2018.01.31 18:00| ・ お料理全般・食材
今冬は11月から最高気温10℃を下まわる日が多いので、絶好の干し日和。
この冬に初めて干した野菜は、ゆり根、長芋、こかぶ。

<干しゆり根>
お正月の白味噌雑煮に必ず入れるゆり根。おがくずで覆っておけば、冷蔵庫で1ヵ月くらい保存できる。
生のゆり根は、加熱しすぎるとすぐに溶けてしまうので、お雑煮を作る時には最後に入れている。
ゆり根を干しても、なかなかドライになってくれないので、セミドライ状態で冷凍保存。
干したゆり根は溶けにくくなって、多少もちっとしている。それでも長く煮込めば溶けてしまうし、特に美味しくなっているというわけでもないので、生のままで充分。

ゆり根を干すのは、干し野菜のレシピブックにはほとんど載っていない。調べてみたら、中国では乾燥ゆりねが普通に出回っているという。
乾燥ゆりねは、薬膳料理や漢方薬に使われる。amazonでも乾燥ゆり根が販売されている。

【2005年12月号】生薬百選19 百合(ビャクゴウ)[元気通信/YOMEISHU]
乾燥ゆりね/150g お得用袋入り[ cafe 甜蜜蜜&yuddy web shop]
乾燥百合 ユリネ 薬膳料理 お粥やスープに 100g [華華百貨店]


<干し小かぶ>
小かぶをドライに近い状態まで干すと、水で戻しても食感がふにゃふにゃ。甘みも濃くない。
生のまま煮たり炒めたりする方が、トロっとした食感と独特の甘みがあって美味しい。
干しかぶが美味しいという人のブログをいくつか見ると、だいたいセミドライ。どうやら干しすぎたのが良くなかったらしい。

干しカブのピクルス[トイロ 公式ブログ]

「ほしかぶ」は新潟県で作られている乾物。干したかぶだと思ったら、干し大根だった。それも、切り干し大根ではなくて、茹で干し・蒸し干し大根。
干しかぶとは[新潟生活]
干しかぶの食べ方[新潟生活]


<干し長いも>
濱田さんの干し野菜ブックで、干した長芋は”シャクシャクほくほく”で甘みが加わって和菓子の趣き...と書かれていたので、干してみた。
よく洗った皮つき長芋を包丁で輪切りにカットすると、切り口がねばねば~。
干しカゴに置くときに、皮側を下にして(水平ではなく垂直に置いて)、切った断面が風にあたって乾きやすくしておいた。

長芋は、生のまま焼いても煮てもポクポクして美味しい。
干し長芋を煮ると、さらにポクポクして、モチモチ感も加わり、栗みたいな甘みがあって、とても美味しい。これはとっても気に入ってしまった。

やめられない止まらない[常陸屋ノート]
「煮れば、里芋のようにしっとり、焼けば、じゃが芋のように”ほくほく”」
干さなくても長芋は焼けばホクホクするし、干せば多少ホクホク感が強くなる。焼くなら、生でも干してもどちらでも良い気がする。

干した長芋は「山薬」(サンヤク)として漢方にも使われている。消化酵素が豊富なので、胃腸が強くなるという。
日本では「山のうなぎ」と言われるほど滋養強壮に良いらしい。(「山のうなぎ」というのは全然知らなかった)
山のうなぎ「やまいも」の実力[サプリメントハウス]


<関連記事>
干しカゴ選び
「干し野菜」の作り方とレシピブック
「干し野菜」の作り方(2)

今年はドビュッシーイヤーなので、昨年秋頃から新録音が次々と出てきている。
新譜情報で紹介されているものは大体試聴しているけれど、CDで聴きたいと思ったものは少ない。
オズボーンはタッチが強くて明晰(もう少し柔らかくてファンタジーのある方が...)、バレンボイムはテンポの揺れが激しくアーティキュレーションが独特で、ポリーニはタッチが昔のような緻密で明晰なタッチではなく(新譜の試聴ファイルがないので以前のドビュッシー録音を聴いた)、他にもいくつか聴いたけど、どれも私の好みとは違っていた。

