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【新譜情報】ジュリアス・カッチェン/DECCA録音全集
<最近記事>ジュリアス・カッチェン『DECCA録音全集』(2016.10.24)

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2016年はカッチェンの生誕90周年にあたるので、限定盤としてDECCA録音全集(35CD)が8月末発売予定。
DECCAのモノラル録音・ステレオ録音の既発売盤に加えて、私が見たことも聴いたこともない未公開音源らしき曲も入っている。
カッチェンの録音はほとんど集めたので、この全集の収録曲のうち持っていない録音は次の4曲のみ。
 モーツァルト:幻想曲ニ短調K.697(未公開録音?)
 シューマン:アラベスク ハ長調Op.18(CD化ずみ)
 ブラームス:クラリネット・ソナタ第1&2番(未公開録音?)
 バラキレフ:イスラメイ(1958年再録音)(LP)(CD化ずみ?)

[追記 2016.7.26]
さっきたまたま収録曲リストを見ていて気が付いたのは、ラフマニノフ《パガニーニの主題による狂詩曲》とドホナーニ《童謡の主題による変奏曲》のステレオ録音が未収録。収録されているのは、1954年のモノラル録音のみ。
1959年にステレオ録音した再録音はCD化されているし、なぜモノラル録音の方を収録したのか理由がわからない。
”Complete Recodings”のはずなので、単なる収録曲リスト上の記載漏れなのか、それとも実際に収録されていないのか、どちらなんだろう?(現在問い合わせ中)

[追記 2016.9.20]
今日、コメント欄で教えていただいたのですが、ラフマニノフ《パガニーニの主題による狂詩曲》とドホナーニ《童謡の主題による変奏曲》は、やはり収録漏れしていたようです。
幸い、この2曲は、36枚目のCDとして全集版BOXに追加収録されています。
どうやら生産完了後に収録漏れが発覚したらしく、外箱にもブックレットにも36枚目のCDが入っている旨の記載がないので、公式には35枚組となっています。
36枚目は”ボーナスCD”みたいな形で入っていますが、録音情報はスリーブに記載されているそうです。


[追記 2016.10.4]
最近のポンド安のおかげで、amazonの英国サイトで6400円(送料込)で販売中。国内で買うよりも随分安いので、つい注文してしまった。
海外サイトで買うと厄介な点は、ケース破損やディスクエラーがあった時。返品・交換するのに手間と時間がかかる。
それを考えると日本国内のショップで買った方が便利なのだけど、さすがに3000円近く価格差があると海外発送でも気にならなくなる。
今までamazonの英国サイトで購入したCDを数回交換・返品したことがあり、amazonも一般セラーも全て問題なく返品・返金・交換してくれた。(もちろん返品送料も先方負担)
今回はamazon.ukから直接購入したので、破損や不具合には確実に対応してくれるので安心。(輸送中にBOXケースが壊れていなければいいけど)



特に好きというわけではないモーツァルトとシューマンの2曲は若い頃のモノラル録音。どうしても聴きたいというほどではない。
《イスラメイ》は、モノラル録音だけ持っているし、これも好きな曲でもない。
ブラームスの《クラリネットソナタ》2曲は急逝した1969年の前年の録音。
LPが出ていた形跡がないので、初出音源の可能性あり。ソロ録音ではなくても、聴いてみたい気はする。
保有していない数曲だけ聴くために、1万円前後する全集BOXを買おうという気にはあまりならない。
新しくリマスタリングして音質がかなり良くなっているなら、買ってもよいかも?(音質が向上しているわけではなさそうだけど)
重複する保有CDを全て処分して、全集BOXに買い換えるという選択肢がないことはない。
でも、分売盤はジャケットデザインが数種類あって、それも結構好きなので、手放すのは惜しい。
それに、全集BOXの装丁はちょっと素っ気無くて、やっぱり買い換えるのはやめた方が良い。
クラリネット・ソナタだけ、MP3ダウンロードできたらいいんだけど。

ジュリアス・カッチェン・デッカ録音全集(35CD) ジュリアス・カッチェン・デッカ録音全集(35CD)
(2016年08月31日)

試聴ファイル(.deccaclassics.com)

※既発のDECCA輸入盤・国内盤CDに収録されているモノラル&ステレオ録音に加えて、未発売(だと思う)録音も入っている。
※国内盤・輸入盤ともほぼ入手不可能なアンコール集録音(Disc34)も収録されている。(別レーベルのダウンロード販売あり


カッチェンのアンコール集のなかで、とても素敵なのがドビュッシーの《月の光》。
カッチェンのドビュッシーというのは、珍しいレパートリー。(他には《沈める寺》のライブ録音があるくらい)
温もりが篭った音色とかすかに囁くような弱音が優しい。
浮かんでくるのは、春霞がかかったような夜空に柔らかい光でぼや~と輝いている月の姿。
ほんのひと時、星のように激しく瞬き、宝石のようにキラキラと輝いている。


Julius Katchen plays Debussy Clair de lune



ついでに、このところ雨の日が多くて、じめじめとうっとおしい梅雨の毎日。
毎年この時期に聴くのは、スーク&カッチェンが弾くブラームスのヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」。
日本の湿度の高いじめ~とした梅雨空の風景ではなく、明るい空から淡い小雨が舞い降りてくるように軽やか。
高音の柔らかいピアノの響きは砂糖菓子がシュワ~っと溶けるように甘い。
伴奏するときのカッチェンのピアノは、ピアノが前面に出るソリストの時の演奏とは違って、スークに自然に寄り添うようでちょっと奥ゆかしい。


Josef Suk,J. Katchen,Brahms Violin Sonata G-major 1(第1楽章)


Violin Sonatas: Decca LegendsViolin Sonatas: Decca Legends
(2001/02/06)
Josef Suk, Julius Katchen

試聴ファイル



<関連記事>
スーク&カッチェン~ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第1番 《雨の歌》
『ジュリアス・カッチェンにまつわるお話』


<参考情報>
生誕90年記念限定ボックス/ジュリアス・カッチェン/デッカ録音全集 DECCA (35CD)[アリアCD]


tag : カッチェン スーク ブラームス ドビュッシー

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ニコラス・マッカーシー『ソロ~左手のためのピアノ編曲集』
以前にどこかでインタビュー記事を読んだ記憶がある左手のピアニスト、ニコラス・マッカーシーが初のソロアルバムを昨年リリースしていた。

ソロ~左手のためのピアノ編曲集 ソロ~左手のためのピアノ編曲集
(2015/9/18)
Nicolas Mccarthy

試聴ファイル
CD紹介文(HMV)

<収録曲>
エイナウディ/マッカーシー編:I Giorni
マスカーニ/マッカーシー編:『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲
プッチーニ/マインダース編:私のお父さん
ベッリーニ/フマガッリ編:清らかな女神よ
ラフマニノフ/マインダース編:ヴォカリーズ
リスト/ジチー編:『愛の夢』第3番
ショパン/ゴドフスキー編:練習曲 第3番ホ長調『別れの曲』
ショパン/ゴドフスキー編:練習曲 第12番ハ短調『大洋』
スクリャービン/シミーロ編:練習曲 第12番嬰ニ短調『悲愴』
スクリャービン/シミーロ編:練習曲 嬰ハ短調 Op.2-1
スクリャービン:2つの左手のための小品 Op.9~第2番『夜想曲』
アール・ワイルド:ガーシュウィンによる7つの超絶技巧練習曲~第3番『私の彼氏』
ガーシュウィン/マッカーシー編:サマータイム
ブルーメンフェルト:左手のための練習曲 変ニ長調 Op.36
R.シュトラウス/マン編:明日 Op.27-4
ヘス:夜想曲

