キース・ジャレット 『ブレゲンツ・コンサート』 

2011, 01. 08 (Sat) 21:57

キース・ジャレットの1981年5月ブレゲンツでのソロ・コンサートをライブ録音した《ブレゲンツ・コンサート》は、《ケルン・コンサート》のような張り詰めた雰囲気は薄くて、明るい色調の曲が多い。

ちょうどクラシック・ピアニストとして活動し始めた頃で、ステージでは現代音楽曲を弾いたり、いろんなレパートリーを練習していた頃。
キースのクラシックのレパートリーは、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキー、バルトーク、バーバーなど、意外と幅広い。

《Part I》は調性の定まった明るく伸びやかな曲。
続く《Part II》がユニーク。冒頭部分は調性感が曖昧で現代音楽風。即興なので形式的なまとまりは緩い気はするけれど、不安定な調性感があって、それでも和声的にそれほど歪みがないので、さほど耳障りな感じはない。
音も十二音技法風にあちこち飛び跳ねているところが、現代音楽風に聴こえる。
ショスタコーヴィチがエコーしているようでもあり、ブリテン的なやや乾いたシャープな叙情感とかも連想できて、面白いのは面白い。途中から調性が安定しだして、普通に終っているけれど。
不協和的な音がそれなりに美しく響いていて、こういう響きが音の配列に慣れていれば、そんなに聴きづらいことなく。
それにしても、即興でこういう和声を使ってまともに聴かせる曲を弾くというのは、かなり難しそう。

ラストの《Heartland》はこのアルバムのなかでも(たぶん)最も人気がある曲。
キース自身も抜粋盤を出す時に選曲したほどなので、とても良い内容の演奏だったに違いない。
これはインプロヴィゼーションではなく、キースが作曲しておいた曲を弾いているというところが珍しい。
聴けばわかるほどに、確信に満ちたようにポジティブで暖かさが伝わってくる曲なので、《Part II》がかなり変わった曲想だったせいもあってか、このコンサートで《Heartland》が一番良かった...という人が多いのも納得。

Keith JARRETT/Bregenz Concert - 《Heartland》



ブレゲンツ・コンサートブレゲンツ・コンサート
(2008/10/08)
キース・ジャレット

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