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レーゼル&ゲヴァントハウス四重奏団 ~ シューマン/ピアノ五重奏曲
いつもはあまり聴かないシューマン。それでも、ピアノ協奏曲とピアノ五重奏曲、それにクライスレリアーナ、交響的練習曲は好きなので、時々聴いている。
それに、昔はよく聴いていた交響曲は4曲ともとても好きな曲。

ピアノ協奏曲や独奏曲、交響曲に比べて、シューマンの室内楽はあまり知られていないかもしれない。
このシューマンの五重奏曲は、ロマン派では一番有名(だと思う)ブラームスのピアノ五重奏曲に並ぶくらいの名曲だと思う。

シューマンというと、理性と感情のバランスが崩れそうになるというか、情緒不安定気味に浮き沈みするような不安定感のあるところがあるけれど、このピアノ五重奏曲にはそういうところは少なく、理性(形式)と感情が調和した安定感があって、聴いていて心穏やか。
シューマンを聴いているという感じがあまりしないので、わりと好きな曲なのかも。

シューマンのピアノ五重奏曲の昔からの定番と言えば、私がすぐに思い浮かぶのは、パネンカ&スメタナSQのスタジオ録音。(というか、今まではそれしか聴いたことがないので)
パネンカの線のやや細い繊細なピアノは美しくはあるけれど、スークとのベートーヴェンのヴァイオリンソナタと同じように室内楽的というか、ダイナミックレンジがそれほど広くなく、やや控えめな感じはする。

レーゼル&ゲヴァントハウスSQのシューマンは、透明感のある伸びやかな音で、開放的で外へ広がっていくスケール感があって、とっても爽やかなロマンティシズムを感じる。メンデルスゾーンの室内楽曲を聴いているような気もちょっとしてくる。

音質の違いもあるせいか、パネンカ&スメタナSQは音が痩せているというか、厚みが薄くてスカスカした感じがする。
レーゼル&ゲヴァントハウスSQだと、空間のなかにしっかり音が詰まっている感じで、音の響きに厚みと潤いがあって、とても心地よい響き。

シューマン:ピアノ五重奏曲/ピアノ四重奏曲シューマン:ピアノ五重奏曲/ピアノ四重奏曲
(2010/10/06)
レーゼル/ゲヴァントハウス四重奏団

試聴する

原盤はBerlin Classics。キングレコードがこの廉価盤の国内盤を最近リリースして、これはとってもお買い得。
この録音のレビューは、Schweizer_Musikさんのブログ<鎌倉スイス日記>では”超名演”という評価。

シューマン:ピアノ五重奏曲 [ピティナの楽曲解説]

第1楽章 Allegro brillante
冒頭に出てくるピアノと弦楽がユニゾンで弾く旋律は、とても大らかで開放感を感じさえる明るいオープニング。この主題がとても印象的で、これを聴くとすぐにこの曲だとわかる。
続いてピアニッシモで弾く副主題も、柔らかくしなやかなタッチの綺麗な旋律。
中間部は短調に転調。シューマンにしては、情念が薄めな感じがするし、わりとあっさりと元の長調に戻っていく。全体的にとても爽やかで、躍動感のある楽章。

第2楽章 In modo d'una marcia. Un poco largamente
”行進曲風に”というのは、葬送行進曲のイメージらしい。
ハ短調の緩徐楽章にしては、強い悲愴感や暗い情念のようなものはやや薄め。
ただし、演奏によってかなり違ってきそうなところで、レーゼル&ゲヴァントハウスSQはさっぱりとした叙情感で、内省的で静かな行進曲風。
(ここは、パネンカ&スメタナSQだと、さらに密やかな雰囲気で、瞑想的に聴こえる)

第3楽章 Scherzo: Molto vivace - Trio I - Trio II - L'istesso tempo
波が寄せては退いていくように、パッセージがうねる様に繰り返されるスケルツォで、とても爽やか。
冒頭主題が一通り演奏されると、曲想が急に変わって、交響曲第2番の終楽章の終盤にかけて出てくる旋律にとても良く似たメロディが聴こえてくる。(この旋律はかなり好きなので、すぐに思い出せた)
交響曲で聴くと雄大で堂々とした雰囲気の旋律だけど、ここでは穏やかで清々しい感じ。
主題がまだ出てきたと思ったら、次はやや忙しげでちょっと不安定感のある短調の旋律に変わったり、さらに主題がまた出てきたり。
この楽章は、かなり気分的な浮き沈みがあって、錯綜している感じがする。

第4楽章 Allegro, ma non troppo
シンコペーション的なリズムで、優雅に舞っている感じがするのは、舞曲風(?)。
曲が進むにつれて、かなり楽しげな感じが強くなり、曲のトーンも徐々に明るくなっていく。
初めは短調で始まっていた主題が、終盤では長調に転調していき、フィナーレに近づいていくような雰囲気に。

tag : シューマン レーゼル

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(非公開コメント受付中)

yoshimiさん、こんにちわ

この曲、好きな室内楽曲の1曲です。ブラームスのピアノ五重奏曲より好きですね。ゲバントハウスSQ.の録音も良さそうですが、私の好きなのは、ゼルキン+ブタペストSQ.のものです。
ゼルキンはわりと好きなんですが
matsumo様、こんにちは。

この曲、良いですね。シューマン苦手の私でも、喜んで聴ける曲です。

この曲は(というかシューマンの曲は)爽やかなタッチの演奏で聴きたいので、レーゼルか、または、室内楽的な繊細さのあるパネンカで聴くことにしています。

ゼルキン/ブタペストSQは、ブラームスの演奏から想像するに、シューマンもちょっと重たそうな感じがしたんですが、試聴すると軽快という感じはしませんが、それほど重たくはないですね。質実剛健というのでしょうか。全曲聴くと印象が変わるかもしれません。
1963年の録音にしては、モノラル風の古めかしい音質なのが惜しいですね。
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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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