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ベートーヴェン/7つのバガテル Op.33より第2曲
ベートーヴェンのバガテルで有名なのは、《エリーゼのために》と最後のピアノ作品《6つのバガテル Op.126》。
《エリーゼのために》は多少俗っぽい感じはするけれど、《6つのバガテル》は、曲想が異なる6曲で構成された1つの小宇宙のように完結した世界。ベートーヴェン自身、最後のバガテル集にはとても自信を持っていたという。

最後のバガテル集に比べると、中期の《7つのバガテルOp.33》(1802年)や晩年の作品《11のバガテルOp.119》(1820-22年)は、ちょっと影が薄い。
ブレンデルがPhilipsに録音したバガテル集を聴き直してみても、やっぱり印象に残る曲が少ない。
その中で一番気に入ったのが、《7つのバガテルOp.33》の第2曲。
レーゼルがリサイタルのアンコールに弾いていただけあって、とってもチャーミングな曲。ブレンデルの録音で聴いても、やっぱり好きになれる曲。

冒頭主題は軽やかなリズムで可愛らしく、短調に転調した第2主題はいかにもベートーヴェンらしい何かが迫り来るような予感に満ちた雰囲気。この分散和音を聴くと、ピアノ・ソナタ第1番や第9番の最終楽章を連想する。
中間部は小さなフーガのよう。再現部は主題のリズムが少し変形されて、最後は軽やかに飛び跳ねる和音が、段々大人しくなってエンディング。3分弱の小曲の中に、異なる曲想の主題や音のパターンがいろいろ詰めこまれていて、かなり面白く聴ける。

グールドの弾くベートーヴェンはまず聴かないけれど、このベートーヴェンはデフォルメ感や変わったアーティキュレーションがないので、とてもまとも。
でも、リサイタルのアンコールで弾いたレーゼルの演奏の方が、ずっとリズミカルで軽快、とても快活でチャーミングだった。

BEETHOVEN - Bagatella Op 33 n°2 - Piano: Glenn Gould



tag : ベートーヴェン グールド

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私もこの曲が好きです
Yoshimi様、こんばんは。
ベートーヴェンのバガテルを取り上げてくださったので、とてもうれしく拝読いたしました。
そうですか! Yoshimi様は《7つのバガテルOp.33》の第2曲が一番お好きなのですね。
私もこの曲はかなり好きですね。

>短調に転調した第2主題はいかにもベートーヴェンらしい何かが迫り来るような予感に満ちた雰囲気。この分散和音を聴くと、第1番や第9番の第3楽章を連想する。

この「第1番や第9番の第3楽章」とはソナタのことでしょうか。
この二つも探して聴いてみて、これも珍しくよく覚えていたので、Yoshimi様のおっしゃることがよくわかりました。
このバガテルは、私もリズムがおもしろくて気に入っています。
グールドのバガテルは初めてですが、これも良かったです。
レーゼルの名前は知りませんでした。
Yoshimi様はリサイタルにも行かれたのですね。

全部のバガテルのなかで、私が一番好きなのは《7つのバガテルOp.33》の第4曲です。
ブレンデルの引退リサイタルのCDに入っており、最初に聴いたバガテルでした。引退時の最後のベートーヴェンということもあって感慨深かったです。

こうしてYoshimi様と音楽のお話ができるのが、本当にうれしいですね。
おかげさまで、このところ音楽から与えられる楽しみがどんどん増幅していくようです。
バガテルは小粒ながらも小さな宝石のようです
さと子さま、こんばんは。

レーゼルの数年前のリサイタル録画を見ていると、アンコールでこのバガテルを弾いていたので、記事に書きたくなりました。

バガテルを好きな方はほんとに少ないので、さと子様がお好きなのでお話相手ができて、わたくしも大変嬉しいです。
一番好きなバガテルは最後のOp.126の第5曲です。第1曲、第6曲もかなり好きですが、速いテンポで弾くカッチェンの第5曲の演奏がそれ以上に好きなのです。
それ以外に好きなバガテルだと、この《7つのバガテル》の第2曲になりますね。

