ブゾーニ/バッハのコラール《幸なるかな》による即興曲(2台のピアノのための) 

2009, 09. 02 (Wed) 18:17

ブゾーニは、バッハのコラール《Wie wohl ist mir, o freund der seele 幸いなるかな、おお魂の友よ》(BWV 517)をヴァイオリン・ソナタ第2番の第3楽章の変奏主題に使っている。

このソナタは1900年に書かれた作品で、よほどこのコラールが気に入っていたのか、その後1916年に作曲した2台のピアノのための作品にも、このコラールを主題に使っている。
正式名称は、《Improvisation On The beach Chorale 'Wie Wohl Ist Mir, O Freund Der Seele'》という即興曲。

 《Improvisation On The beach Chorale 'Wie Wohl Ist Mir, O Freund Der Seele'》の楽譜ダウンロード(IMSLP)

この曲の録音はあまり多くなく、今ならNAXOSのシラー/ハンフリーズ盤かEMIのRevenaugh/Leighton Smith盤くらいしか、入手しやすいCDが見当たらない。

ヴァイオリン・ソナタ第2番を聴いたことがあれば、この即興曲には聴いたことがあるフレーズがいろんなところに織り込まれているので、妙に親近感を感じてしまう。
ただし、16年の年月が経っているため、作風も変化している。ブゾーニの晩年近くに書かれた作品は調性が決めにくいものが多いと言われる。
1900年に書かれたヴァイオリン・ソナタの方は調性が安定していて、和声はほとんど調和的だったが、この即興曲ではたしかに調性が曖昧な響きが多い。
ヴァイオリン・ソナタで聴いた旋律と同じものが出てきていても、和声が現代的になっていて、ストラヴィンスキーの《ピアノ・ソナタ》や《イ調のセレナーデ》に似たような響きがあちこちで聴こえてくる。
その上、いろいろなモチーフがコラージュのようにつなぎあわされているので旋律が錯綜気味。
”即興曲”というよりも、”幻想曲”というタイトルの方が似合っていると思えてくる。
現代音楽のなかにもいろんな錯綜のパターンがあるけれど、調性感がとても不安定だけれど和声が美しいこの即興曲はかなり好みのタイプ。有名なバッハのピアノ編曲版《シャコンヌ》(これも1900年以前に書かれた作品)とは全く違った作風のブゾーニが聴けるという、とても面白い曲です。

Busoni: Music for Two PianosBusoni: Music for Two Pianos
(2005/12/13)
アラン・シラー; ジョン・ハンフリーズ

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