シンディング/ピアノ・ソナタ、組曲 

2011, 02. 09 (Wed) 18:00

ノルウェーの作曲家シンディングと言っても、知っている人はそう多くはないに違いない。
シンディングの曲を初めて聴いたのは、パールマン録音したシベリウスのヴァイオリン協奏曲のカップリング曲に入っていた『ヴァイオリンとオーケストラのための組曲 Op.10』
シベリウスのコンチェルトと同じくらいに気に入った曲で、しっかり覚えている。

五嶋みどりのシンディング解説によると、「1889年に作曲されたヴァイオリンの為の『古い様式で書かれた組曲』と1896年に作曲されたピアノ曲の『春のささやき』以外の作品は、最近ではほとんど忘れ去られています。『古い様式で書かれた組曲』が、今日でも繰り返し演奏され、広く親しまれているのは、ヴァイオリンの巨匠ヤッシャ・ハイフェッツの功績が大きく、彼がレパートリーに取り入れたことによって再び脚光を浴びたからです。」

Heifetz plays Sinding Suite in A minor - I Presto


 Heifetz plays Sinding Suite in A minor - II Adagio
 Heifetz plays Sinding Suite in A minor - III Tempo giusto

シンディングの《組曲》は、パールマンの全盛期の録音。
明るい色調でロマンティックな演奏(いつものパールマンよりは、大らかに歌いだすところをかなり抑えてはいるけれど)のシベリウスと、この技巧華やかなシンディングの『組曲』が素晴らしく良くて。パールマンの数ある録音のなかでも、とても好きなCDの一つ。

Sibelius & Korngold Violin Concertos-Sinding SuiteSibelius & Korngold Violin Concertos-Sinding Suite
(2003/07/08)
Itzhak Perlman,André Previn,Pittsburgh Symphony Orchestra

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シンディングは、ピアノ協奏曲は1曲、ピアノ小品はかなり書いたらしい。今でも演奏・録音されることが少ないので、耳にする機会がほとんどない。
『春のささやき』は管弦楽曲用に編曲されていて、これは録音がいくつか。

たまたまシンディングのピアノ作品集の新譜が出ていたので聴いてみると、『ピアノ・ソナタロ短調』はドイツ風の重厚さとロマンティシズムがあって、これはわりと好みのタイプの曲。
たとえて言えば、少し軽やかで華麗なブラームスというか、ブラームスとショパンを足して2で割ったような雰囲気。

第1楽章 Allegro non troppo
重音とアルペジオを多用しているので響きに厚みがあって、がっちりとした骨格を感じさせるところは、ブラームス風。
北欧の作曲家らしい透明感があるので、ブラームスのような難渋さはなくて、音の密度が高いわりに軽やか。
ピアニスティックな華やかさと、ほろ苦いロマンティックな旋律や和声は、ショパンあたりを聴いているような気がする。

第2楽章 Andante: Vivace
とても安らかで、どこかレトロな懐かしさを感じる旋律がとても綺麗。
これはショパン風では全くなくて、屈託のないブラームス風の緩徐楽章といった感じ。

第3楽章 Vivace
ちょっとショパンのエチュード風なピアニスティックなパッセージが散りばめられいるし、時々ショパンのピアノ・ソナタ(たぶん)を連想するフレーズもあって、とっても優雅で華やか。

特に第2楽章はとても好きだけれど、全体的にロマンティクで華やかなわりに、強い印象が残らない。
旋律自体がさほど印象的ではないのと、流麗なのは良いけれど、あまり明瞭にわかる山場がなくてドラマティックさに欠けるせいか、スラスラと音楽が流れて行ってしまう感じ。

Music for PianoMusic for Piano
(2009/10/13)
Lowenthal

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ピアノ協奏曲の録音はVOXやHyperionなどにいくつかあって、北欧風の爽やかさと壮大さがあるロマン派らしいピアノ協奏曲。
ところどころグリーグのピアノ協奏曲に似たスケールのパッセージが出てきたりするけれど、ピアノ・ソナタと同じで、旋律自体が印象的でなくて、こっちもさほど記憶に残らない。

Romantic Piano Concerto 42Romantic Piano Concerto 42
(2007/05/08)
Piers Lane,Andrew Litton,Bergen Philharmonic Orchestra

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