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フェルツマン ~ バッハ/6つのパルティータ
ピアノで弾くパルティータは、意外と全集で録音しているピアニストが多くはない。
私が持っているのは、シフとフェルツマンの全集。
アンデルジェフスキは1・3・6番のみ、アラウは1~3番と5番の4曲しか録音していない。
リパッティは1番、カペルは4番と1曲だけ録音が残っている。グールドは全集になっているが、私は5番しか聴いていない。
グールドのゴルトベルクは全く好きではないのに、パルティータの方は比較的抵抗なく聴ける。ノン・レガートといってもクリスピーでもドライでもない音に聴こえる。左手の旋律の弾き方に独得の特徴があるのが面白いし、音が立体的に立ち上がってくるような明晰さがある。
有名らしいヴェデルニコフ盤は廃盤なので聴いたことはない。ひっついている形容詞を見ていると、あまり相性の良さそうな感じはしない。
アラウのパルティータはいろいろな意味で他の録音とは違って特別なので別にして、アンデルジェフスキとフェルツマンのバルティータが特に良くて、今まで聴いたパルティータとは違った個性がある。
パルティータはピアニストによって全然演奏が違うので、数種類聴くのが絶対に面白い。
他にも良い録音があるのかもしれないけれど、個人的には今はこれだけの録音が聴ければ充分満足。

                            

フェルツマンのパルティータ。
グールドのようなノン・レガートで演奏するタイプの録音は、グールドを聴けば十分だと思っていたけれど、フェルツマンのパルティータは別。奏法を問わず、ピアノの響きが好きな人にはとても魅力的。
ピアノの持つ音色と響きを最大限に引き出しているので、その多彩さと美しさは格別。
音色や響きが多彩で美しいピアニストといえば、ミケランジェリとツィメルマンあたりになるのだろうが、そういうタイプの弾き方は特に好きなわけでもないのに、フェルツマンの弾くパルティータは全然違っていて、他の曲の録音まで聴いてみたくなる。
ノン・レガートで弾いていても、グールドとはちがって、響きが柔らかくて濁りがなく、澄みきった瑞々しいさがある。宝石のようにきらきら煌く美しい音の世界。

タッチの切れも良く、柔らかく軽やかなタッチから、鋭角的な力強いタッチまでバリエーションがあるし、何よりどんなテンポであっても、音色と響きがとても精緻にコントロールされている。
そのせいか、声部ごとに違った音色や響きに聴こえてきて、つとめて聴きとろうとしなくても、自然に声部がきれいに分かれて聴こえてくる。
テンポは全体的に速めで、アレグロはとても軽やかな躍動感と疾走感。
叙情感はきわめて淡白。さらさらと小川が流れていくようで、全く感傷的でも情緒的でもない透明感のある抒情がとても美しい。どこかしら親密さも感じさせるところがある。
音だけでの世界でこれだけ聴かせてくれれば、もう充分と思っているので、フェルツマンのパルティータは一度は聴いてみるだけのことはある。

一番好きな第1番から聴き始めて、まだ全曲は聴けていないので、今はっきりわかるのはこれくらい。全部聴き終わったら、他にもいろいろ気がつくことが出てくるに違いない。
でも、ほんの少し聴いただけでも、この見事な音の世界の美しさだけはすぐにわかる。

バッハ:6つのパルティータバッハ:6つのパルティータ
(2005/01/20)
フェルツマン(ウラディミール)

試聴する(米国amazonサイト)

一番最後に『2声のインベンション』が収録されている。ピアノで初めてバッハを弾くときに練習するのでとても有名な曲。これでバッハを弾くのが嫌になった人も多いかもしれない。
フェルツマンが弾くと、あのシンプルなインベンションが全く別の曲に聴こえてくる。これが意外に良くて、このアルバムは国内盤にしてはとても安いし、インベンションまで聴けるので、かなりの値打ちもの。

フェルツマンのプロフィール(カメラータ資料)

バッハ:パルティータの楽譜ダウンロード(IMSLP)

tag : フェルツマン バッハ

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お返事です
こんばんは。
いつもお立ち寄り下さって、ありがとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

フェルツマンはグールドを尊敬しているそうなのですが、同じノンレガートでも、グールドのコピーのようには弾かないところがさすがです。
フェルツマンのノンレガートは、柔らかくしなやかで、色彩感も多彩で、とても美しいですね。
第6番のToccataはとても好きな曲なのですが、フェルツマンの潤いのあるしっとりとした音色と叙情感が良く似合っていますね。

今月はカヴァコス&パーチェのベートーヴェンやボストリッジのブリテン歌曲(後日記事に書く予定です)など、とても素敵な演奏に出会えました。今年は幸先が良いみたいです。
手持ちのCDでも聴き直してみたいものがいろいろありますから、何か再発見できれば嬉しいなあと思っています。
フェルツマンのパルティータ
yoshimiさん

こんばんは。ここ数日「6つのパルティータ」を聴いておりました。

yoshimiさんに教えていただいたフェルツマンのパルティータ。以前も書いたような気がしますが3番、6番の短調系の演奏が特に気に入っています。

改めて出会いを下さったyoshimiさんに感謝です。
ありがとうございます。
ノンレガート系では
ANNA様、こんばんは。

フェルツマンは最近聴いていませんが、ノンレガート系の演奏では最もソノリティが多彩で色彩感が美しいですね。
シフも音は綺麗なのですが、フェルツマンに比べるとややモノトーン的に感じます。

私が聴くのは、ほとんど1番・2番・6番の3曲ですが、6番は敬虔で奥深いところがあっていいですね。
私の好みはわりとコロコロと変わるのですが、今、6番で一番好きな演奏といえば、エゴロフのライブ録音です。
これは、これからもずっと変わらないような気がしています。
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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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