなのは、《バッハ=フィオレンティーノ編曲/無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番 BWV1001(ピアノ独奏版)》、《フランク=バウアー編曲/プレリュード、フーガと変奏曲 ロ短調 Op.18》、《シューベルト/即興曲集D899》。他にも素敵な演奏がいっぱい。
フィオレンティーノはブラームスもレコーディングする予定だったのに、直前に脳卒中で急逝してしまったのが本当に残念。

若い頃の録音を集めたVol.2はリスト作品集Vol.3はラフマニノフ作品集Vol.4もリリース予定

『Sergio Fiorentino Edition Vol.1 :The Berlin Recordings 1994-97』
Berlin Recordings-Fiorentino Edition Vol. 1Berlin Recordings-Fiorentino Edition Vol. 1
(2012/01/10)
Fiorentino





たまたま見つけたのは、若い頃に録音した《ラ・カンパネラ》(1958年録音)。
宝石が煌くように華やかで流麗。
あまりにも軽やかに難なく弾いているので、若い頃からリストとラフマニノフを得意としていたというのも納得。

Liszt Paganini Etude n3 : La Campanella - Sergio Fiorentino (1958)



<過去記事>
フィオレンティーノ ~ バッハ/パルティータ第1番

tag : フィオレンティーノ バッハ フォーレ

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【新譜情報】諏訪内晶子&Enrico Pace ~ヴァイオリンソナタ集/フランク、シュトラウス、武満徹
諏訪内晶子の4年ぶりの新譜は、私が期待していたエンリコ・パーチェとのデュオアルバム。
2014年の「第3回国際音楽祭NIPPON」で、諏訪内晶子のピアノ伴奏者がパーチェだったと知った時から、いつかCDで2人のデュオが聴けるかも、と思っていたので、待望の新譜。(私の目的は、パーチェのピアノ伴奏を聴くことだけど)
発売日はリサイタルツアーに合わせた4月6日。早速予約。

収録曲は、フランクとシュトラウスのヴァイオリンソナタという有名な2曲に武満徹《悲歌》。
音楽祭のプログラムと違うのは、モーツァルトとフォーレのヴァイオリンソナタが入っていないこと。どちらも好きな作曲家ではないので、これは問題なし。
代わりに収録されているのは、フランクのヴァイオリンソナタ。この曲は好きなので、CDの選曲も◎。
録音は、2016年1月26~29日にパリのノートルダム・デュ・リバンにて。

フランク&R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 他フランク&R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 他
2016/4/6
諏訪内晶子(Vn)Enrico Pace(P)

試聴ファイル(universal-music)


[2016.3.23 追記]
試聴ファイルが公開されていたので、早速聴いてみた。
シュトラウスのヴァイオリンソナタは、諏訪内晶子の硬質で澄んで伸びやかなヴァイオリンが朗々と歌い、パーチェのピアノは明るく柔らかくて優しげな音と歌い回しで、優美で気品漂うような印象が◎。
フランクも朗々としたヴァイオリンの響きがとても綺麗。「悲歌」は、もともとよく知らない曲なので、わからない。
試聴ファイルを聴いた感触では、やはりCDで全曲聴きたい気にさせられる。


<コンサート情報>
4月に予定されているリサイタルツアーも4年ぶりとのこと。
近頃は演奏家が素通りすることが多い大阪でも、シンフォニーホールで4月16日(土)に公演予定。
プログラムは、2014年の第3回国際音楽祭NIPPONのリサイタルとも新譜とも一部違い、フォーレとシュトラウスに代えて、グリーグとフランクのヴァイオリンソナタが入っている。
ピアノ伴奏は、今回もエンリコ・パーチェ。

グリーグのチェロソナタは以前聴いたことがあって、ラフマニノフばりのロマンティックでパッショネイトな曲。
ヴァイオリンソナタの方は若い頃の作品が多くて、あまり印象に残らなかったけれど、もう一度聴いてみると、こちらもラフマニノフ風。
もともとラフマニノフの曲は、ピアノ協奏曲第2番とかいくつかの曲以外は好きではないし、グリーグのヴァイオリンソナタも一度聴けばもう十分...という気になってしまう。

Julia Fischer, Milana Chernyavska Grieg Sonata c-moll op. 45



【プログラム】
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.305
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 op.45
武満徹:悲歌(エレジー)
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

【全国日程】
2016年4月
9日(土) 横須賀芸術劇場
10日(日) 千葉県文化会館
11日(月) 茨城県立県民文化センター
14日(木) 秋川キララホール
16日(土) ザ・シンフォニーホール
17日(日) 可児市文化創造センター

