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パールマン ~ メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
言わずと知れたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリンの協奏曲の中では、このメンデルスゾーンと、ベートーヴェン、ブラームス、シベリウスがとても好き。

メンデルスゾーンは、ピアノ協奏曲も2曲作曲していて、これはピアノ協奏曲のうちでもあまり有名ではないけれど、華やかさではヴァイオリン協奏曲に負けないくらいに良い曲です。
特にピアノ協奏曲第1番の第3楽章は、高速スケールとアルベジオを駆使した技巧的にとても華やかな曲。
この曲の録音では、ルドルフ・ゼルキンの演奏が力強さと華やかさがあって、昔から有名。彼が12歳のデビューに弾いた曲で、コンサートでも度々弾いていたし、オーマンディ/フィラデルフィア管との録音も残している。
この録音の演奏は、晩年のライブ映像よりもはるかに速いテンポで、ダイナミックで切れ味抜群。音がキラキラと耀いてます。全盛期のゼルキンの演奏です。
[米国amazonの試聴ファイル]

この録音のHMVのユーザーレビュー。「オーマンディのダイナミックで色彩感溢れる伴奏に応えて、ゼルキンの力強さと躍動感溢れる男性的な演奏が素晴らしい。リリカルな旋律を歌うところでは、硬質で透明感のあるタッチで、メンデルスゾーンらしい優美さと上品さが漂います。端正なイメージのゼルキンは影を潜め、磨きぬかれたテクニックで鍵盤上を駆け巡る情熱的なゼルキンのピアノに惚れ惚れします。 」
本当にその通り!と思って、誰が書いたんだろうと投稿者を見ると、自分で書いたレビュでした。

ピアノ協奏曲第1番のフィナーレを弾くゼルキンのライブ映像があって、これは60歳後半~70歳前半くらいの演奏じゃないかと思う。とっても楽しそうに弾いてますね~。聴いて(見て)もらえばわかる通り、両手の高速パッセージが連続するとても華やかな曲です。
いつもライブのゼルキンはミスタッチがわりとあるけれど(この曲でもかなり目立つが)、なぜかそれが気にならないという人が多い。さすがゼルキンです。

他にはカツァリスの録音も有名だけれど、新しい録音ではスティーヴン・ハフの演奏が、切れ味のよいテクニックと繊細な表現力でかなりのものだと思う。
[米国amazonの試聴ファイル]

                                  

この高速スケールが連続する技巧的なパッセージは、ヴァイオリン協奏曲でも同じ。
CDを聴いている時はあまり意識しなかったけれど、Youtubeのパールマンのライブ映像を見て、ピアノ協奏曲と同じようなスタイルの曲なんだと気がつきました。

このライブ映像は、デイヴィッド・ジンマン指揮ニューヨーク・フィルの伴奏。
ジンマンがとっても若いですね~。私の持っているベートーヴェンやシューマンのCDジャケットの写真は、すでにごま塩頭で寂しくなったヘアスタイル。このライブは数十年前のものでしょう。
パールマンも若い。30歳代前半くらい?(他人の年齢は良くわからないし、特に外国人の年齢は)
このライブのパールマンの演奏は素晴らしく、本当に楽しそうに弾いている。この映像を見ていると、こっちまで浮き浮きした気分になってしまう。
第3楽章の曲想が躍動的で快活なので、彼が曲と共鳴しながらヴァイオリンを弾いているような明るさと生気に溢れている。ヴァイオリンが腕の一部になっているように自由自在に弾いているので、観ていてうっとり。
第3楽章終盤は彼自身が高揚感に溢れていて、パールマンが最後の音を完全に弾き終わっていないのに(オケもまだ演奏しているし)、コンサートホールから盛大な拍手喝采。パールマンのヴァイオリンが生み出す愉悦感と高揚感が、ホールの聴衆にも感染したんでしょう。

パールマンのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の録音は、3種類。
定番は、ハイティンク指揮アムステルダム・コンセル管のEMI盤(1983年録音)。
他にEMI盤のプレヴィン指揮ロンドン響との録音、TELDEC盤のバレンボイム指揮シカゴ響とのライブ録音(1993年)がある。

私の所有盤はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲がカップリングされた国内盤。
EMIの国内盤は音質がさほど良いとはいえず、ステレオで聴くと、ヴァイオリンの音がオケに比べて小さくて、やや後方から聴こえてくるし、響きにも膨らみがない。ブラームスの協奏曲でも、クレーメルのグラモフォン盤の音質の良さと比べると、かなりデッドな感じがする。
AKGのヘッドホンで聴くと、ヴァイオリンの音色や表情が多少はよく聴きとれるけれど、線の細い音がする。ボリュームをかなり大きくするとヴァイオリンの音がかなり鮮明になるけれど、こんどはオケの音が大きすぎる。ピアノ協奏曲のピアノの音はかなり明瞭で音量も大きいので、その感覚で聴いていると、結構フラストレーションがたまる。やはり輸入盤の方を買うべきだったかも。
ライブ映像のパールマンの演奏があまりに鮮やかだったせいか、このスタジオ録音はなぜかおとなしい感じがする。音質の悪さも影響しているのだろうけれど、やっぱり映像の威力は凄い。

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(2008/06/25)
パールマン、ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団

試聴する


これは1993年のライブ録音を収録したTELDEC盤。バレンボイム指揮シカゴ響の伴奏。バレンボイムとは他にもいろいろ録音していて、相性が良いのかも。
このライブ録音はかなり音質が良くて、EMIのスタジオ録音よりずっとクリアな音がする。音質だけで言えばTELDEC盤の方を聴きたくなるし、演奏内容も、ライブのせいか、スタジオ録音よりもずっと生き生きとした感じがする。
ブラームスの二重協奏曲をパールマンとヨーヨ-・マが弾いていて、これは結構評判が良い。ブラームスのこの曲もとても好きなので、このライブ録音はもうすぐ入手予定。


