グレゴリー・ソコロフ ~ ベートーヴェン/ディアベリ変奏曲
2010.06.27 18:00| ♪ グレゴリー・ソコロフ|
長大で退屈とよく言われるベートーヴェンのディアベリ変奏曲。
この曲を最初から終わりまで飽きずに聴かせることができるかどうかは、ピアニストの腕にかかっているのは確か。何の変哲もない弾き方をすると、かなり退屈するには違いない。
幸いにして、いろいろ聴いた録音に良いものが多かったのでディアベリは大好きな曲。ゴルトベルクよりも気に入っているくらい。
今まで聴いた録音のなかでは、アンデルジェフスキのディアベリが一番刺激的。これ以上に素晴らしいと思える演奏はないだろうなあと思っていたら、今度はソコロフのディアベリを見つけてしまった。
ソコロフのディアベリは、緻密で繊細で甘美な叙情感と、力強くゆるぎない堅固な構造感とが共存し、アンデルジェフスキ以上に個性的。
ベートーヴェンにしては、ルバートが多用され、色彩感も豊かで叙情感も強く、ロマン派の音楽を聴いているような気がするところはあるけれど、隅ずみまで緻密に設計されているせいか、べたべた感情移入したような情緒性はない。
ソコロフらしく、惹きつけられてしまう音の吸引力はいつものことながら、細部まで練られた音の色彩感、響きの重ね方も多彩。
ダイナミックレンジの広さを生かして、重戦車のように力強く迫力のあるフォルテから、甘美なピアニッシモまで、強弱のコントラストもかなり大胆。音量の幅広さと音の美しさは格別。
変奏別・変奏中のテンポ設定もコントラストを明確にし、特に緩徐系の変奏はかなりゆったりとしたテンポで弱音の美しさと表現の繊細さが引き立っている。
地鳴りのような力強い響きのフォルテの推進力と急迫感も素晴らしく、この演奏を聴いて退屈することの方が難しい。
ライブ録音とはいえ、ほとんどミスタッチがなく、臨場感があるせいか音に生気が漲り、60分という長さでも途切れることない集中力を感じさせる。
ライブでこれだけ完成度が高ければ、スタジオ録音する必要もないのでしょう。
アンデルジェフスキが一つの物語のようなドラマティックな演奏だとすれば、ソコロフは時間がゆっくり流れる一つの宇宙のように悠然とした感じがする。
かなり表現が濃厚で個性的な演奏ではあるので、好みは分かれるタイプ。ゼルキンのような質実剛健な演奏を好む人にはちょっと合わないかも。私はゼルキンとカッチェンのディアベリも好きなので、そのときの気分に合うタイプの演奏を選んで、聴くようにしている。
アンデルジェフスキのディアベリが好きな人なら、ソコロフのディアベリもわりと面白く聴けそうな気はする。ちょっと試聴しただけでも、どれくらい個性的かがすぐにわかります。
ディアベリ変奏曲は1985年サンクト・ペテルブルクでのライブ録音。ディアベリだけの分売盤も出ているが、入手しにくいしCD1枚にしてはちょっと高めの価格。BOXセットの録音はどれもハズレがないので、コストパフォーマンスは良い。
ディアベッリのワルツの主題による33の変奏曲 / 33 Veränderungen über einen Walzer von A.Diabelli Op.120
<メモ>
ディアベリを聴くときは、必ず変奏ごとのメモを残しておく習慣。聴き直すと印象が変わることがあったり、聴き比べるときに役に立つので。
主題:冒頭3音からして独特な弱音。トロロ~ンという弱音は甘美でちょっと妖艶かも。
その後に続くリズミカルで歯切れの良いの和音とのコントラストが鮮やか。この主題の弾き方は、ブラインドで聴いたとしても、誰が弾いているか間違いようがない。
第1変奏:かなりゆったりしたテンポをとり、弾力のある力強いフォルテで始まり、力をすっかり抜いた弱音のフレーズが挟まれて、緩急の落差の大きいこと。
