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デュシャーブル ~ サン=サーンス/ピアノ協奏曲第2番
サン=サーンス/ピアノのピアノ協奏曲集で定評があるのは、昔は(たぶん)パスカル・ロジェ、新しい録音ではスティーヴン・ハフの演奏だと思う。
私は速いテンポで切れ味鋭いハフの演奏の方が好き。
Youtubeにあるデュシャーブルのライブ録音を聴くと(音質が悪い)、安定したテクニックと力感のある演奏で、ハフと方向性はこれも好みに合っている。

Saint Saëns Piano Concerto No 2 G minor Francois Rene Duchable Armin Jordan



この曲自体とても好きなので、スタジオ録音のCDを購入。
デュシャーブルは2年前からCDを時々買っている。
先日、以前に買ったCDに入っているベートーヴェンの「テンペスト」第3楽章を聴いてから、すっかりはまって、苦手なショパン録音のBOXセットまで買ってしまった。
ルシャーブルの録音では、一番好きなのがベートーヴェン(ソナタとコンチェルト)。次がリストのソロ録音とサン=サーンスのソロ&コンチェルト。ショパンなら、ポロネーズとバラード。
他にもブラームスやシューマン録音などがあり、どれも廃盤になっていて入手困難なのが残念。
デュシャーブルのErato録音を早く全集化して、再発売して欲しい。

ラヴェル/サン=サーンス:ピアノ協奏曲集ラヴェル/サン=サーンス:ピアノ協奏曲集
(1994/5/10)
デュシャーブル(フランソワ=ルネ)

試聴ファイルなし


1981年のステレオ録音のわりに、硬くざらざら感のある滲んだような音で、それほど良い音質ではない感じがする。(AKGのヘッドフォンで聴くと、音像が明瞭でマシにになる)
サン=サーンスの5曲のピアノ協奏曲のなかでは、この第2番と第4番が好きなので、選曲がぴったり。
ハフの演奏と聴き比べると、どちらも技巧的鮮やかで安定している。ハフはテンポがかなり速く、軽やかなタッチで疾走感があり、残響が多くて華やかさもあり、颯爽としてスタイリシュ。
デュシャーブルは、残響が少な目の音質のせいか、硬質で輪郭の明瞭な音で、しっとりとした水気もあって瑞々しさを感じる
テンポがハフより少し遅いので、骨格が明瞭で力感もあり、演奏がきりりと引き締まっている。(これでもう少し音質が良ければさらに良かった)



<インタビュー記事>
[Interview]21世紀の音楽伝道師 フランソワ=ルネ・デュシャーブル(船越清佳)[音楽の友2016年7月号]

華やかなステージピアニストの世界から去った理由は、次の5つが嫌いだったため。
1)演奏旅行:フランス国外(イタリアであっても)は遠く感じる
2)音楽ホールの雰囲気、伝統的な儀式めいたこと(固定化された照明、黒い服、指揮者に挨拶、一人で演奏など)
3)リハーサル:特に室内楽。ただし、オーケストラは別。
4)レコーディング
5)実験室のように閉塞し、凝り固まった聴衆の世界(聴衆の僅か1%前後に過ぎないが)

いくらなんでも、若い頃から引退理由となっている事々が苦痛だったわけでもないだろうと思っていたら、「自分を30年間も偽りつづけていた」というくらい、昔から嫌いだったらしい。
そんなに嫌いなコンサートピアニストのキャリアを選んだ理由は、敬虔なキリスト教信者だったデュシャーブルにとって、「天からの才能を授かったのなら、その贈り物を社会のために捧げなければならない」という宗教的道徳観のためで、30年間もこの難行苦行を続けていた。

「今、音楽の占める割合は、私の人生の10%位」、「私が愛しているのは聴衆とのダイレクトな交流」というデュシャーブルにとっては、ピアノを弾くという行為は、それ自体が目的というよりも、様々な人と触れ合ってコミュニケーションする方法という性格が強いのかも。
ピアノを公開の場で弾くこと自体は苦痛でもなく、「今でも演奏会でのリスクやストレスが大好き」と言っているし、何より「超一流のクオリティ」と自負するくらい演奏には自信を持っている。
たとえ意に染まない状況で弾いていたとしても、その演奏自体は素晴らしいと思うし、失望させられることはない。
「一つだけ残念なのは、オーケストラとの共演が減り、オーケストラの音色の中に身をゆだねることが少なくなったこと」というくらいに、コンチェルトの演奏はとても好きだったようだ。
スタジオでのレコーディングやコンサートホールでの演奏が嫌いなら、彼が望む環境(教会とか音響の良い場所)で、ライブ録音してくれたら嬉しいなあ。

このインタビュー記事を読んだ後に、1980年代と思われるサン=サーンスの《ピアノ協奏曲第2番》のライブ映像を見ると、なぜかデュシャーブルが修行中の修道士みたいな風貌に思えてきた。

tag : サン=サーンス デュシャーブル

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バラキレフ/イスラメイ (ムストネンとポゴレリチ)
たまたま見つけたムストネンの《イスメライ》。
かなり速いテンポで、これだけ一音一音シャープでクリアに弾ける人は少ないのでは。
もともとムストネンは、スタッカートみたいな鋭いノンレガートで、作曲年代・様式にかかわらず、バッハでもベートーヴェンでもショパンでも弾くという、かなり風変りで個性的な奏法。
この奏法で、こういう技巧的な曲を速いテンポで粒を揃えて正確なリズムで弾くというのは、かなり手指に負担がかかるような気がする。