そのなかで素晴らしいと思った数少ない録音は、スティーブン・ハフとチョ・ソンジン。
チョ・ソンジンは、青柳いづみこ『ショパンコンクール』を読んで初めて知ったピアニスト。コンクール中のライブ映像とかは全然見ないので、この本を読むまで、彼がショパンコンクールで優勝したということも知らなかった。
『ショパン・コンクール』のなかで、コンクール時の演奏については、「明るく爽やかな音」、「どこまでもなめらかなピアニズム」、「音楽的には恣意的なルバートをしない端正なアプローチ」、「音にはダイヤモンドのようなぎらぎらした輝きはなく、絹のような上品な光沢」。ただし音の減衰が早いので重量感に問題があるが、「ダイナミックバランスは完璧なのでソロではよかった」(「テンポが遅くて音も分厚いワルシャワ・フィル」の伴奏とは相性が悪かったようだ)

ショパン・コンクール - 最高峰の舞台を読み解く (中公新書)
(2016/9/16)
青柳 いづみこ



このドビュッシーにも、そういうソンジンの美点がそのまま表れている。
細部まで精緻なタッチで、柔らかく多彩なソノリティが美しく、フレージングも流麗で、まるで印象主義の絵画を音にしたようなドビュッシー。

アルバムの収録曲は、《映像》、《子供の領分》、《ベルガマスク組曲》、《喜びの島》。
どの曲も絹や真珠のような上品な煌きのある高音や温もりのある柔らかな響きが心地よい。繊細でも粘着的ではないタッチで、フレージングがとても滑らか。
「ダイナミックバランスが完璧」という評の通り、強弱のコントラストと推移が自然に聴こえるので、端正であっても表情豊かで、ダイナミックなのに爽やか。
残響長めなので、《映像》の「水の反映」や「葉ずえを渡る鐘」の響きがとても美しいし、メカニカルな「動き」も華やかで躍動感豊か。
面白かったのは、ちょっとくぐもった弱音で、可愛いというよりはまったり優雅な「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」と「象の子守歌」。
端正で品の良い『ベルガマスク組曲』は、力強さのあるタッチながらも情感細やかで、盛り上がり方も上手くて、ちょっとドラマティック。
ハフとはタイプが違うけど、いままで聴いたドビュッシー録音のなかで特に好きな演奏の一つだった。

Debussy Debussy
(2017/11/22)
Seong-Jin Cho

試聴ファイル(国内盤)


↓はミュンヘン・リサイタルのライブ音源。
Seong-Jin Cho - Debussy Images, Books 1 & 2

タグ:ドビュッシー チョ・ソンジン

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2018.01.23 18:00| ・ お料理全般・食材
<葵はるか(紅はるか)>
今年の冬は寒いので、絶好の干し芋日和。
毎週、違ったさつまいもを数本買っては、蒸し干ししている。
今年は宮崎県のさつまいもを使うことが多い。品種名が無かったり、単に「甘藷」としか書いていなかったりするけど、実がしっとりして甘いものが多かった。

今まで干したさつまいもは、ホクホク系の鳴門金時、紅あずま、黄金千貫、黄金芋。しっとり系はシルクスイート、甘太くん、安納芋、紅まさり。
どれも干せば甘くなるとはいえ、干し芋に向いているのは、ホクホク系ではなくて、しっとり系のお芋。蒸したお芋の皮を剥ぐ時に違いがわかる。
ホクホク系は皮と一緒に実までポロポロ剥がれてしまうので、歩留率が悪くなる。しっとり系、皮が薄くてペラペラと簡単に手で剥ぎ取れるし、実がポロポロと崩れることがない。
ホクホク系のお芋でも、干せば甘くなるので、作業効率と歩留まりを気にしないのであれば、干し芋にしても美味しい。但し、黄金芋や黄金千貫はあまり甘くなかった。白芋系は焼き芋にして食べた方が、ホクホクで栗っぽい甘みが味わえて美味しい。