第2変奏:ひそひそ内緒話をするような囁くような弱音なのに、リズミカルに弾いているのが面白い。
第3変奏:ゆったりしたテンポで、子守歌のように柔らかで温もりのある弱音の響きが綺麗。いろんな種類の弱音を使っていて(この変奏に限らず)、色彩感やニュアンスが微妙に変化していく。
第4変奏:夢見るように明るく歌うような旋律が綺麗。
第5変奏:やや遅めのテンポで、冒頭の左手の連打音を柔らかい弱音で弾いている。(ここを強く鋭くタッチで弾いているピアニストは結構多かったような)。その後では、和音をフォルテでタッチも鋭く弾いているので、かなり強いコントラストがついている。
第6変奏:表情豊かなトリルがとても面白いし、トリル以外の旋律もおしゃべりしているみたいに聴こえる。こんなシンプルな音型だけの変奏なのに、とっても饒舌。
第7変奏:高速で軽快。8度で移動していく左手がとてもリズミカル。右手の三連符はきらきらと煌くよう。
第8変奏:ゆったりしたテンポで弾く左手のアルペジオも、右手の和音もとてもやわらかい響きのレガート。まるで夢のなかにいるように、ふわふわ~とした感じ。
第9変奏:おどけたような雰囲気を出すリズムの取り方がとても上手いし、弱音で弾いた時はちょっとおっかなびびっくりといった感じ。
第10変奏:速いテンポでとても軽快で、持続音が良く響いている。クレッシェンドの勢いと音量が強く迫力あり。
第11変奏:テンポを落として、柔らかい弱音の三連符はうとうと眠たげな雰囲気。
第12変奏:速いテンポの重音移動はとても柔らかなレガートで軽やか。
第13変奏:フォルテの打鍵が力強く(地鳴りがしそう)、符点のリズムも突き刺すようにシャープ。間に挟まれる弱音がささやくように微かな響きで、これだけ落差が大きいと、この単調な(と思える)変奏でも面白く聴けてしまう。
第14変奏:かなりテンポを落として、弱音で弾く和音はとても柔らかくて軽やか。ちょっと疲れてまどろむような物憂げな雰囲気。
第15変奏:和音のスタッカートがやや柔らかいが、弾むように軽やか。
第16・17変奏:速いテンポで、左右の符点のリズムが鋭く、鍵盤上をリズムカルに歯切れ良く上行下降していて、とても躍動的。トリルがどことなくおしゃべりしているようなのが面白い。
アタッカでつながる第17変奏は、少し行進曲風。左手がよく響いて、鼓動のようにリズムを刻んでいる。
第18変奏:一転して、ゆったりとしたテンポに変わり、とても柔らかでレガートな響きの弱音が心地よい。問いかけるようなちょっと不思議そうな雰囲気が良く出ている。
第19変奏:前半のスフォルツァンドの入った弾けるようなリズムが鋭く、カスケードのように折り重なっていくところが鮮やか。
第20変奏:フーガになっているけれど、”エニグマ”とでも名前をつけたくなるような、どうもよくわからないところがあるミステリアスな旋律。
第21変奏:冒頭のアレグロと、その後のメノ・アレグロとで、スピードと音量で大きく差をつけている。
第22変奏:おどけた雰囲気の変奏。単純な音型を何度もリピートするとても単調な構成なので、音の長さ、大きさ、響きの重なり方に打鍵するタッチとかに、かなり工夫して変化をもたせて、色彩感のある面白い変奏に聴こえる。
第23変奏:速いテンポで、歯切れ良いタッチがリズミカル。特にフォルテの和音のアクセントがよく効いている。
第24変奏:ややスローなテンポで、温もりのある柔らかい響きに包まれるようなフーガ(フゲッタ)。教会の中で弾いているような響きの重なりが美しく、夢見るように優しいけれど微かな哀感が流れているような気もする。
第25変奏:速いテンポで、左手と右手がそれぞれ違うリズムを正確にインテンポで刻んでいるのがとても軽快。まるで汽車がレールの上を一定のテンポで走っているようなイメージ。