>この分散和音を聴くと、第1番や第9番の第3楽章を連想する。
お気づきだと思いますが、楽章を間違ってました。
ピアノ・ソナタ第1番は第4楽章の方です。両方のソナタとも、終楽章が急速楽章で、アルペジオが多用されてます。

このグールドのバガテルは、彼のバッハに比べれば、はるかにクセがなくてまともです。ちょっとテンポが遅くてもたっとしているのがもう一つですが。
ペーター・レーゼルは旧東独出身のピアニストで、一般的にはあまり知られていないように思います。
やや地味ながら”正統派”と言いたくなるようなベートーヴェンを弾く人で、隠れた(?)ファンが結構います。
録音はBerlin Classics盤が多数あります。なかでも、ブラームスの作品集が有名です。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集なら、今のところ私のベストはレーゼル(それにアラウの旧盤)です。
レーゼルは、あと10曲ほど東京でのライブ録音を予定していて、この秋のリサイタルで全集録音が完了する予定です。

《7つのバガテル》の第4曲は、ほのぼのした可愛らしい曲ですね。少しハイドン風なものを感じるような気がしないでもありません。
そのせいか、ブレンデルがフェアウェルコンサートで弾いていたのも、なぜか納得できてしまいます。

そういえば、ブレンデル自選によるリスト録音集がリリースされましたね。
ブレンデルのリストはかなり好きなので、早速購入しました。
超絶技巧で華やかな”通俗的な”リスト像とは違う選曲と演奏なのが良いですね。
ブレンデルの録音は、ベートーヴェン、ハイドン、リスト(巡礼の年)、モーツァルト(2枚だけ)と持ってますが、この最新録音を加えると、とりわけリスト録音が私にとって最も刺激を受けるものです。
今年はリストイヤーなので、ブレンデルのリストも非常に定評のあるものですから、機会があればお聴きになってみられると良いように思います。
追伸:ブレンデルのコラール前奏曲
さと子さま、コメントで書かれていましたブレンデルのフェアウェルコンサートのCD、試聴してみました。
最後のアンコール曲が、バッハ/ブゾーニ編曲の「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」なのですね。

この曲、とても好きなのですが、ブレンデルが弾いているというのが意外でした。
コラール前奏曲を含めて、バッハはほとんど録音していないように思っていたので。(探してみたら、1976年のスタジオ録音がありましたが)
それに最後の公式コンサートのラストの曲にしては、重々しい曲だと思うんですが、そういうところがあくまで理知的なブレンデルらしいのかもしれませんね。
ありがとうございます
Yoshimi様、いつも本当にごていねいなお返事をありがとうございます。
初心者の私に十分ご配慮くださってのおことば、しみじみうれしく思います。
Yoshimi様からいただいたコメントやお返事は、いつもコピーして別に保存させていただいているんですよ。

>一番好きなバガテルは最後のOp.126の第5曲です。

そういえば、いま弾いておられる曲が「6つのバガテル(第1曲、第5曲)」でしたね。
私も第5曲はとても好きです。見当はずれかもしれませんが、後期ソナタの清明な感じに通じるように思えて、聴くたびに穏やかな心地になれます。
先日、Yoshimi様に楽譜を見ながらの鑑賞を勧めていただきましたが、バガテルの楽譜だけは持っています。ウィーン原典版の「ベートーヴェンピアノ曲集」がブレンデルの校訂なので、これ一冊だけは去年買いました。まだ模様をながめているような按配なんですが、それでもCDを聴きながら譜面を追うようにしています。

Yoshimi様のグールドの感想をうかがって、ちょっとほっとしました。
グールドはとても有名でファンのひとも多いようなのですが、いまのところ私にはなじめないのです。初心者は、世評の高いひとの演奏を良いと思えないと、自分の感じ方が鈍いのではないかと不安になってしまいますね。

レーゼルについてくわしく教えてくださり、ありがとうございます。
>やや地味ながら”正統派”と言いたくなるようなベートーヴェンを弾く人
そうですか! とても聴きたくなってきました。
ベートーヴェンソナタは、昔はケンプで今はブレンデルしか聴いたことがありませんので、ぜひ将来レーゼルとアラウもお聴きしたいですね。