<関連記事>
フォーレ&シュトラウス《ヴァイオリンソナタ》、武満徹《悲歌》
エンリコ・パーチェに関する最新情報

tag : 諏訪内晶子 パーチェ

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ポゴレリチ ~ ショパン/ノクターン第13番、ピアノ・ソナタ第2番(2012年パリ・リサイタルより)
エッシェンバッハの若い頃の録音は陰鬱で寂寥感に満ちているけれど、最近のポゴレリチの演奏もそれに劣らないくらいに重苦しく暗い。
端正で繊細で寂寥感漂うエッシェンバッハの演奏とは違い、ポゴレリチは非常に遅いテンポをとって内面に沈潜して行くような時もあれば、感情が激流のように噴出するような時もある。
以前に聴いたポゴレリチの軽快なスカルラッティや表情豊かで面白いシューマンのトッカータとは違って、2012年のパリ・リサイタルで聴いたショパンはまるで別人が弾いているような気がする。

深い悲哀が漂うノクターンは痛々しく、心の奥底から音を絞り出して、苦悩の満ちた内面を吐露するような演奏は、若いエッシェンバッハと同じく、心が深く傷ついた人にしか弾けない。
ピアノ・ソナタ第2番はあまり聴かないので、オーソドックスな演奏とどれだけ違っているかはよくわからないけれど、弱音部には安息感ではなく寂寥感が漂い、強奏時の激しい打鍵とひび割れそうな響きには荒々しい内面の感情がぶつけられているかのように感じる。
表現的に主情的とか情緒過剰というのではなく、内面に突き刺さっている辛さや哀しさが生々しく伝わってくる。
でも、葬送行進曲の変ニ長調のトリオは、幸福な日々を回想するかのような懐かしさが篭り、心の傷を癒すように優しい。

もしかしたら、聴衆に聴かせるためではなくて、自分のためだけに弾いているのかもしれない。
こんな壮絶さを感じさせるような演奏を息を詰めて聴いている自分に気が付いた。
ロマンティックで口当たりの良いショパンとは違って、決して聴き心地の良い音楽ではないけれど、好みとか演奏解釈などということを超えて、心を強く揺さぶられるものがある。

Pogorelich live in Paris 2012 Chopin Nocturne op. 48 n°1


Pogorelich Chopin Sonata n°2 live in Paris 2012 (excellent sound)



なぜポゴレリチがこんなピアノを弾くようになったのかについては、↓の記事を読むとよくわかる。
ポゴレリチの身に起こった出来事と最近の演奏を考えれば、この解釈はかなり核心をついていると私には思えてくる。

ポゴレリチに関する雑感[Voyage to Art]
イーヴォ・ポゴレリチ ピアノリサイタル(2015年2月) [Photos from London]

[追記 2016.2.21]
ポゴレリチの妻だった14歳年上の師アリス・ケジュラッゼは、ポゴレリチと結婚する前は学者(または外交官?)の夫と8歳の息子がいる人妻だった。
そんなことをものともせず、青年ポゴレリチは彼女に何度断られても、しつこく求婚し続けた。
そして、ついにケジュラッゼは弟子の求愛を受け入れて、夫と離婚してポゴレリチと子連れ結婚したという。
ポゴレリチの感情と情熱は、自分自身を飲み込んで食い尽くしてしまうほどに、深く激しく強大なのだと思う。
それは、師との結婚により音楽と人生両方のパートナーを得るという無上の幸福をもたらしたけれど、やがて師も妻も失った彼を深い絶望へと突き落としてしまった。
メンデルスゾーン/厳格な変奏曲、前奏曲とフーガ第1番ホ短調、スコットランド・ソナタ
メンデルスゾーンはピアノ独奏曲をかなりたくさん書いているけれど、《無言歌》だけがやたらに有名な気がする。
《無言歌》は子供の頃にピアノのレッスンで数曲練習したけれど、どうも好きに慣れなかった。
それ以来メンデルスゾーンを聴く(弾く)気にならなかったけれど、ゼルキンCDを収集している時に聴いたピアノ協奏曲第1番で印象がすっかり変わってしまった。
ピアノ独奏曲をいろいろ聴いてみると、ロマン派のなかでは、ショパンやシューマンよりも、メンデルスゾーンの方が私の好みに合っている。