試聴したところ、左手だけの演奏にしては、線がしっかりして豊かな音量で重層感があるので、曲によっては左手だけで弾いているとは思えない。
原曲を聴き慣れているせいか、ゴドフスキー編曲「別れの曲」は、原曲に音が足されていたり、左手と右手の音が時間差で打鍵されていくところが、少し気にはなる。
それに「大洋」の方は、両手の演奏と比べると、やはり力感・量感・スピード感が少々不足気味のように感じないでもない。
でも、テンポの遅いロマンティックな曲(《ヴォカリーズ》や《愛の夢》とか)や、もともとピアノ原曲がない歌曲の編曲版なら、それほど気になるところもなく普通に聴ける。

収録曲のなかで好きなのは、エイナウディ《I Giorni》(メロディが綺麗)、ラフマニノフ《ヴォカリーズ》、スクリャービン《練習曲Op.8 No.12「悲愴」》、ワイルド《ガーシュウィンによる7つの超絶技巧練習曲》、シュトラウス歌曲《Morgen》。
特に、もともと原曲が好きなスクリャービンのエチュードは、パッショネイトでダイナミック。
もう少しスピード感があったらさらにいいけど、低音域と高音域の間を頻繁に跳躍するので、これ以上速く弾くのは難しそう。


Scriabin Etude Op 8 No.12 Nicholas McCarthy


Etude No.3 'The Man I Love'-Gershwin Arr Earl Wild




アルバムには収録されていないバッハ=ブラームス編曲《左手のためのシャコンヌ》。
Nicholas McCarthy - J. S. Bach: No. 2 Partita in d minor Chaconne - J. Brahms arr. for left hand



バッハ=グノー編曲《アヴェ・マリア》の左手用編曲版があるのは、全然知らなかった。(原曲:平均律曲集第1巻第1番ハ長調BWV846「プレリュード」)
編曲者は、名だたる作曲家たちに左手用のピアノ曲を委嘱した、あの左手のピアニストのパウル・ヴィトゲンシュタイン。
Works associated with Paul Wittgenstein”というリストを見ると、《アヴェ・マリア》だけでなく、短い曲が多いけれど、左手用のピアノ曲をいろいろ編曲している。(原曲の一部抜粋やピアノ伴奏部分だけとかもある)

Ave Maria-Bach/Gounod Arr Wittgenstein



tag : マッカーシー スクリャービン ガーシュウィン ブラームス

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ホームベーカリーで塩麹パン
とても美味しい全粒粉入りハードベーグルのレシピの最後に、「酒粕、塩麹を入れてます!栄養も旨味もUPして、おすすめです!」と書かれていた。
酒粕は冬しか買わないので、常備している自家製塩麹だけを加えた食パンを早速作ってみることに。
たぶん酒粕を入れるとチーズみたいな風味になって、さらに美味しくなりそう。冬になったら、酒粕も入れてみよう。

↓の研究論文を読むと、塩麹に含まれる酵素のアミラーゼは、デンプンを分解して糖を作り、プロテアーゼはタンパク質を分解してアミノ酸を作るという。
ということは、パンの原料である小麦粉のデンプンから糖が作られると、イーストの餌が増えるし(モルトと似た効果)、アミノ酸は旨味につながる。塩麹を入れると、パンが膨らみやすくなり、旨味も増すという仕組みらしい。

「塩麹の酵素活性と食味との関係」(大阪府立園芸高等学校バイオ研究部、徳重 潤、化学と生物Vol. 52, No. 4, 2014)

塩麹で旨味倍増食パン(HB) [cookpad]
このレシピだと、塩麹が粉量比5%。砂糖・乳製品もたくさん入れているので、かなりふわふわでボリュームあり。
リーンなパンしか焼かないので、このレシピは使わず、いつもの配合に塩麹を少量足すだけで良さそう。

試作したのは、5種類。
自家製塩麹の塩分濃度は約11%(60℃のお湯180g、ますや乾燥米こうじ100g、塩30g)。

(1)ロデブ風食パン
オーベルジュ(準強力粉) 160g
ライ麦粉(ママズキッチン) 20g
水 144g
塩(赤穂の天塩) 2cc分
塩麹 小さじ1(約8g)
モルトパウダー 約0.8cc分
あらなみの本にがり 2滴
ドライイースト(赤saf) 1cc分
※パナソニックSD-BH106、天然酵母コース(7時間)

室温が高かったことと、塩麹とモルトパウダーを両方入れたせいで、かなり膨らんだ。
天辺はクラストが薄くて、フニャフニャ。空洞が多い。
塩麹を入れない配合よりも、多少甘みと塩気が強い気がしないでもない。
もともとライ麦入りで味が良いレシピなので、塩麹を入れても美味しさはあまり違わない。


(2)フランスパン風食パン
オーベルジュ(準強力粉) 180g
水 130g
塩(赤穂の天塩) 2cc分
あらなみの本にがり 2滴
塩麹 小さじ1(約8g)
ドライイースト(赤saf) 約0.8g
※タイガーKBH-V100、フランスパンコース(3時間40分)

塩麹の効果を確認するため、モルトパウダーは入れず。
室温が高いので過発酵しないように、ドライイーストを付属レシピよりも2割以上減らしたので、あまり膨らまず。
ふっくらと形良く、焼色はいつもよりも濃く、天辺までこんがりしっかり焼けて、空洞はなし。塩麹を入れたせいか、側面はちょっと焦げ気味。
クラムはツヤツヤ光った糊状になったので、チャバタ風食パンみたい。
塩麹の甘みと塩気で、淡泊なオーベルジュがかなり美味しくなっている。
これなら、キタノカオリやタイプERでチャバタ風食パンを焼かなくても、それに近いくらい美味しい。
リスドォルで焼いても、かなり美味しくなりそう。
ドライイーストを使って、長時間発酵もさせていないのにこの美味さは、塩麹効果。


(3)フランスパン風食パン
タイプER(北海道産準強力粉) 175g
水 134g
塩(赤穂の天塩) 2cc分
あらなみの本にがり 2滴
塩麹 小さじ1(約8g)
ドライイースト(赤saf) 約0.8g
※タイガーKBH-V100、フランスパンコース(3時間40分)

フランスパンは捏ねすぎない方が良いそうなので、規定量の75%の配合でHBおまかせにすると、捏ねすぎになりそう。
ボウルにドライイースト以外を入れてざっと混ぜておき、HBが捏ね始めてから10分後に、材料をパンケースに全て投入。
タイプERはベタベタしやすい粉なのに、HBならベタついてもちゃんとまとまる。
タイプERには米麹が元々入っている。短時間ではあまり発酵しない気がしたので、塩麹も投入。
焼きあがりは、↑のオーベルジュを使ったフランスパン風食パンとほぼ同じ焼き色。
粉をタイプERに変えて、捏ね時間を少なくした効果か、オーベルジュよりも、クラムの気泡は大小いろいろ数も多く、ツヤツヤモチモチ。
タイガーHBの方がクラムに水分が残りやすいので、加水率80%弱でも、チャバタ風のクラム。
粉の味わいがオーベルジュよりも強いタイプERを使ったので、クラムがとても美味しい。
塩麹を入れたせいか、以前作ったタイプERのフランスパン風食パンよりも、さらに粉の味がしっかりしている。
パナソニックHBの食パンコースで作るチャバタ風食パンよりも美味しい気がする。


