マルティヌー/リディツェへの追悼
2011-03-15(Tue)
多作家のマルティヌーは、軽妙で洒落た室内楽曲やピアノ協奏曲、祝祭的な高揚感のある交響曲など、明るい曲想の作品も多いので、現代音楽にしては前衛的難解さがなくかなり聴きやすい作曲家。
そのマルティヌーも、第2次大戦期にナチスから逃れてアメリカへ渡った頃に書いた作品には、時代を反映したような暗い色調で重苦しさが漂っている。
特に印象的だったのは、ナチス・ドイツの侵攻によって故国が消滅の危機にあった頃に書いた《2つの弦楽合奏とピアノ、ティンパニのための二重協奏曲》や、ナチスによって村人が殺され、村も平地に変えられて消滅してしまったチェコのリディツェへのレクイエム《リディツェへの追悼》。[作品解説]
交響曲ならナチス優勢の戦局が暗く影を落とした第3番が有名。
おととしのマルティヌーイヤーで演奏会のプログラムによく載っていたのが、この《リディツェへの追悼》。
わずか8分くらいの短い曲ではあるけれど、不協和音の重厚な響きが重くのしかかり、最後にはベートーヴェンの運命の動機(これはナチスに対する抵抗や勝利の象徴らしい)が鳴り響くという結構ヘビーな曲。
この曲を聴くたびに、村人がいなくなり見渡す限り一面の土と化して消滅した村の情景が浮かんできてしまう。
追悼曲で最も好きなブルッフの叙情的な《イン・メモリアル》と違って、《リディツェへの追悼》は弦楽の弾く旋律の抑制された叙情感と不協和音の響きが重苦しくはあるけれど、感傷性を抑えた重たい静けさが現代音楽の追悼曲らしいところなのでしょう。
Bohuslav Martinu : Memorial to Lidice (1943) (Dir : Karel Ancerl)
そのマルティヌーも、第2次大戦期にナチスから逃れてアメリカへ渡った頃に書いた作品には、時代を反映したような暗い色調で重苦しさが漂っている。
特に印象的だったのは、ナチス・ドイツの侵攻によって故国が消滅の危機にあった頃に書いた《2つの弦楽合奏とピアノ、ティンパニのための二重協奏曲》や、ナチスによって村人が殺され、村も平地に変えられて消滅してしまったチェコのリディツェへのレクイエム《リディツェへの追悼》。[作品解説]
交響曲ならナチス優勢の戦局が暗く影を落とした第3番が有名。
おととしのマルティヌーイヤーで演奏会のプログラムによく載っていたのが、この《リディツェへの追悼》。
わずか8分くらいの短い曲ではあるけれど、不協和音の重厚な響きが重くのしかかり、最後にはベートーヴェンの運命の動機(これはナチスに対する抵抗や勝利の象徴らしい)が鳴り響くという結構ヘビーな曲。
この曲を聴くたびに、村人がいなくなり見渡す限り一面の土と化して消滅した村の情景が浮かんできてしまう。
追悼曲で最も好きなブルッフの叙情的な《イン・メモリアル》と違って、《リディツェへの追悼》は弦楽の弾く旋律の抑制された叙情感と不協和音の響きが重苦しくはあるけれど、感傷性を抑えた重たい静けさが現代音楽の追悼曲らしいところなのでしょう。
Bohuslav Martinu : Memorial to Lidice (1943) (Dir : Karel Ancerl)
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