*All archives*



アンデルシェフスキ ~ バッハ/パルティータ集
バッハのパルティータには多くの録音があっていくつか聴いたなかで、好きなパルティータの演奏は、ノン・レガートならグールドかフェルツマン、レガートならアンデルシェフスキ。
どれか1つだけ選べといわれれば、アンデルシェフスキ。

レガート系のパルティータなら、シフの演奏がかなり有名。
シフのパルティータは、基本的には奇を衒ったわけではないオーソドックスな演奏の枠に入っていると思うけれど、いろいろ細かい工夫がしていてちょっとクセがある。
特に、テンポがかなり伸縮するし、細部にわたって繊細な表現なので、これをピアノでするとかなりうるさく聴こえてくる。
響きが柔らかくて、表情豊かなパルティータが好きならばとても聴きやすいには違いないとはいえ、シフの弾くバッハには、いつも作為性を感じてしまう。
シフのパルティータはやや古い録音なので、再録音してくれればそちらの方がたぶん良いと思うし、ゴルトベルク変奏曲の新録のライブ録音は素晴らしかったので、パルティータも早く再録音して欲しいもの。

レガートで弾くパルティータなら、アンデルシェフスキの方が表現はあっさりしているけれど、音楽の流れがとても自然。私はこの録音ばかり聴いている。
アンデルジェフスキは、第1番、第3番、第6番と、なぜか3曲しか録音していないのが残念。
CDは輸入盤しかなく、私が手に入れた輸入盤は雑音の入った欠陥商品で、交換したCDもやっぱり欠陥商品だった。
アルバムはituneでダウンロードできるし、第1番だけなら別の国内盤にも収録されてます。

Bach: Partitas Nos. 1, 3, 6Bach: Partitas Nos. 1, 3, 6
(2002/10/08)
Piotr Anderszewski

試聴する(国内盤へリンク)

このアルバムのプロモーション用映像(Youtube)


これは来日記念のベスト盤(国内盤)。パルティータは第1番だけ収録されている。
もう少しシマノフスキの曲やイギリス組曲が入っていれば良かったとは思うけれど、ショパン、モーツァルト、ウェーベルンも収録されているので、エッセンスは聴ける。

ポートレート・オブ・ピョートル・アンデルジェフスキポートレート・オブ・ピョートル・アンデルジェフスキ
(2007/10/10)
アンデルジェフスキー(ピョートル)

試聴する



パルティータの第2番だけは、カーネギー・ホールのリサイタルを収録した輸入盤・国内盤で聴くことができます。このプログラムは、バッハ・シューマン・ヤナーチェク・ベートーヴェン、アンコールのバルトークと選曲が良いし、貴重なライブが聴けるという充実したアルバムです。
特に、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番が素晴らしく、ブラボーと拍手喝采の嵐。この曲はいろんなピアニストの演奏を聴きましたが、そのなかでもとりわけ凄い演奏でした。ライブでこれだけ弾けるとは...。この曲が好きな人にはおすすめ。

Piotr Anderszewski at Carnegie HallPiotr Anderszewski at Carnegie Hall
(2009/03/30)
Johann Sebastian Bach,Bela Bartok, Ludwig van Beethoven, Leos Janacek

試聴する(国内盤にリンク)


まず一番好きな第1番から聴き始めると、アンデルシェフスキの弾くパルティータは、遅いテンポと速いテンポの曲の対比が明瞭。ディアベリ変奏曲でもそうだった。
ノン・レガートで弾くグールドやフェルツマンよりは遅めのテンポなので、疾走感はそれほど強くない。
逆に、レガートのタッチを生かして、ピアノの響きの柔らかさと旋律の滑らかな流れがとても美しい。
フェルツマンほどに煌びやかで多彩な音色や響きではないけれど、声部がちゃんと分かれて聴こえてくるほどに、タッチ・音色・響きを工夫している。
たとえていうなら、フェルツマンの演奏はデジタル的な人工的な音の世界で、アンデルシェフスキの演奏はアナログ的な自然な音の世界のように聴こえてくる。

ゆったりとしたテンポで弾く曲は、響きがとても柔らかい。
特に、打鍵したときの響きも綺麗だけれど、その響きの余韻はとても美しい。第1曲のプレリュードや第4曲のサラバンドを聴けば良くわかります。
この柔らかく優しい響きでしっとりとした叙情感が漂う弾き方は本当に綺麗。

速いテンポで弾くときは、きびきびとしたリズム感と軽快なタッチ。
でも慌しさも騒々しさもなく、滑らかなタッチと旋律の流れがとても綺麗。第2曲のアルマンドはその典型。心が浮き立つような軽やかさとさりげなく流れる自然な情感がとても心地良い。

シフのようにテンポは揺らさず、ほぼインテンポで弾いているので、曲全体の見通しもよく構造的にかっちりとした感じ。表現はあっさりしているように聴こえるけれど、タッチと旋律の流れにかなり気を配っているせいか、表現がとても自然に感じられてくる。
ノン・レガートで弾くと、どうしても旋律が滑らかに聴こえてこないけれど、アンデルシェフスキが弾くと、旋律の流れの滑らかさと音の流れに添った自然な抑揚が、まるで歌のように綺麗に聴こえてくる。
それに装飾音がとても自然に旋律の中に溶け込んでいる。特にアルマンドの装飾音はとても滑らかで軽やか。装飾音が入っているだけで表情がずっと生き生きとしてくるような感じさえする。装飾音というよりは旋律そのものに聴こえる。
第1番を聴いただけでもうすっかり満足。全曲録音していないのが本当に残念です。


アンデルシェフスキの公式サイト(EMI MusicJapan/日本文)
アンデルシェフスキの公式サイト(英文)

バッハ:パルティータの楽譜ダウンロード(IMSLP)

tag : バッハ アンデルシェフスキ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
Secret
(非公開コメント受付中)

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
タグリスト
マウスホイールでスクロールします

月別アーカイブ

MONTHLY

記事 Title List

全ての記事を表示する

リンク (☆:相互リンク)
FC2カウンター
プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

お知らせ
ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿や記事内容と関連性の薄い長文のコメント、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で削除・拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。