メンデルスゾーンのピアノ作品で好きな曲といえば、《ピアノ協奏曲第1番》、《ロンド・カプリチオーソ》、《前奏曲とフーガ ホ短調 Op.35-1》、《厳格な変奏曲》、《幻想曲嬰へ短調~スコットランド・ソナタ》、リスト編曲版の《歌の翼に》。
それ以外で比較的好きなのは、《7つの性格的な作品》や《アンダンテ・カンタービレとプレスト・アジタート ロ長調》、《カプリッチョ 嬰ヘ短調》、《「夏の名残のばら」による幻想曲》など。
それに、最近聴いたレーゼルのピアノ小品集アルバムに収録されていた《春の歌》が素晴らしかったので、全然好きではなかったこの曲がレーゼルの演奏ならメンデルスゾーンの作品のなかでも一番好きな曲のひとつになってしまった。


《6つの前奏曲とフーガ》Op.35(1827-37年)[作品解説]

メンデルスゾーンは、ルドルフ・ゼルキンの重要なレパートリー。12歳の時にピアノ協奏曲第1番を弾いてデビュー。
このコンチェルトや《ロンド・カプリチオーソ》と《前奏曲とフーガ第1番ホ短調 Op.35-1》も高齢になってからも演奏会で弾いていた。
《前奏曲とフーガ第1番》はゼルキンのライブ録音(BBC Legend)に収録されている。
ゼルキンの前奏曲は、がっちりとした構成と力強いタッチ。
この演奏を聴きなれているし、バッハを聴いている気もするので、個人的にはこれがスタンダード。NAXOS盤のフリスも似たような方向性。
逆に、ペライアやメジューエワを聴くと、やや柔らかなタッチでロマンティックな雰囲気が強くなるので、どうも気が抜けてしまう。

Serkin plays Mendelssohn Prelude & Fugue in E minor, op.35 no.1
(Royal Festival Hall, London on 3 Feb 1975.)


Mendelssohn: Prelude & Fugue; Brahms: 4 Piano Pieces; Beethoven: Diabelli VariationsMendelssohn: Prelude & Fugue; Brahms: 4 Piano Pieces; Beethoven: Diabelli Variations
(2007/07/31)
Rudolf Serkin

試聴する(allmusic.com)



《厳格な変奏曲》Op.54(1841年)[作品解説]

スティーブン・ハフのピアノソロアルバム『イン・リサイタル』の冒頭曲。
ハフはメンデルゾーンのピアノ協奏曲とピアノ&管弦楽曲をすでに録音しているので、メンデルスゾーンの作品は好みに合うらしい。
《前奏曲とフーガホ短調》と曲想が似ていて、曲名どおり厳粛な雰囲気が漂っている。

Stephen Hough plays Mendelssohn - LIVE (live recital at the Louvre in 2008)


Stephen Hough in recitalStephen Hough in recital
(2009/03/10)
Stephen Hough

試聴する(hyperion.co.uk)




《幻想曲嬰へ短調「スコットランド・ソナタ」》Op.28[作品解説]

もの哀しく幻想的な第1楽章。スコットランドの爽やかな夏のように楽しげな第2楽章。波が激しく打ち寄せるような第3楽章。
スコットランドの風景映像が次々と移り変わっていくように、明瞭に異なる曲想のコントラストが鮮やかで、ドラマティック。
私は名曲だと思うけれど、意外と知られていないような気がする。

Murray Perahia - Felix Mendelssohn, Fantasy in F#- ("Scottish Sonata") Op.28


<過去記事>メンデルスゾーン/幻想曲 嬰へ短調 <スコットランド・ソナタ>

tag : メンデルスゾーン ゼルキン スティーブン・ハフ スティーヴン・ハフ

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瀬尾幸子『みその料理帳』
お味噌というと、もっぱらお味噌汁に使い、たまにシチューやチゲ鍋に少し入れるか、豆腐の味噌漬けの漬け床にするくらい。
そういえば、味噌ピーナッツも作ったことがある。
定番で使うお味噌はなくて、アミノ酸・酒精・保存料などが添加されていない無添加味噌をとっかえひっかえ買っている。

『みその料理帳』には、お味噌の種類の説明があるので、今まであまり気にとめていなかったお味噌の違いと特徴がよくわかった。
米味噌、豆味噌の違い、赤だしと八丁味噌の違い、八丁味噌や仙台味噌は熟成が進んでいるので旨味が強い、白味噌は風味が飛びやすいとか。
赤だしは好きなのだけど、添加物が多いので、一度だけ買ったきり。
八丁味噌と仙台味噌なら無添加で赤だしのような味になりそうなので、一度使ってみたい。