《7つのバガテル》の第4曲はハイドン風なのですか?
私にはまったくそんなことは思い浮かびませんでした。
この曲は……弦楽四重奏のように聴こえました。
すみません、もしよろしければどんなところがハイドン風なのか、教えていただけますか? とても興味深いです。

ブレンデルのリスト集、気になっていました。
>とりわけリスト録音が私にとって最も刺激を受けるものです。
そうですか! そんなにリストもいいんですね。
リストはロ短調ソナタが一番好きなのですが、他の曲はほとんど記憶にないので、このリスト集をぜひ聴いてみます。

フェアウェルコンサートのCD、わざわざ試聴してくださったんですね。
「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」は私も本当に好きな曲です。
Yoshimi様もお好きなんですね。
ブレンデルのバッハはCD一枚だけのようですね。
それにはコラール前奏曲「主イエスよ、われ汝に呼ばわる」BWV639も収録されていますが、これも非常にすばらしいです。

すみません、ついつい長くなってしまいました。
クラシックをきちんと聴きたいと思い始めてまだ一年にもならないですし、知っている曲もごく限られているのですが、こうしてYoshimi様とお話ができて、何かもう、うれしくてたまりません。
音楽そのものだけでも十分すばらしいのですが、その感動をこうして語り合えることも本当に楽しいものですね。
バガテル、コラール前奏曲
さと子さま、こんばんは。

私のコメントを保存されているなんて、大変恐縮してしまいます。
楽譜を分析したような専門的な内容を書いているわけではないので、あまり気になさらず、そういう見方もあるのかなあ..くらいに思ってくださいね。

Op.126のバガテルは、おっしゃるとおり清明で悟ったような穏やかさと明るさがありますね。
後期ソナタの世界を経て、ディアベリへ到達した頃の心境を反映しているように思います。
第5番は、演奏によってテンポ設定がかなり違っていて、グールドやカッチェンは速いテンポで軽やか、反対にブレンデルはやや遅めのテンポでしっとり優雅な雰囲気がします。
面白いことに、テンポが少し違うだけで、曲のイメージが随分変わります。

ブレンデルが校訂したベートーヴェンの楽譜があるのですね。
私は昔から持っている楽譜以外は、たいていネットで入手してますが、版によって表記が違ったりするので(特にバッハ)、どの楽譜で弾くか(聴くか)は大事ですね。
ブレンデルの演奏を聴くなら、ブレンデルの校訂版を使うのが一番良いはずです。
CDの録音データに使用楽譜のデータも記載してくれれば良いのですが、さすがにピアノのモデル情報はあっても、楽譜情報までは載っているものは見かけません。

グールドは信奉者があまりに多いので、私は敬遠気味です。
リファレンスのためにかなり聴きましたが、確かに斬新で面白くはありますけれど、共感することは少ないです。
ピアニストの青柳いづみこさんは、グールドのバッハは良いとは思わないと公言してますし、グールドのバッハ演奏のインパクトは当然理解してはいますが、好きになるかどうかは別問題ですね。
でも、グールドの現代音楽の録音(シェーンベルク、プロコフィエフ、ベルク、ヒンデミットなど)はどれも好きですよ。奇抜さもなくまっとうな解釈で、どれも納得できる素晴らしい演奏です。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集で、長らく高い人気を誇っているのは、グルダの新盤でしょう。
これも極めて世評が高い演奏で、一聴の価値はあると思いますが、私はどうにも好きにはなれません。(グルダの旧盤や一部のライブ録音は好きですが)
私の音楽的趣味は、世評一般と違うところもかなりありますので、いろんな方のお勧めされる録音も聴いてみてくださいね。

