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アルヴォ・ペルト ~ Spiegel im Spiegel
随分昔、グレツキの《悲しみの聖母》が流行った後に注目され始めたのが、エストニアの作曲家、アルヴォ・ペルト。
クレーメルとキース・ジャレットも参加したECMの『Tabula Rasa』を偶然聴いてかなり気に入ってしまったので、ペルトのアルバムは随分集めたものだった。

ペルトを久しぶりに聴きたくなったのは、”Tinnitus”(耳鳴り)が、ペルトの”Tintinnabuli”(ティンティナブリ様式)を連想させたため。
語源が同じだろうというのは推測がつくけれど、調べてみると

耳鳴りを表す”Tinnitus”は、ラテン語の「tinnītus」(鳴る:ringing)に由来した語。
また、ラテン語の「tinnire」(輪)が語源としているのは、シーメンスのホームページ。

ペルトの作曲様式である”Tintinnabuli”は、ラテン語の”tintinnabulum”(鐘)に由来している。

※英語・ギリシャ語・ラテン語などの祖語である印欧語では、”ten”(張る)は、太鼓の皮を張って音を調べること。英語でもten ton tun tin tain の語形を持つものは「音の調子、張る」という意味を持つ。(参照:http://homepage3.nifty.com/fujikawa/007C.html)


”Tintinnabuli”はペルト独自の作曲様式。
初めてその様式を使って作曲した作品が《Fur Alina》(1976) と《Spiegel Im Spiegel》(鏡の中の鏡)(1978)。
”tintinnabuli”の説明は”Akihiko Matsumoto Web”の「Tintinnabuli / ティンティナブリ様式」が詳しい。
聴けばわかるように、単音の3声によるハーモニーで構成されたとてもシンプルな曲。
ミニマル的ではあるけれど、機械的な単調さは全くなく、メロディと和声の美しさと静謐な雰囲気は、ロマン派音楽よりも叙情的にさえ感じることがある。

《Spiegel Im Spiegel》(鏡の中の鏡)というと、ミヒャエル・エンデの『鏡の中の鏡 -迷宮-』をすぐに思い出したけれど、この2作品の間には全く関連性はありません。
《Spiegel Im Spiegel》の録音でポピュラーなのは、ピアノ&ヴァイオリンのバージョン。ピアノ&チェロのバージョンもあり、CDには両方収録されている。
どちらのバージョンも、心洗われるようなシンプルで透明感のあるメロディと和声の響きが美しく、この曲を聴くと気持ちがすっかり落ち着きます。

Arvo Part - 'Spiegel im Spiegel'



ペルト: アリーナペルト: アリーナ
(2000/02/23)
Alexander Malter, Dietmar Schwalke, Sergej Bezrodny

試聴する(米amazon)


tag : ペルト

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NoTitle
こんにちは。
この曲、こんなにシンプルなのにこんなに美しいなんて
思わず「反則!」と言いたくなります。
しかし、これをきちんと美しく演奏するのって、かなり難しいのでしょうね。
見た目ほどには簡単ではなさそうな...
木曽のあばら屋様、こんにちは。

この曲、ペルト作品のなかでも、とりわけ美しい曲ですね。
ヴァイオリンについては全然わかりませんが、ピアノはソノリティの透明感と、このスローなテンポで均質なタッチ・音量でカチカチ固くならないように引き続けるのと、3つの声部のバランスとに、注意しないといけないでしょうね。
かなり難しいかどうかは、弾く人のレベルによるでしょうが、譜面の単純さほどには簡単ではないという気がします。
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好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
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