アルヴォ・ペルト/作品集 

2009, 02. 28 (Sat) 20:22

最近見つけたペルトの作品集。ペルトのCDは10枚以上は持っていたはずで、その中でもこれはとりわけ選曲が良い。
管弦楽曲、合唱曲、ピアノ独奏曲、室内楽曲まで、これだけバリエーションのあるペルト作品のアルバムは他にないかもしれない
全体的に旋律が美しく、曲想の異なる曲が多く、演奏時間も短いので、集中力も途切れずにペルトの音楽のエッセンスが聴ける。

Part: Fratres/Cantus in Memory of Benjamin Britten/Tabula RasaPART:Works
( 2005/5/28 )
Neeme Jarvi,Bergen Philharmonic Orchestra,Gluzman,yoffe,etc.

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1.ヴァイオリンとピアノのためのフラトレス -Vadim Gluzman (Vin),Angela Yoffe (P)
ペルトの音楽の中でも最も有名な曲。いろいろな楽器編成で編曲されているが、クレーメルとジャレットが弾いていたこのヴァイオリンとピアノ版が記憶に刷り込まれていて、一番美しいと思う。
ヴァイオリンとピアノが奏でる中間部が静謐な旋律と雰囲気の美しさと、その前後の激しさとのコントラストが鮮やか。

次の3曲は合唱曲。ペルトの合唱曲は長いものが多く、高い透明感、美しい和声、静謐な雰囲気が特徴的だが、Dopo la vittoriaとはBogoroditse Djevoは明るい色調で快活。3曲とも柔らかい響きがとても美しい。
2.Dopo la vittoria (After the Victory)
3.Bogoroditse Djevo (Mother of God and Virgin)
4.I am the True Vine -以上、トヌ・カリュステ指揮スウェーデン放送合唱団

5.Annum per annum (K-G-C-S-A) -Hans-Ola Ericsson(Org)
珍しいオルガンの独奏曲で初めて聴く曲。いつもは圧迫感のあるオルガンの厚い響きがかなり薄くて軽やか。基本音型が繰り返し現れるミニマル・ミュージック的なところがあるが、旋律や和声はわりと調和的。

6.鏡の中の鏡 Spiegel im Spiegel -Vadim Gluzman(Vin),Angela Yoffe(P)
この曲はとても美しい旋律で、ペルト作品の中でも最も好きな曲の1つ。透明感・静謐さ・暖かさを感じさせる夢のような雰囲気。
この曲はとてもテンポが遅く、旋律はとてもシンプルだけれど、全く聞き飽きることがない美しさがある。

次の2曲はピアノ独奏曲でペルトらしいシンプルな旋律。
変奏曲は長調で愛らしさがあるが、短調の「アリーナに」は独りつぶやくような主題がとても内省的で、内面へ深く沈潜しているような雰囲気がする。
ペルトの曲のピアノの音は、いつも独特の透明感と静けさがあって、美しい。
7.アリヌーシュカの癒しに基づく変奏曲 Variationen zur Gesundung von Arinuschka
8.アリーナに Fur Alina -アレクセイ・リュビモフ(P)

9.小五重奏曲 Op. 13 -Berlin Philharmonic Wind Quintet
  I.Schnell、II.Langsam、III.Massig
これはペルトにしては、かなりカラフルな音色と動きのある曲。モチーフも現代音楽的な不協和的なところがあるが、いつものペルトとは違う雰囲気が面白い。おどけたようなラストはどういうつもりなんだろうかと不思議。

10.Concerto Piccolo uber B-A-C-H -ネーメ・ヤルヴィ指揮イェテボリ交響楽団、ホーカン・ハルデンベルィエル(Tp)
  I. Preciso、II. Lento、III. Deciso
バッハ(B-A-C-H)の主題をモチーフにした協奏曲。これはかなり現代音楽的な不協和音が入ってきて、調和的な楽しげな旋律と交互に現れてくる。
シュニトケにも有名な調性音楽をモチーフにしたこの種の曲がいくつかあるが、ペルトの方が不協和音とはいえ和声は美しくて、不条理性はかなりマシ。

11.弦楽四重奏のためのフラトレス -Tallinn Quartet
フラトレスの弦楽版。ヴァイオリンとピアノ版がかなり動と静の対比が強かったが、この弦楽版は全編とても穏やか。これはカルテットだが、チェロ合奏版もある。探せば他のバージョンもありそうな気がする。

12.ベンジャミン・ブリテン追悼の「カントゥス」 Cantus in memory of Benjamin Britten -ネーメ・ヤルヴィ指揮ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
これもペルトの代表作の一つ。何度聴いても、カスケードのような厚みのある弦の響き、それに打ち鳴らし続けられる鐘の音に、鎮魂歌としての厳粛さと悲痛感が現れているとても印象的な曲。

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