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スティーブン・ハフ/Partita for Piano(2019),Fanfare Toccata(2020)
ハフ作曲の”Partita for Piano(2019)”と”Fanfare Toccata(2022)”。
この2曲は初めて聴いたけど、どちらも緩徐楽章(緩徐部)以外は音が鍵盤上を軽く飛び跳ねるように動き回り、”Partita for Piano”はちょっと慌ただしく感じる。どちらかというと、リズムに少し落ち着きがあり、特に和声が綺麗な”Fanfare Toccata”の方が好き。

Stephen HOUGH - Partita for Piano (Albert Cano Smit, piano)(Live recording at Carnegie Hall, October 2019)

I. Overture/II. Capriccio/III. Cancion y Danza I/IV. Cancion y Danza II/V. Toccata

ハフによる作品解説(動画の説明欄):シリアスで激しい性格の4つのピアノ・ソナタを作曲したので、Naumburg(財団)の委嘱曲には何か違うものを書きたかった-もっと明るいもの、もっと祝祭的なもの、もっとノスタルジックなものを。
このパルティータは5楽章構成。両端(楽章)は堅牢なブックエンドで、「イギリス風」な薫りがあり、大聖堂の大オルガンの世界を連想させる。第1楽章は、儀式的な華やかさと感傷に訴える厳粛さが交互に現れる。一方、最終楽章は、第1楽章の主題を受け継ぎ、ヴィルトゥオーゾ的なトッカータで、ゴシック様式の緊密な空間(cloom)から日曜日の輝く太陽へと突進する。
この曲の中央には5度の音程を使った短い3つの楽章をおき、絶えず拍子が変化する落ち着きのなく鋭い”Capriccio”と、カタロニアの作曲家フェデリコ・モンポウにインスパイアされた2つの”Canción y Danza”。
※cloom;(古語、他動詞)「粘着性の物質で閉じる」/clamの変形「詰まらせる」/「粘着性や粘性の物質で閉じるまたは塞ぐ」。


”Fanfare Toccata”は2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのための委嘱曲。
ライブ映像のピアニストは、クライバーンコンクールで史上最年少でゴールドメダルを受賞したイム・ユンチャン(18歳)。この曲の演奏で「Beverley Taylor Smith賞(新作最優秀演奏賞)」も受賞。

Yunchan Lim 임윤찬 – HOUGH – Fanfare Toccata


↑のYunchan Limがコンクールで弾いていた《超絶技巧練習曲集》がかなり評判良いらしい。7月にはライブ録音CDでリリース予定。
Yunchan Lim 임윤찬 – LISZT 12 Transcendental Etudes – Semifinal Round Recital–2022 Cliburn Competition

tag : スティーヴン・ハフ

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クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;アリステア・マクリーン、エドモンド・ハミルトン、太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
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