(4)ごはん食パン
イーグル 175g
水 95g
ごはん 120g
砂糖 5g
塩(赤穂の天塩) 1cc分
塩麹 小さじ1(約8g)
ドライイースト(赤saf) 約0.8cc
※タイガーKBH-V100、天然酵母コース(7時間)

ホシノ天然酵母は夏には(過発酵するので)使わないので、ドライイーストと塩麹を入れて、ごはん食パンを試作。
ドライイーストが粉量比1.25%と多い「ごはん食パンコース」ではなく、ドライイースト少量でできる「天然酵母コース」使用。
バターなしで砂糖は5gしか入れていないのに、他の試作パンと同じように、天辺までこんがりと濃い焼色がついて、よく膨らんだ。
ホシノ天然酵母のどっしりと重たいごはん食パンに比べて、軽くて、クラムがふわふわ~で、ホシノのような酒粕っぽい風味はない。やっぱりホシノのごはん食パンの方が風味がよくて、食べ応えあり。
でも、塩麹抜きでドライイーストで作るよりも、バターを入れなくてもふんわりしっとりして、ずっと美味しい。


(5)全粒粉ベーグル
オーベルジュ(準強力粉) 90g
パン用全粒粉 90g
水 90g
塩(赤穂の天塩) 2cc分
モルトパウダー 0.5cc分
塩麹 小さじ1(約8g)
ドライイースト(赤saf) 約0.8g
※タイガーKBH-V100、パン生地コース(一次発酵させない)
(参照レシピ)全粒粉50%長期冷蔵発酵ハードベーグル(酒粕と塩麹を加えるとさらに美味しいとのこと)

捏ね終了後、すぐに取り出して冷蔵庫で低温長時間発酵約20時間。
全粒粉が多い配合なので塩麹にモルトを入れたせいか、冷蔵庫内の温度が高かった(9℃くらい)せいか、倍くらいに膨らんでいた。
分割後ベンチタイム15分、成形後室温(28℃くらい)で30分発酵後、上面2分&底面1.5分のケトリング。
200℃で18分焼成後、しばらく放置。全体的にシワが全然なく、ツルツルピカピカにこんがり濃く焼けていた。
塩麹を入れないときよりも、多少甘みと塩気が強くなっている気はする。
発酵が進みすぎたようで、もっちり・ずっしり感が少なくなっている。
もともと全粒粉入りで長時間発酵させているので、プレーンよりも粉の味がしっかり美味しいベーグル。
強力粉か準強力粉を使ったシンプルなベーグルに塩麹を入れた方が、味の変化がわかりやすそうなので、次はプレーンベーグルで試作予定。


数種類試作した結果、塩麹を入れると、パンがよく膨らむ、天辺までこんがり濃い焼色がつく、クラムはしっとり・ふわふわ、甘みが強くなる。
ドライイーストを少し減らしても、塩麹を小さじ1だけ入れただけで、よく膨らむし、クラムはふわふわ。
塩麹はモルト代わりに使えるので、モルト不要。両方いれると膨らみすぎて、天辺が空洞になったり、大きな気泡が入ったりする。
ふわふわしたパンは好きではなく、塩麹をこれ以上減らすと旨味が減りそうな気がするので、ドライイーストをさらに減らしても良いかも。
試作したパンのなかで、一番美味しいと思ったのは、タイプERで作ったフランスパン風食パン。
もともと風味の良いタイプERの美味しさに、塩麹の旨味が加わって、シンプルな配合だから粉と塩麹の旨味がよくわかる。
ホームベーカリーでこれだけ美味しいパンが作れれば、申し分なし。



<レシピブック>

ホームベーカリーで「塩麹パン」 (マイライフシリーズ)ホームベーカリーで「塩麹パン」 (マイライフシリーズ)
(2013/1/26)
荻山和也


本書のレシピでは、粉量250gに対して、ドライイーストが3g(1.2%)、バター・砂糖もかなり入って、もともと膨らみやすい配合なのに、さらに塩麹を38g(レシピによって多少量が変わる)も入れている。
このレシピで焼いた食パンの写真をみると、普通の食パンなのに、クラムに大小の穴がたくさん入ってキメが粗いし、天辺はシワが多くてフニャとしていたり、キノコの笠みたいだったり。
ドライイーストを1.2%入れた上に、砂糖も塩麹(それにバター)も入っているから、少々過発酵気味?。

レシピで使っているのは、市販の塩麹(塩分濃度6~7%)。
本書で作り方を紹介している自家製塩麹(塩分濃度10%)を使う場合は、塩麹の量をレシピより3~4割減らし、さらに、完成後10日以内の塩麹を使うように指定している。
10日以降経過した塩麹を使うと、上手く膨らまないことがあるという。実例として、食パンの天辺が陥没している写真が載っている。
市販の塩麹の方は、製造後の経過日数に関係なく使える。

単純に考えると、自家製塩麹入りのパンが陥没したのは、加熱殺菌していないため熟成が進んだ(完成後10日以降の)塩麹を入れたため、過発酵したのでは?
元々塩麹の使用量が多いレシピなので、過発酵気味みたいだから、旨味は薄くなるとしても、塩麹の使用量を減らす(半分くらい?)とか、塩麹を減らさないならドライイーストを減らしたり、ドライイーストと塩麹は減らさずに早焼きコースで焼くとか、工夫する余地はある。

塩麹の酵素活性に関する情報を調べると、市販の塩麹と自家製塩麹では、材料の麹の種類や製造方法(製造時の温度、殺菌方法)などに違いがある。
塩麹は塩分濃度が低いほど酵素が活性化するのであれば、レシピで使った市販品よりも塩分濃度が高い自家製塩麹の方が発酵力は弱いはずだけど、市販品では低温殺菌している製品がある。
発酵力に影響すると思われる糖質分解系の酵素活性は、低温殺菌しない自家製塩麹(とアルコール添加した塩麹)で活性が高く、低温殺菌した塩麹では低活性になる。
(タンパク質分解系の酵素活性は、酵素の種類と低温殺菌条件によって、低下度がかなり異なる)

本書のレシピの塩麹は市販品なので、もともと自家製塩麹よりも酵素活性が低い低温殺菌した塩麹だった可能性がある。
自家製塩麹の方は、水を使っているので殺菌効果がなく、長期保存しても酵素の活動が低下せずに発酵が進むため、過発酵して天辺が陥没したと思う。
それを確認するには、本書のレシピと同じ塩分濃度の自家製塩麹と配合で実験してみないと、「10日以上経過した塩麹を使うと失敗する」ということが、どの程度起こるのかわからない。

市販品の塩麹を使う人は別として、自家製塩麹を使う場合、完成後10日以内の出来立ての塩麹しか使えないというのは、レシピとしてはあまり実用的ではない。
塩麹を作るには、気温の高い夏でも1週間くらいかかるので、まとめて300gくらい作って、3ヶ月くらいで使い切っている。たいていの人は数百グラムくらいまとめて作っているはず。
頻繁に塩麹を作るわけではないので、出来立ての塩麹を使える時期は限られる。
試作したときは、完成後1ヶ月くらい経った自家製塩麹を使用。塩麹を小さじ1だけ入れたら、普通に膨らむし、陥没もしなかった。
もともと膨らみすぎない配合にしているので、熟成した(少量の)塩麹を使っても、陥没するほど過発酵することはない。
市販品を使わない場合、完成後10日以上経った塩麹を使う場合の適正な量とか焼き方について、どういう工夫をすれば良いのかというアドバイスがレシピブックに書いてあれば良かった。


