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プーランク=シュトイアーマン編曲/トッカータ(3台のピアノのための)
ジェイコブスのシェーンベルク録音に関するレビューを探していたら、たまたま見つけたのがエドゥアルト・シュトイアーマンのシェーンベルク作品集。
シュトイアーマンはシェーンベルクに師事した作曲家で、優れたピアニストでもあったので、シェーンベルクや自身のオリジナル曲の録音を残している。
シュトイアーマンが書いた作品で有名なのは、シェーンベルクの《清められた夜》のピアノ三重奏曲編曲版。
管弦楽曲版とはテクスチュアがかなり変わるので、これはこれで別の曲のように聴こえてくるのが面白い。

ピアノ作品の録音は少なく、今のところまとまった録音は、Tacet盤のシェーンベルク&シュトイアーマン作品集のみ。

Schoenberg: Complete Works for
Schoenberg: Complete Works for
(2010/02/15)
Eduard Steuermann

試聴する(CD1のシェーンベルク作品のみ)


このCDに収録されているのは、シェーンベルク作品のシュトイアーマン自身によるピアノ演奏と、シュトイアーマン作曲の《組曲》。
さらに、プーランク、シューベルト、シュトラウスの曲を2台/3台のピアノ用に編曲したもの。

プーランクのピアノ作品《Trois pieces》(3つの小品)の第3曲"Toccata"(トッカータ)は、ホロヴィッツが良く弾いていたおかげで、プーランクのピアノ曲のなかでは有名なものの一つ。
冒頭はどこかで聴いたことがあるなあと記憶をたどると、ストラヴィンスキーのバレエ音楽《ペトルーシュカ》の第1楽章の主題旋律によく似ている。

シュトイアーマンが3台のピアノ用に編曲した"Toccata"は、原曲を聴き慣れていると、ちょっと調子が狂ってしまう。
ピアノソロはかなり高速のテンポで勢いが良いのに、さすがに3台のピアノで弾くとなると、テンポがゆっくり。
ソロ並のスピードで弾いたら、アンサンブルが乱れがちになるに違いない。
テンポが遅いので、声部ごとの旋律がわりとしっかり聴こえるし、ピアノが3台も鳴っていれば、色彩感も豊かで、立体感と響きの厚みが増している。
その分、トッカータ特有のシャープさとスピード感がなくて、ときにもたっとして失速しそう。
原曲のようなスピーディな疾走感を楽しむ編曲ではなくて、室内合奏のようなポリフォニックな構成と響きを聴くべき曲なんでしょう。


Poulenc/Steuermann: Toccata (A polyphonising arrangement for three pianos)




ピアノ独奏の"Toccata"。ピアニストはユーリ・ブーコフ。
やっぱりトッカータは、これくらいスピーディでカミソリのように切れの良い演奏で聴くのが楽しい。

Poulenc Toccata - Yuri Boukoff piano


ブーコフは、1923年ブルガリアのソフィア生まれ。2006年没。
イーヴ・ナット、エドウィン・フィッシャー、マルグリット・ロンなどに師事。第1回エリザベート・コンクール(1952年)で8位入賞するなど、国際コンクールの優勝・入賞歴がいくつかある。日本では知名度が低いが、フランスを拠点にLP時代の録音が多数あり。



[追記 8/25]
ホロヴィッツが1932年録音したプーランクのトッカータ。

Horowitz plays Poulenc Toccata (1932 rec.)



tag : プーランク シュトイアーマン

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(非公開コメント受付中)

トッカータ
Yoshimiさん、こんにちは。

今日は、あまりにも頭の中の音響効果が激しくて、連休明け早々にお休みととってしまいました。
残念。

シェーンベルク作品を試聴しました。
第1印象、なんとも不可解な気分というか自分の中の不安感が出てくるような曲ばかりでした。
それと、トッカータの方ですが、そもそもトッカータって学生の頃、音楽で習ったような気がしますが、なんだったかなーっと思い、思わずWikiで調べてしまいました。沢山説明が書いてありましたが、要は即興音楽でしかもテンポの早い曲というふうに僕なりに理解しました。

最初にピアノ3重奏の方を聞きました。さすがにピアノ3台の演奏ともなると、音の重なりがとても綺麗で、ステレオ感と言いますか、音の広がりを充分に楽しめる演奏でした。
次にピアノ独奏の方は、とにかくテンポが早いというのが第1印象です。最後の終方は、思い切り走り終えて、これで終わりーっという勢いのある締め方で面白かったです。
他にも参考にYoutubeで

