バルトーク/シク地方の3つのハンガリー民謡,ルーマニア民族舞曲,ルーマニアのクリスマスの子供の歌 

2010, 06. 23 (Wed) 18:00

ピアノで弾くバルトークといえば、一番知られているのはたぶんピアノ協奏曲。
数十年前にポリーニが録音した演奏が、打楽器奏法の最たるもののように凄かったせいではないかと思っている。
バルトークと同郷人のピアニストのシフは、「バルトークはいつも荒々しく、ばんばん弾かれます。ですから彼の音楽の音色の美しさが失われてしまうのです。」と言っていた。

バルトークのピアノ作品は、打楽器的奏法を駆使するものばかりではなく、和声の響きや旋律が美しく、あまり聴きなれない東欧風のエキゾチックな雰囲気する曲もたくさん。
一つ一つは演奏時間の短い小品が多いけれど、大半は組曲になっているので、全部聴くとなるとこれが結構な時間がかかる。
バルトークのピアノソロの作品を聴くと、ドビュッシーに影響されたような和声の美しい響きや、東欧の民謡独特のリズムや旋律がとても新鮮。

バルトークのピアノ独奏曲といえば、《ミクロコスモス》や《アレグロ・バルバロ》は、聴いたことがなくても、タイトルが印象的なので良く知られているかも。
一般にはあまり聴かていない(と思う)《戸外にて》は響きが幻想的。かなり現代的な印象主義の曲のようでかなり変わった雰囲気なのが面白い。

民謡素材を元にした組曲群がかなり多く(多すぎてどれがどの曲なのかだんだん混乱する)、その中でも哀感のある旋律と現代風でエキゾチックな雰囲気が混合したような和声がとても美しい曲集だと思えるのが、《シク地方の3つのハンガリー民謡》《ルーマニア民俗舞曲》《ルーマニアのクリスマスの子供の歌》

                             

《シク地方の3つのハンガリー民謡》はアンデルジェフスキがカーネギーホールのリサイタルでアンコールに弾いていた。
初めて聴いた時はなんて綺麗な曲なのだろうと思って、こういう曲をバルトークが書いていたなんて、ととても驚いた覚えがある。[ピティナの作品解説]

そのなかでとりわけ美しいのが第1曲:ルバート





《ルーマニア民俗舞曲》の第1曲~第4曲は、それほど舞曲風のリズムが強くなく、ゆったりとした哀感のある旋律と和声が綺麗な曲。最後の第5曲と第6曲は急速なテンポでとても躍動的な舞曲。[ピティナの作品解説]

これはバルトーク自身のピアノによる第1曲Jocul cu bata



《ルーマニアのクリスマスの子供の歌》も、ルーマニアの民謡がベースなので《ルーマニア民俗舞曲》ととてもよく似たタッチ。よく聴くクリスマスがらみのポピュラーな曲とはかなり違っている。


                             

バルトークのピアノ独奏曲の録音は、コチシュ、シャンドールなどハンガリー人のピアニストのものが昔から有名。私がよく聴くのはヤンドーの録音かな。

Bartók: Piano Music, Vol. 2Bartók: Piano Music, Vol. 2
(2002/02/19)
Jenö Jandó

試聴する(米国amazon)
(ルーマニア民俗舞曲:track22-27)
(ルーマニアのクリスマスの子供の歌:track31-32)


アンデルジェフスキのカーネギーライブ。アンコールでバルトークの《シク地方の3つのハンガリー民謡》を弾いていた。
ピョートル・アンデルシェフスキ・ライヴ・アット・カーネギー・ホールピョートル・アンデルシェフスキ・ライヴ・アット・カーネギー・ホール
(2009/05/27)
ピョートル・アンデルジェフスキー

試聴する(シク地方の3つのハンガリー民謡:DISC2の最終トラック)



◇バルトークのピアノ独奏曲に関する記事
《シク地方の3つのハンガリー民謡》
《ミクロコスモス》
《ピアノ・ソナタ》
《9つのピアノ小品》

タグ:バルトーク ヤンドー アンデルジェフスキ

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2 Comments

さすらい人  

バルトークのピアノ曲

子供の頃、大阪の片田舎、田んぼに囲まれて生活していました。
バルトークの音楽からは、しばしば稲刈りの後の藁を焼く匂いや、少し酔っぱらったオジサンたちの歌が聞こえてくるようで、そんなローカルさに郷愁を感じて、好きな音楽なんです。

2010/06/25 (Fri) 07:47 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

バルトークの音楽、とっても素敵ですね

さすらい人さま、こんにちは。

大阪にお住まいだったんですね。私は、一時東京で暮らしていた時以外はずっと大阪です。コンクリートに囲まれて育ちましたが...。でも、庭には、みかん、かき、いちじく、バラ、5メートルはある棕櫚の木があって、記憶の中では緑がいっぱいです。

バルトークの曲は、昔ポリーニのピアノ協奏曲第1番を聴いて、なんて激烈な曲なんだろうと思って、それ以来疎遠でした。
2年くらい前にカッチェンのピアノ協奏曲第3番の録音を聴いてから、イメージがコロっと変わって、バルトークは良く聴くようになりました。
ドビュッシーの影響を受けているせいか、和声の響きがとても現代的なんですが、ノスタルジーを感じさせるところが良いですね。
特にピアノ曲は、バルトーク自身がピアニストだったこともあって、旋律や和声の響きが美しく、好きな曲が多いです。

2010/06/25 (Fri) 08:18 | EDIT | REPLY |   

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