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シューマン/主題と変奏 変ホ長調 (Geistervariationen)
シューマンのあまり有名ではないヴァイオリン協奏曲は、献呈されたヨアヒムと妻クララが揃って演奏を禁じたという、いわくつきの曲。

クララがヴァイオリン協奏曲の演奏を禁じた理由が、第2楽章にシューマンがライン川に身投げする前(1954年)に作曲した《天使の主題による変奏曲》(これはWikipediaに書いてあった日本語曲名)の主題が使われているから...というのも、よくわからないものがある。
ヴァイオリン協奏曲との関連や、日本語曲名が一風変わっているので、《天使の主題による変奏曲》を一度聴いてみたくなって、ネットであれこれと調べると、曲名からしてややこしい。

《天使の主題による変奏曲》という曲名で調べると、録音はほんのわずか。
英語でも、それらしき英文名で検索してもヒットしない。
タイトルが違うのかなと思ってみると、よくわかる解説がyahooの知恵袋にあった”「イェルク・デームスのピアノ独奏曲全集」の質問と回答”

それによると、曲名の日本語訳に問題があるようで、楽譜の原題は”Thema mit Variationen”。
デームスがつけたタイトルが”Geistervariationen über den letzen Gedanken”
ピティナの解説では、そのデームスの曲名を「最後の楽想による幻覚の変奏曲」、wikipediaの解説では「天使の主題による変奏曲」と訳していて、”Geister”を”天使”や”幻覚”と訳しているのが間違い。
そもそも”Geistervariationen”自体が原題ではないけれど、英語では”Geistervariationen”で音源が見つかるので、いわゆる俗称なのでしょう。
”Geister”の由来は、クララの日記に、”当時病の床にあったシューマンが、シューベルトとメンデルスゾーンの亡霊(Geister)が夢のなかで歌ってみせた旋律をもとに変奏曲を作曲した...”ということが書かれていたから。
実際は1953年に作曲したヴァイオリン協奏曲の第2楽章の主題を使っている。
自分自身で作曲したことも忘れて、夢の中で亡霊に教えてもらったというほどに、当時のシューマンの精神状態は混乱していたらしい。

ようやくYoutubeで”Geistervariationen”の音源を見つけて聴いてみると、ピアノを聴き慣れた耳には、ヴァイオリン協奏曲よりも主題旋律がはっきりとわかるのが良いところ。
主題は穏やかでやや明るい色調ではあるけれど、まったりとして物憂げなところも。
変奏が進むと、静かな雰囲気のままに短調が入り混じって陰翳が濃くなって叙情感が強まり、終盤は哀しげで悲愴感めいたものが漂っている。
最後は左手の伴奏がはらはらと舞い落ちる木の葉のように音が散らばり、右手の旋律はそのなかに絡めとられそう。

この曲は全集ものを除くと録音が少ない。
全集ならイェルク・デームスの録音が有名。
(9枚目のCDに”Geistervariationen über den letzten Gedanken”とか”Variations on an Original Theme, WoO 24”というタイトルで収録されている)

デームスのピアノの音が醸し出す、独特なレトロな雰囲気がなんとも良い感じで、旋律も綺麗で好きなタイプの曲。
でも、この曲を書いた後の出来事を知っているせいか、曲中に漂う穏やかさや静けさが妙に異様に感じられてくるところもあって、ちょっと複雑な気持ちがする。


R. Schumann "Geistervariationen über den letzten Gedanken"

tag : シューマン

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この曲は初めて聴きました
yoshimiさん、こんにちは。
なんと、そんなヤヤコシイ曲があったとはー。
いや、いかにもシューマンらしいエピソードですけど。
聴いてみると、物憂げな雰囲気の美しい曲ですね。
でも美しいんだけど、どこか諦観が漂ってるというか
生きるパワーみたいなものが全く感じられないというか。
というのは、エピソードを知ってから聴いたせいでしょうか。

イェルク・デームスの音、綺麗ですね。
普通にピアノを弾いてるんでしょうけど、何を使ってるんでしょう!?
響きが柔らかくて、なんだかフォルテピアノみたいですね。

音が綺麗といえば、パスカル・ロジェのドビュッシー
今まであまりちゃんと聴いたことがなかったんですけど
改めて聴いてみて、音の美しさにびっくりしてます。
(聴いてるのはOnyxの新盤、Naxosでも聴けるみたいです)

そしてアルド・チッコリーニも入手しましたー。えへへ。
やっぱり変わった雰囲気がしますね
アリアさん、こんにちは。

おっしゃるとおり、この曲にはあまり生気が感じられないですね。
主題からして気だるくて、ぼや~とした感じがします。途中でふと覚醒したように、音が増えていきますけど。
作曲時にはすでに病床にあったので、気のせいではないように思えます。

デームスのピアノの音、レトロな雰囲気が良いですね。
弾いているのはベーゼンドルファーでしょう。
フォルテピアノだと、もっと割れた(ざらついた)響きで、残響がすっと消えていく感じがすると思います。
(CDを持っていないので調べてみたら、やはりベーゼンらしいです)

ロジェのOnyx盤は、りリース時に全て聴きましたよ~。ロジェは昔から好きなので。
DECCAの旧盤よりもずっと良いですね。録音音質も良いし、ロジェのピアノの音と表現の繊細さも一層磨きがかかってます。
音の美しさは申し分ないのですが、アースとはまた違ったクセのなさがあって、ちょっと物足りないかなという感じはします。
それに「運動」とか、好みとは違う演奏の曲も結構あるので...。

やっぱり、チッコリーニも手に入れましたね!
ドビュッシーを極める(?)なら、チッコリーニは持っておきたいですからね~。
私も今朝、DENONのベロフの全集をオーダーしました。(やっぱり予感どおり...)
昨日全曲試聴し直したのですが、聴けば聴くほど面白いですね~。
初めて聴いたときにちょっと好みと違う気がしたのは、旧盤のイメージが邪魔したのかも。
「パスピエ」 とかはチッコリーニの方が好きな曲もあるのですが、よく考えると、クリアな音で明晰なピアノを弾く人はもともと私の好みのタイプ。
10月にならないとCDが届かないので、それまで待ち遠しいけど、楽しみです。
主題と変奏について
この曲の作曲された経緯については、青柳いづみこさんの「音楽と文学の対位法」という本がお薦めです。シューマンの他にモーツァルトやドビュッシーなども取り挙げられていて、その想像力豊かで刺激的な内容は、全てが正しいかは別にしても、馴染みのある音楽に新しい視点を提供してくれて面白かったです。
ちなみに音盤は、トビアス・コッホのものを所有しています。この珍しい曲を時代楽器で演奏している興味深い録音(GEN-86062)
情報ありがとうございます
雪如雨露様、こんにちは。
コメントありがとうございます。

「音楽と文学の対位法」は以前読んだことがあるんですが、シューマンが苦手なのと、取り上げている作家の方に興味がなかったので、よく覚えていないんですね。もう一度見てみます。

ドビュッシーは、ジャンケレヴィッチの『ドビュッシー―生と死の音楽』が、哲学者だけあって哲学的な分析で、例示も多くてとても面白くて参考になりました。

トビアス・コッホの録音も聴きましたが、ちょっとひび割れたような音がして、当時の雰囲気が伝わってくるようなレトロな雰囲気がしますね。ピアノバージョンよりも、音が太くずっと明るい感じがしました。
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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