Olli Mustonen plays Balakirev's Islamey live




それほど猛スピードで弾かない人も多く、そのなかではポゴレリチがリズムが明瞭で表情豊か。
もともと《イスラメイ》は一本調子というか単調さを感じるのであまり好きな曲ではないのだけど、ポゴレリチの演奏で聴くととっても面白く聴ける。
シューマンの《トッカータ》と同じく、こういうテンポの速い技巧的な難曲を面白く聴かせるのが本当に上手い。
ポゴレリチのブラームスやショパン、モーツァルトの鬱々とした情感がどんより渦巻くような演奏は全然好きではないけれど(アファナシエフ好きな人なら向いていそう)、スカルラッティのソナタにシューマンの《トッカータ》、このバラキレフの《イスラメイ》は、深い感情移入をせずに軽快なノンレガートで弾いていて、こういう演奏は全く抵抗なく聴けるし、本当に面白い。

Pogorelich plays Islamey

tag : バラキレフ ムストネン ポゴレリチ

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デュシャーブル ~ シューマン/幻想小曲集、トッカータ
シューマンの《幻想小曲集》でしっかり覚えているのは、子供のころに練習したことがある「飛翔」だけ。
他の曲は聴いた覚えはあるけれど、曲名くらいは覚えていても、旋律も曲想も全然記憶に残っていない。
それ以前に、《子供の情景》とかチェロ&ピアノ盤の《幻想小曲集》と混同してたりする。

《幻想小曲集》を全曲録音したCDを持っているか探したら、アラウの録音だけ見つかった。(たぶん聴いていないはず)
ちょうどデュシャーブルの録音がYoutubeにあるのを見つけたので、しっかり聴いてみた。

Schumann - François-René Duchâble (1990) Fantasiestücke op 12


<幻想小曲集 / Phantasiestuke op.12>(ピティナの作品解説)
1.夕べに / Des Abends
2.飛翔 / Aufschwung
3.なぜ / Warum
4.気まぐれ / Grillen
5.夜に / In der Nacht
6.寓話 / Fabel
7.夢のもつれ / Traumes Wirren
8.歌の終わり / Ende vom Lied

曲想的に(弾くのも聴くのも)好きなのは、速いテンポでパッショネイトな「飛翔」。
弾き映えのする曲なので、抜粋して録音されていることも多い。

「寓話」の曲想は、冒頭の夢想的→ちょっとユーモラスで躍動的→情熱的に変化してから、折り返すみたいに逆進していくのが面白い。
「気まぐれ」 は、かっちりした構成と真面目さのある旋律が、全然”気まぐれ”みたいに聴こえない。
16音符が連なるパッセージが目まぐるしく揺れ動く「夜に」は、混沌とした錯綜感があって、結構ドラマティックで、曲想的には好みのタイプ。
「歌の終わり」にしては、堂々としたシンフォニックな和音で華やかなフィナーレ。

デュシャーブルのシューマン作品集は、《交響的練習曲》《幻想小曲集》《トッカータ》というカップリング。
この選曲だと、私が一番好きなのは、「飛翔」と《トッカータ》。
国内盤・輸入盤とも廃盤になっているので、これも再発売して欲しい。

Robert Schumann - Toccata Op. 7


デュシャーブルの《トッカータ》の演奏時間は7分少々。
演奏時間だけ見るとそれほど速くはないのだけど(6分台で弾く人も多いので)、冒頭を聴くと、アルゲリッチほど速くはなくとも、キーシンやポゴレリチよりはかなり速い。
デュシャーブルの演奏は、16音符が連続する速くて細かいパッセージでも、軽やかで柔らかなタッチなので、音色がパステル風?みたいに淡くて綺麗。
テンポと起伏が細やかに変化して、表情も柔らかいので、メカニックな練習曲みたいな一本調子なところは全然ない。
どちらかというと、速いテンポで指回りの鮮やかさを強調する演奏が多いと思うけど、デュシャーブルの演奏はそれとは方向が逆。こういう弾き方もあるんだなあとちょっと面白い発見。

難所らしき22小節と24小節の後半(2拍目)の和音移動のパッセージは、ほんの少しテンポを落として、和音を明瞭に響かせている。
ここでテンポ落とさず弾いている演奏だと、和音の音が一部抜けているというか、きちっとした和音に聴こえないことが多い。

デュシャーブルは別として、今まで聴いた演奏で一番面白かったのは、ポゴレリチの《トッカータ》。
ノンレガート気味でアクセントがよく効いて、一音一音明瞭で歯切れ良い克明なリズムが気持ちよい。

Ivo Pogorelich plays Schumann Toccata Op. 7

tag : シューマン デュシャーブル

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もち米なくても作れるおはぎ
秋と春のお彼岸にいつも作っているおはぎ。
昔はご飯をよく食べていたので、赤飯やおこわ用にもち米もストックしていた。
今は週2~3回しかご飯を食べなくなったので、昨年末に農家の親戚が送ってきたうるち米がまだ冷蔵庫に残っている。
今もち米を1kg買っても、冷蔵庫で保管するスペースがないし、お餅を作る年末まで使う機会がない。

うるち米だけでおはぎは作れるけど、今年のお正月に、お餅を加えてうるち米を炊飯したら、赤飯風になったのを思い出した。
お餅はストックしていないので、代わりに上新粉などのでんぷん質の粉を混ぜれば、おはぎが作れるに違いない。
そういえば、ミツカンのふりかけシリーズに「おむすび山 赤飯風味」というのがあって、これはもち米粉(と加工でんぷん)を混ぜている。
普通の温いご飯に振りかけるだけで、もちもちしたお赤飯もどきになる。
加熱していないのに、粉っぽさが全然ないのが不思議なところ。

