アラウ ~ ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第22番 

2011, 04. 18 (Mon) 09:00

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第22番を初めて聴いたのが、アラウの旧盤の録音。
軽快なテンポと滑らかなタッチのレーゼルの演奏と比べると、ゆったりしたテンポで訥々とした語り口。
切れ味の良い洗練されたとはちょっと言えないけれど、なぜか和んでしまう。

第1楽章は、ゆったりしたテンポと、一音一音を確かめていくかのように、コツコツしたタッチで丁寧に弾いていくので、柔らかなレガートが美しいレーゼルとは違って、とても素朴な感じ。
古き良きロマンティシズムというのか、アラウ独特のコクがあって、遠い過去を懐かしんで回想しているような趣き。
第2主題の重音移動は、感情が噴出するような力強いタッチ。輝かしい思い出が溢れて出てくるよう。
再現部で主題旋律が装飾的に変化していくところも、再びゆったりとしたテンポで語りかけるように弾いていく。言葉で表現しにくい叙情感のあるトリルがとても素敵。
第1楽章の穏やかで深い味わいは、本当にアラウならでは。


Arrau - Beethoven sonata no.22 op.54 (I) - In tempo d`un Menuetto




第2楽章は、ややテンポが遅めで少し重たいリズム。アラウらしい太めの響きで、この楽章も音がコツコツ粒立ち良く聴こえる。
アーティキュレーションとソノリティに凝ったケンプやブレンデルの演奏には洗練されたものを感じるけれど、それと比較すると、やっぱりアラウは飾り気がなくて朴訥とした印象。
面白みがないといえばそうかもしれないけれど、聴いていてほっと安心できるような飾り気のなさと親近感を感じてしまう。

Arrau - Beethoven sonata no.22 op.54 (II) - Allegretto - Più allegro




Complete Piano Sonatas & ConcertosComplete Piano Sonatas & Concertos
(1999/11/09)
Claudio Arrau

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