《7つのバガテル》の第4曲の主旋律が、ハイドン風の優しげな曲に聴こえただけなので、それ以上の理由はありません。
私はハイドンなら短調の曲が好きなので、長調の曲はどれも似たような曲に聴こえてしまいます。
私が持っているブレンデルのイメージとは、ちょっと違う曲想に感じられるのですが、ハイドン風の曲ということであれば、私としては納得できるのです。
感覚的な話なので、同じことを思いつかなくても、別に気にされる必要はないですよ。

「主イエスよ、われ汝に呼ばわる」BWV639もとても素敵な曲ですね!
「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」よりも、叙情性が強いので、より個人的な心情に根ざした祈りのように感じます。
バッハのコラール前奏曲に関しては、長調の明るい曲がかなり好きで、とりわけ好きなのが「目覚めよ、と我らに呼ばわる物見らの声」BWV 645です。
クリスマスを連想するような明るく楽しげな雰囲気が気に入っています。
ブレンデルのバッハ録音はかなり古いですが、聴いてみたい気はするので、こちらも全曲試聴してみます。

ブログの良いところは、掲示板とは違って、1対1で双方向のコミュニケーションが成り立つところですね。
特に音楽の趣味が似ている場合は話がいろいろ膨らんでいくので、やりとりするのが楽しくなります。
私も長文を書いてしまうクセがあるのですが、言葉で伝えようとすると、どうしても書き足りないことがでてくるので、字数が多くなってしまいますね。これはなかなか変えられません。
追伸:ブレンデルのバッハ
さと子さま、ブレンデルのバッハ録音を試聴しましたが、これは素晴らしく良いですね!
あまり聴くのが得意ではない「イタリア協奏曲」からして、端正で気品があり、なぜか親密感さえ感じてきます。
抽象性の高いバッハは、ブレンデルに向いているような気がします。
過剰な感情表現をしない彼の理知的なところが、かえってコラール前奏曲の持つ叙情感や”祈り”の心を浮かび上がらせているようにも感じます。
ということで、早速CDを購入することにしました。この録音に出会ったのもさと子様のおかげです。どうもありがとうございました。

探してみると、YoutubeにブレンデルのBWV 659のライブ映像がありました。
この曲は昔からレパートリーにしていたのでしょうね。
静謐で透明感があって、心洗われるようなバッハがとても素敵です。
http://www.youtube.com/watch?v=beQWpbN_YVk
バッハ集、私もすばらしいと思います
Yoshimi様、こんばんは。
前回は、少し大げさな話しかたになってしまって失礼いたしました。
私は物忘れがひどいので、ブロガーさんとのやりとりはよく保存しています。コメントは私宛にいただいたお手紙と思って大切にしていますが、それほど頻繁にお読みできていませんので、どうかお気軽にお話くださいませ。
クラシックのお話で、しかも私にわかる曲や演奏家となると、ついうっかり喜びすぎてしまいます。自分が聴いたCDを他のひとはどのように感じているのだろうかと常々思うものですから、ちょっと興味が先走りすぎてしまいました。ハイドン風のお話にもこだわりすぎてしまってすみません。でも、こういったご感想を聞けるのはとても楽しいです。

グールドについては、ブレンデルが対話録で「私にとってはグールドはなってはいけない演奏家の典型」と言い、かなり手厳しく批判しているのですが、グールドの弾くベルクのピアノソナタだけは「彼はめずらしく作品に忠実な弾き方をしているだけではなく、私が知る限りこの作品の最高の演奏のひとつになっています。」と述べていました。Yoshimi様は同じ見解ですね。驚きました!

ブレンデルのバッハ集、私もとてもすばらしいと思っています。
Yoshimi様がおっしゃる通り、イタリア協奏曲には私でもハッとさせられました。そうなんです、ちょっと聴いたことがないような気品に満ちた演奏ですよね。

>過剰な感情表現をしない彼の理知的なところが、かえってコラール前奏曲の持つ叙情感や”祈り”の心を浮かび上がらせているようにも感じます。

私はまだまだブレンデルの良さを把握できていませんし、自分の言葉で表現することもできないので、こうしてYoshimi様のご感想を聞けるのがとてもうれしいですね。その通りだと思います。ブレンデルの演奏は抑制的あるいは内省的に聴こえて、そういうところに一番惹かれます。バッハには特にそういった面がよく表れているのかもしれません。
ただこの曲集に収められているバッハはかなり難解に思えました。「半音階的幻想曲とフーガ」などは聴きなじむまでずいぶん時間がかかりました。けれども何度も聴いているうちに徐々に感動できるようになりました。やはり初心者は根気よく回数を重ねないといけませんね。