もち米使わずにおはぎを作るレシピを探すと、うるち米に白玉粉・上新粉・片栗粉・切り餅のいずれかを混ぜて炊く方法が多い。
粉もお餅も加熱しないといけない。

ごはん de おはぎ(二色)!
上新粉とごはんで簡単二色おはぎ♫
簡単お手軽☆ごはんと白玉粉でおはぎ
冷ごはんとおもちで簡単おはぎ

<クックパッド料理動画> 残りごはんが【おはぎ】に大変身(片栗粉利用)


炊いたご飯ではなく、白米に白玉粉・上新粉やお餅)を混ぜて炊飯するという方法もある。
おはぎを10個以上まとめて作るので、この方法の方が手間がかからなくて良さそう。
お餅はストックしていないので、波里の製菓用米粉(薄力粉タイプ)を使って試作。
配合は、うるち米1合を洗米後、大さじ半分の米粉を加えて浸水させて、200ccの水で普通に炊飯。
炊きあがりは、米粉が溶けてべチャッとしているので、しゃもじで混ぜるだけですりこぎでつぶしたご飯風になる。
これはかなり便利で手軽。もち米がないときは、この方法で代用するに限る。

もち米がなくても上新粉でもっちり赤飯 レシピ・作り方
配合はこのレシピを参考にした。レシピでは、米3合に上新粉大さじ1。
ちょっと米粉が少ない感じがしたので、米1合に米粉大さじ0.5で炊飯してみた。

白玉粉や片栗粉を使ったレシピ。
白米+白玉粉で☆な〜んちゃってお赤飯
超簡単★おはぎが白米だけでできちゃった!(片栗粉使用)

この方法の難点は、溶けた米粉のせいで、炊飯後のお鍋(ル・クルーゼ)の底にご飯が硬く張り付いてしまったこと。
しゃもじとスパチュラでこすってもなかなか剝がれないので、水を加えて加熱したら、即席おかゆの出来上がり。
これが結構おいしくて、結果的には一石二鳥の方法だった。
フランソワ=ルネ・デュシャーブル ~ ショパン作品集(6枚組BOX)
3か月前にコメント欄で発売予定だと教えてもらったフランソワ=ルネ・デュシャーブルのショパン録音集『CHOPIN;PIANO WORKS』。
過去にEratoからリリースされたショパン録音を集めて、9月初めに再発売。
すでにポロネーズ集と練習曲集の分売盤を持っていたし、その時は他の曲まで聴きたいほどではなかったので買っていなかった。

ようやく涼しくなってきたので、音楽を聴く気がすっかり回復して(暑いと全然聴く気にならない)、手持ちのデュシャーブルのベートーヴェンとショパンCDを聴き直しているところ。
ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ》は、以前聴いたときよりもずっと素晴らしく思えるし(全集録音があれば絶対に買うくらい)、ショパンの《ポロネーズ集》も「軍隊ポロネーズ」がとても面白い。
ついでにYoutubeにある音源で、ショパンの《バラード》や《ピアノ・ソナタ》を聴いていたら、デュシャーブルのように技巧の切れ味鋭く、情感過剰になることない明晰で構造が明確な演奏が思いのほか好みとぴったり。(感傷性や繊細さに凝りすぎたショパンを聴くと疲れるので)
結局全部CDで聴きたくなって買ってしまった『CHOPIN:PIANO WORKS』は、この素晴らしい演奏のCD6枚組が1500円足らずで聴けて、この上なくお得だった。
デュシャーブルのピアニズムは、スティーヴン・ハフにちょっと似たところがある(と私には思える)ので、ハフ大好きな私の好みに合うのは当然かも。

CHOPIN:PIANO WORKSCHOPIN:PIANO WORKS
(2016/9/2)
FRANCOIS-RENE DUCHABLE

試聴ファイル(warnerclassics.com)

※ページ数は少ないとはいえ作品解説のブックレットが付いているうえに、CDを収納している紙ケースは、それぞれLP・CD発売時のジャケットがカラーで印刷されている。廉価版BOXにしてはかなり気の利いた仕様。

<収録曲リスト(HMV)>
収録曲の録音年代は、1974年~1997年。(以下のリストは、録音年代順に並び替えたもの)
● 幻想曲 Op.49(1974年)
● 4つのスケルツォ(1974年)
● 練習曲集 Op.10、Op.25(1980年)
● 4つのバラード(1983年)
● ピアノ・ソナタ第2番、第3番(1984年)
● 24の前奏曲 Op.28(1988年)
● 前奏曲 Op.45(1988年)
● 前奏曲変イ長調(遺作)(1988年)
● 3つの即興曲(1988年)
● マズルカ第1,5,13,19,42,43番(1994年・1996年)
● 夜想曲第5,7,13,21番(1996年)
● ワルツ第7,9,14番(1996年)
● ポロネーズ第1-10番(1996年)
● アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ(1996年)
● ピアノ協奏曲第1番、第2番(1997年)

