ワルター・クリーン ~ モーツァルト/ピアノ協奏曲集 

2010, 02. 03 (Wed) 18:00

ヘブラーのピアノ協奏曲集を探していたら、モーツァルトの第17番以降のピアノ協奏曲を集めた『Mozart: Twelve Great Piano Concerti』というアルバムに第19番と第20番だけ録音していた。
このアルバムはワルター・クリーンをメインに録音しているらしく、他にはブレンデルが第20番と第25番、フィルクスニーが2台のピアノのための協奏曲を弾いている。

Mozart: Twelve Great Piano ConcertiMozart: Twelve Great Piano Concerti
(2004/03/23)
Walter Klien;Ingrid Haebler;Rudolf Firusny & Alan Weiss;Alfred Brendel

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ヘブラーの第20番は膨らみのある温もりのある響きが綺麗で、弱音も羽毛のように柔らかくてふんわり。こういう響きはわりと好きなので、聴いていてもとても心地よい。
短調のコンチェルトのわりには、音色が明るいのと強弱のコントラストをあまり強くつけてないせいか、悲愴感とドラマティックさは薄めな感じ。
奥ゆかしい品のよさと明るく暖かい感じのするところは、バッハのフランス組曲の録音を聴いているときと同じかな。

ワルター・クリーンの方は、録音状態がかなり悪いブラームス作品全集でしか知らない。
音は全く悪かったけれど、モーツァルトのような感じがする子守歌風の優しげなタッチのピアノ小品集の演奏がわりと好きだったので、本領のモーツァルトの方もちょっと聴いてみたい気がした。

モーツァルトでよく聴くのは第20・23・24・25・27番のコンチェルトくらい。クリーンで聴いたのは第23番。
コロコロとした感じの軽やかで柔らかいタッチがとても優雅で、評判どおりにとても綺麗な音。
フォルテはそれほど強くはないけれど、弱音の階層が多くて表情は豊か。弱音の響きが特に綺麗で儚げで、壊れやすい脆さに暖かみと哀感が入り混じり、表現もとても繊細で、かなりうっとりとしてしまう。
第2楽章は若い頃のポリーニの録音を聴いていて、これはDVDまで持っているくらいにかなり好き。ポリーニはとても硬質なタッチと響きで透明感のあるクールなピアノだったけれど、クリーンは響きがずっと柔らかくて詩的。
この後にブレンデルの弾く第25番を聴くと、タッチがややシャープで、弱音の響きはすっきりとした透明感があり、とても明晰な印象。
ヘブラー、ブレンデル、クリーンのなかでは、弱音の繊細な表現が綺麗でメルヘンのように夢見心地な感じがするクリーンが一番好みに合っていた。

タグ:モーツァルト ブレンデル

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4 Comments

さすらい人  

ポリーニの23番!

定評のある名盤ですよね!今でもよく聴く演奏です。
同曲のアシュケナージがフィルハーモニアを弾き振りしている演奏は如何でしょうか。この第2楽章は、モーツァルトを普段聴かない友人が泣いて喜んだほどの、ロマン溢れる演奏なのです…。

2010/02/03 (Wed) 20:28 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

23番は名盤がいろいろありますね

さすらい人様、こんにちは。
コメントありがとうございます。

ポリーニのモーツァルトというのは、硬質で透明感のある音質が意外と似合いますね。
アシュケナージのCDはほとんど持っていないので、残念ながら聴いたことがないのです。いわゆるモーツァルト弾きと言われるピアニストの録音も、なぜか聴いていませんね。

モーツァルトの協奏曲で聴いているのは、ゼルキン、ケンプ、ルプー、カッチェンくらいでしょうか。初めて聴いたクリーンはかなり好みです。
グルダはさほど好きではないのですが、23番はアーノンクールとの録音が奇才同士の演奏で面白いとは思います。

2010/02/03 (Wed) 22:42 | EDIT | REPLY |   

matsumo  

NoTitle

yoshimiさん、こんにちわ

ワルター・クリーンと言えば、モーツアルトと言う感じがしています(ヘブラーもそうですが)。氏は確か、NHK趣味百科「ピアノでモーツァルトを」でピアノを演奏していましたよね。

モーツアルトのピアノ協奏曲では、デモーニッシュな感じの第20番と第24番が好きです。前者ではルフェルビール、後者ではハスキルの録音が好きです。

2010/02/04 (Thu) 18:34 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

NHKの講師陣は豪華ですね

matsumo様、こんにちは。
コメントありがとうございます。

あまりモーツァルトは聴かないもので、ヘブラーやハスキル、内田光子さんとか、名前だけしか知らないピアニストが多いですね。モーツァルトに限らず、女性のピアニストは試聴をした程度で、ほとんど聴いたことがありません。ヘブラーはバッハの演奏の方が好みに合いました。

NHKは有名なピアニストを講師に招いていますね。
クリーンが出ていたとは知りませんでした。昔からほとんどテレビは見なかったので...。
随分昔ですが、カツァリスの時は、見た記憶があります。この時は、本屋さんでテキストがかなり目立っていたので、知りました。
もしかして、オピッツも講師をしていたような...。(調べたら、ベートーヴェンの時に出てました。)

私も第20番と第24番は好きですが、好きなピアニストの録音だけ集めているので、聴いたことのある演奏はかなりかたよってます。
最近は、第25番もシンフォニックな響きが強くて、結構好きになりました。

2010/02/04 (Thu) 18:49 | EDIT | REPLY |   

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