BWV 659のライブ映像、ご紹介ありがとうございます。
この動画は私も特に大好きです。
>静謐で透明感があって、心洗われるようなバッハ
本当にそうですね。すべて満たされて至福の境地に導かれるようです。

バッハ集をお聴きになられてのご感想、また楽しみにしています。
ブレンデルのグールド批評、面白そうです
さと子さま、こんばんは。

ブレンデルのグールドに対するコメント、面白いですね。
確かにブレンデルのピアニズムから言えば、グールドがいかに天才的とは言っても許容できないのでしょう。
"なってはいけない演奏家"と言うより以前に、そもそも普通のピアニストがどうあがいたところで"なりたくても決してなりえない演奏家"ですよね。
グールドは"不世出の天才"ですから、それを表面上真似たところで単なる亜流になるだけです。ブレンデルは、それを警告したのかもしれませんね。
どういう点を批判しているのか原典を読まないとわからないのですが、出典は対話録「さすらい人」ですね。
とても面白そうな本なので、近々読んでみようと思います。ご紹介どうもありがとうございました。

私が初めて聴いたベルクのピアノ・ソナタの録音がグールドでした。
現代音楽を聴き始めた頃のことでしたが、演奏の冒頭を聴いただけで、凄く良いに違いないと思えたくらいです。
この曲は異聴盤をかなりたくさん聴いてますが、私にとってはグールドが今でもベストです。
ブレンデルもグールドのベルクは評価しているのですね~。
グールドといえば、バッハ(とベートーヴェン、ブラームス)くらいしか聴かない人が多いので、ちょっと嬉しくなりました。
グールドの現代音楽の演奏がまっとうである理由は、現代音楽では演奏上の規範・伝統というものが確立されていないため(確立しうるのかも疑問ですが)、バッハのように"反・伝統"的な解釈をすることができず、逆に楽譜をしっかり読み込んだ結果、"作品に忠実な弾き方"になっているのでは...と個人的には思ってます。

バッハの作品のなかでは、このブレンデルの録音している「半音階的幻想曲とフーガ」や「前奏曲」など抽象性の高い曲はそれほど好きではないですし、平均律曲集もいろいろ聴きましたが、自分にとってすんなり入っていけるのは、「パルティータ」と「イギリス組曲」です。特にパルティータの第1・2・6番の3曲が好きですね。
私の場合は、たとえ名曲とは言っても、一度聴いて直観的にすぐにぴたっとくるものがない場合は、曲自体が好みに合わないか、演奏者の演奏内容が合わないか、それとも、まだ聴くべき時ではないのか、のいずれかです。
ピアニストを変えて聴いてみても、どうにも合わない曲というものはあるので、そういう曲はそれ以上聴かないことにしています。
他に聴きたい曲や録音が多いことも理由の一つではありますが、昔からそういう聴き方のスタイルなので、人それぞれというところですね。
追伸:半音階的幻想曲とフーガ
さと子さま、おはようございます。

《半音階的幻想曲とフーガ》はいくつかCDを持ってますが、私の好きなバッハ弾きのコロリオフの録音で聴きなおしてみると、フーガはわりと聴きやすいですね。
前奏曲や幻想曲といった形式よりも、フーガが好きなせいもありますが。

私がこの曲が苦手なのは、短調の幻想曲ということと、オルガン曲をピアノで弾いているような曲に聴こえるからです。
特に前半の幻想曲は、曲想や音の配列がオルガン曲のように思えて、ピアノの音が自動的に頭の中でオルガンに変わってしまいそうです。
それでも、以前と違って抵抗感無く聴けるようにはなってました。