どの録音でも、一音一音細部まで精密・明瞭で、曖昧さが全くなく、極めて明晰。
全ての旋律が分離して明瞭に聴こえてくるので、レントゲン写真を見ているみたいに、構造がくっきりと浮かび上がってくるような演奏。
どうしてここまで上手く弾けるのしからん?と不思議になるくらいに技巧的な切れと安定度が高く、全盛期(若い頃の)ポリーニを超えているのではなかろうかと。
さらに、デュシャーブルの場合は、メカニックがどれだけ凄くても、無機的なメカニカルさは全くなく、濁りのない透徹した響きと品の良い色彩感と温かみを帯びた音色が美しい。
ショパンの練習曲は、珍しくもベーゼンドルファーで弾いているので、音色がギラギラしていないのかも。
タッチは軽やかでも、音は引き締まって輪郭が明瞭で、強奏時には力感も量感もしっかりあるので、線の細さは感じない。
弱音や細部の繊細さにこだわったり情感過多になることなく、ほどよい繊細さと力強さで透明感のある爽やかな叙情感がショパンにしては清々しい。
それに、主旋律以外の内声部とか左手側の動きもくっきりと浮かびあがってくるので、いままでわからなかった旋律や和声の変化が聞聴こえてきたりして、新しい発見があるのも面白い。
録音年が後年になるほど、テンポも速くなり、(ムストネンほどではないけれど)ややシャープなノンレガートやスタッカート、強いアクセントで弾くことが多く、リズムが先鋭で躍動感が強い。(1974年のスケルツォと1996年の《ポロネーズ集》・《ピアノ協奏曲第1番》を聴くと違いがよくわかる)

もともと好きではない《前奏曲集》は後回しにして、好きな曲から聴いていると、ドラマティックな《バラード》、堂々とした《ピアノ・ソナタ》、シャープで躍動的なリズムの《ポロネーズ》、かなり個性的な《ピアノ協奏曲第1番》の演奏はとても好き。
力みもなく難なく弾いているかのような《エチュード》の精密で安定した技巧には惚れぼれするし、ほとんど聴かない《マズルカ》と《ワルツ》(ハフとアンダのワルツは好き)、《即興曲》も素敵。
《前奏曲》と《ノクターン》だけはどうにも苦手なのが変わらないけど。

特に個性的だと思ったのが《ピアノ協奏曲第1番》。
両端楽章は速いテンポと硬質でシャープなタッチで、キラキラ煌くような響きで、メロウな甘さは全くなく、機動的というか、弾むようにリズミカル。
特に第3楽章のスタッカートのような切れ味鋭いタッチとは先鋭なリズムが独特で、最初はちょっとやりすぎのような気がしないのでもなかったけれど、シャープで飛び跳ねるように機敏なリズムが気持ちいい。
両端楽章のシャープさとは対照的に、第2章は柔らかく澄んだ響きの美しさも相まって、安らかな雰囲気が引き立っている。
私の印象では、巷で弾かれるこのコンチェルトの演奏とはテンポもタッチもかなり違った趣きがあって、誰が弾いているかすぐわかるくらいにとても個性的。
私が好きなこの曲の録音というと、ソコロフの若い頃のスタジオ録音とか、ブレハッチのショパンコンクールのライブ演奏とかなので、デュシャーブルの録音を最初に聴いたときはかなり違和感が...。
何度か聴いていたら、耳が慣れてきたせいか結構面白くて、こういうショパンも好きだなあと思えてきた。

Chopin - François-René Duchâble (1983) 4 Ballades


François-René Duchable - Chopin - 12 Etudes, Op 10


<過去記事>
デュシャーブル ~ ショパン/練習曲集 Op.10 & Op.25

tag : ショパン デュシャーブル

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ドイツのライ麦パン「プンパーニッケル」
<プンパーニッケル>

以前からずっと食べてみたいと思っていたドイツの伝統的ライ麦パン「プンパーニッケル」。
珍しくカルディで入荷していたデルバ社のプンパーニッケルは、8枚切250g入りで約250円。
百貨店に入っているマリーカトリーヌで売っているプンパーニッケルは薄い切れ4枚入りで200円以上。
それよりもはるかにお安くて、味見のために早速1パック購入。

デルバ パンパーニッケル 250gデルバ パンパーニッケル 250g

delba(デルバ)



予想とは全然違ったかなりオツな味と面白い食感。パンというよりも、四角く固めてしっとりずっしりした木の実のパウンドケーキというかなんというか...。
酸味と自然な甘みとナッツみたいな粒々・ポロポロした食感。
これはかなり好みが分かれるだろうけど、私好みの美味しさで◎。
生地の美味しさを味わいたいので、具材をたくさんのっけたサンドイッチがオーブンサンドではなく、クリームチーズやマルカポネチーズとか、少し甘みのあるチーズがよく合いそう。(お正月に、ペースト状にしたアボガドと玉ねぎを載せて食べたらとても美味しかった)
酸味が強くてナッツ入りフルーツブレットみたいな味なので、何もつけずにそのまま食べても美味しい。

カルディでは、「5グレインブレッド 250g」「サンフラワーシードブレッド 250g」もあったので、「5グレインブレッド」も美味しそう。
「パンパーニッケル」とどちらにしようか迷ったけれど、原材料を見ると「5グレインブレッド」はイーストの表示がない。
発酵させずに水で固めた焼いた?としたら、酸味が少ないしっとりケーキかソフトクッキーに近いのかも。
そのうち「5グレインブレッド」を買おうと思っていたら、売り切れていた。

【2016.11.15追記】
カルディの店頭で、「プンパーニッケル」と「5グレインブレッド」が臨時入荷で、1個250g128円(税込)で販売中。
通常価格の半額くらいととても安いので、「プンパーニッケル」をストック用に2個、「5グレインブレッド」を味見用に購入。
「5グレインブレッド」は、「プンパーニッケル」よりも酸味と甘みが少なく、5種類の穀物の粒々感があって、パンというよりは、しっとり硬めでオイルフリーの穀物パウンド?とか、厚めのしっとりビスケット風。これも美味しい。
「5グレインブレッド」を1切れ(32g)食べると、しばらくしてお腹がかなり膨れた感じがする。普通の食パンやフランスパンよりも少量で、ライ麦ブレッドは満腹感があるのを実感。
どちらかというと「プンパーニッケル」の方が好きだけど、「5グレインブレッド」もとても気に入ったので、両方ともさらに2個づつ追加購入予定。
これで↓のプンパーニッケルをamazonで買わなくて良くなった。でも、味や食感が少し違うだろうから、そのうち食べてみよう。




amazonで探すと、高品質な全粒粉パンメーカーとして世界的に有名らしいメステマッハー社のプンパーニッケルを販売中。
こちらは有機全粒ライ麦使用で、500g500円とかなりお安い。
プンパーニッケルよりも「フォルコンブロート」の方がレビューが多くて、人気がある。
長時間蒸し焼きにするプンパーニッケルと違って、普通にオーブンで焼くのでもちもち感が少ないらしい。
プンパーニッケルとフォルコンブロートも一度食べてみたいので、そのうち買うつもり。