お正月の楽しみは、白味噌のお雑煮。
白味噌で有名な西京味噌は一年中店頭で見かけるけれど、白味噌を買うのは12月と1月。(暖かくなると白味噌の汁物は食べたくなくなる)
お雑煮の具は、丸餅(焼かない)、人参、大根、ゆりねなど。ゆりねも冬しか出回らないので、お雑煮には欠かせない。
白味噌の投入量は、普通のお味噌に比べてかなり多い。私はだし汁200ccに対して白味噌大匙1くらい。少し煮込むとクリームシチューみたいにとろりとして甘い。
でも、商品パッケージには、だし汁400ccに対してお味噌150g~200gと書いているものもある。入れすぎのような気がするけど、こんなに入れればはかなり濃厚になるに違いない。
白味噌は普通の味噌に比べてずっと甘いだけあって、炭水化物がかなり多く、お味噌100gあたり45g前後。普通のお味噌で20gぐらい、辛口の仙台味噌とかだと10gぐらい。
白味噌の産地は京都だと思っていたけれど、「備州」も白味噌の産地として本に載っていた。そういえば、昔「備州白みそ」(300gの袋入り)を使ったことがある。
お味噌は冷凍しても、凍らずにシャーベット状になるので、そのまま使える。
お正月明けから白味噌が随分安くなるので、何個か追加購入しては、冷凍保存して使っている。
お味噌汁以外に使うときは、甘みとコクを強くするために、豆乳シチューに入れたり、白和えの衣に混ぜたりしている。

レシピの中で、美味しそうなのは、「生みそのおにぎり」「ねぎみそ」「みそマヨトースト目玉のっけ」「みそピザ」「みそからみもち」など。
おにぎりは食べないので、ごはんにお味噌を混ぜてみたら、ほんのり甘みがあって結構美味しい。
コンロで焼くと、香ばしくて焼きおにぎり風になりそう。

レシピでは、「味噌漬け」の漬け床は、酒と酒粕を加えている。(私はみりんでお味噌をのばしている)
両方とも常備していないので、いつもみりんで伸ばしてお豆腐の表面に塗っている。
レシピでは、ゆで卵、水きり豆腐、魚の切り身を漬けている。豆腐をつけるとチーズみたいで美味しい。
ゆで卵は、燻製するときにしょうゆ漬けしておくけれど、味噌漬けはしたことがない。どんな味がするのか、今度試してみようと。

大葉が余っていたので、大葉が余っていたので、試しにお味噌のなかに大葉を数日漬けておいて、そのお味噌と大葉でお味噌汁を作ったら、思いのほか美味しい。
ゆずこしょうのお味噌汁も美味しいけれど、大葉を入れると風味がとても良いので、大葉味噌は常備しておきたい。


Britten Conducts Britten 4みその料理帳
(2013/03)
瀬尾 幸子


第1章 直球明快 みそを味わう11の調理法
生みそのおにぎり、焼きみそフレーク、冷や汁、みそ餃子、みそチーズオムレツ、みそマヨトースト目玉のっけ、あじのみそたたき など

第2章 酒1合半はいける みそのつまみ
ねぎみそ、山椒みそ、牛すじのどて煮、しゃぶっとしたみそカツ、さんまのみそ焼き など

第3章 何度でも食べたい みそ味のおかず
赤みそシチュー、みそだれ生春巻き、ゆでなすのみそ炒め、まぐろの辛みそあえ、みそ味のかぼちゃの煮っころがし など

第4章 尽きせぬうまさ 汁もの春秋
かぶと鶏ひき肉のみそ汁、豚肉とトマト、青じそのみそ汁、まぐろのあら汁、みそチャウダー、魅惑のかき鍋 など

第5章 満足満腹 みそ味のごはん、麺、パン
里いもの炊き込みごはん、みそ味炒飯、みそ味冷やし中華、ごまみそだれうどん、みそピザ、みそ納豆のふわふわ丼、みそからみもち など
黛敏郎/交声曲「般若心経」、曼荼羅交響曲、プリペイドピアノと絃楽のための小品
黛敏郎の《涅槃交響曲》がとても面白かったので、仏教をモチーフにした黛作品のうち有名な曲をいくつか聴いてみた。

