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アール・ワイルド ~ ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はかなり聴いたので、そろそろ聴盤探しは打ち止めとと思ったところで見つけたのが、アール・ワイルドのピアノ、ホーレンシュタイン指揮ロイヤル・フィルのCHANDOS盤。1965年、英国Walthamstow Town Hallでのスタジオ録音。

演奏を聴けばすぐわかるのは、ワイルドは抜群に切れのよい正確なメカニックをもつヴィルトオーゾ系のピアニスト。
なぜかやたらに詳しい日本語版の公式サイトまである。ここは彼のCDの多くが試聴できるのが便利。

CHANDOS盤は、1960年代の録音にしては響きがやたら伸びやかで、やや人工的な響きという感じがする。
同じ演奏を収録したChesky盤の方は余計な残響がなく、非常にシャープで明瞭な音。公式サイトのDiscographyを探せば、この盤も試聴できる。

CHANDOSのラフマニノフ・ピアノ協奏曲全集。パガニーニ狂詩曲も収録されていてコストパフォーマンスはとても良い。
Piano Concertos 1-4 / Rhapsody on Theme PaganiniPiano Concertos 1-4 / Rhapsody on Theme Paganini
(2003/06/24)
Royal Philharmonic Orchestra

試聴する(米amazon)


Chesky盤のラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番、他。
音質はCHANDOSよりも良い。全集セットがなくて割高なのが難点。でも音で選ぶならこの盤に限る。
Rachmaninoff: Piano Concerto no.2, Isle, etc./Wild, HorensteinRachmaninoff: Piano Concerto no.2, Isle, etc./Wild, Horenstein
(1990/03/07)
Earl Wild,Horenstein, Royal Philharmonic orchestra

試聴する(米amazon)



ワイルド/ホーレンシュタイン指揮ロイヤル・フィル盤は、演奏のタイプとしては、カッチェン/ショルティ指揮ロンドン響の演奏に近い。リヒテルのような悠然で叙情もたっぷりの演奏が好みなら、これはまず合わない。
とにかく第1楽章から速いこと。タッチも明瞭で力感も十分。スピード感と推進力に溢れている。
第2楽章も、ワイルドのピアノには、ウェットな叙情ではなく氷のように透明で明晰な詩情が流れていて、これはこれで爽やかで新鮮。
第3楽章も冒頭から切れ味よくパワフル。音の粒立ちもよくシャープでクリア。叙情的に歌うところは硬質な美しさがあり、クライマックスもダイナミックに盛り上げていくので、白熱感も十分。
ワイルドのピアノ自体が明るさと輝きをおびているので、ロシア的憂愁のようなほの暗さを感じさせないところがある。
全編に硬派の叙情が流れている。コチシュのように理性的な抑制を感じさせず、叙情的に聴かせる緩徐楽章と、スピード感と推進力で盛り上げていくところのコントラストも鮮やか。

ワイルドはカッチェンと同じくらいか、時にはさらに速いテンポで弾いているところもある。どんなに速くても筋肉質系の演奏にはならない。(なりかける手前くらいの微妙なところはある)
テンポが加速して白熱しても、ピアノの美しさを失わないコントロール力がある。
叙情的に歌うところは、カッチェンの方が柔らかくて繊細で、切々と良く歌っている。ワイルドは、鋭く引き締まった美しさがある。

この演奏は特にオーケストラの伴奏が良い。カッチェンの伴奏をしていたショルティ指揮ロンドン響は機能性重視のところがあって、シャープで割り切りよく演奏していたので、詩情が吹き飛びがち。
このホーレンシュタイン指揮ロイヤル・フィルは、ロシアの大地のような太くて厚い響きと重量感があり叙情も豊か。この異常に速いテンポでも崩れずに演奏しきってしまう。ワイルドのピアノにとって、この指揮者とオケの伴奏は理想的かもしれない。

もともとロシアものは、スローテンポで重ためのロシア的憂愁をおびた演奏よりも、スピード感のあるダイナミックで明快な演奏の方を好むので、このワイルドの演奏はかなり気に入った方。
残るは、評判の良いスティーヴン・ハフがリットン指揮ダラス響をバックに弾いた録音を聴きさえすれば、本当に打ち止めになる気がする。(→今聴いているところ。これは素晴らしく良いです。もうこれで打ち止めに決まり。)

tag : ワイルド ラフマニノフ

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アール・ワイルドで検索して本ページがヒットしました。
まさに今ワイルドのラフマニノフP協2番聴いていますが、ハードボイルドで実に格好いいですね。

ホロヴィッツのラフ3番くらい気に入っています。
 
yossy様、こんばんは。

ワイルドは、技巧鮮やかで情感過多にならない硬派なところがいいですね。
自分で編曲もする人なので、自作自演の編曲作品の録音が面白いです。
作曲家の素養があるピアニストはいいですね。

ホロヴィッツもそうですし、
存命のピアニストでしたら
カツァリスが最高です。
 
yossy様、こんばんは。

ポロヴィッツとはどうも相性が悪いのでほとんど聴きませんが、カツァリスはいろいろ聴きました。
作曲・編曲するピアニストに限れば、ケンプとハフ、それにフィオレンティーノが好きですね。
なるほど、それでホロヴィッツの記事がないのですね。

へー、ケンプは編曲しているイメージがなかったですね。

ラフマニノフ ヴォカリーズのピアノ編曲はコチシュ版がロマンテックで良いと思いました。
無論、ワイルド編曲もいいのですが...
 
yossy様、こんばんは。

ピアニストとの相性の良し悪しは単に好みの問題ですので。
ケンプはバッハ編曲(特にシチリアーノ)が有名ですね。楽譜も出版されています。
ヴォカリーズのピアノ編曲版なら、私はフィオレンティーノの編曲で聴いてます。
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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