メステマッハー オーガニック プンパニッケル 500gメステマッハー オーガニック プンパニッケル 500g

Mestemacher(メステマッハー)


メステマッハー フォルコンブロート 500gメステマッハー フォルコンブロート 500g

Mestemacher(メステマッハー)


(参考情報)
プンパニッケル/Pumpernickel[パンの図鑑]
オーガニックのドイツパン【PEMA】[allabout]
「女の子の食卓」(志村志保子)のライ麦パンのサンドイッチ[マンガ食堂]


<粉末サワー種>
プンパーニッケルは20時間くらい蒸し焼きにする製法なので、自分で作るのはムリ。
プンパーニッケルと同じ材料の生地をオーブンで焼くと「フォルコンブロート」になるらしい。
ホームベーカリーで作ると、「フォルコンブロート」に近くなるのかも。

酸味が強いドイツのライ麦パンは、サワー種を使っている。
サワー種を自分で作るのはかなり面倒なので、ヨーグルトで代用しているレシピもある。
調べてみると、「粉末サワー種」を使えば簡単にできるらしい。
「粉末サワー種」は、そこらのお店では取り扱っていないので、ネット通販か、梅田の富澤商店で買うしかない。

ヨーグルトでも粉末サワー種でも、コスト的にはどちらも大して変わらない。
まずヨーグルトで試してみて、涼しくなってから富沢商店で粉をまとめ買いするときに、粉末サワー種を一緒に買うことに。(夏場は気温が高くて粉の劣化が速いので、粉をまとめ買いできない)


フォルサワー(サワー種)/100gフォルサワー(サワー種)/100g

TOMIZ(富澤商店)


フォルサワー(サワー種) / 100g(富澤オンラインショップ)
「予備発酵いらずでそのまま粉に混ぜ込めます。粉の10%置き換えが目安です。ライ麦パン等に入れるとライ麦だけでは出せないしっかりとした酸味が加わります。」


いつの間にか富澤商店もamazonに出品していた。クオカなど他のパン材料ショップもほとんどamazonに出品している。
送料も、商品一点ごとではなくて、配送1件ごとにかかるので、富澤商店のオンラインショップで買うのと変わらない。
ただし、まとめ買いによる送料ディスカウント(8,000円以上送料無料、5,000円以上半額)がないので、5000円以上買う場合はオンラインショップで買った方が安くなる。
でも、1回で5000円分も買わないので、amazon経由で買えばポイントが使えるというメリットがある。
ホシノ天然酵母も一緒に買おうと思って探してみたところ、amazonではなぜか販売していなかった。
結局、いつも通りオンラインショップで買うしかないことがわかったのだった。

<ライ麦食パンのレシピ>
HB用フォルサワー使用ライ麦食パン(富澤商店)
リスドォル175g、ライ麦(ナチュラル)50g、フォルサワー25g、塩5g、蜂蜜またはブラウンシュガー大さじ1、水190g、ショートニング10g、ドライイースト小さじ2/3
この配合をもとに、ライ麦100%、ショートニング不使用にすると、プンパニッケル風になる?
ライ麦100%だと全然膨らまず、四角いブロックみたいな形になるに違いない。

ライ麦50%なら、タイガーのHBでもライ麦コースで普通に作れる。
HB付属レシピだと、酸味を出すために、ヨーグルトではなく、ワインビネガーを使っている。


(cookpadレシピ)
ドイツ人のお墨付き!ライ麦パン♪ (粉末サワー種使用、ライ麦&サワー種で50%)
プンパニッケル風♪黒パン(ライ麦100%、ヨーグルト使用)
ライ麦50%黒パン プンパニッケル HB (ヨーグルト使用)

tag : ホームベーカリー

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ペトロネル・マラン 『Transfigured Brahms』 
たまたま見つけたペトロネル・マランの 『Transfigured Brahms』。
副題は、"Brahms transcriptions by Dohnányi・Liebermann・Schütt・Bauer・Friedman・Stark"。
ブラームス作品をもとに編曲・パラフレーズしたピアノ独奏曲を集めたちょっと珍しい選曲。
原曲は知っている曲が多いので、原曲との違いがわかって面白い。

ブラームス/リーバーマン/シュット:ピアノ作品集(トランスフィギュアド・ブラームス)(マラン) ブラームス/リーバーマン/シュット:ピアノ作品集(トランスフィギュアド・ブラームス)(マラン)
(2014/11/18)
ペトロネル・マラン

試聴ファイル
<収録曲>
1. エルンスト・フォン・ドホナーニ編:ワルツ集 Op.39
2. ローウェル・リーバーマン編:『マゲローネのロマンス』~別れるべきなのか
3. リーバーマン編:ハープは鳴り響く Op.17-1
4. リーバーマン編:すみれに寄す Op.49-2
5. リーバーマン編:すばらしい夜 Op.59-6
6. エドゥアルド・シュット:ブラームスの子守歌によるパラフレーズ
7. シュット:ブラームスの『甲斐なきセレナード』によるパラフレーズ
8. バウアー編:コラール前奏曲『わが心の切なる喜び』 Op.112-4
9. バウアー編:コラール前奏曲『一輪のばらは咲きて』 Op.112-8
10. バウアー編:コラール前奏曲『わが心の切なる願い』 Op.112-10
11. ルートヴィヒ・シュタルク編:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a
12 イグナーツ・フリードマン編:ワルツ Op.39-15 and 2