今年初めて買った品種は、「葵はるか(紅はるか)」。
近くの産直市場で、宮崎県の「くしまアオイファーム」が育てたさつまいもが数種類販売されているので、最近さつまいもはそこで買うことが多い。
「葵はるか」は、くしまアオイファームが登録商標した「紅はるか」のブランド名。
安納芋を上回るくらい甘くて、干し芋にも向いているようなので、中ぐらいの大きさの「葵はるか」が7本入っている袋を買ってみた。
隣に積まれていた紫芋のパープルスイートロードも買おうかと思ったけど、調べてみたら紫芋自体が甘くない品種だった。
例外的に甘いパープルスイートロードも、普通のお芋ほど甘くはないそうなので、パス。普通に焼き芋を食べたいときに買うことにした。

くしまアオイファームの熟成紅はるか[サツマイモ専門店オイモール ]

「葵はるか」の一番美味しい食べ方は焼き芋ということなので、太目3本は焼き芋にして、残りのやや細めの4本は蒸して干し芋に。
食べるまでに1週間以上かかる丸干し芋は、実が透き通ったような色になるまで、ビタクラフトのお鍋で蒸すこと1時間弱。
皮は薄くてペラ~と簡単に剥がせる。皮を剥いでいるだけで、指がベタベタするくらい蜜が多い。細い端っこは柔らかすぎてナイフで切ると潰れてしまうので、キッチンばさみでカット。

ちょっと味見してみたら、さすがに評判通り、とても甘くて美味しい。しっとり甘くてトロトロ蕩けるような食感は、裏ごしせずとも、まるできんとん。これだけ甘いと砂糖はもシロップも不要。
濃厚な甘さだけど、後味さっぱりも上品な甘さは、「まるで完成された和菓子」というキャッチフレーズ通り。
焼き芋も食べてみたけれど、こちらも皮を剥いでいる時に手がベチャベチャになるくらい蜜が出てくる。どちらかというと、蒸した方がトロトロ感が強くて甘いような気がする。

安納芋よりも甘くてトロトロ食感なので、シロップ不使用の栗きんとんが簡単に作れる。
糖度から言っても、安納芋よりも高くなるので、蜜芋と言われるのも納得。葵はるかは、今まで食べたさつまいものなかでは、一番甘くてしっとりトロトロしていた。

紅はるか(ベニハルカ):サツマイモの品種[旬の食材百科]
「甘太くん」って、大分県産の「紅はるか」のブランドだった(今まで知らなかった)。

葵はるか/あおいはるか(紅はるか)[旬の食材百科]

安納芋、紅はるか、紅こがね、シルクスイートの違いって何?比較しました[お役立ち!季節の耳より情報局]

[2018.1.30 追記]
普通の「紅はるか」も買ってみたら、「葵はるか」とは違って、全然トロトロしないし甘みも足りない。くしまアオイファームでは、熟成させてから出荷しているのかも?
これからは、「紅はるか」を買うときは、「葵はるか」しか買わないことにした。



<丸干し芋>
今冬は丸干し芋に凝っているので、全てスライスせずに丸干しに。丸干しはかりっと硬めの皮と、しっとり柔らかい実の食感と味の違いが好きなので。

干し芋は、水分が抜けるとかなり小さくなるので、美味しいのでうっかりパクパクと食べていると、1本や2本くらい完食してたりする。
中ぐらいのお芋なら重さが1本200gくらいはあるので、糖質量は80g前後と、茶碗1.5杯、食パン(5枚切)2枚分以上。ビタミンCや食物繊維も多いので、白米や白パンよりは栄養があるとはいえ、食べ過ぎには注意しないといけない。
「葵はるか」で丸干し、平干しの両方作ってみたところ、蜜が多いせいか、1週間くらいたってもなかなか干しあがらない。待ちきれずに、セミドライくらいで干すのを止めた。(途中で何度も味見していたので、あまり残っていなかったけど)
セミドライの干し芋は、外側も内側も柔らかくて食べやすい。

自宅で簡単にできる、手作り「干し芋」の作り方[やまむファーム]

