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レーゼル ~ ブラームス/インテルメッツォ (Op.118-2)
ブラームスのピアノ作品全集は、昔はカッチェンの録音くらいしかなかったけれど、今ではレーゼル、オピッツを筆頭に、クリーン、ビレット、ジョーンズなど数種類が入手できるようになっている。
後期ピアノ小品の抜粋録音となると、ルプー、グールド、グリモー、ケンプ、ペライアなど、録音しているピアニストはかなり多い。

ブラームスとなると、感情移入過多というか情緒過剰で感傷的に弾く人がわりと多くて、聴いていて疲れるものがあるので、ブラームスを聴くときは、一番先にカッチェン、次がレーゼル。ときどきケンプ。

カッチェンはやや速めのテンポとルバートを多用した陰翳のある表現で、音の間から心の中の感情がこぼれ落ちてくるかのよう。情緒的ではない爽やかな叙情感と親密感を感じさせるブラームス。
レーゼルのブラームスは、安定した技巧とテンポで、透明感のある音色とさらりとした叙情表現で、そっと心に染み込んでくるようなさりげなさ。
カッチェンとレーゼルのブラームスは方向性がずいぶん違っているけれど、どちらもべたつきのない叙情感がとても自然な趣き。

ブラームスが晩年に残した後期ピアノ小品で最も親しまれているのが、作品118の第2曲インテルメッツォ。
ブラームスらしい子守歌風の優しく語り掛けるような主題が美しく、対照的に中間部では、抑制していたものが溢れ出てくるような強い感情を感じさせる。
再現部は、嵐が過ぎ去った後の凪のような穏やかさのなかで静かに終えていく。

Brahms - Peter Rösel - Klavierstücke op. 118- No. 2 'Intermezzo' in A major



レーゼルの数ある録音のなかで最も知られているのが、30歳になる前に完成させたこのピアノ作品集。
主要なブラームスのピアノ独奏曲をCD5枚に渡って録音したもの。この録音で初めてレーゼルを知ったという人も多いはず。

Piano WorksPiano Works
(2008/07/08)
Peter Rosel

試聴する(allmusic.com)


ブラームスのピアノ作品のなかでも、収録されにくい曲がいくつか。
《ハンガリー舞曲集》のピアノ独奏版や、弦楽六重奏曲第1番第2楽章(映画”恋人たち”に使われた有名な旋律)のピアノ独奏版《主題と変奏》などは、録音が少ない。
《5曲の練習曲》など作品番号が付いていない作品もあり、そういう作品までほぼ網羅しているのは、おそらくジョーンズとビレットの録音。(厳密に照合したわけではないので、収録していない曲も少しはあるかもしれない)
そこまで網羅的に聴く必要もない気がするので、ブラームスのピアノ曲を初期から後期まで、一通り聴きたい人なら、カッチェン、レーゼル(または、私はまず聴かないけれど、好みによってオピッツ)のどれかを選べば良さそう。

tag : ブラームス レーゼル

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レーゼルのブラームス
コメントありがとうございます。
レーゼルのブラームス全集は、若い頃に録音したせいか、ブラームス晩年の独特の陰翳とか寂寥感は稀薄で、若々しさや清々しさを感じさせる演奏が多いですね。
このインテルメッツォはかなり感情移入して弾く人が多いですが、レーゼルは淡々とした控えめな表現で、静かに立ち上ってくるような淡い透き通った叙情感があるところがレーゼルらしいですね。
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コメントありがとうございます。
レーゼルのブラームス全集、とうとう入手されたのですね!お気に入られて何よりです。

今、Op.118-2を聴いてますが、やっぱりレーゼルの演奏は素晴らしいです。
明るい色調で暖かくポジティブな雰囲気と、感傷的ではない透明感のある叙情が美しくて、うっとりしてしまいます。
緩徐系の曲なら、Op.118-5'Romance'も素敵ですね。

レーゼルは3月末にピアノ教育連盟の招待で来日していました。東京のリサイタルでブラームスのピアノ・ソナタ第1番とOp.117-1(とシューベルト)を弾いてました。
秋には東京・紀尾井ホールで10月と11月に演奏会が予定されてます。
今年はロマン派作品のプログラムなので、ブラームスのピアノ・ソナタ第1番とピアノ協奏曲第2番などがプログラムに入っているようです。
そのうち、一度は実演で聴いてみたいものです。
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お返事です
コメントありがとうございます。
レーゼルのブラームス全集のなかでも、このOp.118-2はとりわけ素敵な演奏ですね!
Op.117-1など他にも良いものがいろいろありましたから、冬休みに久しぶりに全集を聴いてみようかと思います。

終生心に残り続けるようなピアニストと演奏に出逢えた時は、偶然というよりも、出逢うべくして出逢ったというような気がします。
”運命の赤い糸”の如く、見えない糸で引寄せられたのかもしれませんね。

ソコロフは本当に素晴らしいピアニストです。現役で世界最高という評価もありますし、私が聴いたことのあるピアニストのなかでは、それはその通りではないかと思えてきます。
飛行機嫌いらしく、来日公演する可能性はほぼゼロですから、録音だけでも聴けるというのは大変嬉しいです。
彼のバッハで有名なのは「フーガの技法」です。(私は、この曲自体まだちゃんと聴けてはいないので、なんとも言えませんが...)
新譜に収録されているゴルトベルク、イギリス組曲、パルティータもとてもお勧めです。
Youtubeにも音源があったはずですので、ぜひお聴きになってみてくださいね。

また来年も素晴らしい音楽と出逢えますように!
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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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