「ドビュッシー/ピアノのために 3.トッカータ/演奏:川井綾子」http://www.youtube.com/watch?v=uBx8kxSAeQ8
「Claude Debussy, Toccata, Pour le piano, Edgar Degas 」
http://www.youtube.com/watch?v=46srsrdO9MI

も聞いてみました。
皆どれもテンポがすごく早いですね。
トッカータのテンポ
アメーバの友さん、こんにちは。

体調がとても悪い時というのはあるものですから、お休みするのは仕方がないことです。
明日に備えて、今日はしっかり休養するに限りますね。

シェーンベルクのピアノ小品は、はっきり言って、とっつきの悪い作品です。
12音技法を使っているものもあるので、無調の作風に慣れていないと、つかみどころがなく感じる人が多いと思います。
初めて聴いたのが殺伐としたポリーニの演奏。これには馴染めず、叙情的なピーター・ヒル、アスポースの録音でようやく普通に聴けるようになりました。
シュトイアーマンの演奏は、最もシェーンベルクの作曲意図を反映しているベスト録音ではないかと、個人的には思います。
ジェイコブスの録音は、もっと感情表現というか、起伏の激しいものですから、聴きやすいかもしれません。

トッカータという曲は、トロトロ弾くものではありません。
プーランクであろうがドビュッシーであろうが、音の配列自体が速く弾かれることを要求していますから、あまり遅く弾くと、もたもたした感じがします。
トッカータで有名なのは、シューマンやプロコフィエフの曲ですね。
シューマンのトッカータは、弾き方によってちょっと印象が変わります。
少しテンポが遅めではありますが、スタッカートの打鍵とリズム、フレージングが面白いのがポゴレリッチ。これは素晴らしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=X9PywE6qH84

これを切れのあるメカニックでバリバリと押していくと、ルガンスキーみたいな演奏になります。
http://www.youtube.com/watch?v=M6PHSx1xr1c

ピアノ三台で合奏するのはとても難しいですよ。
Youtubeの音源を聴いていても、縦の線がピシっと揃いにくいのと、音が細かくこみいってくると、ゴチャゴチャモコモコした感じがします。
逆に、もともとテンポが遅くなる部分では、重くてモタモタしてます。
やはり曲が本来弾かれるべきテンポというのはあって、それを変えるとスムースに旋律が流れないところはありますね。
でも、ポリフォニックな曲に変身しているのは面白いところです。
ちゃぶ台返し
こんばんは。
プーランクのトッカータ、聴いたことがないのです。
村上春樹が著書のなかで(「意味がなければスイングはない」だったかな)、ホロヴィッツが弾くトッカータを、世界中のちゃぶ台を片っ端からひっくり返すような、というようにたとえていたのを覚えていて、いつか聴きたいと思っています。
シューマンのはわりとよくききます。これもホロヴィッツなのですが…。
ポゴレリッチのもいいですね。
ホロヴィッツのトッカータ
吉田様、おはようございます。

『意味がなければスイングはない』にプーランクの章があるのは覚えてましたが、「トッカータ」やホロヴィッツに関する文章は全然記憶になかったです。
ロジェのプーランクのことは、CDを持っているせいか、覚えていたんですけど。

本を見てみましたが、村上春樹が聴いたのは、ホロヴィッツの1932年の録音ですね。
Youtubeに音源がありますが、彼は「局所的な竜巻のごときデモーニッシュな、理不尽なピアニズムの旋回」と形容しています。
それに、ホロヴィッツの弾くプーランクには、「世界中のお膳をひっくり返して回る「すさまじさ」」があるのだそうです。
1932年の古い録音なので音がちょっと篭もってますが、「局所的な竜巻のごとき」と言われれば、確かにそういうところはありますね。
1966年のライブ録音もYoutubeにありますが、32年録音の方が音楽的だと思いますし、ブーコフの演奏よりもメリハリがあって、ずっと良いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=5GwWUc6nzmg&playnext=1&list=PLB3650006A19F6760

シューマンのトッカータのホロヴィッツの録音もYoutubeにありました。
この曲のヴィルトオーゾのピアニストなら、シフラの演奏がどこかしらユーモアを感じるので面白いのですが、ホロヴィッツの演奏だとちょっと優雅な品の良さというかロマンティックな感じがします。やっぱりホロヴィッツは上手いですね。
ポゴレリッチは、クリアなスタッカートで弾き続けているところがテクニカルに凄いと思うことと、リズムとフレージングが明確で、全体的に明晰なところが気に入ってます。
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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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