干し芋のおやつは太る?干し芋の栄養と注意したい食べ方![薬膳DEシンプルライフ]
干し芋と生のお芋を同じ重量で比較すれば、水分が抜けた干し芋の方が、カロリーが高くなるのは当然。干し芋にすると、ビタミンCとビタミンEが減って、カリウムと食物繊維がかなり増える。
最近は”依存性”のあるパン食は栄養もないのでほとんど止めて、それよりも食物繊維や栄養のあるさつまいもやお豆(ピーナッツ、いかり豆、くるみとか)を食べている。

干し芋【丸干し】VS【平干し】どっちが人気?美味しい?(紅はるか)鶴田商店で味比べ[ランキング・口コミで人気のアレコレ実際に買ってためしてみました]

【あなたのNo.1ほしいもはどれ?(ほしいも銘柄別の味わい)】[ほしいも百科事典]

有名なリストの「ラ・カンパネラ」(パガニーニによる大練習曲第3番「鐘」S.141)の元になった曲は2曲。
一番最初に作曲された《パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲 S.420》は、技巧的にあまりにも難しすぎて、リスト自身弾くのに難渋するほどだったらしい。
これを弾くやすくしたのが、《パガニーニによる超絶技巧練習曲第3番「鐘」 S.140》。これでもかなりの難曲だったらしく、最終稿が「ラ・カンパネラ」で知られている《パガニーニによる大練習曲第3番「鐘」 S.141》。

碇山典子 インタビュー[いずみホール/Jupiter Online]
《パガニーニの鐘による大幻想曲》は、「ほとんど演奏不可能で、リスト本人しか弾けない、本人でも休み休みしか弾けない」。

《ラ・カンパネラ》リスト作曲[学研おんがく通信 名曲誕生物語 6月]


《パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲 S.420》(1831~32年)
この曲を最初に録音したのが、若い頃(1962年)のフィオレンティーノだと、原盤(Apr)のレビューに書かれていた。
パガニーニの「鐘」(《ヴァイオリン協奏曲第2番》第3楽章「鐘のロンド」)をモチーフにして、次々と変奏が展開していくので、曲想の違った曲がいくつも聴ける面白さがある。
↓の録音では、大きく分けると導入部(長くて4分近い)、ショパンのコンチェルトに出てくるような下行スケールのユニゾンに続いて登場する主題、5分半ばあたりから始まる変奏、最後のフィナーレ。
最初の変奏が有名な《ラ・カンパネラ》の原型。7分すぎるとガラッと曲想が異なる変奏が2つほど続いて、12分あたりからフィナーレに入る。
導入部の妖艶さ漂う旋律とか、「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」を連想するよう低音のトレモロに、「小人の踊り」みたいな速く細やかなパッセージなど、リストらしい旋律がいくつも出てくる。

Sergio Fiorentino Plays Liszt's Fantasy on La Clochette by Paganini




《パガニーニによる超絶技巧練習曲第3番「鐘」 S.140》(1838年)
《パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲》の最初の変奏部分を元に技巧を凝らして展開したような曲。後の《ラ・カンパネラ》とはかなり違う。

Franz Liszt: Études d'exécution transcendante d'après Paganini, S.140 No. 3 (Pf: Nikolai Petrov)




《パガニーニによる大練習曲第3番「鐘」 S.141》(1851年)
これがよく聴く《ラ・カンパネラ》。《パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲》の冒頭変奏の原型に回帰して、さらに洗練され華やかになったような印象。

Liszt Paganini Etude n3 : La Campanella - Sergio Fiorentino (1958)


タグ:フランツ・リスト フィオレンティーノ

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2018.01.11 18:00| ・ お料理全般・食材
<オオクログワイ>
以前からずっと気になっていた「オオクログワイ」の水煮。カルディで1個320円くらいで売っていて、固形量は340g。
「オオクログワイ」は、タイや中国でポピュラーなクワイ。中華料理では炒め物・あんかけ料理に小さく刻んで使われていることが多いらしい。
大好きな日本のクワイとは違うのはわかっていたけど、どんな味と食感なのかとても興味があったので、おせち料理用に買ってみた。

