スーク ~ バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータとソナタ 

2009, 06. 20 (Sat) 19:50

最近ずっと探していたスークの『バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータとソナタ』のCDをやっと今日手に入れました。

この録音はEMIからリリースされていて、すでに輸入盤・国内盤とも廃盤。
スークの録音は、チェコのスプラフォンからリリースされていることが多いのに、この録音はなぜかEMI盤。
スプラフォンからライセンスを得ているのかと思ったけれど、1970年にアビー・ロード・スタジオで録音しているので、これはEMIが原盤。この曲の録音はスプラフォンからは出ていない。

音質の悪さで定評があるEMIにしては、そんなに悪くもなかったのでひとまず安心。
ステレオで聴いていると気がつかない音が、ヘッドフォンで聴くといろいろ聴こえている。
AKGのヘッドフォンはモニター用と言うだけあって、普通のヘッドフォンよりもそういう雑音系まできちんと拾ってくる。クラシックを聴くなら、音に変なクセがないモニター用ヘッドフォンが一番向いているらしい。

息遣いのような微かな音はスークの声。時々旋律をハミングしているような声が聴こえる。
ピアニストの場合は旋律を口ずさむ人が結構多くて、しっかり歌ってたりする。ピアノは手と足を動かしていれば弾けるので、口の方は自由ですから。
ヴァイオリニストの場合は、ヴァイオリンを弾いている姿勢から考えて、そこまではちょっと無理な気がする。
それ以外にもほんの小さな物音がする。録音エンジニアやプロデューサーがそういう音を出すはずもないので、スークが演奏中に体を動かすときに立てている音なんだろう(たぶん)。
臨場感がある方が好きなので、こういう雑音はさほど気にならない。

早速シャコンヌから聴き始めた。スークのヴァイオリンはやや太めで芯がしっかりして引き締まった音がする。温もりを帯びた音色で、低音も高音も澄んでいて、深みのある響きがとても綺麗。
時々少し濁ったような力強い低音で弾くことがあって、この音を聴くとスークが弾いているとすぐわかる。
”パイプオルガンのように”平坦な音を鳴らしていると評する人もいる。スークは一音一音を丁寧に弾いていて、じっくりと対話しているような穏やかさ。音が楽譜どおりに立ち上がってくるかのような、過剰な表現とは無縁の自然な流れを感じる。
スークの弾くシャコンヌは、初めから終わりまでとても力強く、ポジティブな雰囲気。キリキリと尖ったところが全然なくて、柔らかい陽光がさしこんでいるような明るさと暖かさがある。
大仰さのないシンプルで穏やかな表現ではあるけれど、深く力強い響きで包み込むような包容力がとても心地良く、聴けば聴くほどなぜか幸せな気分になってくる。


Bach: Sonatas & Partitas for Solo ViolinBach: Sonatas & Partitas for Solo Violin
(2000/02/15)
Josef Suk 

試聴する

                 
                                    

このEMI盤は、日本国内だとamazonかオークションで手に入れるしかない。
amazonではマーケットプレイスのベンダーの新品で定価の3~4倍の価格。
オークションでは滅多に出てこないし、出てきたときはUsed品で3~4千円くらいで落札されることが多い。

米国amazonを探すと、マーケットプレイスで新品で29ドルくらいで販売しているベンダーを見つけた。
これに国際便の配送料が7ドルくらい加算されるので、合計で約36ドル。
音楽ファイルのダウンロードならアルバムごと(CD2枚分)で9.49ドル。amazonもitune storeも同じくらいのはず。これは米国在住者しか購入できない。
これだけの価格差があったら、たぶんダウンロードする人が大半だと思う。
日本のitune storeにはなぜか登録されていない。そういうCDがとても多い。速く改善してほしいものだといつも思う。

結局、新品のCDをマーケットプレイスのベンダーから購入。
米国amazonの直販じゃないのでどうしようか迷ったけれど、過去のカスタマー評価はとても良いベンダーだったので。
オーダーして翌日に発送連絡メールが来て、米国発送のエア・メイルでわずか1週間で到着。これはかなり速い。
日本のamazon経由で良く利用している米国のベンダーからCDを買うと、速くて10日くらい、遅くて3週間近くかかる。それに、CDケースにひびが入っていることも時々ある。(連絡したらケース代金分150円を返金してくれました。)

