ラーシュ=エーリク・ラーション/12のコンチェルティーノ Op. 45 

2009, 08. 12 (Wed) 12:00

スウェーデンの作曲家ラーシュ=エーリク・ラーション(1908-1986)のとても面白いコンチェルト集「12のコンチェルティーノ Op. 45」。
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ピアノをソロ楽器にした12の協奏曲集。
20世紀を生きたラーションの作風は折衷的と言われるが、この「12のコンチェルティーノ」に限って言えば、調性が安定し、バロックや古典時代を思い出させるような旋律と響きが聴こえてくる。

Lars-Erik Larsson: Twelve Concertinos, Op. 45Lars-Erik Larsson: Twelve Concertinos, Op. 45
(1994/10/12)
Knut Sonstevold、

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NO.12の「ピアノ・コンチェルティーノ」から聴いてみると、伴奏のオケの弾く旋律はまるでブロッホのコンチェルト・グロッソ第1番を聴いているような曲。同じ旋律も出てくるが、和声はかなり現代的な響き。
”ピアノ・コンチェルティーノ”というだけあって、ブロッホの曲よりもピアノが前面に出て、オケのパートよりも軽快に動き回っていて、表情豊かな旋律。
この曲は、ブロッホよりもエキゾチックな雰囲気と古典的な雰囲気が薄く、旋律や響きがずっと現代風でスマートさがある。これは現代音楽にしては、とても聴きやすい。
この12曲のコンチェルティーノの中では、このピアノ・コンチェルティーノが一番華やかで音色や響きも多彩で、独奏楽器としては一番目立っている。

他のコンチェルティーノも、現代的な和声や旋律は聞こえるけれどとても美しい響きで、形式的にも安定しているので、現代音楽的難解さはない。
それぞれ曲想の違いはあるが(そんなに極端に違うことはないが)、古さと新しさが共存するような感じがするのは、ブロッホのコンチェルト・グロッソと似ているところがある。

「ヴァイオリン・コンチェルティーノ」は、ピアノバージョンと似た明るめの雰囲気で、旋律もコンチェルト・グロッソ風でとても典雅な曲。躍動感のある第3楽章は、伴奏の弦パートのピッチカートがよく効いているし、曲想もちょっとおどけた風の軽妙なところがある。

「ヴィオラ・コンチェルティーノ」は短調の暗い雰囲気が漂っていて、様式も現代風なところがある。第2楽章は翳りのある哀感のある美しい曲。

管楽器のソロだと、「フルート・コンチェルティーノ」が明るい色調で聴いていて楽しい。
まるで小鳥があちこち飛び回っているように明るく軽快で、微笑ましい曲。第2楽章のアリエッタも翳りのある美しい旋律でフルートの音色がよく合っている。

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