第26変奏:ゆったりとしたテンポで、柔らかい響きでアルペジオを重ねていくところが夢幻的。
第27変奏:休む間もなく両手とも高速で動き回って目まぐるしい。特に、左手がスタッカートで杭のように打ち込まむリズムが鋭く、ところどころ持続音が強く響いている。
第28変奏:ずっと速いテンポのフォルテで、終始両手の重音移動が力強く規則正しいリズムを刻む変奏。最後だけ弱音に。
第29変奏:ゆったりとしたテンポで、柔らかい響きの弱音が弾く旋律は美しく、淡々とした中に抑制された悲愴感が漂う変奏。
(この変奏の冒頭の旋律は、映画「敬愛なるベートーヴェン」の中で流れていた。)
第30変奏:前変奏の雰囲気をひきづるように、ほぼアタッカでつながっている。中間部でやや明るさを感じさせるような旋律が挟まれているが、終盤は再び哀しげな元の雰囲気にもどって終える。
第31変奏:涙が小雨のようにしとしと流れているような哀感と、ときに聴こえてくる甘美な響きが美しい変奏。ソコロフのピアノは、深く沈み込んでいくような思索的な雰囲気があるのが独特。
第32変奏:ややゆったりとしたテンポで、徐々に霧が晴れたように明るく軽快さを増してゆくフーガ。
わりと速いテンポで弾くピアニストもいるけれど、同音連打のリズムをフォルテで明確に刻み、着実に一歩一歩踏みしめていくようなやや重めのタッチ。展開部のフーガはとても柔らかで軽やかになり、最後はテンポも上がって勢い良くクレッシェンド。
第33変奏:柔らかく温もりのある弱音が優しく響き、子供が遊び疲れて眠りに誘われるような雰囲気がする変奏。聴いている方もぐったり。もう眠くなってしまいました。ソコロフの弱音の響きの美しさと緻密で繊細な表現は素晴らしくて、疲れたけれどとても満足。 ※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
この曲を最初から終わりまで飽きずに聴かせることができるかどうかは、ピアニストの腕にかかっているのは確か。何の変哲もない弾き方をすると、かなり退屈するには違いない。
幸いにして、いろいろ聴いた録音に良いものが多かったのでディアベリは大好きな曲。ゴルトベルクよりも気に入っているくらい。
今まで聴いた録音のなかでは、アンデルジェフスキのディアベリが一番刺激的。これ以上に素晴らしいと思える演奏はないだろうなあと思っていたら、今度はソコロフのディアベリを見つけてしまった。
ソコロフのディアベリは、緻密で繊細で甘美な叙情感と、力強くゆるぎない堅固な構造感とが共存し、アンデルジェフスキ以上に個性的。
ベートーヴェンにしては、ルバートが多用され、色彩感も豊かで叙情感も強く、ロマン派の音楽を聴いているような気がするところはあるけれど、隅ずみまで緻密に設計されているせいか、べたべた感情移入したような情緒性はない。
ソコロフらしく、惹きつけられてしまう音の吸引力はいつものことながら、細部まで練られた音の色彩感、響きの重ね方も多彩。
ダイナミックレンジの広さを生かして、重戦車のように力強く迫力のあるフォルテから、甘美なピアニッシモまで、強弱のコントラストもかなり大胆。音量の幅広さと音の美しさは格別。
変奏別・変奏中のテンポ設定もコントラストを明確にし、特に緩徐系の変奏はかなりゆったりとしたテンポで弱音の美しさと表現の繊細さが引き立っている。
地鳴りのような力強い響きのフォルテの推進力と急迫感も素晴らしく、この演奏を聴いて退屈することの方が難しい。
ライブ録音とはいえ、ほとんどミスタッチがなく、臨場感があるせいか音に生気が漲り、60分という長さでも途切れることない集中力を感じさせる。