タイ マル京 くわい水煮缶(ホール) 540g





Wikipediaの記述によると、水煮缶の商品名である”water chestnut”で、「シログワイ」のこと。
中華料理で使われる「黒慈姑(くろぐわい)」は、「オオクログワイ」のことで、「シログワイ」の栽培品。缶詰のラベルの商品名は「オオクログワイ」になっている。

この水煮缶には、皮を剥いた状態の「オオクログワイ」が丸ごと入っている。
中央が少しへこんだ平べったい円形で、オオクログワイと言う名前とは違って、直径2cm前後の小さいニョッキみたいな形。
カットせずに丸ごと煮しめの材料に使ってみたら、味浸みが悪いし、シャキシャキしていて、醤油味の煮物にすると、あまり美味しくない。

中国では炒め物によく使われているので、オイスターソースと醤油でコッテリ甘辛い味にして炒めてみたら、これはとっても美味しい。
シャキシャキの食感が炒めた蓮根や長芋に似ていて、”water chestnut”(水栗)というだけあって、味は栗っぽいところがある。
味は中まで浸みていないけど、表面にソースがよく絡んでいるし、日本の食材にはない食感と味の組み合わせ。
これから炒め物の具材に常用しても良いくらい気に入ってしまった。

中華料理に入っているサクサクした野菜はなに?芋なのか調べてみた[知恵ぽた.com]
水栗 ウォーターチェストナッツ[マレーシアで道に迷う]



<金美にんじん>
年末に近隣のスーパー数店で、突然店頭に並びだした岡山県産の「金美にんじん」。
名前の通り、鮮やかな黄色がとても綺麗なにんじん。価格はお店によってばらつきがあり、1本あたり40円~80円くらい。
「金美にんじん」の種は、種苗会社のみかど協和が販売しているので、岡山県の特産品というわけではない。

生で食べると、普通のにんじんよりも少し柔らかくて甘い。人参っぽい特有の青くささがほとんどなくて食べやすい。加熱するよりも生で食べた方が、この人参の特徴と美味しさがよくわかる。
色がとても綺麗なので、おせちの「紅白なます」に普通のにんじんと一緒に入れてみたら、柚子の皮みたいな彩の良さ。今年は干し柿も入れたので、4色なますになって、色合いがとても華やか。
梅型に抜いておせちの煮しめにも使ってみると、こちらも鮮やかな赤色と黄色の人参が綺麗で可愛らしい。

黄色いニンジン・金美人参・イエロースティック・F1ゴールドラビット[旬の野菜百科]
「金美ニンジン」苦みなく広がる甘さ/庄内 山の幸86[荘内日報社]

普通の人参と同じように、スープ、煮物、炒め物にも使える。
彩り鮮やかな「金美人参」を使った料理5品。材料とレシピをご紹介。[ピソっと情報局。]

2018.01.07 15:00| ♪ スティーヴン・ハフ
年末にタワーレコードから届いたハフのドビュッシーアルバムは、メモリアルイヤーに相応しい素晴らしいドビュッシー。

ハフのピアノの音は清流のように澄んでキラキラと品の良い煌きがある。
やや硬質で線が細く、輪郭が明瞭な音のわりに、タッチが軽やかなので響きが柔らかく、煌きのある色彩感と響きのバリエーションも豊か。録音音質が良いこともあって、多彩なソノリティがとても美しい。
ヤマハを弾いているせいか、スタインウェイの煌びやかな響きとは違って、煌きに落ち着きがあり響きも軽やかですっきりして澄んだ感じがする。

いつものハフと同じようにアーティキュレーションは細部まで緻密で明晰。複数の旋律がそれぞれくっきりと浮かび上がって立体的に聴き取れるところは、バッハを聴いているみたいな気がする。(特に、速いテンポで複数の旋律が絡み合っているところ)
今まで聴いたドビュッシーとは、響きやリズム・旋律が少し違って聴こえるところがいろいろ。楽譜を見ながら聴くと、演奏記号をどういう風に弾いているのかわかって、面白い。
それに、ハフのピアノで聴くと好きになった曲もあったりするので、聴く楽しみがいっぱい詰まっている。