<塩麹の活性に関する参考情報>
塩麹について少し詳しい説明[日本味噌]
- 麹菌は、塩と混ぜられた時点で死滅する。麹菌の作った酵素は残っているので、物質の分解が進む。
- 酵素が活発に活動する温度帯は、30~50℃。ほとんどの酵素が80℃以上で壊れて、酵素の働きが止まる。
- 酵素は、塩分が低いほうが活性化する。塩分を低くすれば、熟成が早まる。

食塩が塩麹の加工プロセスと品質へ及ぼす影響の解明[長谷川・船越、あいち産業科学技術総合センター]
- 50℃で消化した場合、プロテアーゼ活性は食塩濃度が高いほど、α-アミラーゼ活性は食塩濃度が低いほど低下しにくかった。
- α-アミラーゼ活性は消化温度が高いと低下が著しく、プロテアーゼ活性はα-アミラーゼ活性ほど温度に影響されなかった。
- 塩麹を5℃、25℃、35℃で12週間保存した場合、35℃ではα-アミラーゼ活性の低下が認められた。

市販塩麹製品と自家製塩麹中の酵素活性比較[阿部・小針・秋田,実践女子大学生活科学部紀要第 50号,171~ 176,2013]
市販製品と自家製の塩麹の酵素活性を比較した面白いデータ。
低温殺菌(65℃ 30 分間)している市販製品は、自家製塩麹よりも酵素活性が低い。
特に、発酵力に影響すると思われる糖質分解系の酵素活性は、自家製塩麹とアルコール添加試料の活性が高く、市販品ではいずれも低活性。
低温殺菌処理した自家製塩麹では、非処理の1/3 程度まで活性が低下していたが、市販塩麹はそれよりもさらに活性が低い。

- 自家製試料の酵素活性を100 としたとき、低温殺菌試料では、α-アミラーゼが2% と最も低くなり、酸性カルボキシぺプチダーゼが93%と最も高かった。酸性プロテアーゼ、糖化力、グルコアミラーゼ、中性プロテアーゼは26%から49%と中間程度の活性を示した。一方アルコール添加は酵素活性にほとんど影響しなかった。
- 市販の塩麹の酵素活性を自家製塩麹の酵素活性と比較した場合、糖化系酵素活性に比べタンパク質分解系酵素の活性が相対的に高かった。この理由の一つとして、自家製塩麹に使用した米麹は漬物用や甘酒用の米麹であり糖化系酵素の生産性の高い白麹菌(分生子の色が薄い黄麹菌)が使用されているためと考えられる。
また、タンパク質分解系の酵素活性が高かった市販塩麹は、タンパク質分解系酵素の活性が高い(味噌製造用の)麹菌を塩麹製造用に使用している可能性が考えられる。
- 自家製の塩麹製造法には、米麹に塩と60℃のお湯を加え酵素の失活を抑えつつ発酵を促進し、同時に雑菌抑制効果を期待する方法もある。(→私の自家製塩麹はこの作り方)

tag : ホームベーカリー

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平成28年度診療報酬改定(歯科)/「かかりつけ歯科医」と「歯周病安定期治療(Ⅱ)」
歯科医院で定期的にしている歯のクリーニングは、今年2月までは2ヶ月に1回で、再診料・管理料等全て合計して、自己負担額が1600円くらい。
4月下旬に行くと、歯科衛生士さんから、「診療報酬の改定でクリーニング内容を追加したので云々」という説明があり、料金が3000円強と倍増。
それに、クリーニングの頻度は3ヶ月に1回でも良いと言う。(今までは、2ヶ月か2ヶ月半と言われていた)
追加されたのは、フッ素塗布と歯の写真撮影(数枚)。
この写真撮影に何の意味があるのだろうか?毎回通院時に前回の写真と比較でもするつもりなのだろうか?(今度行ったときに聞いてみよう)
さらに、フロスでクリーニングをしたり(今までも時々していた)、全体的にクリーニングが丁寧になって、かける時間も長くなっている。
その時に渡された説明書では、4月から新設された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準」をクリアしたので、「歯周病安定期治療(II)」を実施すると書かれていて、クリーニング費用も倍増します...と衛生士さんに言われたのだった。

厚生労働省のホームページで、今年度の診療報酬の改訂内容を調べてみると、「かかりつけ歯科医機能の評価」という項目が載っている。
「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準」をクリアすると、新設された治療項目について点数が加算される。
私に関係ありそうなのは、以下の2項目。

「エナメル質初期う蝕管理」(新設)
歯科疾患の重症化予防。
加算点数:260点(歯科疾患管理料の加算)。
加算条件:
- エナメル質初期う蝕に対して、フッ化物歯面塗布及び口腔内カラー写真の撮影を行った場合に算定する。
- 必要に応じて、プラークコントロール、機械的歯面清掃又はフッ化物洗口の指導を行う。

「歯周病安定期治療(II)」(新設)
歯周病の重症化予防。
加算点数:対象となる歯の本数に応じて、380点/550点/830点。
加算要件:
- 一連の歯周病治療後、一時的に症状が安定した状態にある患者に対し、歯周組織の状態を維持するためのプラークコントロール、歯周病検査、口腔内写真検査、スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、咬合調整、機械的歯面清掃処置等の継続的な治療を開始した場合、月1回を限度として算定する。
- 歯周病安定期治療(Ⅱ)は、その開始に当たって、歯周病検査を行い、症状が一時的に安定していることを確認した上で行い、歯周病検査の結果の要点や歯周病安定期治療の治療方針等について管理計画書を作成し、文書により患者等に対して提供し、当該文書の写しを診療録に添付した場合に算定する。
- 歯周病安定期治療(II)の算定に当たっては、口腔内カラー写真の撮影を行うこと。

歯科医院の説明書によれば、「歯周病安定期治療(II)」を追加することになっている。
自分で調べてみたら、その治療の対象者は、「一連の歯周病治療後、一時的に症状が安定した状態にある患者」(「I011-2-2 歯周病安定期治療(Ⅱ)」参照)。
でも、私には歯周病治療をしてもらった記憶が全くないし、そもそも歯周病と診断されたことがない。
インプラントを入れているから、歯周病にかかっていたなら、歯科医師・歯科衛生士から絶対に知らされるはず。
少なくとも、私の口の中には、中度の歯周病に存在する「4ミリメートル以上の歯周ポケット」は、絶対に、無い。
さらに不可解なのは、4月の通院時に、加算要件に定められている歯周病検査もしていないし、歯周病の状況の説明もなく、治療方針等の管理計画書ももらっていない。
どう考えても、「歯周病安定期治療(II)」が実施されているようには思えない。
そもそも、「歯周病安定期治療(II)」の対象患者要件に私は適合していないので不必要な治療だと思う。

ということは、「エナメル質初期う蝕管理」の方が追加されているのだろうか?(虫歯は全て治療ずみのはずなんだけど、初期の虫歯があるという可能性はあるので)
そういえば、領収書を見ると「医学管理等」の点数が今まで190点くらいだったのに440点になっている。
なぜか、「処置」も2~3倍の566点に増えている。
領収書だけでは、4月にどんな治療項目と点数が追加されたのか、よくわからない。
次回7月の通院時に保険点数のさらに細かい項目別明細書をもらって確認しないといけない。


【2016.6.24 追記】
別の歯の治療で通院したので、ついでに4月のクリーニング費用の明細書をもらってきた。
やはり「エナメル質初期う蝕管理」が「医学管理等」の点数に加算されている。
でも、「処置」の方には、「歯周病安定期治療(II)」は加算されていない。
単に「歯周基本治療措置 10点」が記載されているのみ。
他には、「SRP」が歯の本数分加算されている。(平成28年診療報酬点数表(歯科)/処置料/I011 歯周基本治療
「処置」の治療費が数倍になったのは、歯の本数は同じなので、この「SRP」の点数(単価)が4月の診療報酬改定で増えたからだろうか?
平成26年度診療報酬を調べてみると、28年度と点数は同じだった。
ということは、4月からクリーニングした歯の本数が増えたことになる。
でも、クリーニングされた歯の本数はいつも同じなんだけど....。
歯の本数から計算すれば、4月の治療費の方が正しいことになる。(もしかして、今まで過少請求だった?)
細かい点はともかくとして、クリーニング内容と診療報酬に関する疑問はほぼ解決。
それにしても、「開始する」という説明書を渡されたのは、一体何だったのだろう?


