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現代のクリスマス音楽 ~  プラッゲ、バルトーク、ニールセン、シェーンベルク
20世紀に書かれたクラシックの作曲家によるクリスマス曲(ピアノが入ってる曲)を探すと、これが結構いろいろある。
1960年生まれのプラッゲが書いた《クリスマス変奏曲》は伝承されてきた素朴な旋律と調和的な和声が美しい曲。ポピュラーなクリスマス曲を聴くよりも、音が綺麗でとってもナチュラルな雰囲気。
バルトークの《ルーマニアのクリスマスの子供の歌》は民謡を題材にした一連のピアノ小品と同じタッチで、バルトークらしいシンプルな旋律と独特の和声が綺麗な曲。
シベリウスと同じ1876年生まれのニールセンの《クリスマスの夢》は1905年の作品。現代音楽的なところは希薄で北欧風の澄み切った透明感のある美しい曲。
シェーンベルクの《クリスマスの音楽》も、シェーンベルクの書いた曲とは思えないような調和的で穏やかな曲。


プラッゲ《クリスマス変奏曲~クリスマス・キャロルによる即興変奏曲》
ヴォルフガング・プラッゲは1960年オスロ生まれの作曲家。4歳の時からピアノと作曲を学んでいたので、ピアノもコンクールで優勝するほどの腕前。
この《クリスマス変奏曲》は北欧の有名なクリスマス・キャロルの変奏曲。15の変奏曲があるので演奏時間は50分あまりとリストの《クリスマス・ツリー》並みの力作。プラッゲの他の作品とは違い現代音楽的では全然なく、ポップス的な親しみやすさでこれは誰にでもお薦め。

ピアノを弾いているのはプラッゲ自身。ほとんどが聴いたこともない旋律ばかりだけれど、プロのピアニスト並の腕をもつ作曲家が自作自演しているだけあって、色彩感のある音色と響きがとても綺麗で、どの曲もとてもシンプルでほのぼのとした味わい。
リストの《クリスマス・ツリー》のような重音の響きが厚い曲ではなく、素朴な旋律に柔らかい和音の響きが付け加わって、ふわ~とした響きがとても心地よい。
なによりこの録音はピアノの音がとても良い。オスロの教会で行っているわりに、残響が少なく濁らないのでとてもクリア。同じ部屋のなかでピアノを弾いているようなリアルで親密感のある響きが綺麗。
とても柔らかな音で暖かみがあり、雪の結晶がきらきらと煌めくような明るさもあって、クリスマスらしい雰囲気がいっぱい。
ホットココアやホットミルクとチョコレートケーキと一緒に、この曲を聴きながらぼ~っとクリスマスの夜を過ごしたくなる。
ペンティネンのクリスマスアルバムと同じくらいに素敵な曲集です。

Julevariasjoner [Hybrid SACD]Julevariasjoner [Hybrid SACD]
January 1, 2005
Wolfgang Plagge (Piano)

試聴する(米国amazon)