Debussy: Piano MusicDebussy: Piano Music
2017/12/14
スティーヴン・ハフ

試聴ファイル(itunestore)
試聴ファイル(hyperion)

《収録曲》
● 版画 L.108
● 映像 第1集 L.105
● 映像 第2集 L.120
● 子供の領分 L.119
● レントよりおそく L.128
● 喜びの島 L.109
ピアノ:Yamaha CFX concert grand
録音時期:2015年6月18,19日&2016年8月30,31日
録音場所:ブランドン・ヒル、セント・ジョージ教会&ワイアストン・エステイト、コンサート・ホール

とても好きな曲(「パゴダ」、「雨の庭」、「Movement」)は、響きもアーティキュレーションも私の好みにぴったり。
「パゴダ」は、”竜宮城”の物語みたいな古代の栄華に満ちた情景が思い浮かぶような視覚喚起力があり、アルカイックで高貴な雰囲気も漂っていて、何とも言えないくらい素敵。
「雨の庭」は、庭の情景を連想するのではなくて、ピアノの音が雨粒のような形に思えてきたり、雨が生きもののように姿形を変えながら動き回っているような感覚。

《映像第1集》の「水の反映」も、水の粒が生きもののように次々と形を変えていくかのように聴こえる。
リズミカルで躍動的な「Movement」は、スケール感とダイナミズム豊かに、シンプルでオスティナートする旋律に生き生きとした躍動感がある。規則的でメカニカルなリズムを通じて姿を変えていく「動き」が、音を通して目の前に現れてくるようなリアルさを体感しているような感じがする。

あまり聴かない《映像第2集》のなかでは、ファンタスティックな「葉ずえを渡る鐘」が、煌きのあるミステリアスな鐘のようなピアノの音と歌い回しに、妖精のような生命力が感じられて、とても面白く聴けた。

《子供の領分》は、《版画》と《映像》のような凄さはあまり感じなかったけれど、洗練された楽しいメルヘンみたい。
「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」はおとぎ話か童話みたいに可愛らしい。ペダルの使った響きのバリエーションとか、強弱の微妙な変化や滑らかなグラデーション、くっきり明瞭に浮き上がるリズム(第13小節の左手テヌートとか)など、楽譜を見ながら聴くとアーティキュレーションの緻密さがいろいろわかって面白い。
「象のこもり歌」は冒頭のテンポが結構速いし、表現もちょっとあっさりとした感じ。
「人形へのセレナード」は、歯切れ良くも柔らかさのある綺麗な音色としなやかなフレージングがしとやかで品が良い。ちっちゃな女の子が踊っているみたいにメルヘンチックで愛らしい。この曲はめったに聴かないけど、ハフの演奏がとても素敵なので好きな曲になってしまった。
とてもファンタスティックな「雪は踊っている」。雪の結晶みたいな煌きのある多彩な音色の美しさは言うに及ばず、各旋律が明瞭に浮かび上がって、舞い落ちてくる雪の動きの多彩さに加えて、生き物のような意志があるかのように感じる。どうやら無生物をテーマにした曲をハフが弾いたときに、そういう生命力を強く感じるということらしい。

滅多に聴かない《レントよりおそく》は、しなやかな優美さと品の良さがあって、古き良き時代のワルツみたいなレトロ感たっぷりで、この曲も素敵。《喜びの島》は多彩な音色と響きが豊穣で、音色の違う旋律が絡みあった立体感も鮮やか。

ハフのドビュッシーは、多彩な音色と立体感に加えて、ピアノの音が生き物のような生命力と意志をもって自在に動きまわっているように感じるところがあって、期待以上に素晴らしい。
アラウのドビュッシーにも同じような有機性を感じるけれど、それは原初的で野生的な生命力。ハフの場合は、無機的なモノや妖精たちがリアルな存在に感じられるような生気とファンタジーがある。
《版画》と《映像》に関しては、マイベストになるのは間違いないくらい。《子供の領分》も「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」・「人形へのセレナード」・「雪は踊っている」はとても好きな演奏。
過去に録音していた「月の光」もアラウと並んで一番好きな演奏だし、ドビュッシーなら真っ先にハフを聴きたくなる。
今年はドビュッシーイヤーなので、《前奏曲》の録音もリリースされるのではないかとちょっと期待している。