原曲は知っていても、編曲版は聴いたことがないものが多い。
ドホナーニ編曲のワルツは、煌びやかなフレーズが挿入されて、素朴な趣きのある原曲よりは、ずいぶん華やかな。
でも、マランの演奏だと、(この曲に限らず)跳躍するときにツンツンとしたスタッカート気味になって、線が細くて量感がないので、舞曲といっても優美なワルツには、もう少し柔らかさと滑らかさが欲しい。

意外なことに、現代音楽の作曲家リーバーマンがブラームスの歌曲をピアノソロに編曲している。
歌曲を題材にしているせいか、アルペジオとかメカニカルなパッセージは入っているけれど、どの曲も”練習曲”風には聴こえない流麗な旋律が綺麗。

シュットの「ブラームスの子守歌によるパラフレーズ」は、素朴な原曲とは違って、込み入った展開とアルペジオを多用した華やかさが、ムード音楽みたいにロマンティック。

J. Brahms-E. Schutt Wiegenlied (Lullaby)



「コラール前奏曲集」はブゾーニ編曲版が有名で、バウアー編曲版があるのは知らなかった。
原曲自体が名曲なので、どちらの編曲でも心響くものがある。
特に好きな『わが心の切なる願い/Herzlich thut mich verlangen』 (Op.112-10)は、バウアー編曲版の演奏だと、全体的に弱音で弾いている部分が多くて、音量上げないと聴き取り難いし、メリハリが弱くてぼわ~とした感じ。
これは、マランの弱音のタッチが柔らかくて音も小さいし、テンポが遅くて引き摺ずり気味なので、好みを言うなら、もう少し滑らかな流れとリズム感がある方がいい。
『わが心の切なる願い』の編曲版なら、ポール・ジェイコブスの弾くブゾーニ編曲版の方が主旋律が明瞭で力強さがあり、切々とした心情がにじみ出ている。

Brahms / Busoni / Paul Jacobs, 1979: Herzlich thut mich verlangen (2nd version)



「ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a」は、ブラームス自身が書いたOp.56bが2台のピアノ版のレパートリーとして有名。
シュタルクのピアノソロ編曲があるのは知らなかった。
原曲自体は何度かくらいのものでよく覚えていないけど、ピアノソロで聴くと、ところどころ思い出した。
マランのシャープでスタッカート気味のタッチだと、ピアノ1台で弾いているにしては、音がクリアに分離して立体感があり、結構シンフォニック。(でも、もう少し量感と重みのある方がいいけど)

シュタルク編曲版の音源がなかったので、ブラームス自身の2台のピアノ版のライブ映像。
Brahms, Variations on a theme by Haydn for two pianos, op. 56b



最後は《16のワルツ第15番》。”ブラームスのワルツ”といえば、この曲が一番有名。
こちらも音をいろいろ足しているようだけど、原曲の優美な雰囲気を壊さない素敵な編曲。
アルバムの選曲センスは良い思うけれど、マランの演奏(特にタッチ)だと好みと合わない曲がいくつかあるので、CDを買うかどうか思案中。
「ハイドンの主題による変奏曲」とワルツ・子守歌は、編曲自体かなり気に入っているので、結局CD買うかも...。

tag : ブラームス マラン

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ステファン・ヘラー/ベートーヴェンの主題による33の変奏 Op.130
ベートーヴェンの《自作主題による32の変奏曲》の編曲版があるのかどうか調べてみたら、ベートーヴェンの弟子チェルニーに師事したこともあるハンガリーの作曲家ステファン・ヘラーが、《ベートーヴェンの主題による33の変奏 Op.130》という曲を書いていた。
当時、高く評価されていた作曲家だったヘラーは、有名な中級者向け練習曲以外にも多数の作品を書いている。
「熱情ソナタ」の第2楽章の主題をモチーフにした《ベートーヴェンの主題による21の変奏 Op.133》や、ベートーヴェン以外にも「魔弾の射手」による練習曲集とか、メンデルスゾーンやシューマンの作品をモチーフにした曲など。
現代ではヘラーの作品を弾く人はほとんどいないらしい。

ヘラー Heller, Stephen [ ハンガリー ] 1813 - 1888(ピティナの作曲家解説)


《ベートーヴェンの主題による33の変奏 Op.130》は、原曲のモチーフと嵐のように暗雲たれ込めるような雰囲気はある程度残っているけれど、変奏自体はロマン派風に凝って、メンデルスゾーン風だったり、時々硬派なショパン風(?)に聴こえる。
後半の変奏(↓の音源では2分くらいから)では、(同じハ短調の)交響曲第5番《運命》の主題旋律の一部が使われている。
全体的に旋律と和声は色彩豊かで華やかでパッショネイト。ロマンティシズム濃厚で原曲に劣らず素敵な編曲。

Heller - 33 variations for Piano - PUCHELT 1


Heller - 33 variations for Piano - PUCHELT 2



今ではほとんど演奏されることのない作曲家なので、この曲の録音はほとんどない。
すぐに見つけたのはペトロネル・マランのヘンスラー盤で、ベートーヴェンをモチーフにした編曲作品を集めている珍しい選曲。
マランは、バッハ・モーツァルト・ブラームスの作品を題材にした編曲集も録音している。
べートーヴェンの演奏では、シャープで力強いところは良いのだけど、速いパッセージで飛び跳ねるようなスタッカート気味のタッチがかなり気になる。好みの問題として、もう少し量感があった方がいい。

