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バッハ=ラインベルガー&レーガー編/ゴルトベルク変奏曲(2台のピアノ版)
あのゴルトベルク変奏曲を2台のピアノ版に編曲した録音が、ちょうどHMVの[本日の特価CD]になっていた。国内盤なので定価2,520円が、その半額に。(これは日曜日の話なので、今は定価どおり。)
HMVの紹介文によると、「ドイツのオルガン奏者・作曲家ヨーゼフ・ラインベルガーが1883年に2台ピアノのために編曲したものを、同じくドイツの作曲家マックス・レーガーが1915年にさらに自身の解釈を書きとどめたヴァージョン」なのだそう。
ちょっと面白そうだったので、まず試聴。
ピアノは、世界的なピアノ・デュオ(らしい)タール&グロートホイゼンという2人。

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(2台ピアノ版 ラインベルガー/レーガー編)バッハ:ゴールドベルク変奏曲(2台ピアノ版 ラインベルガー/レーガー編)
(2009/11/25)
グロートホイゼン(アンドレアス) タール(ヤアラ)

試聴する(HMV/別の国内盤にリンク)


冒頭のアリアは最初の方だけだったので、特に変わったこともなく。
問題は、次の第1変奏から。
ピアノ・ソロで弾く旋律が正面からいつもどおりに聴こえてくるのは良いとして、バックで2声(かそれ以上)の旋律が、BGMのように鳴っている。
最初は、別の音楽プレーヤーをつけっぱなしにしていたのかと思って、パソコンの画面を探したけれど、どうも鳴っているプレーヤーはこれ1つしかない。
編曲時に付け加えられた声部のおかげで、まるで妨害電波でマスキングしているかのように、本来の旋律が聴き取りにくくなり、さらに別の旋律がいくつか流れてくるので、旋律が錯綜して糸がこんがらがったような感じになっていく。
私の耳が悪いのか、パソコンで試聴しているせいかとも思ったけれど、ステレオでもこういう風に聴こえるんじゃないだろうか...と思ったので、購入は思いとどまりました。

さわりの部分だけだとしても、全変奏を試聴してみると、面白いことは面白い。アリスのワンダーランドのように不思議な音の世界に迷いこんだような...。
第1変奏は、リピート時に、ケンプが装飾音を省略して弾いていたゴルトベルクの主題の旋律が明確に聴こえてくる。そういえば、以前調べたことがある編曲版の楽譜は、装飾音をかなり省略していたはず、と思って確かめてみるとその通り。
何度か聴いていると、耳がこの錯綜した音の世界に慣れたせいか、旋律もかなり聴き取りやすくなってくる。

 ゴルトベルク変奏曲(2台のピアノ版)の楽譜ダウンロード(IMSLP)

変奏によっては、違ったリズムの旋律が紛れこんでいたり、曲としての統一感というかまとまりが薄く(少なくとも私には感じとりにくい変奏があるので)、さらに対位法的な処理も明確に聴きとれず、特に速いテンポの楽章は雑然とした感じがする。(第5、8、14、20変奏など)

第6、14、17、23、27変奏とかは速いテンポながら、追加した旋律が合いの手を入れていくように面白くて、和声もそれほど混濁せず、バランスはそんなに悪くなくて軽妙。
第26変奏も付加した声部が和音主体の構成になっているので、和声の厚みが強調されているだけなので、原曲に近いイメージ。
第30変奏も和音を加えてかなり華やか。原曲とは和声の響きがちょっとずれているような、ぴったりこない感じはするけど。(これは他の変奏でもよく感じる)

テンポが遅い楽章は追加された音が少なくなるせいか、声部が聴きとりやすくなる。第2、7、9、10、12、13、15、21、25変奏とかは、各声部が調和して曲としてのまとまりが出ているようで、和声も綺麗に聴こえる。
第30変奏(クオドリベット)も、オルガンが鳴っているような響きが清々しくも明るい雰囲気で、わりと綺麗な編曲。

変奏によってはすんなり聴けるものと、ちょっと錯綜感を感じるものがあり、ゴルトベルクを聴いているというよりは、時たまパロディ音楽か何かを聴いている気がしてくる。
といっても、最初のところだけを試聴してみても、結構面白かった。時間を無駄にしたという気がしなかったのは良かったところ。
何度も聴いていると耳が慣れたせいか、最初に感じた違和感も薄れてきて、この録音、結構面白くて良いかも..と思い始めたくらい。
このCD、今まで何人の人が買っているだろうと思って、ブログ記事を検索すると、わりと評価の良い記事がちらほら。
個人的にはそこまで良いとはあまり思わないけど、最後まで全曲通しで聴けば、また違った印象になるのかも。今のところはCDを買って聴こうという気まではしないし、やっぱり原曲版の演奏の方で良いものを聴きたい。

tag : バッハ レーガー

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