タグ:ドビュッシー スティーヴン・ハフ

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日本人の女性ピアニストのなかで好きなのが小川典子。
偶然検索で見つけたアルバムは、19世紀後半~1930年代にかけて欧州の作曲家が日本をイメージして作ったピアノ曲集『Japonisme/ジャポニスム』。
”Japonisme”はフランス語、英語なら”Japonism”。
ジャポニズムとは、「19世紀後半に日本美術の影響を受けてヨーロッパ,アメリカ合衆国で盛んになった美術の傾向。絵画,版画,彫刻,工芸,建築,写真など,美術のあらゆる分野にわたり,1856年頃から 1910年代にかけて,フランスを中心に広く各国に見ることができる。ルネサンス以来の伝統的美術表現が,近代的感覚に適合しなくなってきたため,これを打破し新しい芸術を生み出そうとしていた芸術家たちが,開国によって知った日本の美術の斬新で高い質に衝撃を受け,そこから多くを学んで生まれた傾向である。」(コトバンク/ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

ドビュッシーの音楽を聴いていると、東洋風の馴染みのある心地良さを感じるのは、このジャポニズムの影響かも。

音楽深遠「ドビュッシーと日本的感性」(丹波古陶館『紫明』第32号)[ピアニスト・文筆家 青柳いづみこ Official Website]

アルバムのジャケット写真は、着物を着た小川典子のポートレート。これがちょっと艶めかしい。
どうやら着物の下に長襦袢の白襟が見えていない(たぶん長襦袢自体を着ていない)せいだと思う。

ジャポニズム~世界の作曲家の目に映った日本
(1999/11/23)
小川典子

試聴ファイル


<収録曲>
1. 古き日本の2つの映像:吉原帰り/出雲の秋月(ジル=マルシェックス)
2. 日光の哀しみ(タンスマン)
3. 組曲「日本にて」:忠臣蔵/地搗唄/権兵衛が種播く/祭り囃子(サーントー)
4. 歌劇「台風」~日本の歌(さくらさくら)(同/作曲者編によるピアノ版)
5. 組曲「日本」op.89:お茶屋/海の黄昏/花見/霊峰富士/芸者の踊り(ニーマン)
6. 「黄色い姫君」序曲op.30(サン=サーンス/作曲者編によるピアノ版)
7. 日本の宵op.67-4(スコット)
8. 東京行進曲(シラス)
9. 日本練習曲op.27-2(ポルディーニ)
10. プラットホームの鼻歌(グレインジャー)
11. 日本の屏風から(ケテルビー)

収録曲は、日本人作曲家が書いたようないかにも日本的な調べの曲から、ちょっと中国風、普通に欧州クラシック風な曲まである。
西洋の楽器を使って演奏される日本古風な音楽とのアンバランスが面白いし、これを聴いているとお正月気分に浸れてしまう。

特に好きなのは《古き日本の2つの映像》と《組曲「日本にて」》。
《古き日本の2つの映像》の「吉原帰り」は、いかにも日本的なリズムと旋律の曲。「吉原帰り」というより、縁日とかお祭りの風景を連想するけど。
《組曲「日本にて」》は優雅で奥ゆかしい雰囲気で品が良い。

Theodor Szanto: Chushingura


《Tokio》は、人が目まぐるしく動き回る東京の風景みたいで、ちょっとユーモラスな楽しい曲。

ボルディーニの曲は、どーして《日本練習曲》なのかよくわからなかった。

ニーマンの《組曲「日本」》と《日本の屏風から》は、日本的な音階があまり強調されていないせいで、日本的な雰囲気がほとんどせず、普通の美しいクラシック曲。
でも、《日本の屏風から》は途中で突然(「君が代」の)「千代に八千代に」の旋律が出てきたりする。

タグ:小川典子

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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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