オルガン曲がすべて苦手というわけではなく、バッハのオルガン曲を編曲した《前奏曲とフーガ》という曲がいくつかありますが、こちらは好きな曲が多いです。
曲想が明るく清々しいブゾーニ編曲のニ長調BWV 532が一番好きですが、リスト編曲の叙情性の強いイ短調BWV543もとても美しい曲です。
それに、ブゾーニ編曲の《トッカータ、 アダージョとフーガ ハ長調》BWV 564も名曲ですね。
対話録は大変おすすめです
Yoshimi様、こんばんは。

何度もごていねいなお返事、本当にありがとうございます。
『対話録「さすらい人」ブレンデル』は私にはかなり難解ですが、それでもとてもおもしろいので拾い読みしています。
Yoshimi様でしたら、存分にお楽しみいただけると思いますので、ほんの少しお役に立てたようでうれしいですね。

《半音階的幻想曲とフーガ》、Yoshimi様はオルガン曲に聴こえるのですね。
私は昔、チェンバロで聴いては何度も挫折していました。チェンバロの音色がきつすぎて途中でいやになるのです。ブレンデルのピアノでようやく聴けるようになりました。

バッハのオルガン曲の編曲はどれも知りませんでした。
ご紹介いただいた三曲、YouTubeで聴いてみましたらどれもとてもよかったです! 
特に《トッカータ、 アダージョとフーガ ハ長調》BWV564が気に入りました。ありがとうございます。
トッカータ、 アダージョとフーガ
さと子様、おはようございます。

ブレンデルが書いた評論集は2冊読みましたがいずれも面白かったので、対話録も読むのを楽しみにしてます。

チェンバロの音は、聴き慣れないと耳に痛いですね。どのチェンバリストの演奏で聴かれたのでしょう?
数十年前に流行ったモダンチェンバロは、金属音がきつくて、私は好きではありません。
今は、時代楽器の復元・コピーモデルを使うことが普通なので、音がかなりまろやかになってます。
私も昔はチェンバロが好きではなかったのですが、たぶんモダンチェンバロの演奏を聴いたためでしょう。
ピノックのチェンバロでパルティータを聴いて以来、チェンバロの音の美しさが良くわかりました。
時代楽器のまろやかな音に慣れてしまえば、とても魅力的な響きに聴こえますし、ピアノ演奏よりもチェンバロ演奏の方が好きな曲もあります。
チェンバロとピアノでは奏法がかなり違いますから、チェンバロ演奏を聴くことで、ピアノのバッハ演奏を聴く時に気がつくこともいろいろあります。

《トッカータ、 アダージョとフーガ ハ長調》BWV564、素敵な曲ですよね。
特に、アダージョが美しいですが、好きなのは躍動感のあるフーガです。こういう明るい曲想が好きなので。
CDはいろいろ出てますが、私がよく聴くのはキーシンとレーゼルです。
特に、キーシンの録音は人気がありますね。Youtubeにもライブ映像があります。
どちらかというと、レーゼルの方がキーシンよりも低音域に重みと安定感があり、古典的な趣きが強いと思います。
何度もありがとうございました
Yoshimi様、こんばんは。

ブレンデルの「楽想のひととき」「音楽のなかの言葉」はすでにお読みでしたね。この二冊は私には学術論文のようでまったく歯が立ちませんでした。
申し上げるのがおそくなってしまいましたが、Yoshimi様が過去記事でデイヴィッド・デュバル「ピアニストとのひととき(上)」を取り上げておられたので、おかげさまでこの本も購入することができました。ありがとうございます。
ブレンデルのインタビューが載っている本として私が知っているのはあと一冊、マイヤー=ヨステン編著「ピアノを語る」です。バレンボイム、ポリーニ、アラウ、リヒテル、ブレンデルとの対話が収められています。Yoshimi様はきっともうお読みでいらっしゃるでしょうね。