【2016.9.29 追記】
4月から丁寧になったクリーニングに追加されたフッ素塗布を7月25日のクリーニングでも実施。
念のため、請求書の明細をもらって確認したら、なぜか今回は「歯周病安定期治療(II) 20本以上」として、点数が830点も加算されていた。
ネットでいろいろ調べて、ようやく疑問が解消。
歯のクリーニング(歯石とり)を保険医療で行うためには、治療行為という名目で何らかの病名をつける必要があるので、実態として、歯科医院は「歯周病」という名前をつけて、保険で歯垢・歯石とりを行っている。
3月末までは、おそらく「歯周病安定期治療(Ⅰ)」として、「20歯以上 350点」を加算していたに違いない。
これはかまわないのだけど、「歯周病安定期治療(Ⅱ)」については、(何に使うかわからない)レントゲン撮影が増えて、クリーニングが念入りになったくらいなので、患者の同意をとったとはいえ、4月以降に加算するのは余計。
今まで通りの「治療内容(歯周病安定期治療(Ⅰ))」で十分。
それより、フッ素塗布が必要な「エナメル質初期う蝕管理」を加算してくれた方がよい。


<関連情報>
平成28年度診療報酬改定の概要(歯科診療報酬)(厚生労働省保険局医療課)
「かかりつけ歯科医機能の評価」(18ページ~)

【速報】平成28年診療報酬が発表~キーワードはかかりつけ歯科医~(2016年02月11日、船井総合研究所)

I011-2-2 歯周病安定期治療(Ⅱ)[しろぽんねっと]
「4ミリメートル以上の歯周ポケットを有するものに対して、一連の歯周基本治療等の終了後に、一時的に症状が安定した状態にある患者に対する処置等」
「一時的に症状が安定した状態とは、歯周基本治療等の終了後の再評価のための検査結果において、歯周組織の多くの部分は健康であるが、一部分に病変の進行が停止し症状が安定していると考えられる4ミリメートル以上の歯周ポ ケットが認められる状態をいう。」

ドミトリー・マスレエフ ~ バッハ/プレリュードとフーガ BWV848
昔からコンクールには興味がないので、最近のチャイコフスキー国際コンクールの優勝者が誰か全然知らなかった。
伊熊よし子さんのドミトリー・マスレエフに関するブログ記事を読んで、ちょっと興味を惹かれたので、Youtubeでバッハの《平均律曲集第1巻BWV848》ライブ演奏を聴いてみた。(バッハに限らず、CDがまだ出ていない)

ドミトリー・マスレエフ[伊熊よし子のブログ]

明瞭で切れの良い打鍵と線のしっかりした音で、硬軟・強弱の起伏が大小とりどりに散りばめられ、構成感とスケール感があって、物語を聴いているようにとても表情豊かなバッハ。
弱音や緩徐部分でも、タメを入れたり淀んだりして、情感過剰にならないのが私の好みと合うところ。
あまり好きではない平均律集でも、他の曲ならどう弾くのか聴きたい気になるくらい。
コンクール時に弾いたベートーヴェンの《告別ソナタ》やプロコフィエフの《ピアノ協奏曲第3番》も楽しんで聴けた。
いつかバッハやベートーヴェンなど好きな曲を録音したCDがリリースされることがあれば、聴いてみたいと思うピアニスト。

Bach. Prelude and Fugue in С-sharp major, Book 1, BWV 848 Дмитрий Маслеев / Dmitry Maslee




リサイタル/バッハ、ベートーヴェン、リスト、ショパン、ラフマニノフ
Конкурс Чайковского 2015. Фортепиано. I тур. Дмитрий Маслеев / Dmitry Masleev


プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番。
#TCH15 - Winners Concert I: Dmitry Masleev



tag : マスレエフ

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インプラントのデメリット
インプラントのメリットについては、歯科医院やインプラント情報ポータルサイトなどのホームページでかなり積極的に説明されている。
一方、インプラントを入れたときのデメリットは、一般的なこと(手術が必要、費用が高額、メンテナンスが重要とか)以外の点まで詳しく説明されているとは限らない。
それに、デメリットといっても、様々なケースがあるので、それを全て想定して説明することはできないから、歯科医院側の説明不足とは一概には言えない。

5年前に抜歯した時に、インプラントかブリッジかどちらにするべきか、本やインターネットでかなり調べはした。
現時点では、上にかぶせているセラミッククラウンの耐久性の問題を除いて、インプラント自体については、大きなトラブルもなく、快適に使えている。
特に健康な3番の犬歯を削らずにすんだので、少なくともブリッジを選択しなかったことは正解だと思う。
それよりも、インプラントの隣の5番の状態が気になるので、特定のテーマに絞って調べてみると、インプラントのデメリットについては、歯科医の一般的な説明以外にも、いろいろあるのがよくわかった。

(1)上部構造の耐久性
歯肉炎・歯周炎にならない限りは、インプラント本体は上手くいけば20年以上はもつのではないかと思う。
でも、上部構造(かぶせ物)は、10年も持たない可能性がかなりある。
先日、右下4番のインプラントにかぶせているセラミッククラウンが(パンを食べているときに)欠けたので、歯医者で見てもらうと、院長は「消耗品なので4~5年くらいしかもたない」とか言っている。
インプラントにするかどうか決める前の説明では、「セラミッククラウンが割れたのは見たことない」.とか主治医は言っていた。
セラミックが割れやすいというのは、自分でも調べてわかっていたので、まあいいけど。


(2)撤去手術が厄介
私が入れているのは、ワンピース型のインプラント。その歯科医院ではそれしか取り扱っていなかったので。
インプラントがいろんな原因でダメになった時に除去する場合、ツーピース型よりもワンピース型の方が撤去手術が難しくなるらしい。
インプラントがしっかりと骨に結合していると、インプラント周囲の骨をドリル等で削らなければならず、埋入手術よりも困難な手術となる。(撤去手術は結構大変だと、主治医も言っていた。)

最近では、除去キット(リムーバーキット、リトリーバル キットなど)がリリースされているようだけど、主要メーカーが個別に提供しているもので、どのインプラントシステムでも使える汎用キットではない。
ワンピース・ツーピース型にはそれぞれ長所・短所はあるけれど、撤去手術の難易度という点に限って言えば、相対的に撤去しやすいツーピース型の方が良い。

【外科】インプラント撤去ガイド - ストローマン・ジャパン
インプラントの老後に手入れが出来なくなった場合の問題点[歯チャンネル88、以下同]


撤去手術については、保険対象となるのは、他の医院で行ったインプラントの撤去のみ。
同じ医院で撤去手術をする場合は全て自費(10万円前後?)はかかるらしい。
インプラントの寿命が尽きるよりも早く、(介護が必要な状態にならずに)人間の寿命が尽きれば、インプラントを撤去する必要は全くないのだけど、こればかりはわからない。


(3)他の歯を治療するときの選択肢が限られる。
インプラントを入れると隣接する歯がダメになった時、選択肢が限られる。
今、右下4番にインプラントを入れているので、もし、その隣の5番を抜歯することになった場合、第一選択はインプラントになる。

①ブリッジはNG
4番(インプラント)-5番(抜歯)-6番(天然歯)とのブリッジは禁忌。その理由は↓。
虫歯を放置し抜歯に。インプラントと差し歯のブリッジは可能か?

