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ベッカー ~ レーガー/ピアノ小品集
マックス・レーガーのピアノ曲を初めて聴いたのは、BBC Legendsのルドルフ・ゼルキンのライブ録音集。曲目は「バッハの主題による変奏曲とフーガ Op.81」。

話には聞いていたが、とにかくとんでもなく音が多くて混み入っていて、重厚といわれるブラームスさえ遠く及ばない思うほどに、厚みのある響きの音楽。
あまりにずっしりと重いので、聴いていて疲れてしまった。旋律も曲想も変奏に入ると複雑だったので、聴き終わっても一体どういう音楽か思い出せない...。
とにかく、聴くには集中力と持続力と忍耐力が不可欠だと思えてしまう曲だった。

それでも、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ(ワルトシュタインとテレーゼ)を聴くのが本来の目的だったので、ついでにレーガーも聴けましたということで、このCDにはとても満足。
特にワルトシュタインの方は、ゼルキンがリリース許諾した正規録音には含まれていないので、これは貴重なライブ録音でした。

Rudolf Serkin performs Bach, Reger & BeethovenRudolf Serkin performs Bach, Reger & Beethoven
(2006/04/18)
Rudolf Serkin

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それ以来聴いていなかったレーガー。Schweizer Musikさんの鎌倉スイス日記で<レーガーのソナチネ第1番>を紹介されていたので、NAXOSでレーガーのピアノ曲をいろいろ聴いてみると、ピアノ小品はかなり良い。
やっぱり音が多くて込み入ってはいるけれど、重厚長大な変奏曲と違って、数分足らずの小曲は、エッセンスが凝縮された密度の濃い音楽で、とても聴きやすい。

ブラームスの小品集が好きな人なら、レーガーの小品集は気に入りそう。ただし、晩年のブラームスのように鬱々してないので、ブラームス的な渋みとか翳りは希薄。逆に少し理屈っぽさを感じることもある。
ブラームスのピアノ小品集は大好きな曲だとはいえ、私はあの鬱々としたところだけはあまり好きでないので、レーガーの小品はほど良い重さと明るさがある。
レーガーの曲は翳りが少なくて、旋律・曲想とも明快なので、ぼやかず繰り言も言わないブラームスのよう。ブラームスの中期の小品に近い趣きがある。
ブラームスはどうしてピアノ曲をもっと書いておいてくれなかったんだろうといつも思っていたので、レーガーの小品集を聴くと、ファンタジーと爽やかな叙情感が流れるブラームスを聴いているような気になってくる。
ただし、レーガーの方はブラームスに比べて、曲としての奥行きや深みがやや物足りないような気もしてきて、鬱々としたところのあるブラームスの小品の持つ味わいというものが、かえって良くわかる。

レーガーのピアノ作品全集がThorofonからリリースされている。
ピアニストはマルクス・ベッカー。私は全く知らないピアニストだけれど、全集を録音するくらいだから、レーガーのスペシャリストらしい。
全集は全12巻とかなりのボリュームで、変奏曲、前奏曲とフーガから小品集まで網羅しているが、半数以上は小品集。ブラームスの小品集よりもはるかに曲数は多い。
数が多いわりには、強く印象に残る曲があまり多くはない。ブラームスの小品集は、主題となる旋律に個性的なものが多い、冒頭の旋律さえ聴けばすぐにブラームスの曲だとわかるのに、レーガーの場合はそういう曲の持つ個性の強さが少ない気はする。

小品集のネーミングはとてもユニーク。まるで、絵画のタイトルを見ている気がする。
ブラームスのような無愛想なタイトルく(8つの小品とか7つの幻想曲とか)ばかりではなく、”シルエット”、”葉と花”、”色とりどりの葉”、”綴じていないページ”、”水彩画”、”青年時代より”、”3つのアルバムの綴り”、”暖炉のそばの夢”、”青年への挨拶”など。(全てNAXOSのサイトで試聴できます)
プロフィールとかを見ると、豪快な人柄だったそうだけれど、かなりロマンティックなところがあったんじゃないかと思えるようなタイトル。

”暖炉のそばの夢”は、やや抑え目のメルヘンティックな憧憬感が漂っていて、夢見心地。
これはブラームスの晩年の作風に近い感じがしないでもなかったけれど、でも、よくよく聴いてみると、やっぱり翳りがなくて明るい雰囲気がしてきた。

レーガー:ピアノ作品集Vol.4 - 10のピアノ小品/シルエット/葉と花

レーガー:ピアノ作品集Vol.4 - 10のピアノ小品/シルエット/葉と花レーガー:ピアノ作品集Vol.4 - 10のピアノ小品/シルエット/葉と花
(1999/02/26)
Markus Becker

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レーガー:ピアノ作品集Vol.5- 色とりどりの葉/7つの幻想小曲集/10の演奏会用小品集

レーガー:ピアノ作品集Vol.5- 色とりどりの葉/7つの幻想小曲集/10の演奏会用小品集レーガー:ピアノ作品集 Vol.5 - 色とりどりの葉/7つの幻想小曲集/10の演奏会用小品集
(1999/12/14)
Markus Becker

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レーガー:ピアノ作品集Vol.11- 暖炉のそばの夢/青年への挨拶/素朴な歌 Op. 76 (ピアノ・ソロ編)

レーガー:ピアノ作品集Vol.11- 暖炉のそばの夢/青年への挨拶/素朴な歌 Op. 76 (ピアノ・ソロ編)レーガー:ピアノ作品集 Vol.11 - 暖炉のそばの夢/青年への挨拶/素朴な歌 Op. 76 (ピアノ・ソロ編)
(2001年06月15日 )
Markus Becker

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tag : レーガー ベッカー ゼルキン

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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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