2023.04.30 00:00| ・・ 野生動物|
保護施設のなかで地面に巣を作り石を卵だと思って温めるハクトウワシが米国で話題になっている。
この施設には、同じ柵のなかに数羽のハクトウワシが保護されているのに、このワシだけが巣作りと抱卵(石だけど)し始めたのが不思議。
卵の代わりに石を温めていたワシ、念願叶って本当に父親になる[ハフポスト日本]
TVニュース映像も多数見つかる。
Murphy the eagle steps in as stepdad
Male eagle tries to hatch rock baby at local bird sanctuary, story goes viral
鳥類保護施設World Bird Sanctuaryで暮らす雄のハクトウワシ”マーフィー”。オクラホマで巣立ち直後に足を骨折してSanctuaryにやって来たマーフィーは、ケガが完治してリリースされるも成功せず、左翼を肘の部分で骨折し飛べなくなってしまった。マーフィーは高い木の枝に巣を作ることはできないので、木の根元に穴を掘って木の枝を集めて、巣を作っている。巣の中にある石の卵をまもるために、巣の周りで威嚇の鳴き声を上げている。
31歳になるマーフィーには、一緒に保護施設で暮らす2羽の雌ワシもいたが、彼らはお互いに全然興味を持たなかったという。
屋外の巨大な囲いのなかで、マーフィー以外にも5羽のハクトウワシがいる。マーフィーが卵と巣を守ろうとして、他のワシを威嚇したり、突撃したりし始めたため、施設のスタッフはマーフィーを石の卵と一緒に屋内の囲いへ移した。
そうこうするうちに、台風で巣が吹き飛ばされて転落したハクトウワシの雛(約生後14日)がSanctuaryに持ち込まれ、マーフィーを里親にしてみることに。
親を失ったり、巣から転落した雛が見つかった場合、保護施設で人間が育てたり、既存の巣に雛を持ち込んで親鳥に里親になってもらったりする。ケストレルやファルコン、フクロウが自分の子どもでない雛を育てる映像はいくつか見たし、ハクトウワシが餌として連れて来たノスリの雛を育てて巣立ちさせた事例も少なくとも5件くらいはある。
マーフィーには雛を育てた経験が全くないとはいえ、どんな鳥でも最初は産卵も子育ても未経験なので、マーフィーが里親として雛を育てることもできないとはいえない。それに、野生のワシとは生息環境が異なり、保護施設なら縄張り争いもなく外敵からも守られているし、餌は人間が与えるから狩りをする必要もないので、マーフィーだけで巣を守り雛を育てることはできる。
石の卵から雛が孵化したと思った(らしい)マーフィーは、イーグレット(ワシの雛)の周囲を歩いて警戒したり、餌を与えたり、一緒に餌を食べたりしているので、親のつもりになっているのは間違いない。マーフィーがイーグレットにエサの食べ方を教えたり、一緒に餌を食べている姿がほのぼの。
北海道釧路市にある猛禽類医学研究所の保護施設にも、負傷して飛べなくなったオオワシやオジロワシが20羽以上終生保護されている。そこで番(つがい)になって巣を作り雛を育てた事例はないはず。(あれば話題になっているだろうから)
繁殖賞受賞リストを見ると、動物園でワシやタカが(人工繁殖ではなく自然繁殖した例はいくつかある。最終的に巣立ちしてしたのか、巣立ちしたなら野生へ放したのか、他の動物園へ移したのかは、調べてみないとわからない。
繁殖賞受賞動物・受賞園館一覧(PDF)(日本動物園水族館協会)
日本の動物園でオオワシ・イヌワシ・オジロワシが自然繁殖した事例(繁殖賞受賞リストに載っていない例もある)
【多摩動物公園でオジロワシが自然繁殖(2022年4月)】
オジロワシ19年ぶりの繁殖、そして5世の誕生 多摩 2022/05/27[東京ズーネット]
オジロワシ19年ぶりの繁殖(動画あり)[東京ズーネット]
【多摩動物公園でニホンイヌワシが自然繁殖(2021年4月)】
ニホンイヌワシのペアが2羽を子育て中です 2021/04/23 多摩動物公園 [東京ズーネット]
絶滅危惧のニホンイヌワシ、繁殖2世代目に[産経新聞]
多摩動物公園へ行こう!動物園にいるイヌワシ 〜その2〜[イヌワシタイムズ]
【札幌円山動物園のオオワシが自然繁殖(2020年2月)】
オオワシのヒナが孵化しました[札幌市丸山動物園]
オオワシのヒナが死亡しました[札幌市丸山動物園]
※2020年2月12日に非公開の野生復帰施設で飼育中のペアが産卵、3月18日には孵化。その後人間による人工育雛。
この施設には、同じ柵のなかに数羽のハクトウワシが保護されているのに、このワシだけが巣作りと抱卵(石だけど)し始めたのが不思議。