今回のベンダーは、プチプチの緩衝材でちゃんと包装していたし、きちんとシールされた新品。
評価どおり、とてもしっかりしたベンダーでした。(このベンダーを薦めているわけではありません。)
CDが途中で迷子になることもなく、CD自体も不良品ではなかったので、今回はとてもスムーズに終わった。
廃盤なのでプレミアム(Soucing Feeというらしい)が定価相当分上乗せされていたけれど、日本amazonに出品しているベンダーに比べればとても良心的。
米国だとダウンロード価格が日本よりはるかに安いので、CDはそんなに高値ではなかなか売れないに違いない。
今回は新品が安く入手できたのでとても満足。動画サイトでパルティータの録音だけ登録されているけれど、やっぱりCDだとステレオの良い音で聴けるのがなにより良い。
と思って喜んでいたら、今日yahooのオークションにUSED品で1200円で出品されていました。
まあ、よくあることです。タイミングの問題ですから、ずっと出品されない可能性もあるでしょうし。
新品を手に入れたということで、良しとしましょう。

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4 Comments

matsumo  

「スーク」ですか

yoshimiさん、こんにちわ。お探しのCD、ご入手とのこと、おめでとうございます。それにしても、最近のCDと言うか、ここ10年間位のCDは1回製造して終わりとなるのか、廃盤がものすごく多いですよね。欲しいと思ったものは、さっさと入手していないと、1年も経つと入手困難になることが多いです。私も、現在、2枚程、国内盤で探しているものがあるのですが、新品は勿論、中古品も見あたりません。

さて、「スーク」ですか、氏が録音した無伴奏バイオリンソナタのCDは持っていませんが、ルージィチコヴァがチェンバロ伴奏をしたバイオリンソナタのCDは大好きです。後は、スメタナ弦楽四重奏団と共演した「シューベルト:ます五重奏曲」のCDも好きですね。

2009/06/22 (Mon) 18:10 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

スークのヴァイオリンは良いですね。大好きです。

matsumo様、こんにちは。コメントありがとうございます。

そうなんです、ようやく手に入れました!
でも、私が入手したとたんに、オークションでUSED品が安く出てました。
これ、とってもお買い得だと思うのに、なぜか誰も入札していないのが不思議です。やっぱり古い世代のヴァオリニストになってしまうんでしょうか。

私も廃盤さがしで結構苦労してます。米国のベンダーは廃盤でもかなりストックしているようで、この頃は海外ベンダーから買っています。
廃盤の国内盤でも、たまに海外盤になって米国のamazonに出ていることがありますが、レアケースです。ituneで売っていることが結構あります。

yahooオークションは結構穴場です。アラート登録しておくと、突然探していたCDが出てくることがあるので、わりとおすすめです。バックハウスの「カーネギー・ホール・リサイタル」とかカッチェンのプラハ音楽祭ライブの珍しいCDが出ていて、入手しました。
稀少盤は多少価格が高くなることが多いですが(競合状態にもよりますが)、最近は、不景気のせいで、オークションの落札相場がかなり下がってきています。

チェンバロ伴奏のヴァイオリンソナタは試聴しました。スークの演奏は品があって良いですね。音も綺麗ですし。
CDを買ってもよいかなあとは思うのですが、チェンバロの音が苦手なのと、バロックに慣れていないせいか曲が穏やかすぎて眠たくなってきてしまうので、思案中です。

スメタナSQと録音した曲は定評がありますね。私は、ピアノが入っている室内楽優先でCDを探しているので、シューベルトはまだ聴いてませんが。
スークトリオで録音したメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は、意外と良い曲でした。

2009/06/22 (Mon) 18:45 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

スークのCD

今日、yahooオークションをチェックしていたら、スークの無伴奏のCDが、ちゃんと落札されてました。
Used品とはいえ、廃盤の稀少盤であの価格(¥1200)ですから、やっぱり欲しいと思う人がちゃんといました。入手できた方は運がよかったですね~。
無事に娘がお嫁入りしてくれてひと安心した親の気分です。

2009/06/23 (Tue) 12:14 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

スークが弾いているバッハのヴァイオリン・ソナタ

いろいろ調べたところ、DENON盤とエラート盤(Elatus)とLotus盤があって、エラート盤が音質が良いそうです。
DENON盤とエラート盤を試聴して比べてみましたが、私の好みの音だったのと、チェンバロの音が小さめなのでガチャガチャうるさくないので、エラート盤をオーダーしました。
どうもモダン・チェンバロ(または折衷タイプ)を弾いているらしく、ピノックのパルティータの新録音で聴いたチェンバロの音(もっと柔らかくて金属的な感じがしない)とは全然違います。
ピアノよりもチェンバロは音色の個性が強くて、奏者は好きでも音色の方が合わない場合がありますね。

2009/06/27 (Sat) 20:02 | EDIT | REPLY |   

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