シェーンベルクの初期ピアノ曲 

2009, 02. 26 (Thu) 20:05

アルノルト・シェーンベルクが20歳の若かりし頃に作曲した初期のピアノ作品は、後年の無調音楽の時代と違って美しい調性音楽で、作品番号がついていない。
ピアノ曲で作品番号がついていないのは、3つの小品(1894)、4手のピアノのための6つの小品(1895-96)の2曲。
あのシェーンベルクが書いたとは思えない、至極普通のロマンティックな曲。でも、聴いているとなぜか面映い気がしてきて、せっかく美しい調性音楽を聴いたのに、12音技法で作曲されたピアノ協奏曲の方を聴きたくなってしまう。

シェーンベルクの作品番号のついたピアノ独奏曲は、ピアニストによってかなり表現が違っている。
ポリーニはモノトーンのドライなタッチ、ピーター・ヒルはクールな叙情感が美しく(これが一番好みに合っている)、内田光子は油絵のように濃厚で饒舌。
探せば他にも個性的な演奏はあると思うが、ピアノ協奏曲が、オーケストラが入っているせいか、ピアノが躍動的に動き回り、響きも表情も豊かで、これはかなり面白い。

シュニトケの場合も同じで、ボリス・ベルマンの演奏だとピアノ独奏曲はモノクロの無機的な世界のようなもので、これはかなりとっつきの悪さがあるが、ラグナ・シルマーやSvetlana Ponomareva 、イリーナ・シュニトケの演奏だと叙情豊かな音楽に聴こえる。
コンチェルトの方も、不協和音の世界とはいえ、独特の叙情性があってとても美しい音。

無調のピアノ独奏曲はかなり敷居が高いが、無調や不協和音の響きを聴くのに慣れてくれば、ピアノ協奏曲の方は、安定感のある調性音楽とは全く違う新鮮さがあって面白い。

ウィーンにあるArnold Schönberg Centerのウェブサイト<Arnold Schönberg Center Webradio&Jukebox>では、シェーンベルクの作品(多分ほとんどの作品をカバー)を全曲聴くことができる。(ただし、長い曲は途中でカットされているらしい。)
NAXOSのNMLでも登録されていない曲があるので、このサイトはかなり重宝。
音源ファイルは、WMPでは再生できなかったが、RealPlayerなら再生可能。

Drei Klavierstücke (1894) [Three pieces for piano]
 I. Andantino
 II. Andantino grazioso
 III. Presto

Sechs Stücke für Klavier zu vier Händen (1895-96) [Six pieces for piano four hands] 
 I. Andante grazioso
 II. Poco allegro
 III. Rasch
 IV. Andante
 V. Lebhaft rasch
 VI. Allegro molto

Concerto for Piano and Orchestra op. 42(1942)
 Andante
 Molto allegro
 Adagio
 Giocoso (moderato)

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