ライブでこれだけ完成度が高ければ、スタジオ録音する必要もないのでしょう。
アンデルジェフスキが一つの物語のようなドラマティックな演奏だとすれば、ソコロフは時間がゆっくり流れる一つの宇宙のように悠然とした感じがする。
かなり表現が濃厚で個性的な演奏ではあるので、好みは分かれるタイプ。ゼルキンのような質実剛健な演奏を好む人にはちょっと合わないかも。私はゼルキンとカッチェンのディアベリも好きなので、そのときの気分に合うタイプの演奏を選んで、聴くようにしている。
アンデルジェフスキのディアベリが好きな人なら、ソコロフのディアベリもわりと面白く聴けそうな気はする。ちょっと試聴しただけでも、どれくらい個性的かがすぐにわかります。
![]() | Grigory Sokolov (Box Set) (2003/11/18) Grigory Sokolov (Piano) 試聴する(amazon.co.uk、分売盤) |
ディアベリ変奏曲は1985年サンクト・ペテルブルクでのライブ録音。ディアベリだけの分売盤も出ているが、入手しにくいしCD1枚にしてはちょっと高めの価格。BOXセットの録音はどれもハズレがないので、コストパフォーマンスは良い。

<メモ>
ディアベリを聴くときは、必ず変奏ごとのメモを残しておく習慣。聴き直すと印象が変わることがあったり、聴き比べるときに役に立つので。
主題:冒頭3音からして独特な弱音。トロロ~ンという弱音は甘美でちょっと妖艶かも。
その後に続くリズミカルで歯切れの良いの和音とのコントラストが鮮やか。この主題の弾き方は、ブラインドで聴いたとしても、誰が弾いているか間違いようがない。
第1変奏:かなりゆったりしたテンポをとり、弾力のある力強いフォルテで始まり、力をすっかり抜いた弱音のフレーズが挟まれて、緩急の落差の大きいこと。
第2変奏:ひそひそ内緒話をするような囁くような弱音なのに、リズミカルに弾いているのが面白い。
第3変奏:ゆったりしたテンポで、子守歌のように柔らかで温もりのある弱音の響きが綺麗。いろんな種類の弱音を使っていて(この変奏に限らず)、色彩感やニュアンスが微妙に変化していく。
第4変奏:夢見るように明るく歌うような旋律が綺麗。
第5変奏:やや遅めのテンポで、冒頭の左手の連打音を柔らかい弱音で弾いている。(ここを強く鋭くタッチで弾いているピアニストは結構多かったような)。その後では、和音をフォルテでタッチも鋭く弾いているので、かなり強いコントラストがついている。
第6変奏:表情豊かなトリルがとても面白いし、トリル以外の旋律もおしゃべりしているみたいに聴こえる。こんなシンプルな音型だけの変奏なのに、とっても饒舌。
第7変奏:高速で軽快。8度で移動していく左手がとてもリズミカル。右手の三連符はきらきらと煌くよう。
第8変奏:ゆったりしたテンポで弾く左手のアルペジオも、右手の和音もとてもやわらかい響きのレガート。まるで夢のなかにいるように、ふわふわ~とした感じ。
第9変奏:おどけたような雰囲気を出すリズムの取り方がとても上手いし、弱音で弾いた時はちょっとおっかなびびっくりといった感じ。
第10変奏:速いテンポでとても軽快で、持続音が良く響いている。クレッシェンドの勢いと音量が強く迫力あり。
第11変奏:テンポを落として、柔らかい弱音の三連符はうとうと眠たげな雰囲気。
第12変奏:速いテンポの重音移動はとても柔らかなレガートで軽やか。
第13変奏:フォルテの打鍵が力強く(地鳴りがしそう)、符点のリズムも突き刺すようにシャープ。間に挟まれる弱音がささやくように微かな響きで、これだけ落差が大きいと、この単調な(と思える)変奏でも面白く聴けてしまう。
第14変奏:かなりテンポを落として、弱音で弾く和音はとても柔らかくて軽やか。ちょっと疲れてまどろむような物憂げな雰囲気。