モダンチェンバロのお話をうかがって、もしかしたらそうかもしれないと思いました。三十年以上前にFMラジオからカセットに録音したものだったからです。「モダンチェンバロ」ということばにも聞き覚えがありました。
いま、ピノックのチェンバロ名曲集(調子の良い鍛冶屋などの有名曲)を一枚持っていますが、これはとても好きでよく聴いています。
なるほど! 楽器のちがいも大きいのだと初めてわかりました。
チェンバロについてもいろいろ教えていただき、ありがとうございます。

《トッカータ、 アダージョとフーガ ハ長調》もレーゼルの演奏がいいのですね。
Yoshimi様からよくレーゼルの名前をお聞きするので、ちょっと調べてみましたら、図書館にベートーヴェン・ピアノソナタ全集やブラームスピアノ独奏曲全集などがあるようで、そのうち聴いてみたいと思っています。

何度もお邪魔してすみませんでした。これで最後にいたしますね。
けれども、Yoshimi様の聴きかたなどもお伺いできてたいへん助かりました。私は、クラシックは何度も回数を重ねて聴かないといけないと思い込んでいましたが、そうとも限らないとようやく気付きました。
Yoshimi様のお話も参考にして、自分の聴きかたをいろいろ試してみます。
本当にいつもアドバイスをありがとうございました。
音楽の聴き方
さと子さま、こんばんは。

たしかに、「楽想のひととき」「音楽のなかの言葉」は学術論文風ではありますね。
ブレンデルの演奏解釈が言葉で表現されているので、実際に録音を聴くと、なるほどと思うことがいろいろありました。
「ピアニストとのひととき」と「ピアノを語る」は、アラウに関する本を探していて、見つけました。「ピアニストとのひととき」は知っている米国のピアニストが多いので、上下巻ともよく読みました。
ブレンデルの章は良く覚えていないのですが、この頃はブレンデルの録音はほとんど聴いていなかったので、しっかり読んでいなかったからでしょう。
「さすらい人」はブレンデルだけを取り上げているので、今のところはこれを読めば良いかなと思っています。

ピノックのチェンバロ名曲集は、全盛期に録音したものですね。
当時のピノックの演奏は快活さが特徴だったように思います。
ピノックは私の好きなチェンバリストの一人で、録音はいろいろ持ってますが、一番好きなのが再録音したパルティータ全集です。
チェンバロの音がまろやかで深みがあって、演奏もクセが少なくて自然な趣きがあります。
http://www.amazon.co.uk/Bach-J-S-Partitas-Bwv-825-830/dp/B003CNZFYI/ref=sr_shvl_album_1?ie=UTF8&qid=1313846862&sr=301-1

レーゼルの演奏が良いというのは、構造的にしっかりしたバッハ(ブゾーニ)演奏好きだという個人的な好みによるものです。一般的にはキーシンの演奏の方が人気があるでしょう。
ベートーヴェンのピアノソナタ全集は、現在進行中のライブ録音ですね。
これは本当に素晴らしいものです。私の知っているブロガーや作曲家の方の評価もとても高い演奏です。
ブラームスは若い頃の録音ですが、とても有名な録音で、このブラームス曲集でレーゼルは日本で知られるようになりました。
透明感を感じさせるクセのない演奏で、ブラームス独特の陰翳や渋みは薄いですが、カッチェンに次いで好きな録音です。
いずれも評価の高い録音ですから、お時間があるときにぜひお聴きになってみてください。

私はどちらかというと飽きっぽい方ですし、曲や演奏が自分に合うかどうかは試聴時に直観的に判断しますから、判断がつかない曲や演奏を何度も聴くことはあまりしないですね。それにいろいろな曲やピアニストで数多く聴けば聴くほど、直観が当たるようになります。
でも、何度も聴いていけない..ということでは全然ありませんよ。人それぞれです。
自分なりの「音楽の聴き方」を見つけるのは時間がそれなりにかかりますが、そのプロセスでいろんな経験が蓄積されていくので、どんな経験でも無駄になることは全くありません。
そのプロセスのなかで、たとえ人とは違っていても好きだと思う曲と演奏家という「自分の引き出し」(村上春樹が『意味がなければスイングはない』で書いていた言葉です)を持つことができるようになりますしね。

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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