パブリック・ドメイン音源の配信サイト 

2009, 05. 22 (Fri) 12:47

パブリック・ドメインに関しては、以前「パブリック・ドメインをめぐる最近のトピックス」を書いたことがあるので、今回はパブリック・ドメインの音源を配信しているサイトについて。

パブリック・ドメインとは、Wilipediaによれば「著作物や発明などの知的創作物について、著作者や発明者などが排他的な権利を主張できず、一般公衆に属する状態にあることをいう。」
著作権の存続期間や著作隣接権の保護期間が経過すると、パブリック・ドメインになり、誰でも自由に利用できるようになる。著作権・著作隣接権によって保護される期間は国によって異なるので、ある国ではパブリック・ドメインになっていても、別の国では権利が存続している場合もある。

クラシック音楽の世界では、最近1950年代以前の演奏を録音したCDが数多くリリースされているが(それも廉価盤で)、演奏者の所属レーベルではなく、サードパーティからリリースされているケースをよく見かけるので、このパブリック・ドメインの音源を使っているのだと思う。

日本国内サイトでは、パブリック・ドメインになったクラシック音楽の音源をフリーでストリーミング配信で聴いたり、ダウンロードできるサイトがいくつかある。かなり以前から続いているサイトらしい。
サイト管理者の保有する音源を利用してMP3ファイルを作成しているようなので、サイトごとに登録されている曲の構成は当然異なっている。

クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label
個人の運営サイト。曲や音源に関する解説がちゃんとあって、いくつか読み物もあるし、とても丁寧なつくり。個人でこれだけのサイトを運営しているのは、労力・時間・費用の面全てでかなりの負担だと思うけれど、そういう事情もいろいろ書いてある。
ストリーミング配信で全曲試聴できるが、MP3ファイルのダウンロードには登録が必要。サーバー負荷軽減のため、1週間あたりのダウンロード数には上限がある。
特に、廃盤になっている音源を探すのに役立つサイトで、例えば、バックハウスのモノラル盤の「ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ全集」が見つかったりする。

無料クラシックmp3ダウンロード著作権切れ、パブリックドメインの歴史的音源
管理者情報がないのでどういう人がどういう趣旨で運営しているのかよくわからないけれど、これもかなり昔からあるサイトらしい。

Public Domain classic
このサイトは、くまさんのブログ”知られざる佳曲”で知りました。
このサイトも管理者情報はなし。サイト構成がシンプルなので、MP3ファイルのダウンロードが容易。

                              

ちなみに、パブリック・ドメイン以外の音楽を定額料金で配信しているサイトとしては、日本ではナクソス・ミュージック・ライブラリとナップスターが有名、というか、それ以外には多分ないと思う。

ナクソス・ミュージック・ライブラリ
クラシック音楽が充実しているのは、「ナクソス・ミュージック・ライブラリ」。
大手レーベル以外(NAXOS、CHANDOS、BIS、他多数)のCDが、月々定額(1890円)でストリーミング配信で聴けるが、ダウンロードはできない。
クラシックの登録曲が膨大にあるので、プライベートな音楽図書館のように使える。これは一度利用するとなかなか止められないくらい、とても役に立っている。
頭が痛いのは、知らなかった曲や演奏家の録音を聴いてしまうと、かえって手元において置きたいCDが増えてしまうこと。CDの購入枚数が減るんじゃないかと期待していたが、逆に増えている気がする。

ナップスター
クラシック分野はかなり手薄ではあるけれど、ナップスターは定額制の無制限聴取・ダウンロードサービス(サブスクリプション型という)をしている。
邦楽は少なめで洋楽が充実しているらしい。ituneにはSONYが音源を提供していないし、レーベルの壁はかなり高いらしい。
日本国内でこのサブスクリプション型の音楽ファイルがダウンロードできるのはナップスターのみ。
ナップスターに毎月定額を支払えば、曲数制限なく全曲聴取・ダウンロードできる。ただし、一部、購入専用の曲も含まれているので、これは別料金を支払わないといけない。
一番肝心な点は、無制限でダウンロードできるといっても、ダウンロードした音楽ファイルにはDRM(デジタル著作権管理)による著作権プロテクトがかかっているので、ナップスターとの契約を打ち切った時点で全てのファイルが利用できなくなること。
ダウンロードした楽曲をずっと聴き続けたいなら、毎月ナップスターに定額料金を支払わないといけないし、CDを作成してずっと保存しておきたいのであれば、結局、ituneやmoraのように楽曲を購入しないといけない。


他にも、パブリックドメインになっていない音源を無料または定額で無制限にMP3ファイルがダウンロードできるサイト(こっちは本当に無制限で、ファイルもDRM化されていないので永久使用可)がいくつかある(あったが)、明らかに著作権侵害をしている違法サイト。
○○○3というサイトは無料ダウンロードで人気があったらしいが、すでにサイトは閉鎖されている。
もし合法的に、無料か数千円程度の定額で無制限に音楽ファイルがダウンロードできて、しかもMP3ファイルが永続的に、しかもどんなオーディオ機器でも使えるのであれば、CDはますます売れなくなるし、ituneやmoraで1曲・アルバムごとに料金を支払ってダウンロードする気にはあまりならないだろう。

実際、お隣の韓国ではこの種の違法配信サイトが横行していて、演奏家には厳しい状況らしい。
「音楽ファイルが違法コピーされネットに出回るようになってから、当然のことながら韓国の音楽市場規模は急減した。ここ数年、よほどの人気歌手でもない限り、音楽CDなどというものは滅多に出すことはない。多くのアーティストは「デジタルシングル」と呼ばれる有料ダウンロード販売や携帯電話のカラリング(待ちうた)、ライブベル(着うた)で生き延びている。」(IT+Plus:2009/4/15付記事)

