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ミケランジェリ ~ バッハ=ブゾーニ編/シャコンヌ
ミケランジェリの弾く「シャコンヌ」はこのEMIの録音の「シャコンヌ」が定番。
パガニーニバリエーションと同じく、リサイタルでも度々演奏していた彼の得意とする曲。

Schumann: Carnaval; Brahms: Schumann: Carnaval; Brahms: "Paganini" Variations; Bach-Busoni: Chaconne
(2004/01/23)
Johann Sebastian Bach、Johannes Brahms,etc.

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EMI盤は1948年の録音となにせ古いので、音は高めに聴こえて鮮明さはあるにはあっても、音色が単調で響きが痩せているのが難点。
この「シャコンヌ」の演奏では、後年ほど音色や響き、ルバートやアーティキュレーションにこだわっている感じはしない。(音質が悪くて聴き取れないだけかもしれない)
ミケランジェリの弾く「シャコンヌ」は、荘重でストイックで厳粛な雰囲気はあっても、後年の「氷の巨匠」時代のような研ぎ澄まされた冷徹さや完璧さは感じさせない。
むしろ、ミケランジェリの音楽に対する感情を織り込みながら弾いている感じさえする。

かなりの速いテンポで演奏しているため(EMI盤は約14分、ワルシャワライブは約17分、キーシンは約15分)、凝縮された集中力と追い詰めていくような緊迫感。
演奏時間はかなり短いけれど、その中でテンポの変化と強弱のコントラストをシャープにつけ、緊張と弛緩を効果的に対比させて、とてもドラマティック。
途中でテンポを落として穏やかな旋律に変わると、それまでの張り詰めた雰囲気からほっと一息つけるように、コントラストが鮮やか。
キーシンのスタジオ録音やワルシャワライブに比べて陰影が濃く、沈潜していくところがある。
最後から25小節目あたりで終盤へ向かっていくところは、一気呵成の激しさ。
激しい同音連打はまるで鐘の音を打ち鳴しているかのようで、テンポを上げながらピアノからフォルテへとクレッシェンドしてゆく。
多層的で荘重な響きのまま、速いテンポのまま終盤へ向かい、最後に再び主題の旋律をゆっくりと力強く弾いて終える。この終盤部の演奏は圧巻。

ミケランジェリの「シャコンヌ」には、いろんなライブ盤が出回っている。
私が持っているのはAltaraレーベルからリリースされているワルシャワライブの録音。
ミケランジェリが病気休養から復帰した直後、ショパンコンクールに審査員として参加している最中に行ったリサイタルを録音したもの。
録音元(ワルシャワ放送かどこか)の蔵出しテープを使って、リマスタリングしているので、音質は1955年のライブ録音にしてはかなり良い。
EMI盤の録音と比べると、高音部は減衰気味で音がこもっているような感じで若干低めに聞こえる。でも、音自体はこちらの方が自然な感じ。

EMI盤に比べて、このライブ演奏ではタッチ・音色・響きのバリエーションが豊かになり、表現の繊細さも増している。
ストイックさや息を詰めるような緊迫感は希薄になり、終盤へ向かうところでも、EMI盤のような追い詰めていく迫力や凄みはやや薄め。
代わりに全編に明るさと穏やかさが差し込んで、ときに歯切れの良いタッチで弾くところは軽やかさも。
隣の鍵盤を引っかけてしまうミスタッチが時々あって、この頃はそれほど完璧主義者ではなかったのかも。
自由に息ができるような感じがする演奏だった。

ワルシャワライブは音質も比較的良いけれど、EMI盤の劇的で緊迫感のある演奏は何度聴いても凄い。
70年代以降の音質の良いライブ録音を聴けば、ソノリティの多彩さや年代によって弾き方がどう変わっているかが比較できて、面白いかも。

Arturo Benedetti Michelangeli: Live in Warsaw 1955Arturo Benedetti Michelangeli: Live in Warsaw 1955
(2006/10/24)
Johannes Brahms,Schumann,etc.

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ワルシャワライブを曲目を追加して2CDで1セットにした盤が、Idisというレーベルから出ているけれど、これは音質が悪いらしい。

                                   

ミケランジェリの演奏スタイルの変遷については、青柳いづみこさんの「ピアニストが見たピアニスト」で、いろいろ解説している。
「氷の巨匠」というイメージはグラモフォン時代に定着したもので、それ以前のミケランジェリや、晩年にリサイタル中に心臓発作で倒れてカムバックしたミケランジェリとは、違うミケランジェリだということがよくわかる。
ミケランジェリの評論としては、小論ではあるがコンパクトに良くまとまっている本です。


tag : バッハ ブゾーニ ミケランジェリ

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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
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