ベートーヴェン変容 (Transfigured Beethoven / Petronel Malan) ベートーヴェン変容 (Transfigured Beethoven / Petronel Malan)
(2014/11/18)
ペトロネル・マラン

試聴ファイル

<収録曲>
1. ヘラー:ベートーヴェンの主題による33の変奏曲 Op.130
2. ズガンバーティ:メヌエット(ベートーヴェンの弦楽三重奏曲 Op.3 に基づく)
3. カルクブレンナー:ベートーヴェンの名高いワルツによる幻想曲 Op.118
4. ザイス編曲:ドイツ舞曲集 WoO.8
5. ラフ編曲:ロマンス 第1番 ト長調 Op.40
6. タウジヒ編曲:弦楽四重奏曲 第7番「ラズモフスキー第1番」より アダージョ
7. 同編曲:同 第8番「ラズモフスキー 第2番」より スケルツォ
8. 同編曲:同 第9番「ラズモフスキー 第3番」より アンダンテ
9. 同編曲:同 第13番より カヴァティーナ
10. フリードマン編曲:エコセーズ WoO.83

tag : ベートーヴェン ヘラー マラン

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歯磨き粉「チェックアップ」とマイクロビーズ
4月に歯科衛生士さんに勧められて使い始めた歯磨き粉はライオンの「チェックアップ」。
低研磨・低発泡で、フッ素濃度が950ppm。
歯科医院でフッ素塗布した場合は、5000ppmや10000ppmレベルと高濃度。
家庭用の歯磨き粉などでは、フッ素濃度の上限が1000ppmと規制されている。

 歯みがき革命! ライオン チェックアップ スタンダード 120g【医薬部外品】
(2013/8/22)
ライオン (LION)

そこらのドラッグストアでは取り扱っていないらしく、歯科医院やamazon等のネット通販で購入可能。でも、近くのイオンでは数本だけ店頭の棚に並んでいた。


今まで使っていた「クリニカアドバンテージ」は、歯磨きペーストを指でスリスリしたら、粒々があるのがしっかりわかる。
この粒が研磨剤らしい。チェックアップには、そういう粒々感がない。
”ブラッシングに力を入れすぎ”.と言われているので、研磨剤入りの歯磨き粉を使うと歯の表面を自分で削っている気がする。
フッ素濃度の濃い方が虫歯になりにくいらしく(実際の効果のほどはよくわからない)、クリニカからチェックアップに歯磨き粉を変えて、ほぼ半年。

歯ブラシには数年前から凝っていて、ソラデー3をベースに、ワンタフトブラシと歯間ブラシ、デンタルフロス(時々)を使用。
最近は歯磨き方法に関する本もいくつか読んで、歯ブラシの確度に注意して力をいれすぎないように磨くとか、洗口は1回だけにするとか、歯を傷めずに効果的に磨けるように、かなり気を付けるようになった。

 歯みがき革命! 歯みがき革命!
(2013/8/22)
我妻美夕紀



あなたの人生を変えるスウェーデン式歯みがき──1日3分・ワンタフトブラシでお口から全身が健康になる! 【特別付録:歯科医院専用ワンタフトブラシ】 (JK MOOK)あなたの人生を変えるスウェーデン式歯みがき──1日3分・ワンタフトブラシでお口から全身が健康になる! 【特別付録:歯科医院専用ワンタフトブラシ】 (JK MOOK)
(2013/8/22)
梅田 龍弘




普通の歯磨き粉や、スクラブ入りのボディソープや洗顔料の研磨剤に使われているのが、「マイクロビーズ」というプラスチック粒子。
下水処理施設などのフィルターにひっかからず、川・海などに流れ込んだマイクロビーズの微粒子は、重金属や毒素などの有害・汚染物質を吸収するため、マイクロビーズを飲み込んだ魚を人間が食べることで、人体に悪影響があるという、
ここ数年、環境汚染に加え、食物連鎖を通じた健康被害も問題になってきたため、規制する国が次々と出てきている。

海に漂う“見えないゴミ” ~マイクロプラスチックの脅威~(NHKクローズアップ現代、2015年10月29日(木)放送)
世界が販売禁止に乗り出す、“つぶつぶ入り洗顔料”の何が危険なのか (ITmedia,2016年01月28日)
洗顔料や歯磨き粉に使用 極小プラスチック粒子「マイクロビーズ」を英が禁止へ 海などへ流出し「魚介に蓄積」の指摘(産経ニュース,2016年9月3日)
マイクロビーズ洗顔料販売、アジア初の禁止へ(NNA、2016年8月25日)
マルクス・ベッカー『Kiev Chicago ~ Pictures At An Exhibition & Jazz Improvisations』
偶然見つけたマルクス・ベッカーの新譜(といっても2014年のリリース)は、珍しくもクラシック&ジャズのソロアルバム。
ベッカーがジャズを弾くというのは予想外だったので、同姓同名のジャズピアニストのアルバムかと思ったけれど、スクリャービンとムソルグスキーは普通のクラシックの演奏なので、やっぱりあのベッカーのアルバムだった。

クラシック(DISC1)は、スクリャービン《6つの前奏曲 Op. 13》、ムソルグスキー《組曲「展覧会の絵」》。
それに、マックス・レーガーの《即興曲集 Op. 18 - 第1番 アレグレット・コン・グラツィア》がDISC2に入っている。
ジャズ(DISC2)は、ピアノ・ソロのインプロヴィゼーション。ベートーヴェンを主題にした曲と、モダン・ジャズ、スタンダード、ヴォーカル曲などをピアノソロで弾いている。
タイトルが地名だったので「キエフとシカゴ」でのライブ録音集...と思ったけれど、そういうことではなく、全てハノーヴァーでのスタジオ録音。