交声曲《般若心経》(1976年)
修復された薬師寺金堂の落慶式(昭和51年3月28日)のために作曲したもの。

LP盤『交声曲 般若心経』の解説にある黛自身の言葉。
「それぞれ自分の一ばん声の出し易いピッチで自由に唱えるとき、不可避的かつ偶発的に、非常に複雑な複合音――現代音楽ではトーン・クラスターという――が生じ、それが計算されたハーモニーとは全く違った、豊かな音楽的世界を創り出すというところにある」
(出典:<歌う人のためではなく、聴く人のための男声合唱ガイド6 江戸の木遣り>(詩と音楽についての覚え書)

伊丹十三監督の映画「大病人」の終盤で出てくる《般若心経》の演奏風景。
このシーンは、「題名のない音楽会」の収録画像。薬師寺の高田好胤管主を招いて、客席の人々と”演奏”したという。
最後に”合唱”として歌うお経部分は、普通の合唱のように楽譜上で音が指定されているらしく、音程が揃っている。
平板なトーンでお経を唱える部分は、「それぞれ自分の一ばん声の出し易いピッチで自由に唱える」ようにしたのだろうか?
<薬師寺 花会式>(じゃぽブログ)の記事によると、「黛さんは、皆の音程が揃ってしまうのをしきりに残念がっていました」という。オケが伴奏に入ると、その音につられてしまったのかも。

曲自体は、落慶法要で演奏する祝典曲というせいか、ちょっとスペクタル映画風に劇的。
なぜか西洋のレクイエムなどの宗教曲によく出てくる「怒りの日」の旋律(の一部)をオケが演奏している。(1分50秒あたり~)

The Heart Sutra
Juzo Itami Daibyonin (The Last Dance) (1993)




曼荼羅交響曲(1960年)
第1楽章:金剛界曼荼羅/第2楽章:胎臓界曼荼羅
合唱抜きの管弦楽のみ。これも時々メシアンを連想する部分はあるけれど、《涅槃交響曲》に比べてかなり少ない。
といっても”東洋風”というエキゾチックな印象も薄くて、どちらかというとコスモポリタン的?
《涅槃交響曲》よりもはるかに抽象性が高くて、”頭で”聴いているようなわかりにくさは感じる。それに、中空に展開するような空間性も。
そういう抽象性と空間性を感じるところが、宇宙的な”曼荼羅”に通じているのかも...。

Toshirō Mayuzumi: Mandala Symphony (1960)





プリペアド・ピアノと弦楽のための小品(1957)
交響詩《輪廻》の録音を探していたら、First Edition盤でカップリングされていた《プリペアド・ピアノと弦楽のための小品》の方に興味を惹かれた。
仏教とは関係なさそうで、管弦楽曲版と室内楽曲版がある。First Edition盤は管弦楽曲版。
試聴でちょっとだけ聴いたプリペアド・ピアノは、ジョン・ケージのデッドなソノリティとは違って、音がよく響いて普通のピアノにかなり近い。
オケの多彩な響きと相まって、プリペアド・ピアノにしてはとても綺麗な響き。
こういう音の方が好きなのだけど、プリペアド・ピアノ独特の面白さはちょっと薄いかも。

この曲を聴いてすぐにイメージが浮かんできたのは、座頭市とかの時代劇で暗い竹薮や竹林のシーンの劇伴で使われているような曲。
いかにも前衛的な現代音楽なのに、ちょっと古風で日本的なものを感じてしまう。
この管弦楽曲版と《輪廻》と両方ともYoutubeには、音源がないので、このアルバムのデジタルファイルをダウンロードしようかと思案中。


こちらは、室内楽曲版。プリペアド・ピアノを弾いているのは高橋悠治。
プリペアド・ピアノの演奏なら、有名なケージのアルバム『in a Landscape』は何度か聴いてみたけれど、いつも退屈してしまう。
《プリペアド・ピアノと弦楽のための小品》は、ポコポコとおもちゃのようなプリペアド・ピアノの響きと、蚊の羽音みたいに不気味な弦楽の響きとの組み合わせが、奇妙で摩訶不思議。
プリペアド・ピアノのソロはいつも単調に聴こえるので、他の楽器を組み合わせた曲の方が私には向いているらしい。

黛敏郎:プリペアド・ピアノと絃楽のための小品




黛敏郎:プリペアド・ピアノと弦楽のための小品/交響詩「輪廻(さむさーら)」/弦楽のためのエッセイ黛敏郎:プリペアド・ピアノと弦楽のための小品/交響詩「輪廻(さむさーら)」/弦楽のためのエッセイ
(2007/1/1)
オーウェン/ルイヴィル管/ホイットニー/遠藤明

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tag : 黛敏郎

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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