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ショーソン/コンセール ニ長調
ショーソンといえば、すぐに思い浮かぶのが《詩曲》。声楽曲だと《愛と海の詩》あたりだけれど、逆に言えばそれくらいしか聴いたことがない。
ほとんど聴くことがないショーソンの曲で、偶然見つけてとても気に入ったのが《コンセール ニ長調, Op. 21》
コンチェルトではなく、”コンセール”とフランス風に読むらしいが、ショーソンが協奏曲なんか書いてたっけ?と不思議に思っていると、この曲はヴァイオリン、ピアノ、弦楽四重奏のための協奏曲。
フォーマットとしては、協奏曲というより室内楽風で、それも、ピアノ六重奏曲(そんな構成の曲はあまり聴いたことがない)ではなく、弦楽四重奏による伴奏付きヴァイオリン・ソナタといった方が良いような曲に聴こえる。

さほど有名でない曲のせいか、録音がとても少なくて、私の知っている演奏家だとスーク&ハーラ、アッカルド&カニーノの録音を見つけたくらい。
スークの録音は廃盤なので手に入らず。アッカルドも廃盤らしかったが、こちらはNMLに登録されていた。

Chausson: Concerto Op. 21Chausson: Concerto Op. 21
(1994/01/28)
Accardo,Canino,Batjer,Hoffman,Levin,Wiley

試聴する(NAXOS)
試聴する(米国NAXOS)
(NAXOSは各楽章冒頭30秒(合計15分以内)、米国NAXOSは全曲が合計15分以内で試聴できる。)

全編を通じて、旋律と和声の響きがとても美しく、いろいろな情感が次から次ヘとよどみなく流れていく曲で、フランスもののなかでも、この流麗な美しさはかなりもの。
ヴァイオリン・ソナタに弦楽四重奏曲の伴奏がひっついているようなもので、ヴァイオリン・ソロとピアノがヴァイオリン・ソナタ風に協奏して、ショーソンらしい流れるように曲線的なとても美しい旋律と、メランコリックな叙情感が溢れている。
どうして、こんなに綺麗な曲があまり知られていないのかと不思議な気がする。でも、何回か聴いていると、この流麗な雰囲気が曲全体を覆っているので、かえって単調というか均質な印象が残ってしまう。

第1楽章は”Decide - Calme - Anime”と3部構成のようになっている。
冒頭は、ピアノと弦楽がファンファーレのように"Decide(決然)"と、やや重苦しく翳りのある旋律を弾いているけれど、急に長調に転調して、こんどは同じ旋律が明るさと哀愁が交錯したような叙情的な響きに変わる。
アッカルドが弾くヴァイオリンの旋律がとても美しく、ピアノはアルペジオが多用されていてとても華やかで流麗。
中間部はまるで海の凪なゆったりとした穏やかな(Calme)曲。最後はAnimeなので、速いテンポで流れるように主題が弾かれていき、徐々に静かにゆっくりと締めくくられる。

第2楽章Sicilienneは、その名の通り、憂愁を帯びた旋律がとても綺麗なシチリア舞曲風。じめっとした感じではなく、そよ風が流れているような軽やかさ。ショーソン特有の流麗な旋律の流れがとても綺麗。
ピアノはバックで華麗なアルペジオをずっと弾いているけれど、音がややこもっているのでもう少し明瞭に響いてくれても良い気がする。

第3楽章Graveは、一転して暗い色調に。弦楽パートが悲愴感の強い旋律を弾いていくが、この楽章はピアノの伴奏が面白く、アルペジオや行進曲風のタッチをとりまぜて、不安さや哀感といった雰囲気と色彩感を強く出している。

第4楽章は ”Tres anime”(非常に生き生きと)の通り、速いテンポで舞曲風に華やかな曲。ヴァイオリン・ソロと弦楽の協奏が多くて響きに厚みがあり、それにピアノのアルペジオが加わって、他の楽章よりはかなり協奏曲風に聴こえる。

ショーソンの曲は流麗ではあっても、弦楽パートの色彩感が薄いというか、一筆書きで旋律が流れていくような雰囲気がする。そこにピアノの音色・響き(特にアルペジオの量感)が加わっているので、音の厚みと色彩感がついて、この曲は華やかな協奏曲風になっている。
室内楽曲では珍しいフォーマットだし、特にピアノパートの表情がわりと豊かで流麗で美しくて、結構気に入ってしまった。

tag : ショーソン カニーノ

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(非公開コメント受付中)

私もこの曲が好きです
yoshimi さん、こんばんは。
さっそくNMLで聴いてみました。なかなかいいですね。
昔買って、一番気に入っているのが、
パールマン他のCBS盤です。

>どうして、こんなに綺麗な曲があまり知られていないのかと不思議な気がする。

そのとおりです。
みんなで広めていきましょう!
パールマンが録音していたんですね
くま様、こんにちは。コメントありがとうございます。

この曲、とっても良いですね。室内楽はヴァイオリン・ソナタをメインに聴いているので、こういうフォーマットはあまり聴かないのですが、アッカルドたちの演奏を聴いて、すぐ好きになりました。

パールマンの録音があるんですね!パールマンは好きなので、CDはいろいろ集めましたが、フランスものはチェックしてませんでした。
ボレットとジュリアードSQなので、豪華な顔ぶれですね。このメンバーだとかなりドラマティックな感じで聴き栄えしそうです。

私はスーク&ハーラが録音したCDを探しているのですが、廃盤でUsed品でもなかなか見つかりません。


勉強させていただきました。
yoshimiさん、こんにちは。
昨日、ふと思い立ってラフォルジュルネのコンサートに行くことにしたのです。当日券のある公演はとても限られていましたが、このショーソンの入ったコンサートがその数少ないもののひとつでした。とはいえ聴いたことがない曲なのでいろいろ検索したところ、yoshimiさんの記事にヒットしました。 勉強になりました。仰る通り、流麗ないい曲ですね。ありがとうございます。
ライブで聴けるのは珍しいかも
ポンコツスクーターさま、こんばんは。

もうラフォルジュルネの季節なんですね~。
関西でも最近開催されるようになりましたが、東京と比べると規模はかなり小さいです。
以前東京に住んでいた時には一度も行かなかったのですが、今思うと全く惜しいことをしました。

この曲は、私もスークのCDを収集中にたまたま見つけた曲でした。記事がお役に立って何よりです。
協奏曲というタイトルのわりに楽器編成が変わっていて、面白いですね。
室内楽のような、はたまた、小規模の室内弦楽オケで弾く管弦楽曲のような...。
とても綺麗な曲なので、ショーソンの代表作としてもっと演奏されても良さそうに思えてきます。
多分ライブで演奏されることは滅多にない曲でしょうから、楽しんできてくださいね。


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パリに生まれ、マスネとフランクに学んだショーソン(Chausson, 1855-1899)は、フランスの作曲家の中でフォーレと並んで大好きな作曲家だ。 一般的には「詩曲」の作曲家で、大ヴァイオリニストが必ず採り上げるが、それ以外の曲となると、CDショップの品揃えはもう覚...
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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