実際に、インプラントと天然歯のブリッジをかけている人はいるそうだけど、両方の歯にダメージが出る可能性が高い。
インプラントにするかどうか決める段階で質問したところ、主治医は「ブリッジもできる」と言っていた。
技術的には可能かどうかというのであれば、主治医の説明は正しい。
でも、実際は、ほとんど「禁忌」なので、院長は5番にはインプラントを入れるしかないと言う。
それに、インプラントを含むブリッジの場合、天然歯の部分だけ保険診療を希望しても、自由診療のインプラントが含まれていれば、全て保険対象外となる。(混合診療禁止のため)
つまり、ブリッジでは3本の歯に保険外のクラウンをかぶせることになる。
イニシャルコストは、クラウンの材質によって金額が変動し、5番に単独のインプラントを追加するケースに比べて、ブリッジの材質に応じて、多少安い/ほぼ同額/高額、になる。
耐久性については、3本つながっているブリッジの方が、単独のインプラントよりもかぶせ物が破損する確率が高くなる(と思う)。
ブリッジの一部分が破損した場合、ブリッジ全体を作り直す可能性が高いので、長期的には、5番の単独インプラントよりもかなり高額になる可能性大。
ブリッジの耐久性・安定性とコスト両面から考えてデメリットが多く、「インプラントと天然歯でブリッジする」という選択肢はありえない。


②義歯(入れ歯)
5番だけに入れ歯を入れると、保険適応の場合は、両隣の歯にクラスプ(鉤)をかける。
歯科医師によって考え方がいろいろあるらしく、OK・NG両論あり。
4番と6番に大なり小なり負荷がかかるので、インプラントと天然歯の両方にダメージを与える可能性がある。
それに、入れ歯OKの医師はツーピース型インプラントに限定している人がいるので、ワンピース型ではNGかもしれない。

インプラントに部分入れ歯のクラスプをかけられますか?
6番抜歯後にインプラント、ダメになった時に入れ歯やブリッジは可能?

鉤のないノンクラスプタイプの入れ歯なら、クラスプをかけている歯に負荷がかからないとは限らない。
それに、保険対象外だし(1セットで15万円~)、数年で作り変える可能性も高く、耐久性とランニングコストに大きな問題あり。

ノンクラスプタイプのなかで、隣接する歯に対する負担が比較的軽く、耐久性も高そう(に思える)のは、ミラクルデンチャーとMTコネクター。(MTコネクターの方が情報量が多い。検討するならこちらにすると思う。)
両方とも特許取得の特殊な入れ歯なので、取り扱っている歯科医院が限られている。(大阪の歯科医院が多いので、通院できないことはない)
歯科医・技工士の腕次第といったところがあるので、義歯専門とか義歯の得意な歯科医しか扱っていないようだ。
個々の歯にインプラントを入れていくよりは多少安くはなるだろうけど、失う歯が増えていくと、入れ歯も調整・拡張が必要になるので、自費の義歯はかなりの高コストになる。
入れ歯を入れたことがない人は、まず保険の義歯を入れてから使い勝手を確認して、自費の義歯を入れた方が良いというアドバイスが多い。


ミラクルデンチャーとスマイルデンチャーについて教えて下さい
欠損部分の治療に悩んでいます、MTコネクターについて教えて下さい
MTコネクターという部分入れ歯について教えて下さい
入れ歯の「スマートデンチャー」=「ノンクラスプデンチャー」ですか?[入れ歯110番]

ミラクルデンチャー[入れ歯110番]
MTコネクター[大阪歯科センター]
歯科技工士が書いた入れ歯至急相談室―魔法の入れ歯MTコネクターが人生を変える!


(4)ワンピース型よりツーピース型インプラントの方が拡張性が高い
私が入れているワンピース型のインプラントにはメリットがいろいろあるとしても、拡張性がない。
将来的な歯全体の治療(と撤去手術の難易度)のことを考えると、ツーピース型のインプラントを入れた方が良かった気がする。
それに、メジャーでシェアも高い海外メーカーのインプラントを使っていれば、転院先が見つけやすい。
ただし、転院先でも保険診療で歯のクリーニングくらいはしてくれるだろうけど、他医院で入れたインプラントのメンテナンスまで引き受けるのは嫌がられるかも。

[写真あり] インプラントを1本でも入れたら同顎に入れ歯はできない?
「入れ歯でもブリッジでも差し歯でも、どのような義歯にも対応できるのが(ツーピース)インプラントの特徴です。」


現時点でインプラントの最大のデメリットだと思うのは、他の歯の治療方法の選択肢が限られてくること。
将来的な歯全体治療の設計の自由度も低くなる。それに、保険対象外となることが多いので、自費治療の費用がかさむと馬鹿にならない。
もともと全体的に歯の状態が悪い人がインプラントを一つ入れると、他の歯にも次々とインプラントを入れていくというパターンに陥る可能性大。こういう人は、歯科医院にとっては(ある意味で)上得意みたいなもの。
ブリッジも入れ歯も嫌なので抜歯後は全てインプラントにするし、費用面の不安も全くない...という人以外は、将来的な歯全体のメンテナンスのことまで考慮して、インプラント周辺の歯の治療方法はどうなるのか、歯科医にしっかり確認しておいた方が良い。

そもそも、インプラントを入れるかどうか以前の問題として、一番大事なのは歯科医の選択。
最近は歯科医院も次々と開業していて、土日も診療する医院もかなり多くなっているので、過当競争気味。
自由診療なら、保険診療よりもはるかに高額で利幅が大きく、メンテナンスが重要なインプラントを入れると、長期的・定期的に通院する自費診療患者を確保できるという経営上のメリットは大きい。
※もちろん、保険診療よりも自由診療の方が、治療法の選択肢が多く、材料・精度などの品質も高く、結果的に歯と補綴物等の寿命が長くなる(可能性が高い)ので、歯科医が自由診療を勧めるというここと自体は理解できる。実際、ゴールドやセラミックを使ったインレーとクラウンは、保険診療よりも工程が多かったし(クラウンでは仮歯も作った)、保険診療では対象外の材料もいろいろ使っていたと思う。さすがに高額な費用をかけるだけのことはあって、品質・精度は高いと思えた。でも、保険診療でも問題なく長持ちしていることもあるので、歯科技工士と歯科医の技術にも左右される部分はあると思う。)

機能面ではブリッジ・義歯よりもインプラントの方が利点が多いと思うけれど、将来的なことまで考えてどこまで細かくインプラントのデメリットを説明してくれるかはわからない。(マイナス面の細かい点まで積極的に説明しないだろうから)
今は自分で必要な情報がインターネットを使って調べられる時代とはいっても、どこまで調べれば良いのかは状況によって変わってくるので調べ切れないし、その情報の妥当性は専門家以外では判断できないことがかなりある。
「情報の非対称性」というのは、こういう歯科医-患者関係にも当てはまる気がしてきた。