TVニュース映像も多数見つかる。
Murphy the eagle steps in as stepdad
Male eagle tries to hatch rock baby at local bird sanctuary, story goes viral
鳥類保護施設World Bird Sanctuaryで暮らす雄のハクトウワシ”マーフィー”。オクラホマで巣立ち直後に足を骨折してSanctuaryにやって来たマーフィーは、ケガが完治してリリースされるも成功せず、左翼を肘の部分で骨折し飛べなくなってしまった。マーフィーは高い木の枝に巣を作ることはできないので、木の根元に穴を掘って木の枝を集めて、巣を作っている。巣の中にある石の卵をまもるために、巣の周りで威嚇の鳴き声を上げている。
31歳になるマーフィーには、一緒に保護施設で暮らす2羽の雌ワシもいたが、彼らはお互いに全然興味を持たなかったという。
屋外の巨大な囲いのなかで、マーフィー以外にも5羽のハクトウワシがいる。マーフィーが卵と巣を守ろうとして、他のワシを威嚇したり、突撃したりし始めたため、施設のスタッフはマーフィーを石の卵と一緒に屋内の囲いへ移した。
そうこうするうちに、台風で巣が吹き飛ばされて転落したハクトウワシの雛(約生後14日)がSanctuaryに持ち込まれ、マーフィーを里親にしてみることに。
親を失ったり、巣から転落した雛が見つかった場合、保護施設で人間が育てたり、既存の巣に雛を持ち込んで親鳥に里親になってもらったりする。ケストレルやファルコン、フクロウが自分の子どもでない雛を育てる映像はいくつか見たし、ハクトウワシが餌として連れて来たノスリの雛を育てて巣立ちさせた事例も少なくとも5件くらいはある。
マーフィーには雛を育てた経験が全くないとはいえ、どんな鳥でも最初は産卵も子育ても未経験なので、マーフィーが里親として雛を育てることもできないとはいえない。それに、野生のワシとは生息環境が異なり、保護施設なら縄張り争いもなく外敵からも守られているし、餌は人間が与えるから狩りをする必要もないので、マーフィーだけで巣を守り雛を育てることはできる。
石の卵から雛が孵化したと思った(らしい)マーフィーは、イーグレット(ワシの雛)の周囲を歩いて警戒したり、餌を与えたり、一緒に餌を食べたりしているので、親のつもりになっているのは間違いない。マーフィーがイーグレットにエサの食べ方を教えたり、一緒に餌を食べている姿がほのぼの。
北海道釧路市にある猛禽類医学研究所の保護施設にも、負傷して飛べなくなったオオワシやオジロワシが20羽以上終生保護されている。そこで番(つがい)になって巣を作り雛を育てた事例はないはず。(あれば話題になっているだろうから)
繁殖賞受賞リストを見ると、動物園でワシやタカが(人工繁殖ではなく自然繁殖した例はいくつかある。最終的に巣立ちしてしたのか、巣立ちしたなら野生へ放したのか、他の動物園へ移したのかは、調べてみないとわからない。

日本の動物園でオオワシ・イヌワシ・オジロワシが自然繁殖した事例(繁殖賞受賞リストに載っていない例もある)
【多摩動物公園でオジロワシが自然繁殖(2022年4月)】


【多摩動物公園でニホンイヌワシが自然繁殖(2021年4月)】



【札幌円山動物園のオオワシが自然繁殖(2020年2月)】


※2020年2月12日に非公開の野生復帰施設で飼育中のペアが産卵、3月18日には孵化。その後人間による人工育雛。