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フランスのピアノ協奏曲集より ~ ルーセルとフランセのピアノ協奏曲
あまり知られていないフランスの作曲家のピアノ協奏曲ばかりを集めた珍しいアルバム『French Piano Concertos』。
ボワエルデュ、マスネ、ピエルネ、ラロ、シャミナード、フランセが並ぶが、ラロは《スペイン交響曲》で知られている程度。
《タイスの瞑想曲》で有名なマスネ以外はマイナーだと思う。といっても《タイスの瞑想曲》もすぐに旋律が浮かぶ人は意外と少ないかも。

このアルバムは、いろんな作風の曲がまとめて聴けるし、ピアニスト、指揮者、オーケストラが曲ごとに違う組み合わせなので、演奏のあたりはずれはあるかもしれない。
これは、比較して聴かないとすぐに良いかどうかはわからないので、とにかく曲想がつかめるだけでもとっかかりになるので、これはこれで優れもの。

ルーセル以外は、調性の安定したロマンティックなピアノ協奏曲。
年代から言えば、フランセが最も現代の作曲家ではあるけれど、彼の作風は新古典主義的な調性音楽で、現代風の軽妙で洒落た曲である。
ルーセルのピアノ協奏曲はロマン派風のところは全くないが、現代音楽的な難解さは少ない方で聴きやすくはある。フランス系の作曲家にしては強いリズム感、打楽器的なピアノ奏法、不協和的な和声があちこちで聴こえる。第3楽章はプロコフィエフ風のコラージュのような曲。

French Piano ConcertosFrench Piano Concertos
(1994/08/22)
Francois-Adrien Boieldieu、

試聴する(米国amazon)


アルバート・ルーセル/ピアノ協奏曲 ト長調 Op. 36
第1楽章からピアノが打楽器的に低音を打ち鳴らして、それをバックにオケが主題めいた旋律を深刻そうに弾いている。
ピアノ協奏曲といっても、どちらかというとピアノも楽器のうちの一つのような役割で、主題も全然メロディアスではない。和声自体はそれほど不協和的ではないので聴きやすくはある。

第2楽章はゆったりとしたテンポでやや悲愴感がある。
ピアノがポロポロ~ンと弱音の同音連打を繰り返すなか、管楽器が順番にやや不気味な雰囲気のする主題を吹いている。そのうちピアノが前面に出てくるが、歌謡性の乏しい旋律。

第3楽章は、ややおとなしめのプロコフィエフといった風情。
コラージュのようにいろいろな曲想(軽妙、不安、諧謔、etc.)の主題らしき旋律が、次から次へと登場して統一性のない曲。
初めて聴いた時は面白いと思ったが、再度聴いてみるとさほど強い印象が残らない。
ロマンティックではないが、かといって強烈な個性や様式があまり感じられないので、聴きやすいけれどインパクトがないせいだろうか。

ジャン・フランセ/ピアノ協奏曲
第1楽章、第3楽章、第4楽章は、速めのテンポで、フランスの音楽らしい明るく洒落た雰囲気。どことなくユーモアもある楽しい曲。
ちょこまかと軽やかなタッチのピアノが良い感じ。オケも響きが薄めでとても軽やか。
第2楽章はテンポを落として、アンダンテ。さっきは動き回ったので、休憩しているような雰囲気があって、とてものどかな曲。
完全な調性音楽で、フランス音楽らしい雰囲気がたっぷりとあって、品のよいプーランクみたいな曲。
BGMのように聴いてしまうほどに似たような曲想が続くし、主題がそれほどメロディアスではない。
聴いていて楽しい曲ではあるけれど、ルーセルと同様、この曲もさほど強い印象が残らない。
同じ現代フランスのピアノ協奏曲であっても、ラヴェルやプーランクの作品には作曲家の刻印のような独特の薫りがする。
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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