昨年11月には、ワーナー・ブラザーズが、インターネット上の違法コピーがあまりに酷いため、とうとう韓国でのDVD販売事業から撤退してしまった。中国は違法コピーの海賊版が多いのは昔から有名だったけれど、韓国でも違法な配信サービスが一般化しているようだ。

8 Comments

matsumo  

パブリックドメインの音源ですか

yoshimiさん、こんにちわ

私の場合、ここ1年間位はCDやDVDの購入枚数は劇的に減りました。今年のなってからは、クラシック音楽関係のCDは12枚のみです。内、半分以上は、弦楽四重奏曲ですし。

さて、パブリックドメインの音源についてですが、個人で公開する場合は、古い録音はその当時の音源、すなわち、覆刻CDからではなく、SPやLPを再生したもので行った方が良いと思っています。

しかしながら、Naxos等の大企業が、EMI等の1950年代の録音(例えば、マリア・カラスのもの)を発売するのはどうかなあと思っています。そう言うには、やはり、元テープを持っている会社しか出さないのが商業道徳のような気がしております。

2009/05/22 (Fri) 18:30 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

パブリックドメインといえど、いろいろ問題はあると思いますが

matsumo様、こんにちは。

CDやDVDの購入枚数が減るというのはうらやましいですね。
私は収納スペースの関係もあって、年間50-100枚くらい購入して、持っていてもほとんど聴かないCDは少しずつ処分しています。

個人公開の音源が何が適切かは、私は判断する基準を持っていないので、何とも言えませんが、いろいろ調べてみると気になるところはありますね。
LP、SP、CDが混在していても、私はCDの音しかほとんど知らないので区別がつかないですが、おそらくCD音源が多いような気はします。
LPやSPではなく、CDからファイルを作成すれば違法だという人もいますが(本当かどうかは知りません)、盤ごとではなく、元々の録音に対してパブリックドメイン化するようですね。
違法サイトならレコード会社や協会が取り締まれば良いのでしょうが、なぜか長年運営されているので問題はないのかとも思えます。それとも、単に見逃しているか、大目に見ているだけなのかも。

復刻盤をつくるのには手間がかかるらしく、そのCDがパブリックドメインの音源に使われてしまうと、製作者の苦労が報われませんね。
私はナクソスの会員なので、復刻盤を聴くことは曲によってはできるので、この無料サイトは廃盤探しに使おうかと思っています。

ビジネスの場合は、法的に問題がないとはいえ、2つ以上のレーベルが同じ音源を利用して同時にCDを販売しているなど、ビジネス慣行上問題があるのであれば、当事者間で利用料を設定するなりして、業界内で話をつけてくれれば良いことだと思います。でも、そもそも権利切れなのでそういうことはしないでしょうね。
個人的には、貴重な音源が死蔵されたり、価格が高止まりするよりは、良いかなと思っています。
パブリックドメイン化すると、印税が入ってこなくなるので(契約にもよると思いますが)、一番不利益を被るのは演奏者でしょうか。

2009/05/22 (Fri) 19:07 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

パブリックドメイン音源の利用について(補足)

パブリックドメインの音源とはいえ、音源保有会社とは別会社が、無償で復刻盤を出しているとは限らず、マスターテープから復刻する場合は、ライセンス方式をとるようですね。そういえば、よくライセンス盤というのを見かけます。
ナクソスもライセンス盤を出す場合もありますが、カラス関係はライセンスなしのLPからの復刻らしいですね。ナクソス盤が出た後でEMIが廉価盤を出したらしく、これもナクソスの効用の一つというものでしょうか。

2009/05/22 (Fri) 20:01 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

どういたしまして

よんちゃん様、こんにちは。

コメントしようかどうか迷っていたのですが、一応お知らせしておいた方が良いかと思いました。
こちらに書いていただいたコメントも、この件については残しておかなくてもよいかなと思いましたので、削除させていただいてます。

2009/05/23 (Sat) 09:58 | EDIT | REPLY |   

アメーバの友  

記事を読む楽しみ

Yoshimiさん、こんばんは。

頭痛で少し眠れずに、過去の記事を探索しておりました。
パブリック・ドメイン音楽の配信サイトの記事で、「Blue Sky Label」なるサイトの紹介があり、これはとてもいいサイトだと感心して見ておりました。でもこれを見つけたYoshimiさんも、ほんとに多くのサイト巡りをされておられると感心してしまいました。これからも、どんな記事を見られるか楽しみにしております。

2011/09/17 (Sat) 23:41 | EDIT | REPLY |   

Yoshimi  

パブリック・ドメイン音源

アメーバの友さん、こんばんは。

パブリック・ドメイン(PB)音源の配信サイトは、クラシックを多少長く聴いていれば知っているであろう類の情報です。
PB音源のサイトを見つけること自体は大したことではありませんから、そんなに感心される必要はないですよ。
PB音源には名盤が多数ありますから、CDを買わずとも、ストリーミング配信やMP3ダウンロードで聴くことができるので、選択肢が増えて便利です。

2011/09/17 (Sat) 23:58 | EDIT | REPLY |   

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No title

無料クラシックmp3ダウンロード著作権切れ、パブリックドメインの歴史的音源
は↓に移転したようですね。


クラシック音楽mp3無料ダウンロード 著作権切れ、パブリックドメインの歴史的音源http://classicalmusicmp3freedownload.com/ja/

2013/07/06 (Sat) 10:32 | REPLY |   

yoshimi  

リンク訂正しました

匿名さま

わざわざ教えてくださって、どうもありがとうございます。
リンクを張りなおしました。

2013/07/06 (Sat) 10:46 | EDIT | REPLY |   

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