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アニヴァーサリー・イヤー ~ ブロッホの室内楽曲
チェリストであるスティーヴン・イッサーリスの来日公演のプログラム・テーマは「アニヴァーサリー」。
たまたま見ていたリーフレットだったけれど、今年は何のアニヴァーザリーなのかが良くわかる。(数ヶ月前に見かけたのでもう公演は終っているかも)

「ヘンデル没後250年」
「リヒャルト・シュトラウス没後60年」
「メンデルスゾーン生誕200年」
「ブロッホ没後50年」
「マルティヌー没後50年」

イッサーリスのプログラムはチェロ曲をピックアップしたものなので、チェロに限らなければ、まだまだいろんな作曲家のアニヴァーサリーの年なのかもしれない。
マルティヌーは一度も聴いたことがない。名前の雰囲気からてっきりフランス人だと思っていたら、チェコの作曲家だった。
今年はアニヴァーサリー・イヤーなのでそれを記念して、マルティヌーのヴァイオリン協奏曲をスーク/ノイマン&チェコフィルが演奏した録音が、再度リマスタリングしてリリースされている。ピアノ曲も多少は書いている。
こういう機会でもないとあまり聴かないと思う作曲家なので、コンチェルトをいくつか聴いてみる気になっている。

                                  

ブロッホもマルティヌーと一緒の没後50年。
ブロッホを知っている人、または、作品を聴いたことがある人は、そう多くはないだろうし、ブロッホに関するブログやホームページも少ない。
ユダヤ音楽の影響ばかりが強調されるところがあるせいもあるだろうけれど、コンチェルト・グロッソとかの古典的な薫りのする作品も多く、曲によってかなり雰囲気が違う。
いろいろ聴いてみれば、現代音楽にしてはそれほどとっつきの悪い作曲家ではないと思う。[ブロッホのプロフィル(Wikipdeia)]
作曲したピアノ曲は、独奏曲・協奏曲とも多くはないが、いずれも聴きやすいものが多い。
特に、コンチェルト・グロッソ第1番は、ピアノを使った合奏協奏曲で、緊張感と古典的な典雅さが混在するところがとても面白い。
現代的でややエキゾチックな雰囲気のする和声と旋律が美しいので、全く”現代音楽”的な難解さはない。この曲を初めて聴いたばかりに、ブロッホのCDをいろいろ集めることになったくらい印象が強かった。


イッサーリスのプログラムでは、ブロッホの『3つのスケッチ「ユダヤの生活から」』が演奏曲目。1925年の作曲で、チェロとピアノのための組曲。
エキゾチックな雰囲気はあるが、哀愁を帯びた美しい旋律で、朗々とチェロの音が響く。3曲構成で、最初の最初の「Prayer」が綺麗な曲。最後の「Jewish Song」になると、これはユダヤ音楽らしき異国情緒が濃厚。
『3つのスケッチ「ユダヤの生活から」』の試聴ファイル(NAXOSサイトサイト)

ブロッホは1923年にも似たようなテーマの曲を書いている。タイトルは『Baal Shem (Three Pictures of Chassidic Life) 』で、これはヴァイオリンとピアノのための組曲。チェロの曲よりも、このヴァイオリン曲の方が叙情性が強いような気がする。
第3曲の「Rejoicing」は、コンチェルトグロッソの主題に似ていて、タイトルどおり、とても明るくて喜びに輝いているような曲で、古典のような格調のある美しい旋律がとても印象的。
エキゾチックな雰囲気がするのだろうけれど、ブロッホを度々聴いているとそういう感覚が希薄になっている。
『Baal Shem』の試聴ファイル(NAXOSサイト)


                                  


このCDはブロッホの室内楽全集の第2巻(たぶん今は廃盤)。『Baal Shem (Three Pictures of Chassidic Life) 』が収録されている。
10年くらい前にブロッホのCDをかなり集めていた頃に買ったもの。今ではブロッホの作品はNMLでたくさん登録されているから、試聴せずに(できずに)CDを集めていた頃とは随分変わったものだと思う。
このアルバムにはヴァイオリン・ソナタ第2番の「神秘的な詩」も入っていて、これはブロッホの室内楽でも人気のある曲。
第1番があまりに激烈な雰囲気だったので聴衆には全く受けず(実際、聴いていてもかなり疲れる曲だった)、それで正反対の美しくてミステリアスな曲を作ったという。
コンチェルト・グロッソ的な旋律も聴こえるし、ヤナーチェクの室内楽のような雰囲気もするし、確かに「神秘的な詩」というタイトルどおりの曲。
和声はブロッホらしく綺麗だし、近現代のフランス音楽のヴァイオリン・ソナタに似ているところもあるので、現代音楽らしくない聴きやすい曲です。

Bloch: Complete Music For Violin And Piano, Volume IIBloch: Complete Music For Violin And Piano, Volume II
(1993/04/20)
Weilerstein Duo: Vivian Hornik Weilerstein (Piano), Donald Weilerstein (Violin)

商品詳細を見る

ヴァイオリン・ソナタ第2番"Poeme Mystique"の試聴ファイル(NAXOSサイト)

tag : ブロッホ

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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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