Brahms: Double Concerto / Mendelssohn: Violin ConcertoBrahms: Double Concerto / Mendelssohn: Violin Concerto
(1997/03/21)
Itzhak Perlman (Violin), Yo-Yo Ma (Cello), Daniel Barenboim (指揮), Chicago Symphony Orchestra

試聴する (米国amazon.comのサイト)



HMVのサイトで、廉価盤が出ていて、これはamazonとTOWERでも探したけど、見つけられなかった。
ジャケットのセンスはTELDEC盤原盤がはるかに良いけれど、音源は同じ。レーベルが同じWARNERなので、音質もそう変わらないんじゃないかと思うけれど、音質は試聴ファイルがないので未確認。

Intimate Studies: Piano Music by Janácek, Haas, Martinu & Sukブラームス:二重協奏曲、メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
(2009/02/17)
パールマン、ヨーヨー・マ、バレンボイム&シカゴ響

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早速届いたこのライブ録音のCDを聴いてみると、音質がとても良く、パールマンのヴァイオリンの音と表情がクリアに聴こえる。
オケよりも少しだけ前方から聴こえてくるので、伴奏に覆われることなく、ヴァイオリンの音の存在感がある。スタジオ録音を聴いている時のようなフラストレーションを全く感じないので、聴くのも演奏に集中できるのが何よりも良い。
昔の若かったライブ映像のような、弾けるような明るさと躍動感は薄くなっている気はするけれど、ライブのせいか、はたまた、年もとったせいか、音質が良くなったせいか、スタジオ録音(EMIの国内盤)よりも伸びやかに弾いている(と感じる)。
ライブ独特の気合と勢いがあるのが感じられるし、この録音はなかなか良いと思います。
私はパールマンのメンデルスゾーンは、このライブ録音で聴くことにしました。

tag : メンデルスゾーン パールマン

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(非公開コメント受付中)

メンコンですか
yoshimiさん、こんにちわ

メンコンですか、LP時代はチャイコフスキーのバイオリン協奏曲と共にまとめて、メンチャイなんて呼ばれていましたね。

さて、私はバイオリニストって、男より女性の方が合うような気がしていますので、パールマンの録音って、この曲を含めて持っていません。と言っても、この曲はよくできており、ある程度の有名バイオリニストでしたら、誰が弾いてもよい演奏になると思っています。

と言うことで、ローラ・ボベスコ、ナージャ・ゾネンバーグ、ミシェル・オークレール当たりが、私のこのみです。
ピアニストとヴァイオリニストの好みは同じなので
matsumo様、こんにちは。

チャイコフスキーは全く合わないですが、メンデルスゾーンは昔からわりと好きです。
この曲のCDはムローヴァしか持ってませんが、どうも、優しく優雅なタイプは合わないし、多分パッショネイトなタイプも相性が悪いと思います。
よく考えると、特に好きな女性ピアニストは全くいませんね。アルゲリッチ、グリモー(協奏曲はOK)、内田光子は全然合わないし、ハスキルやラローチャも特に好みというタイプではありません。
ヴァイオリニストの好みも、ピアニストと同じ傾向にあるようです。

ボベスコ、オークレールは名前も聞いた事がなく、ゾネンバークは多少何かの記事を読んだ記憶はあります。アルゲリッチのヴァイオリニスト版というイメージがあって、かなりダイナミックで感情豊かな表現をするのかなという気がします(全然違うかもしれませんが)。

クレーメルだけは結構CDを持ってますが(選曲がユニークなCDが多いので)、好みの演奏スタイルではないのは確かなので、当分は相性の良いパールマンとスークの録音を集めて聴くことにしています。
メンコンいろいろ
こんにちは。

 >投稿者を見ると、自分で書いたレビュでした

ここ、ウケました。
ゼルキンの弾くメンデルスゾーンのピアノ協奏曲は、
私も持ってますが、名演奏ですね。
曲もいいと思うのですが、人気出ませんね。。。

ヴァイオリン協奏曲は、ハイフェッツのクールで即物的な演奏が
なんだかんだいっても結局飽きないなあ、なんて思います。

13歳で書いたヴァイオリンと弦楽のための協奏曲も好きです。
ハイフェッツのメンデルゾーンは意外と好きかも
木曽のあばら屋様、こんにちは。

このゼルキンのCDは1年以上前に聴いたはずなので、すっかりレビュを書いたのを忘れていました。聴き直しても、同じような感想なので、そんなに的は外していないかな、と思います。

このピアノ協奏曲は本当に知られていませんね。華やかでピアニスティックな曲だと思うんですけれど。
といっても、私もゼルキンの録音を聴くまで知りませんでした。メンデルゾーンのピアノ曲=無言歌という条件反射になってました。
メンデルスゾーンは13歳で協奏曲を書いていたんですね。まさに早熟の天才ですね。この曲はまたNMLで聴いてみようと思います。

ハイフェッツの「クールで即物的」ってどういう演奏なのか興味があったので、1954年の録音ならNMLに登録されていたので、聴いてみました。
おっしゃる意味、良くわかりました。
テンポも速くて、スパッと刀で切ったような切れ味がありますが、結構爽やかな叙情感は感じます。第2楽章はあっさり感が強いですが、第3楽章は疾走感があってかなり面白いですね。
こういう趣きの演奏は、凄く好きというスタイルではないですけれど、私は全然抵抗なく聴けます。もしかして、意外と好きかもしれません。

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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