それに、インプラントを入れていなければ、転院自由なのだけど、インプラントを入れてしまうと、(引越しとかを除いて)普通はメンテナンスも同じ歯科医院で行うものだし、取り扱っているインプラントメーカーの違いやインプラントの保証条件・期間のこともあるので、簡単に転院できなくなる。
それでなくとも歯科医選びは難しいのに、インプラントが絡むとさらに面倒なことになる。

タスミン・リトル『イギリスのヴァイオリン・ソナタ第1集~ウォルトン、ファーガソン、ブリテン』
英国のヴァイオリニスト、タスミン・リトルの録音シリーズ『イギリスのヴァイオリン・ソナタ集』。
タスミン・リトルの録音は、20年くらい前に買ったはずの『アルヴォ・ペルト作品集』だけ持っている。
ペルト作品のなかではポピュラーな「fratres」や「Spiegel im Spiegel」とかが入っている。

5月末に発売されたアルバムは、『イギリスのヴァイオリン・ソナタ集 第2集』。
収録曲はブリッジ、ヴォーン・ウィリアムズ、ブリス、アイアランド、ロイド・ウェーバーなので、試聴してみても、特に好きな曲がなく。
それよりも、ファーガソン・ブリテン・ウォルトンの曲を集めた第1集の方が、試聴してみるとかなり私好みの選曲。
CDを買って聴いてみたいな~という気になるくらい。

British Violin Sonatas Vol. 1British Violin Sonatas Vol. 1
(2015/11/13)
Tasmin Little, Piers Lane

試聴ファイル


ファーガソン《ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.10》は、第1楽章と第2楽章がオリエンタルでミステリアスな幻想風、第3楽章はロースソーンやレイトン(イギリスの現代音楽作曲家)を連想するようなマニッシュで騒然とした曲想。
緩徐部分であっても、パッショネイトな激しさと緊張感を感じる。曲想・旋律ともかなり私の好きなタイプの曲だった。

ブリテン《『組曲 Op.6》は、組曲得意のブリレンらしい才気溢れる曲。
I. Introduction まるでヤナーチェクを聴いているみたい
II. March: Allegro alla marcia マーチにしては、ユーモラス
III. Moto perpetuo: Allegro molto e con fuoco 少し焦燥感を感じさせるアレグロ
IV. Lullaby: Lento tranquillo 静かで陰翳のある子守歌
V. Waltz: Alla valse, vivace e rubato 甘さ少なめでしとやかな気品のあるワルツ

ウォルトン《ヴァイオリン・ソナタ》と《2つの小品》は、メロディアスで透明感があり、軽妙で洒落ている。
”Scherzetto”の曲想や旋律の動きが、吉松隆の作品にちょっと似ている気がする。



↓のファーガソンの《ヴァイオリン・ソナタ第2番》の音源は、スターン&マイラ・ヘスの1960年エディンバラライブ。
ヘスは、ファーガソンのピアノ独奏曲(5つのバガテル、ピアノ・ソナタへ短調Op. 8)の録音も残している。

Howard Ferguson-Violin Sonata Mo. 2 Op. 10 (Complete)



B. Britten - Suite for violin and piano, Op.6 | Ilya Kaler, Violinist | Leonid Blok, Pianist

tag : ファーガソン ブリテン ウォルトン リトル

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ペッパーミル
いつも使っているプジョーのペッパーミルは、ブラック&ホワイトペッパー用。
グリーン&ピンクペッパーを加えたレインボーペッパーには、カルディで買ったスパイスアップのレインボーペッパーについていたミルを使用。
これはプラスチック製で細かさを調節する機能がないので、粗挽きしかできない。
レインボーペッパーも細かく挽けるミルが欲しかったので、プジョーのように粒の細かさを調整できる木製ミルを買ってきた。
たまたま在庫処分のために500円と安かったけど、底のミル部分の金具とか本体の作りはしっかりしていた。
家に帰ってから内部に入っていた小さな紙を見ると、ベトナム製だった。木製ミルはタイ製品が多い。
上部のネジを一番きつく締めて黒胡椒を挽いてみると、プジョーほど微細な粒ではないけれど、かなり細かい。スパイスアップの粗挽き専用ミルとは大違い。
ここまでは良かったのだけど、ミルのことを調べていたら、グリーン&ピンクペッパーを挽くと、金属製のミル部分が錆びるので使ってはいけないらしい。
せっかく買ったペッパーミルが錆びるのはイヤなので、ブラックペッパー専用に変更。
レインボーペッパーはたまにしか使わないし、一度に大量に料理に入れるものでもないので、粗挽きしかできなくても錆びる心配のないプラスチック製ミルをそのまま使うことにした。

amazonで調べてみると、私の買った木製ミルは、おそらくこのベトナム製ペッパーミルと同じものか類似製品。

木製ペッパーミル コショウ 調味料入れ木製ペッパーミル コショウ 調味料入れ
(2011/4/5)
【美濃焼】四季彩-陶器ONLINE-




料理道具のプロが「ペッパーミル」を徹底比較! プジョーのすごさの秘密は?
写真でみると、一番細かく挽けるのは、プジョーと国産の「アスベル社/フォルマ セラミックミル」。電動ミルはパウダー状。
電動ミルを買う気は全くないので、木製ミルを買っていなかったら、ピンク&グリーンペッパーも挽けるセラミックミルのアスベルが価格も手頃で良さそう。
いつかレインボーペッパー用にミルを買うならこれにしたい。(でもデザインは木製ミルの方が好き)
その他のミルは、プジョーほど細かく挽けておらず、私が買った木製ミルよりも粗いかも。
いつもプジョーで挽くのに慣れていたので、他社製品がそんなに細かく挽けないとは知らなかった。
よく考えたら、プジョーは心斎橋の高島屋で購入したので、4000円くらいしたミル。
その1/4以下の価格のミルに、それと同じレベルの機能を期待するのはムリ。
それに、amazonのレビューをチェックしてみたら、セラミックミルは、刃はセラミックで強くても、ミル周辺のプラスチック部分がすぐに壊れたというレビューがちらほら。
その点、木製ミルにはプラスチックが使われていないから、破損する恐れはない。
結局、今回買った木製ミルは、価格から考えてこれだけ細かく挽けたら、上出来。
思いのほか良いお買い物だった。



今使っているプジョーのペッパーミルは、このタイプ。

PEUGEOT(プジョー) パリ ペッパーミル12cm チョコ 870412/1 PEUGEOT(プジョー) パリ ペッパーミル12cm チョコ 870412/1
(2008/8/2)
PEUGEOT (プジョー)


高さ12cmくらいのチョコレート色。小さくて丸みのある形が可愛い。
天辺の金具の上に「P」というアルファベットが黒く印字されている。
プジョーの頭文字の「P」のことだと思っていたら、Pepperの「P」の意味らしい。
ネジで粉の細かさがとてもスムースに調節できるので、思い通りの粗さ・細かさの胡椒が挽ける。
もう20年くらい使っているけど、岩塩もピンク&グリーンペッパーも挽いていないので、ミル部分の金具は錆びることなく、スイスイと気持ちよく挽ける。
大事に使ってきたので、本体は色褪せやハガレもなく、綺麗なまま。
プラスチックを使っていないので、耐久性も抜群。
さすがに評判どおりの優れもの。高いだけの値打ちはある。