1.イェルサレムの定期市 (Sjå Jerusalem)
    -主題の旋律が初めはシンプルな単音で。何度か繰り返されるたびに和音の厚みが増して
     きらきらとした輝き。
2.あなたのあわれな子どもたちがやってきます (Her kommer dine arme små)
3.青々と緑、きらきらと輝く (Du grønne, glitrende)
4.たくさんのキャンドルに灯がともった (Nå tennes tusen julelys)
    -今までの曲と違ってアルペジオを多用しているので、響きに膨らみがあって華やか。
5.さあ鐘よ鳴れ (Kling no klokka)
    -ノルウェー伝承歌。透き通った響きの高音で弾く旋律と伴奏がとても幻想的。
     サイモン&ガーファンクルの曲を聴いているみたいに高音が透き通るように綺麗。
6.荒れ野の果てに (Høyr kor Englehæren) 
    -これはとっても有名な旋律。こんなに綺麗なピアノ音で聴いたのは初めて。
7.ベツレヘムの小さな町 (O Betlehem)
8.あなたのあわれな子どもたちがやってきます (Her kommer dine arme små) (その2)
    -これもどこかで聴いたことのある旋律。長調なのに短調が混ざってちょっと物悲しげな
     雰囲気。
9.一輪のばらが咲いた (Det hev ei rosa sprunge)
10.つねに待ち望む心を (Mitt hjerte alltid vanker)
11.ノルウェーのクリスマスキャロル (Norsk juleslått)
12.さあ鐘よ鳴れ (Kling no klokka) (その2)
    -1曲目は長調だったので、2曲目は短調の哀しげな曲に。
13.鐘たちよ、今鳴っている (Kimer i klokker)
14.なんじは讃えられよ (Du være lovet)
    -軽やかな旋律といろいろ変形していくオスティナート的な伴奏。コラール風の厳粛さが
     そこはかとなく漂う曲。
15.民の救済 (Folkefrelsar)
    -ゆったりと静かな雰囲気のなかにも、明るさがあり喜びの気持ちが伝わってくるような曲。
    -1音1音が長いので全ての音が重なっていくようなのに、不思議と響きに濁りがない。
*日本語タイトル情報はノルディックサウンド広島のニュースレターより。


バルトーク《ルーマニアのクリスマスの子供の歌 BB67》(1915年)
《ルーマニアのクリスマスの子供の歌 BB 67/Sz. 57》には第1集と第2集があり、それぞれいろいろな曲想の短い曲が組み合わさっている。
バルトーク独特のさっぱりした哀感のある旋律と和声がとても綺麗で、弾けるようなリズムはとても楽しげ。
なじみのない東欧圏の民謡に加えてバルトーク編曲で聴くと、巷に良く流れているトラディショナルなクリスマス・キャロルとはかなり違った雰囲気。

バルトーク:ピアノ作品全集 2 「舞踏組曲」/「ルーマニア民族舞曲」/他バルトーク:ピアノ作品全集 2 「舞踏組曲」/「ルーマニア民族舞曲」/他
2002年03月25日
イェネ・ヤンドー(ピアノ)

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ニールセン《クリスマスの夢 Drommen om Glade Jul》, FS 34》(1905年)
《きよしこの夜》の有名な旋律をモチーフにしたピアノソロ。英文タイトルが ”The Dream of a Merry Christmas”。”Dream of Silent Night”と表記されている録音もある。
最初と最後に”きよしこの夜~”の部分の旋律が使われている。後は夢見ごこちのノクターン風に違う旋律を続けて、北欧の澄んだ空気が感じられるような透明感がとても綺麗な曲。

《クリスマスの夢》のMP3ファイル[ピティナ/演奏:内藤晃さん](サイトの右側にある曲名をクリック)

Carl Nielsen: Complete Piano Music Carl Nielsen: Complete Piano Music
(May 3, 2007)
Miller(piano)

試聴する(米国amazon)[DISC1-Track17]



シェーンベルク《クリスマスの音楽 Weihnachtsmusik》(1921年)
シェーンベルクにしては珍しく、とてもまともな普通の調性音楽。弦楽四重奏が入っているので、優雅ながら厳粛な雰囲気がクリスマスらしい。
編成は弦楽四重奏にピアノとハーモニウム(リードオルガン)という珍しい組み合わせ。アコーディオンかと思った音は、ハーモニウムの音だった。
タイトルの通り”クリスマスの音楽”のごとく、《きよしこの夜》の旋律がかなり変形されて埋め込まれている。

この録音の演奏は、アルディッティ四重奏団、アウストボー(ハーモニウム)、バセット(ピアノ)、指揮がミシェル・ベロフ。アウストボーがハーモニウムを弾いているというのが珍しいし、それになぜかベロフが指揮者になっている。

Arnold Schoenberg: Weihnachtsmusic & TranscriptionsArnold Schoenberg: Weihnachtsmusic & Transcriptions
(2002/07/09)
Arditti String Quartet,Bessette,
Austbo,Conducted by Michel Beroff
試聴する(米国amazon)

tag : プラッゲ バルトーク ニールセン シェーンベルク

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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