『エリーゼのために ~ 珠玉のピアノ名曲集』 

2010, 06. 09 (Wed) 18:00

ピアノ協奏曲や同じ作曲家の作品集ばかり聴いていると結構疲れることもあるので、たまにこういう脈絡なく小品が詰め込まれているオムニバスのCDを聴くのは、とても良い気分転換。

私が持っているオムニバス形式の唯一のピアノ小品集のCDは、DECCAのかなり古い音源(モノラル録音が結構入っている)でまとめたピアノ小品集。今は廃盤。
ピアニストと選曲の組み合わせが一風変わっていて面白いのと、ピアニストの個性が感じとれる演奏も多いのとで、音はちょっと古めかしいけれど結構好きなアルバム。

エリーゼのために~決定盤!珠玉のピアノ名曲集エリーゼのために~決定盤!珠玉のピアノ名曲集
(1997/11/06)
オムニバス(クラシック)

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CDの曲順はほぼ作曲家の時代順。これをピアニスト別にまとめてみると、

ジョゼフ・クーパー(なぜか小品集の録音でしか名前を見たことがないピアニスト)
-バダジェフスカ《乙女の祈り》:とっても緩々したタッチ。クーパー自ら編曲した版で弾いているし、子供の頃聴いていたLPとはちょっとイメージが違っていた。
-ベートーヴェン《エリーゼのために》:ちょっと憂いのあるエリーゼ。でもそんなに暗くない。
-シューベルト《即興曲変ホ長調》:同じ主題が転調しながら何度も登場するせいか、小品でもやっぱり長く感じてしまう。
-リスト《忘れられたワルツ》:ハフの小品集にも入っていた曲。リストにしてはシンプルで素直に綺麗な曲。
-ラフマニノフ《前奏曲~鐘(幻想的小品集より)》:ラフマニノフの小品なら《ヴォカリーズ》が一番だと思っていたけれど、この曲は荘重でおどろおどろしいところが素敵な曲。フィギュアスケートでは使われていたオケの演奏よりも、ピアノソロの方が綺麗な曲に聴こえる。

ヴィルヘルム・ケンプ
-ヘンデル《調子のよい鍛冶屋》:ケンプらしい柔らかな響きと親密感。既出のケンプの録音には入っていないかも。最近出た(出る)らしいモノラル録音盤の小品集には入っている。
この曲はまともに聴いたことがなかったし、そもそも変な標題がついているので子供の練習曲かなにかの小品かと思っていた。実はヘンデルの組曲第5番の終楽章のとても有名な曲で、変奏形式のかっちりした構成で聴き応えのある曲。
でも、なんでこの曲が《調子のよい鍛冶屋》なのだろう?と不思議に思うのは誰しも同じで、Wikipediaの《調子のよい鍛冶屋》の項にちゃんと解説が載っている。

ヴィルヘルム・バックハウス
-モーツァルト《トルコ行進曲》:バックハウスがリサイタルのアンコールでもよく弾いていたらしい。
-ベートーヴェン《月光ソナタ》第1楽章:幻想的というよりは、暖かい月の光が道を照らしてくれているような頼りがいのある感じ。
-メンデルスゾーン《春の歌》:とってもさっぱりした《春の歌》。テンポが速くて、アルペジオが塊のように聴こえてくる。

ジュリアス・カッチェン
-バッハ=ヘス編曲《主よ、人の望みの喜びよ》:低音の響きをかなり抑えたとても柔らかでふんわりしたタッチがほのぼの。(モノラル録音なのでこもった素朴な感じのする音質。ダウンロード販売のMP3ファイルの方が音がクリア。ブラームス以外はたぶんモノラル)
-メンデルスゾーン=リスト編曲《歌の翼に》:《無言歌》の一つでピアノソロが原曲と思い込んでいた曲。解説を読むと歌曲が原曲だった。
フルート&ピアノ版ならシュテックメスト編曲の《「歌の翼」による幻想曲》、ヴァイオリン&ピアノ版はアクロン編曲。どちらも良く演奏されている。
ピアノ独奏版はさすがにリストの編曲なので、まるで2人で弾いているように音の厚みがあり音も込み入っている。アルペジオの響きや主旋律以外の複旋律が綺麗に聴こえて、色彩感豊かで華やか。
カッチェンが録音したメンデルスゾーンのピアノソロ4曲中、一番良いと思ったのがこの曲。
-ブラームス《ワルツ第15番》ピアノ独奏版《ハンガリー舞曲第5番&第6番》:カッチェンのおはこ(十八番)。いつ聴いても素晴らしい。
-ドビュッシー《月の光》:カッチェン唯一のドビュッシーの録音で、今では収録したCDが全て廃盤。ややこもりがちの丸みと温もりのある響きは、暖かい春霞のなかでぼんやりと照らされる月の光のようで、夢の中に誘われるような雰囲気。

クリフォード・カーゾン
-シューベルト《楽興の時第3番》:これくらい短い曲なら苦手のシューベルトでも大丈夫。カーゾンはさりげなく軽やかなタッチで、ルプーとはちょっと雰囲気が違う。
-シューマン《トロイメライ》

パスカル・ロジェ
-リスト《愛の夢第3番》:ロジェの珍しいリスト。私の持っているロジェのCDのどれにも入っていない。

ジャン・ロドルフ・カールス(全然聴いたことがないピアニスト。DECCAの小品集の新しいCDだと、ドビュッシーはロジェの録音を使っていることが多い)
-ドビュッシー《亜麻色の髪の乙女》:女性のタイトル名が少し似ているせいか(それに静かな曲の雰囲気も)、よくラヴェルの《亡き王女のためのパヴァーヌ》と混同してしまう。ドビュッシーはあまり好きではないので、よく聴くのはラヴェルの方。

イレーナ・ベレッド(この人も聴いたことがない)
-サティ《ジムノペディ第1番》:最後の収録曲は現代もののサティ。サティよりもプーランクの方が好きなので、あまり知られていないプーランクの《エディット・ピアフを讃えて》も入っていたらうれしかったけど。

タグ:バックハウス ケンプ カーゾン カッチェン ロジェ

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