<参考サイト>
連載:合羽橋の台所番長が斬る! いまどきの料理道具を徹底比較
東京の道具屋街・合羽橋の料理道具専門店「飯田屋」の6代目店主による調理道具の比較記事。
調理道具が大好きな私には、ペッパーミルをはじめ、燻製器、フライパン、パスタマシーンなど、面白い記事がいっぱい。
合羽橋は、大阪の道具屋筋など比較にならないほど広くて、店の種類も数も多くて品揃えも膨大。
東京に住んでいた時に、買い物・探し物のために休日によく合羽橋に行っていた。丸1日いても飽きないくらい。
業務用の卸問屋街なので、激安オンラインショップで買うのと同じくらい安いし、持ち帰れば送料不要なのでさらに安く買える。
私の持っている調理道具の半分以上は、その時に合羽橋で買ったもの。壊れずに今でも愛用しているものがほとんど。
また東京に行くことがあったら、合羽橋には必ず寄りたい。
【新譜情報】ジョフロワ・クトー 『ブラームス/ピアノ独奏曲全集』
2005年ブラームス国際コンクールで優勝したジョフロワ・クトーの『ブラームス:ピアノ独奏作品全集』。
HMVの新譜情報に書かれていた”ブラームス国際コンクールで優勝”というところに興味を惹かれて、早速試聴。

カッチェンのブラームスを聴き慣れているせいか、クトーのブラームスは、線が細くて鋭さのある音で、軽めの音質なので、量感・力感が少し弱い気がする。
陰翳は薄めで、弱音の音色が柔らかいせいか、Op.118-2やOp.119-1の冒頭はちょっと弱々しい感じがするので、印象としては”ナイーブ”なブラームス。

「ハンガリー舞曲集」のピアノ独奏版(No.1~No.10)が収録されているのが珍しい。(No.11以降の連弾版はなし)
こちらも東欧的な民俗色やほの暗さが薄めで、叙情感はあっさり。
量感・力感と勢いがそれほど強くないせいか、私にはこの曲集を「ピアノソロで弾く凄さ」があまり感じられなかった。

好きな曲だけ試聴した限りでは、どちらかというと、陰翳の濃い後期の曲よりも、若い頃の作品(「スケルツォ」や「4つのバラード」など)、明るく軽快な「ヘンデルバリエーション」とかの方が、若々しいストレートで繊細な情感が似合っているような気がする。
新譜なので6枚組5000円くらいするし、試聴した感触からして、購入するには至らず。

Brahms: Complete Solo Piano WorksBrahms: Complete Solo Piano Works
2016/3/18
Geoffroy Couteau

試聴ファイル


<CDレビュー>
ジョフロワ・クトー(伊熊よし子のブログ、2016.09.03)

tag : ブラームス クトー

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ペーター・レーゼル『ユーモレスク ~ピアノ名曲小品集2』
ペーター・レーゼルの新譜『ユーモレスク ~ピアノ名曲小品集2』が6月1日発売。

ユーモレスク ~ ペーターレーゼル ピアノ小品集2ユーモレスク ~ ペーターレーゼル ピアノ小品集2
2016年6月1日
ペーター・レーゼル

試聴ファイル
第1集のジャケット写真がとっても素敵だったのに、第2集の方はちょっと...。

<収録曲目>
メヌエットK.1(モーツァルト)
イギリス組曲第3番~ガヴォット (J.S.バッハ)
楽興の時ハ長調D.780-1 (シューベルト)
ロンドop.51-2 (ベートーヴェン)
舟歌ト短調op.65 (アルカン)
即興曲ロ長調D.935-3 (シューベルト)
華麗なロンド変ホ長調op.62 (ウェーバー)
無言歌op.19-1 (メンデルスゾーン)
ワルツ第6番変ニ長調op.64-1「子犬のワルツ」 (ショパン)
ロマンスop.28-2 (シューマン)
ユーモレスクop.101-7 (ドヴォルザーク)
左手のための2つの小品op.9 プレリュードとノクターン (スクリャービン)
四季op.37b~11月 トロイカで (チャイコフスキー)
沈める寺 (ドビュッシー)
民謡の旋律による3つのロンドBB.92~第1番 (バルトーク)
コラール「主よ人の望みの喜びを」BWV147(J.S.バッハ/編曲:ペーター・レーゼル))
(SACDハイブリッド、2016年3月録音)


試聴ファイルがようやく公開されたので、早速聴いてみた。
前作の「ピアノ名曲小品集1」は、メンデルスゾーン「春の歌」の和声の美しさや、バッハのフランス組曲の可愛らしさが素敵だったり、全体的に選曲も演奏も私好みだった。それに比べると、第2集は好きな曲が少ない。
気にいった曲は、バッハ「イギリス組曲第3番/ガヴォット」とベートーヴェン「ロンド」。
両曲とも、もともと曲自体が好きだし、特にレーゼルのベートーヴェンはどれを聴いても、いいなあ~と思う。
初めて聴くアルカン「舟歌」もわりと好きかも。ウェーバー「華麗なロンド」は陽気で楽しいし、「ユーモレスク」はほのぼの。
ドビュッシー「沈める寺」は、最後まで聴いてみないとわからない。
このCDを買うかどうかはかなり微妙なので、まず「主よ人の望みの喜びを」とベートーヴェンの「ロンド」だけ、itunestoreで早速ダウンロード。

このアルバムで一番素晴らしいと思ったのが、「主よ人の望みの喜びを」。
普通演奏されるマイラ=ヘス編曲版ではなく、ケンプ編曲版をベースにしてレーゼル自ら編曲したという。
「主よ人の望みの喜びを」を全曲聴いてみると、試聴ファイルで聴いたよりもずっと素敵。
マイラ=ヘス編曲版よりも、(ケンプをベースにした)レーゼル編曲版の方が色彩感豊かで和声もすっきりして、各声部がクリアに聴こえる。
速めのテンポと切れの良いタッチが軽快だけど、力強い。右手の内声部(?)の和音をときどきカッティングするようなタッチが面白い。
両手の音が込み入って重なりあう部分でも、クリアでカラフルな和声が明るく爽やか。
声部ごとにフレージングや色彩感・ソノリティに違いがあるせいか、立体的な重層感があって、1人ではなく2人で弾いているみたいに聴こえる。

[2016.12.21]
itunestoreで、また試聴し直していたら、ドヴォルザーク「ユーモレスク」が、なぜかやたらに気に入ってしまった。
以前試聴した時は、もともと好きではない曲ないから、たぶん耳を素通りしたのかも。
レーゼルの軽やかなスタッカート気味のタッチの音が滑らかにつながって、いままで聴いたこの曲とはちょっと印象が違う。
これも早速ダウンロードした。好きな曲がもう数曲増えたら、CDを買うかもしれない。


<参考情報>
レーゼルのお弟子さんでピアニストの高橋望さんのブログに、レーゼルに関する最新情報がいくつか載っている。(記事タイトルリストはこちら)
「ペーター・レーゼル ロンドとガヴォット~バッハからバルトークまで」 という記事では、この新譜の選曲の妙(調性の変化)がどこにあるか書かれていた。
また、リサイタルで弾いた「イタリア協奏曲」と「パルティータ第4番」のレーゼルの演奏解釈の解説を読むと、あまり好きな曲ではなくても、CD(は出ていないけど)で聴いてみたくなってくる。
「秋にはさらなる新譜が出る模様」とか。確かにこんなに定期的に次々と新譜を出しているピアニストは珍しい。
モーツァルトのピアノ協奏曲新録音シリーズは完結したので、次はもしかしてブラームス?(だったらいいなあ)
それに分売盤で販売中のベートーヴェン/ピアノ・ソナタ録音の全集版を早く出して欲しい。


<過去記事>
ペーター・レーゼル『楽興の時~ピアノ小品集』

tag : レーゼル

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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