第15変奏:和音のスタッカートがやや柔らかいが、弾むように軽やか。
第16・17変奏:速いテンポで、左右の符点のリズムが鋭く、鍵盤上をリズムカルに歯切れ良く上行下降していて、とても躍動的。トリルがどことなくおしゃべりしているようなのが面白い。
アタッカでつながる第17変奏は、少し行進曲風。左手がよく響いて、鼓動のようにリズムを刻んでいる。
第18変奏:一転して、ゆったりとしたテンポに変わり、とても柔らかでレガートな響きの弱音が心地よい。問いかけるようなちょっと不思議そうな雰囲気が良く出ている。
第19変奏:前半のスフォルツァンドの入った弾けるようなリズムが鋭く、カスケードのように折り重なっていくところが鮮やか。
第20変奏:フーガになっているけれど、”エニグマ”とでも名前をつけたくなるような、どうもよくわからないところがあるミステリアスな旋律。
第21変奏:冒頭のアレグロと、その後のメノ・アレグロとで、スピードと音量で大きく差をつけている。
第22変奏:おどけた雰囲気の変奏。単純な音型を何度もリピートするとても単調な構成なので、音の長さ、大きさ、響きの重なり方に打鍵するタッチとかに、かなり工夫して変化をもたせて、色彩感のある面白い変奏に聴こえる。
第23変奏:速いテンポで、歯切れ良いタッチがリズミカル。特にフォルテの和音のアクセントがよく効いている。
第24変奏:ややスローなテンポで、温もりのある柔らかい響きに包まれるようなフーガ(フゲッタ)。教会の中で弾いているような響きの重なりが美しく、夢見るように優しいけれど微かな哀感が流れているような気もする。
第25変奏:速いテンポで、左手と右手がそれぞれ違うリズムを正確にインテンポで刻んでいるのがとても軽快。まるで汽車がレールの上を一定のテンポで走っているようなイメージ。
第26変奏:ゆったりとしたテンポで、柔らかい響きでアルペジオを重ねていくところが夢幻的。
第27変奏:休む間もなく両手とも高速で動き回って目まぐるしい。特に、左手がスタッカートで杭のように打ち込まむリズムが鋭く、ところどころ持続音が強く響いている。
第28変奏:ずっと速いテンポのフォルテで、終始両手の重音移動が力強く規則正しいリズムを刻む変奏。最後だけ弱音に。
第29変奏:ゆったりとしたテンポで、柔らかい響きの弱音が弾く旋律は美しく、淡々とした中に抑制された悲愴感が漂う変奏。
(この変奏の冒頭の旋律は、映画「敬愛なるベートーヴェン」の中で流れていた。)
第30変奏:前変奏の雰囲気をひきづるように、ほぼアタッカでつながっている。中間部でやや明るさを感じさせるような旋律が挟まれているが、終盤は再び哀しげな元の雰囲気にもどって終える。
第31変奏:涙が小雨のようにしとしと流れているような哀感と、ときに聴こえてくる甘美な響きが美しい変奏。ソコロフのピアノは、深く沈み込んでいくような思索的な雰囲気があるのが独特。
第32変奏:ややゆったりとしたテンポで、徐々に霧が晴れたように明るく軽快さを増してゆくフーガ。
わりと速いテンポで弾くピアニストもいるけれど、同音連打のリズムをフォルテで明確に刻み、着実に一歩一歩踏みしめていくようなやや重めのタッチ。展開部のフーガはとても柔らかで軽やかになり、最後はテンポも上がって勢い良くクレッシェンド。
第33変奏:柔らかく温もりのある弱音が優しく響き、子供が遊び疲れて眠りに誘われるような雰囲気がする変奏。聴いている方もぐったり。もう眠くなってしまいました。ソコロフの弱音の響きの美しさと緻密で繊細な表現は素晴らしくて、疲れたけれどとても満足。 ※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。