Kiev Chicago - piano solo ~Pictures at an Exhibition & Jazz Improvisations  Kiev Chicago - piano solo ~Pictures at an Exhibition & Jazz Improvisations
(2014/11/18)
Markus Becker

試聴ファイル
<収録曲>
スクリャービン/6つの前奏曲 Op. 13
ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」
マルクス・ベッカー/マグネティック MagnetiC
ヴィクター・ヤング/ビューティフル・ラヴ Beautiful Love
フリードリヒ・グルダ/フーガ Fugue
チック・コリア/子供の歌 - 第6番 イントロダクション Children's Song No. 6: Introduction
ラッセル・フェランテ/パス・イット・オン Pass It On
マリア・グレベール/エコー・オブ・ア・セレナード Echo of a Serenade
Tom Canning / Jay Graydon / アル・ジャロウ/イージー Easy
チック・コリア/スペイン Spain
マックス・レーガー/即興曲集 Op. 18 - 第1番 アレグレット・コン・グラツィア Improvisationen, Op. 18: I. Allegretto con grazia
ジュローム・カーン/5月にしては暖かい - 君は我がすべて Very Warm for May: All the Things You Are

ベッカーのホームページに試聴音源あり。
6曲(楽章)だけピックアップされていて、その曲だけ最初から最後まで聴ける。(”Beautiful Love”も載っている)
(アクセスするとすぐに5曲の音源が一斉に鳴りだすので要注意)


                      


ライナーノートはベッカー自身が書いている。
- アルバムタイトルの'Kiev'は19世紀終わりのロシア・ロマンティシズム、'Chicago' はジャズの世界を表している。
- ベッカーは、子供時代から鍵盤楽器で即興演奏したり、Knabenchor Hannover(合唱団)でアルトを歌ったりしていた。
- ジャズバンドを結成して、ダンスミュージックやジャズ・ロック、ディキシー、フリージャズ、ロックなどを劇場で演奏していた。
- 1982年にピアノの勉強を始めてから、バンド活動は止めたが、今までのレパートリーはずっと忘れずにいた。

amazonの試聴ファイルを聴いてもCDを買うかどうか迷ったので、NMLで全曲聴いてみた。(こういうときにNMLが使えるのはとっても便利)
スクリャービンの前奏曲集は、短調の曲のメロディが綺麗で印象的。
《展覧会の絵》は、タッチが軽くて柔らかく、テンポも力感も抑え気味。品は良いのだけど、額縁に飾った絵を観ているみたいな穏やかな感じがする。
私のベスト盤は、Berlin Classicsのレーゼルに、音質が良ければカッチェンのライブ録音もドラマティックで好きなので、その2つのと比べると、ちょっと緩く感じないでも...。
私の好みとしては、もっとタッチに力感・量感とシャープさがあって、かっちりとした構築感や重みのある方がいい。

このアルバムが面白いのは、DISC2のソロピアノによるジャズ・インプロヴィゼーション。(ただしチック・コリアの《子供の歌》のみサクソフォンとのデュオ)
特に気に入ったのが、《MagnetiC》、《Beautiful Love》、《Echo of a Serenade》の3曲。
《MagnetiC》は、ベートーヴェンの《自作主題による32の変奏曲》を主題にしたジャズ風変奏曲。原曲をジャズ風にアレンジしたのは、ベッカーが初めてかも。
《MagnetiC》(最後は大文字の”C”)は、強く引き付ける魅力的なハ短調(C minor)...という意味らしい。
冒頭のフレーズを聴いただけで、ベートーヴェンの変奏曲のモチーフだとすぐにわかる。
テンポと曲想が異なる幻想曲風とジャズ風が交錯して、本業のジャズピアニストがアレンジするよりは、ほんのりジャズテイストのある現代音楽的幻想曲みたいで面白い。

他のジャズ曲は、有名なコリアとグルダの曲はもともと好きではなく、それ以外は全然知らない曲ばかり。
美しいメロディの曲が多いし、クラシックのピアニストが弾いたジャズなので、スイング感があまりなく、クラシカルな品の良さがあるのが、私には良いところ。
ジャズを弾いても、タッチが軽くなることなく、しっとりとした潤いと深みがあるベッカーのピアノの音がとても綺麗。

有名なスタンダードナンバーらしい《Beautiful Love》はタイトルどおり旋律がとても綺麗。(知らない曲だったけれどメロディは聴いたことがある)
《Echo of a Serenade》は、 メキシコの作曲家マリア・グレベール(“Cuando vuelvaa tu lado”が有名)が作曲したルンバが原曲。
ベッカーが編曲したピアノソロは、五音音階によるシンプルな旋律と、バスのオスティナートがとても心地良い。
右手の旋律がさざ波のように流れて爽やか。伸びやかで開放感溢れるとても素敵な曲。

ベッカーの弾くジャズピアノは、思いがけなく私の好みにぴったり。
演奏時間が一番長い《展覧会の絵》が私にはもう一つピンとこなかったので、アルバムは買わずに、、《MagnetiC》、《Beautiful Love》、《Echo of a Serenade》の3曲だけitunestoreでダウンロード。


"Beautiful love" - Victor Young - Korg SV1- piano solo(ベッカーの演奏ではない)




ウクレレで多重録音した”Echo of a Serenade”。

The Echo Of A Serenade


tag : ムソルグスキー スクリャービン ベッカー

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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