バルトーク/シク地方の3つのハンガリー民謡 

2009, 06. 26 (Fri) 18:06

バルトークのピアノ独奏曲といえば、ミクロ・コスモスやアレグロ・バルバロなどが有名。
バルトークは、民謡を素材にした曲もかなり残していて、「ハンガリ農民の歌」、「シク地方の3つのハンガリー民謡」、「民謡の旋律による3つのロンド」などがある。

民謡を素材にした曲のなかで、この「シク地方の3つのハンガリー民謡」(3 Hungarian Folk Songs from Csik, Sz. 35a,BB 45b)は、バルトークの作品とは思えないくらいに、哀感の強い美しい曲。

この曲の録音はかなりあるが、ここはバルトークと同郷のハンガリー人のイエネー・ヤンドーの録音で。
このアルバムは、ヤンドーのバルトーク・ピアノ作品集の第1巻(NAXOS盤)。
収録曲は、「ピアノ・ソナタ」、「組曲」、「アンダンテ」 (「組曲 Op.14 Sz.62」で削除された本来の第2楽章)、「スケッチ集」に加え、上に書いた民謡を素材にした曲が3曲入っている。
 
Bartók: Piano Music, Vol. 1Bartók: Piano Music, Vol. 1
(2001/09/18)
Jeno Jando

試聴する(NAXOSサイト)


このナクソス盤は、全ての曲についてトラックを分けているところが良い。
こういう小品や変奏曲は複数曲で構成されていても、1トラックしかきっていない盤が結構多い。
ヤンドーは、膨大なレパートリーから、”なんでもヤンドー”なんて言われたりしているが、ヤンドーもハンガリー人なので、バルトークの演奏にはやはり定評がある。(ヤンドーの録音に関するホームページはこちら)

この「シク地方の3つのハンガリー民謡」は、バルトークが1907年にトランシルバニア山脈の セーケイ地方(Székely)に住むハンガリー人たちを訪れたことがきっかけで作曲したもの。
初めはフルートで演奏するために作曲したようで、次にフルートとピアノ用に編曲し、さらにピアノ独奏用に編曲された。

「シク地方の3つのハンガリー民謡」は、他の民謡素材の曲や、ピアノ小品とは随分雰囲気が違っていて、詩的な哀感に溢れた美しい曲。民謡を素材にして作ったせいか、旋律自体はシンプルで素朴な情感を感じさせるものがある。
まるでソロのジャズ・ピアノを聴いているような気がするほどに、叙情的で透明感のある美しい旋律の曲です。

 No. 1. Rubato 哀感をおびたとても美しい旋律。この旋律を聴くとこの曲だとすぐにわかる。
 No. 2. L'istesso tempo  軽やかでエレガントな雰囲気がする。
 No. 3. Poco vivo 躍動的で生気に溢れて、シャープで力強さがある。


この曲の録音は、ヤンドーとアンデルジェフスキで聴いたけれど、やっぱり弾き方が違う。
ヤンドーは、アンデルジェフスキに比べて、かなり鋭く力強いタッチで弾いていて、柔らかさもあるけれど、荒々しい激しさを感じさせるところがある。
アンデルジェフスキは、カーネギー・ホール・リサイタルのアンコールで弾いていた。
ヤンドーよりも弱音の響きが美しく、柔らかさもあるので、詩的な雰囲気が強い。この曲のもつ詩情の美しさがとてもよく伝わってくる。
そういう違いが演奏に現れてくるのは、彼らの録音をいろいろ聴いていると納得できてしまう。

ピョートル・アンデルシェフスキ・ライヴ・アット・カーネギー・ホールピョートル・アンデルシェフスキ・ライヴ・アット・カーネギー・ホール
(2009/05/27)
アンデルジェフスキー(ピョートル)

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