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シサスク/ヘール・ボップ彗星
たまたま見つけたシサスクの《The Hale-Bopp Comet(ヘール・ボップ彗星)》。
この曲は珍しいフルートとギターによるデュオ。
彗星をテーマにしていなければ、両方の楽器とも音色があまり好きではないので、たぶん見逃していたに違いないアルバム。
実際に聴いてみると曲自体が良かったし、フルートとギターという音の組み合わせは、曲想にとても良く似合っていた。
このヘール・ボップ彗星は、1997年に太陽の近くを通過したので、肉眼で見れるほど明るかったらしい。なぜかこの彗星に関する記憶が全くない。見逃したのは残念。

これはエストニアの作曲家によるフルート&ギターの作品集。知らない作曲家の小品がほとんど。
Portraits of Estonia: Works for Flute and GuitarPortraits of Estonia: Works for Flute and Guitar
(2001/09/25)
Duo Concertante

試聴する(米国amazon)[トラック10]



《The Hale-Bopp Comet》の冒頭は、ギターが静かに、雨音のようなリズムをオスティナートで刻んでいき、その上をフルートがミニマル的な旋律を吹いていく。
彗星はまだ太陽系から遠く離れたところにいるので姿は見えないが、ゆっくりと着実に太陽系に近づいてきているイメージ。(彗星というと、つい「白色彗星」をイメージしてしまう)

ギターのリズムが徐々に変形されて躍動的になっていき、フルートの旋律も同じように装飾されていくが、徐々にクレッシェンドしながら、両方の旋律が変奏曲のように大きく変形していき、華やかな雰囲気になっていく。
和声自体は美しい曲で、どことなくエキゾチックで不可思議さを感じさせるものがある。
これは、太陽系にかなり接近し、真っ白い綺麗な箒のような姿が、徐々に大きく見えてきているようなイメージ。

曲のなかば辺りにさしかかると、曲想が一転してテンポが速くなり、ミニマル的な旋律から抜け出して、メロディアスなフルートの旋律とギターの伴奏に変わる。
彗星が大接近して、白い渦が高速でぐるぐると渦巻き、スピーディで活動的な流線型の彗星がクローズアップされたイメージ。
この部分は完全な調性音楽になっているので、短調で哀感を感じさせるところがあって、ロマンティックで聴きやすい。

最後はディミヌエンドされて同じフレーズを繰り返しながらフェードアウトする。これは去り行く彗星のイメージ。

フルートとギターとも元々どこかしら憂いをおびた響きなので、この2つの楽器でデュオすると、やっぱりさらさらとした哀感がずっと流れている。

tag : シサスク

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