バルトーク/9つのピアノ小品 

2009, 11. 08 (Sun) 18:00

バルトークのピアノ小品集《9つのピアノ小品》は1926年の作品。
ピアノ協奏曲第1番、ピアノ・ソナタ、《戸外にて》という、バルトークの作曲技法のターニングポイントとなった一連の作品と同じ時期に作曲された曲集。
民俗音楽的な素材をもとにしてはいるが、バルトーク後期につながる技法(短2度の多用、対位法など)が使われている。

バルトーク作品集を録音しているヤンドーはなぜかこの曲を録音していないし、Hungarotonの全集は曲数は多いのは良いが、録音が古いせいかデッドな音質なので、今回は澄んだ響きがとても綺麗なトーザーのバルトーク作品集。やっぱり新しい録音で聴くと適度な残響で和声がとても美しく聴こえる。

Bartók: Piano MusicBartók: Piano Music
(1999/11/30)
Geoffrey Tozer (Piano)

試聴する(米国amazon)


ピアノ・ソナタや《戸外にて》と比べて、書法は簡潔で平明な作風。
この曲集を聴くとすぐにショスタコーヴィチがバッハの平均律にならって作曲した『24の前奏曲とフーガ』を思い出した。
シンプルで透明感のある響きがする旋律に、不協和がかった和声でどこかしら曖昧模糊とした不可思議さを感じさせるところがあるのが似ているからに違いない。

冒頭は4曲構成の"4 Parbeszed(4つの対話)"。対位法を使っているので、声部同士が対話するように旋律が動き、声部は2声主体で時により3声に増える。
第1曲:柔らかな雰囲気のとても穏やかな対話。終盤は和音が入って声部が増えていく。
第2曲:ちょっとすれ違い気味のようなずれを感じる。
第3曲:不安感を帯びたゆったりとした静かな対話。
第4曲:この曲だけがallegro Vovaceと速いテンポで、ノンレガートで各声部が雄弁に主張しあうような対話。

第5曲「Menuetto メヌエット」
柔らかくな響きで調性をくずしたメヌエット風。徐々に和音が厚みを増していく。

第6曲「Dal 歌」
冒頭と終わりはテンポの速い軽快な歌、中間部はゆっくりと叙情的な歌。

第7曲「Marcia delle bestie 動物たちの行進」
変則的なリズムで、スフォルツァンドやスタッカートが多用されている。力強さはあるけれど、ちょっとユーモラスな雰囲気の旋律。

第8曲「Csorgo tanc チェルゲーの踊り」
タンバリンの奏法を模倣しているという。「動物たちの行進」に幾分雰囲気が似ている気がするのは、速いテンポの不規則的なリズム感と打楽器的に弾くピアノのせい。

第9曲の「Preludio-all'ungherese ハンガリー風前奏曲」
今まで使った技法がコンパクトに詰め込まれているかのように、この曲集の中で最も長く凝ったもの。最後はテンポを上げて、舞曲のように華やかに終る。

タグ:バルトーク

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

0 Comments

Leave a comment